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鈴木 誠也; 勝部 大樹*; 矢野 雅大; 津田 泰孝; 寺澤 知潮; 小澤 孝拓*; 福谷 克之; Kim, Y.*; 朝岡 秀人; 柚原 淳司*; et al.
Small Methods, 9(3), p.2400863_1 - 2400863_9, 2025/03
被引用回数:1 パーセンタイル:30.18(Chemistry, Physical)For group 14 monoelemental two-dimensional materials, such as silicene, germanene, and stanene, oxidation is a severe problem that alters or degrades their physical properties. This study shows that the oxidized germanene on Ag(111)/Ge(111) can be reformed to germanene by simple heating around 500 C in a vacuum. The key reaction in reforming germanene is the desorption of GeO and GeO
during heating around 350
C. After removing surface oxygen, Ge further segregates to the surface, resulting in germanene. The reformed germanene has the same crystal structure, a (7
7
) R19.1
supercell with respect to Ag(111), and has equivalent high quality to that of as-grown germanene on Ag(111)/Ge(111). Even after air oxidation, germanene can be reformed by annealing in a vacuum. On the other hand, the desorption of GeO and GeO
at high temperatures was not suppressed even in the O
backfilling atmosphere. This instability of oxidized germanene/Ag(111)/Ge(111) at high temperatures contributes to the ease of germanene reformation without oxygen. In other words, the present germanene reformation, as well as the segregation of germanene on Ag(111)/Ge(111), is a highly robust process as a synthesis method of germanene.
寺澤 知潮; 松永 和也*; 林 直輝*; 伊藤 孝寛*; 田中 慎一郎*; 保田 諭; 朝岡 秀人
Vacuum and Surface Science, 66(9), p.525 - 530, 2023/09
Au(001)表面は擬一次元周期性を持つHex-Au(001)に再構成することから、この表面にグラフェンを成長させると、その周期性がグラフェンの電子構造を変化させると予測された。特に、グラフェンとAuの軌道混成により、グラフェンにバンドギャップやスピン偏極が導入されると考えられていた。本研究では、Hex-Au(001)表面上のグラフェンの角度分解光電子分光と密度汎関数理論計算の結果を報告する。グラフェンのDiracコーンとAu 6sp軌道の交点に0.2eVのバンドギャップが観測され、バンドギャップ形成の起源がグラフェンのDiracコーンとAu 6sp軌道の混成であることが示された。この軌道混成の機構について考察し、グラフェンのDiracコーンへのスピン注入を予想した。
榊原 涼太郎*; Bao, J.*; Yuhara, Keisuke*; 松田 啓太*; 寺澤 知潮; 楠 美智子*; 乗松 航*
Applied Physics Letters, 123(3), p.031603_1 - 031603_4, 2023/07
被引用回数:4 パーセンタイル:37.63(Physics, Applied)ステップバンチング現象の逆であるステップアンバンチング現象について報告する。4H-SiC(0001)表面を高温でアニールすると、隣接するステップの運動の速度が異なるためにステップバンチングが生じ、数ナノメートル以上の高さのステップが生じる。本研究ではAr/H雰囲気中での水素エッチングによって得られたステップが、その後低温でアニールされると、より低い高さのステップに「アンバンチング」されることを見出した。この「束にならない」現象は、エネルギー論と動力学との間の競合の結果としてうまく説明できる。本発見は、水素エッチングによるSiCの表面平滑化のための別のアプローチを提供し、SiCパワーデバイスや二次元材料成長技術全般への応用に重要な洞察を与える可能性がある。
寺澤 知潮; 松永 和也*; 林 直輝*; 伊藤 孝寛*; 田中 慎一郎*; 保田 諭; 朝岡 秀人
Physical Review Materials (Internet), 7(1), p.014002_1 - 014002_10, 2023/01
被引用回数:7 パーセンタイル:60.36(Materials Science, Multidisciplinary)金(001)表面は、六角形の表面と正方形のバルク格子からなる複雑な再構成構造[Hex-Au(001)]を示し、擬一次元的な波状表面を形成している。この表面上にグラフェンを成長させると、波状表面の周期性がグラフェンの電子構造を変化させ、バンドギャップや新しいディラックポイントを形成することが予測された。さらに、グラフェン-金界面はバンド混成によるバンドギャップ生成やスピン注入の可能性が期待される。ここでは、Hex-Au(001)表面上のグラフェンについて、角度分解光電子分光と密度汎関数計算を行った結果を報告する。元のグラフェンとレプリカのグラフェンのバンドの交点はバンドギャップを示さず、一次元ポテンシャルが小さすぎて電子構造を変更できないことが示唆された。グラフェン
バンドとAu
バンドの交点では0.2eVのバンドギャップが観測され、グラフェン
バンドとAu
バンドの混成を利用してバンドギャップが生成していることが示された。また、グラフェン
とAu
の混成により、グラフェンへのスピン注入が起こることが予想される。
保田 諭; 松島 永佳*; 原田 健児*; 谷井 理沙子*; 寺澤 知潮; 矢野 雅大; 朝岡 秀人; Gueriba, J. S.*; Dio, W. A.*; 福谷 克之
ACS Nano, 16(9), p.14362 - 14369, 2022/09
被引用回数:25 パーセンタイル:83.97(Chemistry, Multidisciplinary)水素同位体である重水素は、半導体産業や医薬品開発に必須な材料であることから、重水素の高効率かつ低コストでの濃縮分離技術の開発は重要である。本研究では、グラフェンとパラジウム薄膜からなるヘテロ電極触媒を開発し、固体高分子形電気化学水素ポンピング法に適用することで高い分離能をもつ重水素濃縮デバイスの開発を行った研究について報告する。その結果、印加電圧が大きくなるにつれ分離能の指標となるH/D値が小さくなる明瞭な電位依存性が観察された。観察されたH/Dの電圧依存性について理論計算により検証した結果、印加電圧が小さい場合、水素イオンと重水素イオンがグラフェン膜透過の活性化障壁を量子トンネル効果により透過することで大きなH/D分離能が発現すること、印加電圧が大きくなると活性化障壁を乗り越えて反応が進行するためH/D値が減少することが示された。以上、グラフェンの水素同位体イオンの量子トンネル効果を利用することで高いH/D分離能を有する水素同位体分離デバイス創製の設計指針を得た。
寺澤 知潮; 福谷 克之; 保田 諭; 朝岡 秀人
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 20(4), p.196 - 201, 2022/07
グラフェンは、気体に対しては完全な不透過膜であるが、水素イオンに対しては透過性を示す。水素イオンの透過には同位体効果があり、重陽子は陽子より遅くグラフェンを透過する。しかし、この同位体効果がどのようなメカニズムで生じるのか、また、その起源はまだ不明である。そこで、超低速・単色・質量選択的な水素イオンビームを用いたイオン源を開発し、グラフェンへの水素イオン透過機構を議論する戦略を提案した。イオン源に半球型モノクロメーターとウィーンフィルターを採用し、エネルギー分解能0.39eV、質量分解能1 atomic mass unitを達成した。エネルギー的に鋭いイオンビームにより、グラフェンの透過率を高精度に直接測定できることが期待される。
角 達也*; 永井 和樹*; Bao, J.*; 寺澤 知潮; 乗松 航*; 楠 美智子*; 若林 裕助*
Applied Physics Letters, 117(14), p.143102_1 - 143102_5, 2020/10
被引用回数:4 パーセンタイル:19.56(Physics, Applied)SiC(0001)表面上のエピタキシャルグラフェン試料の系統的な構造研究を、非接触手法である表面X線回折法によって行った。バッファ層のみ、1層グラフェン、多層グラフェンの試料では、バッファ層と表面Si原子間の距離は0.23nmであった。急速冷却法で作製した半自立グラフェン試料では、バッファ層は存在せず、半自立グラフェンと表面Si原子との間の距離は0.35nmであった。これは、水素インターカレートグラフェンの値よりもかなり短く、グラファイトの面間距離よりもわずかに長い。Si占有率はSiC表面から1nm以内では単一ではなく、Si原子の抜けが示唆された。Si占有率の深さプロファイルは試料依存性がほとんどなく、Si原子のランダムなホッピングに基づく単純な原子論モデルによって再現された。
乗松 航*; 松田 啓太*; 寺澤 知潮; 高田 奈央*; 増森 淳史*; 伊藤 圭太*; 小田 晃司*; 伊藤 孝寛*; 遠藤 彰*; 舟橋 良次*; et al.
Nanotechnology, 31(14), p.145711_1 - 145711_7, 2020/04
被引用回数:9 パーセンタイル:42.79(Nanoscience & Nanotechnology)炭化珪素(SiC)基板上にエピタキシャル成長した炭化ホウ素(BC)薄膜の熱分解によって、ホウ素をドープしたエピタキシャルグラフェンが成長することを示した。SiC上のB
CとB
C上のグラフェンの界面は、一定の方位関係を持ち、ダングリングボンドのない安定した構造を局所的に持っていた。B
Cの最初の炭素層はバッファー層として機能し、その上にグラフェンが積層していた。B
C上のグラフェンは、ホウ素が高濃度にドープされており、正孔濃度は2
10
- 2
10
cm
の広い範囲で制御できた。高濃度にホウ素をドープしたグラフェンはスピングラス挙動を示し、これはスピンフラストレーションシステムにおける局所的な反強磁性秩序の存在を示唆している。炭化物の熱分解は、さまざまな用途向けの新しいの機能エピタキシャルグラフェンをウェーハスケールで得るための技術であると期待できる。
保田 諭; 田村 和久; 寺澤 知潮; 矢野 雅大; 中島 秀朗*; 森本 崇宏*; 岡崎 俊也*; 上利 龍史*; 高橋 康史*; 加藤 優*; et al.
Journal of Physical Chemistry C, 124(9), p.5300 - 5307, 2020/03
被引用回数:18 パーセンタイル:58.05(Chemistry, Physical)新しい二次元材料の新たな用途とエネルギー貯蔵システム創製の観点からグラフェン-基板界面への水素貯蔵に関する研究は重要である。本研究では、電気化学水素発生反応によりグラフェンのもつプロトン透過能を利用して、グラフェン-Au金属界面に水素を貯蔵する検証を行った。グラフェン担持Au電極を酸性溶液下での水素発生反応を誘起した結果、グラフェンとAu界面に水素が捕獲されたナノバブル構造が形成されるのを走査型トンネル顕微鏡により明らかにした。また、電気化学ラマン分光の結果、電気化学反応によるグラフェンの膜緩和が界面における水素貯蔵に重要な役割を担っていることを明らかにした。
寺澤 知潮; 平良 隆信*; 小幡 誠司*; 斉木 幸一朗*; 保田 諭; 朝岡 秀人
Vacuum and Surface Science, 62(10), p.629 - 634, 2019/10
sp炭素原子で構成される単原子厚さのシートであるグラフェンは、この10年間で最も魅力的な材料である。グラフェンの特性の多くは単層の場合に顕著である。化学気相成長法(CVD)は、大面積で単層グラフェンを選択的に製造するために広く使用される。ここでは、グラフェンのCVD成長のその場観察を実現するために開発した「熱放射光学顕微鏡」を紹介する。熱放射像においてグラフェンをCu基板上の明るいコントラストとして観察する方法を示し、続いてその場観察によって明らかにされた成長機構、すなわち核形成点や律速過程を紹介する。最後に、Au基板上でのグラフェンのCVD成長において前処理手順によるグラフェンの放射率が変調を受けたという研究を紹介する。熱放射光学顕微鏡は、グラフェンの成長を観察するだけでなく、グラフェンの熱放射特性を明らかにするための方法としても期待される。
寺澤 知潮; 平良 隆信*; 保田 諭; 小幡 誠司*; 斉木 幸一朗*; 朝岡 秀人
Japanese Journal of Applied Physics, 58(SI), p.SIIB17_1 - SIIB17_6, 2019/08
被引用回数:5 パーセンタイル:22.32(Physics, Applied)CuやAuなどのC固溶度が低い基板上への化学気相成長(CVD)は、単層グラフェンを大面積に選択的に成長させることが期待されている。Cu上においてはグラフェンのドメインサイズを制御するためにHがしばしば添加されるが、一方、Arは酸化に対して不活性であるため、AuはH
を必要としない。そこでAu上のグラフェンの質を改善するためには、H
の効果が明らかにされるべきである。ここでは熱放射光学顕微鏡を用いて、Au基板上のグラフェンのCVD成長に及ぼすH
の影響を報告する。その場観察およびラマン分光法は、H
が供給されたか否かがAu上のグラフェンの成長速度、熱放射コントラスト、および圧縮歪みに強く影響することを明らかにした。これらの効果は、H
供給に依存したAu(001)の表面再構成によるものと考えた。我々の結果は将来の応用のためにAu上で高品質のグラフェン成長を達成するために不可欠である。
齊藤 結花*; 常磐 拳志郎*; 近藤 崇博*; Bao, J.*; 寺澤 知潮; 乗松 航*; 楠 美智子*
AIP Advances (Internet), 9(6), p.065314_1 - 065314_6, 2019/06
被引用回数:4 パーセンタイル:17.55(Nanoscience & Nanotechnology)Longitudinal strains in epitaxial monolayer graphene (EMG) grown on SiC substrates were evaluated by -polarization Raman microscopy. Due to the covalent bonds formed at the interface between graphene and the substrate, strong compressive strains were loaded on the EMG, which were sensitively detected by Raman spectroscopy. Our polarization Raman microscope was specially designed for evaluating the longitudinal (
-polarization) strain, as well as the lateral (
-polarization).
-polarization Raman microscopy revealed the relationship between the fluctuation of the local strains and the sample morphology in the SiC-graphene through submicron spatial resolution mapping. The amount of strain estimated through Raman shift and its spatial inhomogeneity have critical influence on the mobility of electrons, which are essential for future device applications of EMG.
寺澤 知潮; 斉木 幸一朗*; 保田 諭; 朝岡 秀人
第39回日本熱物性シンポジウム講演論文集(CD-ROM), p.262 - 264, 2018/11
炭素六員環格子からなる単原子厚のシートであるグラフェンはその高いキャリア移動度から次世代半導体として有望である。グラフェンは広い波長領域に渡って一層あたり2.3%の吸収率を示し、同等の放射率が期待される。本研究では光学顕微鏡によってグラフェンとCu基板のふく射光コントラストを得た。グラフェンの化学気相成長過程の解析から成長の律速段階を炭素のグラフェン格子への取り込みの過程であると決定した。本研究はふく射光コントラストのその場顕微観察が単原子厚の物質の結晶成長の解析に有効であることを示した。
寺澤 知潮; 保田 諭; 林 直輝*; 乗松 航*; 伊藤 孝寛*; 町田 真一*; 矢野 雅大; 斉木 幸一朗*; 朝岡 秀人
no journal, ,
Graphene shows constant absorptance of 2.3% in the wide range of wavelengths. The modification of the band structure of graphene is expected to tune such the optical properties of graphene, which will be useful for opto-electronic devices of graphene. Recently, quasi-one dimensional potential of hex-Au(001) reconstructed structure was reported to modify the electronic properties of graphene grown on this structure. Scanning tunneling spectroscopy showed that the density of state of graphene from its Dirac point by 1-2 eV decreased when graphene was grown on hex-Au(001). However, the band structure of graphene on hex-Au(001) was not observed, nor the relation between the band structure of graphene and the structure of Au(001) and graphene has not been revealed. Here, we report the band structure of graphene grown on hex-Au(001) using angle resolved photoemission spectroscopy (ARPES). We prepared graphene on hex-Au(001) by chemical vapor deposition. Figure (a) shows the low energy electron diffraction (LEED) pattern of graphene grown on Au(001) single crystal. Four-folded and twelve-folded spots correspond to 90-degree rotated one-dimensional hex-Au(001) reconstructed structures and epitaxially grown graphenes on them, respectively. Figure (b) shows the ARPES image of this sample taken at AichiSR BL7U. The linear graphene band shows the intensity reduction at the binding energy of approximately 0.9 eV, indicating the modification of band structure of graphene by hex-Au(001). We will discuss the relation between the band structure of graphene and the structure of graphene and hex-Au(001) on the basis of the results of ARPES, LEED, and scanning tunneling microscopy in the poster presentation.
寺澤 知潮; 保田 諭; 松永 和也*; 林 直輝*; 田中 慎一郎*; 乗松 航*; 伊藤 孝寛*; 町田 真一*; 朝岡 秀人
no journal, ,
擬一次元周期構造を持つHex-Au(001)基板上に形成したグラフェンはバンドにエネルギーギャップを持つ。これまではHex-Au(001)基板の周期ポテンシャルによると考えられていた。本研究では、詳細な角度分解光電子分光の結果、Hex-Au(001)基板のspバンドとグラフェンの
バンドの軌道混成しエネルギーギャップを形成することが確認されたため報告する。
矢野 雅大; 寺澤 知潮; 町田 真一*; 保田 諭; 朝岡 秀人
no journal, ,
Si(110)上酸化膜還元過程の実時間計測をSTMおよびXPSを用いて行った。STMでは酸化膜と清浄面の境界に特異な領域が拡大していく様子が観測された。この現象は還元を中断して室温で計測しても観測されないため、還元反応の遷移状態を示していると考えられる。XPS計測では還元過程でSiの割合が増加することが確認された。講演ではこれら結果を基にSi(110)上酸化膜の還元ダイナミクスについて議論する。
寺澤 知潮; 保田 諭; 林 直輝*; 乗松 航*; 伊藤 孝寛*; 町田 真一*; 矢野 雅大; 斉木 幸一朗*; 朝岡 秀人
no journal, ,
本研究ではAu(100)単結晶上にグラフェンをCVD法によって作製し、角度分解光電子分光(ARPES)法によってグラフェンの電子バンド構造を直接観察した。グラフェンの直線的なバンド分散において、ディラック点から約0.9eV離れた領域に光電子強度の減少が確認された。これはこのエネルギー帯においてグラフェンのバンド構造が1.44nmの繰り返し周期を持つHex-Au(100)再構成構造によって変調を受けたことを示している。
矢野 雅大; 保田 諭; 町田 真一*; 寺澤 知潮; 朝岡 秀人
no journal, ,
グラフェンナノリボンの形成方位を規定するために、Si(110)-162再構成構造表面上でグラフェンナノリボンの合成を行った。先駆物質には6,11-dibromo-1,2,3,4-tetraphenyltriphenyleneを用い、それぞれから合成されたグラフェンナノリボンの構造を走査型トンネル顕微鏡(STM)も用いて計測した。これにより、半導体基板上でグラフェンナノリボンの合成が可能であることを初めて示した。
朝岡 秀人; 矢野 雅大; 寺澤 知潮; 保田 諭
no journal, ,
表面に存在する歪みは、独自の再構成構造形成や、成長原子の拡散・吸着のカイネティクスに影響を与えるため、表面歪みの解明・制御はナノ構造創製のための有力な手段となる。一次元構造を有するSi(110)再構成構造の異方歪みを、水素終端Si(110)バルク構造と対比し実験的に決定した。表面特有の再構成構造が形成すると、下地のバルク構造に対応して基板は球殻の一部のような曲率が生じる。このとき、再構成構造表面とバルク構造基板との相互作用がちょうど釣り合うことから、基板の曲率を計測すると再構成構造の歪みを導くことができる。我々は表面形態と歪みの対応を明らかにするために、反射高速電子回折と基板曲率測定法のリアルタイム観測を行った。その結果、Si(110)表面へ原子状水素を暴露すると、水素終端Si(110)表面へ変移すると同時に、異方的な曲率が生じる様子を捉えることができた。Si(110)再構成構造の方位に対応した10オーダーの歪みを決定した。
寺澤 知潮; 平良 隆信*; 小幡 誠司*; 保田 諭; 斉木 幸一朗*; 朝岡 秀人
no journal, ,
銅における炭素固溶度が低いため、銅基板上では化学気相成長(CVD)法によって単層のグラフェンが選択的に成長される。よって、グラフェンのCVD成長は次世代のエレクトロニクスのためにもっとも有望な技術であると考えられている。本研究では、我々は低い炭素固溶度を持つ金上でのグラフェンのCVD成長を報告する。我々は熱放射光学顕微鏡を用いて金上でのグラフェン成長のその場観察を達成した。900CにおいてAr, H
, CH
の流量を240, 8, 5sccmとして熱放射像を取得したところ、グラフェンに対応するとラマン分光法で決定された明るい島が金箔の2つの溝の間に成長することが確認された。熱放射光学顕微鏡によるその場観察に基づいて、我々は金上でのグラフェン成長の機構について議論する。