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松浦 博孝*; 谷岡 香奈絵*; 嘉数 功太郎*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
これまで、キレート形成基とスルホン酸基を有するさまざまな二官能性キレート繊維を開発し、金属イオンの吸脱着特性を調べた結果、高速度での金属イオンの吸着が可能であることから、これらの二官能性繊維は短時間で金属イオンを濃縮する手法として有用であると考え、本研究では、この二官能性繊維の微量金属分析への応用を目的とした前段濃縮について検討した。イミノ二酢酸基とスルホン酸基を有する二官能性キレート繊維(FCSIS)をカラムに充填し、空間速度(SV)10005000hでFe(III)の吸脱着挙動を調べた。また、Ca(II)やMg(II)の共存下での吸着挙動も併せて評価した。1ppmのFe(III)溶液をSV 1000, 2000, 5000hで通液したところ、いずれの場合もFe(III)は迅速に吸着され、漏出量の誤差は5%以内であった。次に、1ppmのCa(II)あるいはMg(II)を含む0.1ppmのFe(III)溶液を通液した結果、いずれの場合でも、Fe(III)の吸着に及ぼす共存イオンの影響はなく、Fe(III)を高速度で高選択的に吸着することが明らかになった。吸着されたFe(III)は6M塩酸によりほぼ定量的に溶離を行うことができ、最大で約500倍のFe(III)の濃縮が可能であった。以上のことから、FCSISは金属イオンの前段濃縮への応用に有効であることが示唆された。