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佐久間 一幸; 北村 哲浩; Malins, A.; 操上 広志; 町田 昌彦; 森 康二*; 多田 和広*; 小林 嵩丸*; 田原 康博*; 登坂 博行*
Journal of Environmental Radioactivity, 169-170, p.137 - 150, 2017/04
被引用回数:25 パーセンタイル:64.39(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所周りの流域について水の流れと土砂の輸送による放射性セシウムの再分布を理解するために流域モデリングを実施した。懸濁態と溶存態形態の放射性セシウム移行を計算するために、既往の3次元水理地質モデルを用いた水・土砂モデルを拡張した。2011年9月の台風Rokeと2013年9つの出水時を含む2013年をシミュレーションした。2013年の勢力の強い台風Man-yiと台風Wiphaは放射性セシウムの再分布引き起こした。2013年の9つの出水時に関してCs流出量を計算した結果、観測値をよく再現した。堆積は主に氾濫原や流域下流部の河道が広がるところやダム湖で起こった。5つの流域間でのCs流出比の違いは流域内での初期フォールアウトの空間分布やダム湖の存在の有無、土地利用の違いによる河川への供給量の違いによって説明された。これらのシミュレーション結果は環境回復を支援するにあたり、将来の放射性物質の再分布を評価することが可能である。
北村 哲浩; 操上 広志; 佐久間 一幸; Malins, A.; 奥村 雅彦; 町田 昌彦; 森 康二*; 多田 和広*; 田原 康博*; 小林 嵩丸*; et al.
Earth Surface Processes and Landforms, 41(12), p.1708 - 1726, 2016/09
被引用回数:16 パーセンタイル:52.9(Geography, Physical)福島第一原子力発電所の事故に起因して福島の地表に降下した放射性物質の将来分布予測に関連し、まず土砂の移行を物理型集水域解析モデルGETFLOWSを用いて詳細解析した。対象領域は汚染度合いを考慮し浜通り側の5流域、小高川, 請戸川, 前田川, 熊川, 富岡川とした。これらの流域の水・土砂輸送プロセスを、地表水流動、地下水流動、地表水・地下水相互作用、浸食(堆積)によって生じる浮遊砂移動現象として解析した。特に河川に流入した砂量、河川底に堆積した砂量、海へ流出した砂量などを試算した。
今井 誠*; 左高 正雄; 北澤 真一; 小牧 研一郎*; 川面 澄*; 柴田 裕実*; 俵 博之*; 東 俊行*; 金井 保之*; 山崎 泰規*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 193(1-4), p.674 - 679, 2002/06
被引用回数:5 パーセンタイル:34.58(Instruments & Instrumentation)タンデム加速器で得られた高速イオウイオンを炭素薄膜に衝突させ、薄膜通過後に放出される電子のエネルギを測定した。Sイオンは核外に数個の電子しか持たない12+と13+イオンを入射し、標的の薄膜は1~10g/cmの各種の厚さのものを用いた。2s-2p遷移に基づくコスタークロニッヒ電子に着目すると、電子の放出量は薄膜の厚さにより系統的に変化した。これは入射イオンが固体中で電子を放出するが、その電子はイオンと同速度でイオンとともに運動していながら多重散乱して角運動量を変化していることを表している。
左高 正雄; 今井 誠*; 川面 澄*; 小牧 研一郎*; 俵 博之*; Vasilyev, A.*; Safronova, U. I.*
Physical Review A, 65(5), p.052704_1 - 052704_11, 2002/05
被引用回数:13 パーセンタイル:52.44(Optics)タンデム加速器から得られたSイオンをHeガス及び炭素薄膜を通過させることにより励起し、放出される電子のスペクトルを測定した。その結果をZ展開法とハートリーフォック法による計算結果と比較した。スペクトルは2s-2p遷移に基づくリドベルグ状態からのコスタークロニッヒ電子から成ることがわかった。この実験と理論の比較において固体通過後のイオンの電荷分布によるS,S,Sイオンからの電子放出強度を考慮する必要がある。この比較を利用して固体通過中のイオンの電荷分布の推定が可能であることがわかった。
白井 稔三; 多幡 達夫*; 俵 博之*; 市川 行和*
Atomic Data and Nuclear Data Tables, 80(2), p.147 - 204, 2002/03
被引用回数:74 パーセンタイル:93.82(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)利用できる文献データに基づき、電子と炭化水素分子との衝突による138種類の反応過程に対する断面積を評価した。文献データは2000年9月までのものを調査した。測定に対する簡単なコメントを与え、各素過程の推奨データセットを図示すると共にそれらに解析関数による当てはめも行った。
左高 正雄; 今井 誠*; 川面 澄*; 小牧 研一郎*; 俵 博之*; Vasilyev, A.*; Safronova, U. I.*
Journal of Physics B; Atomic, Molecular and Optical Physics, 35(2), p.267 - 281, 2002/01
被引用回数:3 パーセンタイル:19.73(Optics)タンデム加速器から得られるSiイオンを炭素薄膜で励起し多価Siイオンの高励起状態を作った。そこから放出される電子スペクトルを解析した。またZ-展開法(MZコード)とハートリーフォック法(Cowan-コード)の2つの理論計算を行った。実験と理論を比較することにより、2s-2p遷移の関与する多くのエネルギ準位と遷移確率,電子放出率を決定するとともに多価Siイオンの配置間相互作用を決定した。
白井 稔三; 多幡 達夫*; 俵 博之*
Atomic Data and Nuclear Data Tables, 79(1), p.143 - 184, 2001/09
被引用回数:55 パーセンタイル:91.23(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)プラズマに最も関連する不純物(CO,CO,HO)との電子衝突素課程について、1eV以上の衝突エネルギーに対する断面積を評価した。各衝突素過程の断面積測定法に関する簡単なまとめを行った。1998年12月までの文献を調査した。推奨断面積に対する解析関数の当てはめも行った。
嶋田 道也; 細金 延幸; 伊丹 潔; 高村 秀一*; 大藪 修義*; 俵 博之*; 畑山 明聖*
プラズマ・核融合学会誌, 76(1), p.41 - 63, 2000/01
ITER物理R&D期間中のダイバータ研究に関する主な成果と現状についてまとめた。ITERの標準運転モードとして、デタッチダイバータが検討され、デタッチ現象(放射損失の促進、プラズマ圧力の降下、再結合過程等)が実験的に調べられた。このような現象は、最近のモデリングの進展により、シミュレーションによっても良く再現されるようになった。しかし、ダイバータと主プラズマ閉込めの両立性については、ダイバータ形状の効果が明瞭でなく、今後の課題として残っている。粒子補給については、内側入射ペレットが開発されたことにより、解決の見通しを得た。ヘリウム灰の排気には大きな問題がないことが確認された。R&D活動の特別な作業として、SOLデータベースが構築され、SOL幅などの比例則が導出された。ダイバータ壁材料の損耗や再付着についても議論された。
北澤 真一; 左高 正雄; 俵 博之*; 今井 誠*; 柴田 裕実*; 小牧 研一郎*; 東 俊行*; 川面 澄*; 金井 保之*
Atomic Collision Research in Japan, No.25, p.65 - 67, 1999/00
われわれは原研のタンデム加速器を用いて、高エネルギー(2MeV/u程度)のO(q=3,4,5)多価イオンと、炭素薄膜及び気体原子との衝突を、多価イオンから放出される電子を観測することにより、その機構を解明する研究を行っている。45MeV O+Heによって生成したO(1s2pnl)2電子励起状態を、低エネルギー領域の2電子移行過程120keV O+He→O(1s2pnl)と比較することにより解析した。また、36MeV O+Heによって1s2pnl nl=5p,5d,6d,7d状態が生成していることを、観測した。