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酒井 宏典; 常盤 欣文; Opletal, P.; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 青木 大*; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範
Physical Review Letters, 130(19), p.196002_1 - 196002_6, 2023/05
=2.1Kのウラン2テルル化物単結晶における超伝導相図を磁気困難軸である結晶
軸方向に磁場をかけて調べた。電気抵抗と交流帯磁率を同時に測定した結果、低磁場超伝導(LFSC)相と高磁場超伝導(HFSC)相が、対照的な磁場-角度依存性をもつことがわかった。結晶の純良性が上がったことにより、LFSC相の上部臨界磁場は上昇したものの、HFSC相が現れる特徴磁場
は、単結晶の純良性に関わらず、15Tと一定であることがわかった。また、
近傍のLFSC相内に、弱い渦糸ピン留め力で特徴づけられる中間超伝導相を示唆する新たな相線の形跡を捉えた。
石原 滉大*; 小林 雅之*; 今村 薫平*; Konczykowski, M.*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 芳賀 芳範; 橋本 顕一郎*; 芝内 孝禎*
Physical Review Research (Internet), 5(2), p.L022002_1 - L022002_6, 2023/04
重い電子系超伝導UTeの下部臨界磁場
を決定した。直方晶UTe
は
軸が磁化容易軸であるがそれと垂直方向の磁場中では
が増強されかつ低温で上昇するという特徴を持つことを明らかにした。上部臨界磁場の異方性と比較することにより磁気揺らぎが超伝導に影響を与えていることが示唆された。
Opletal, P.; 酒井 宏典; 芳賀 芳範; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽
Journal of the Physical Society of Japan, 92(3), p.034704_1 - 034704_5, 2023/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Physics, Multidisciplinary)UTe
の単結晶の物理的性質を調べた。U
Te
が3つの非等価な結晶ウランサイトを持つ六方晶構造を持つことを確認した。常磁性モーメントは、すべてのサイトで一様なモーメントを仮定すると、ウランサイトあたり約1
と推定される。強磁性相転移は
=48Kで発生し、面内磁化は急激に増加するが、面外成分はあまり増加しない。磁場冷却条件下で温度がさらに
以下に低下すると、面外成分はT
=26K付近で急激に増加する。対照的に、T
付近で面内成分はほとんど変化しない。比熱測定では、T
付近に
型の異常がないことが示されているため、これらの振る舞いは、秩序した磁気モーメントの再配向、もしくは複数のウランサイトの連続した逐次磁気転移を示唆している。
青木 大*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 石塚 淳*; 柳瀬 陽一*; 播磨 尚朝*; 仲村 愛*; Li, D.*; 本間 佳哉*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 91(8), p.083704_1 - 083704_5, 2022/08
被引用回数:8 パーセンタイル:94.37(Physics, Multidisciplinary)de Haas-van Alphen oscillation was successfully observed in an unconventional superconductor UTe using high-quality single crystals. From this observation, Fermi surfaces of this compound were determined to be cylinders elongated along the c-direction, in consistent with theoretical expectation. However, the extremely large cyclotron effective masses ranging 32 to 57 m
, in consistent with the electronic specific heat, far exceed calculated values.
酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 徳永 陽; 神戸 振作; 芳賀 芳範
Physical Review Materials (Internet), 6(7), p.073401_1 - 073401_10, 2022/07
被引用回数:3 パーセンタイル:74.68(Materials Science, Multidisciplinary)スピン三重項超伝導体UTeの新規合成ルートとして溶融塩フラックス法を適用した。合成条件を最適化した結果、今までで最高の超伝導転移温度
Kを記録した。これらの単結晶は、著しく大きな残留抵抗率比を示し、
以下における残留比熱も小さくなった。これらはウラン空孔による結晶欠陥が減少したことを示しており、溶融塩フラックス中の余剰金属ウランが、還元雰囲気を作り、四価ウランが五価となるのを防ぎウラン空孔生成を抑制しているようだ。また、低融点フラックスがテルルの蒸発を防ぐ効果も期待できる。
芳賀 芳範; Opletal, P.; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 徳永 陽; 神戸 振作; 酒井 宏典
Journal of Physics; Condensed Matter, 34(17), p.175601_1 - 175601_7, 2022/04
被引用回数:8 パーセンタイル:91.19(Physics, Condensed Matter)Single crystals of the unconventional superconductor UTe have been grown in various conditions. Superconducting samples are nearly stoichiometric within an experimental error of about 1%, while non-superconducting sample significantly deviates from the ideal composition. The superconducting UTe
showed that the large density of states was partially gapped in the normal state, while the non-superconducting sample is characterized by the relatively large electronic specific heat as reported previously.
徳永 陽; 酒井 宏典; 神戸 振作; 芳賀 芳範; 常盤 欣文; Opletal, P.; 藤林 裕己*; 金城 克樹*; 北川 俊作*; 石田 憲二*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 91(2), p.023707_1 - 023707_5, 2022/02
被引用回数:8 パーセンタイル:94.37(Physics, Multidisciplinary)ウラン系の強磁性超伝導体で議論されてきた、「強磁性ゆらぎによるスピン三重項超伝導対の形成」および「強磁性ゆらぎを介した磁場による対形成引力の制御」というコンセプトがUTeにおいても成り立つことを期待させる。しかしその一方、
では静的な強磁性秩序は存在せず、低温の磁気状態がこれまでのウラン系強磁性超伝導体にどこまで近いのかという点については疑問を持たれていた。実際、最近の中性子散乱実験では、比較的高温側から反強磁性に近いq=0.57という波数を持った磁気ゆらぎの発達が示されている。本研究では
Te-NMR実験により低温で非常に遅いゆっくりとした揺らぎが発達する様子を捉えることに成功した。このことはこの系の低温における強い相関の発達を示唆している。
常盤 欣文; Bachus, S.*; Kavita, K.*; Jesche, A.*; Tsirlin, A. A.*; Gegenwart, P.*
Communications Materials (Internet), 2(1), p.42_1 - 42_6, 2021/04
低温量子コヒーレンスは量子コンピューターの操作と超流動/超伝導などのエキゾチックな量子状態の形成を可能にするため、非常に低い温度の生成はアプリケーションと基礎研究にとって非常に重要である。ミリケルビン温度に到達するための主要な技術の1つは、断熱消磁冷凍である。この方法は、常磁性塩のほとんど相互作用しない磁気モーメントを使用し、距離が大きいとモーメント間の相互作用が抑制される。大きな空間的分離は水分子によって促進されるが、材料の安定性が低下するという欠点がある。ここでは、水を含まない欲求不満の磁石KBaYb(BO)
が冷凍に理想的であり、少なくとも22mKを達成できることを示す。KBaYb(BO
)
は、従来の冷媒と比較して、高温・超高真空下でも劣化しない。さらに、その磁気的フラストレーションと構造的ランダム性により、従来の冷媒の基本温度の主な制限要因である磁気相互作用のエネルギースケールよりも数倍低い温度まで冷却することができる。
藤森 伸一; 大河内 拓雄*; 川崎 郁斗; 保井 晃; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳; 山上 浩志; 芳賀 芳範; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(1), p.014703_1 - 014703_9, 2012/01
被引用回数:37 パーセンタイル:82.92(Physics, Multidisciplinary)重い電子系化合物UGe, UCoGe, URhGe, URu
Si
, UNi
Al
, UPd
Al
, UPt
及び典型的な遍歴・局在系に対して高分解能内殻光電子分光実験を行い、その電子状態に対する研究を行った。UGe
, UCoGe, URhGe, URu
Si
, UNi
Al
の内殻スペクトルは遍歴的な化合物の内殻スペクトルに類似しており、これらの化合物ではU 5
電子はよく混成していることを示している。一方でUPd
Al
及びPt
の内殻スペクトルはこれらのスペクトルとは異なっており、U 5
電子は電子相関効果が強いことを示している。
酒井 宏典; 神戸 振作; 徳永 陽; 中堂 博之; 常盤 欣文*; 青木 大*; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦; 安岡 弘志
Physical Review B, 79(10), p.104426_1 - 104426_7, 2009/03
被引用回数:6 パーセンタイル:30.04(Materials Science, Multidisciplinary)立方晶AuCu型構造を持つ反強磁性体UIn
において、
In核核磁気共鳴(NMR),核四重極共鳴(NQR)法による研究を行った。ナイトシフト,NQR周波数をNMR法により決定し、超微細結合定数を見積もった。ゼロ磁場下で、NQRスペクトルの観測も行った。NQR緩和率は、反強磁性転移温度(
)よりずっと上で、温度に関してほぼ一定の振る舞いをし、局在5
電子の存在を示唆した。また
以下4Kにおいて、反強磁性秩序によるゼロ磁場NMRスペクトルの観測も行った。スペクトル解析から、Uモーメントは
方向を向いている可能性がある。
藤森 伸一; 藤森 淳; 島田 賢也*; 成村 孝正*; 小林 健一*; 生天目 博文*; 谷口 雅樹*; 播磨 尚朝*; 宍戸 寛明*; 池田 修悟; et al.
Physical Review B, 73(22), p.224517_1 - 224517_5, 2006/06
被引用回数:40 パーセンタイル:81.67(Materials Science, Multidisciplinary)重い電子系超伝導体CeIrInに対して、高分解能4
-4
共鳴角度分解光電子分光を行った。Ce 4
共鳴スペクトルには、約30meVの分散を持つ準粒子バンドが観測された。この結果は、この化合物において、Ce 4
電子は局在した成分がほとんど支配的であるものの、小さな遍歴成分が存在し、この成分が超伝導を担っていることを示している。
藤森 伸一; 寺井 恒太; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 村松 康司; 藤森 淳; 山上 浩志*; 池田 修悟; 松田 達磨; et al.
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.995 - 996, 2006/05
被引用回数:2 パーセンタイル:12.78(Physics, Condensed Matter)現在、その高いバルク敏感性から、軟X線を用いた光電子分光実験が注目を集めている。われわれはSPring-8からの軟X線放射光を用いてウラン化合物に対する放射光光電子分光実験を行った。遍歴的なウラン化合物UFeGaとUSb
のバンド構造及びフェルミ面の導出を行い、バンド計算との比較を行った。また、重い電子系化合物UPd
Al
, UNi
Al
に対する実験も行った。UPd
Al
では、U 5
電子状態の温度変化が観測された。
藤森 伸一; 寺井 恒太; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 村松 康司; 藤森 淳; 山上 浩志*; 常盤 欣文*; 池田 修悟; et al.
Physical Review B, 73(12), p.125109_1 - 125109_6, 2006/03
被引用回数:22 パーセンタイル:67.67(Materials Science, Multidisciplinary)常磁性体UFeGaに対して軟X線放射光(
=500eV)を用いた角度分解光電子分光実験を行い、この化合物のバルクU 5
電子状態に敏感な電子状態を調べた。実験結果をU 5
電子を遍歴として取り扱ったLDAバンド計算と比較したところ、両者の一致は定性的なものであったが、フェルミ面の形状はよく再現された。この結果は、この化合物におけるU 5
電子は基本的に遍歴モデルで理解されることを示している。
金子 耕士; 目時 直人; Bernhoeft, N.*; Lander, G. H.; 石井 慶信; 池田 修悟; 常磐 欣文; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Physical Review B, 68(21), p.214419_1 - 214419_9, 2003/12
被引用回数:59 パーセンタイル:89.07(Materials Science, Multidisciplinary)UTGa(T=Ni, Pd, Pt)は、強い遍歴性を示す反強磁性体である。この内Ni, Ptでは常磁性状態において、ほぼ同じ結晶構造を持ち、電子構造も酷似しているにもかかわらず、c底面内の最隣接間相互作用の符号が異なっている点は興味深い。粉末中性子回折実験による詳細な結晶構造解析の結果、構造の一部を成すUGa
ブロックの局所的な歪みにT=Ni, Pd, Ptで系統性があることを明らかにした。またT
で磁歪の存在を見出し、それが3者の磁気構造の違いに対応した系統性を示している事を明らかにした。T=Ni, Ptについては、単結晶中性子回折実験から磁気形状因子を明らかにし、軌道磁気モーメントの大きな寄与の存在を明らかにするとともに、その凍結の度合いが、帯磁率における遍歴性と対応して、両者で大きく異なっている事を明らかにした。以上の結果から、UTGa
におけるUGa
ブロックの局所的な歪みが、最隣接間相互作用の符号に加え、磁歪,軌道磁気モーメントの凍結,遍歴性に密接に関与しているとともに、5fの遍歴系において軌道が重要な役割を演じる事を示唆している。
加藤 治一; 酒井 宏典; 神戸 振作; Walstedt, R. E.; 常盤 欣文; 大貫 惇睦
Acta Physica Polonica B, 34(2), p.1063 - 1066, 2003/09
本研究では、5f遍歴電子反強磁性体UPtGa(
=26K,
=57mJ/mol K
)について
Ga-NMR/NQR測定を行った。常磁性領域においてナイトシフト測定を行い、超微細相互作用係数
を見積もった。また、反強磁性領域において、零磁場スペクトルを解析することにより、内部磁場の値が得られ、反強磁性相における超微細相互作用係数
を見積もることに成功した。
の値は、
に比べて一桁程度大きいことから、hyperfine interactionが長距離にわたっている可能性がある。UPtGa
の磁性において、RKKY相互作用が重要な役割を果たしているのかもしれない。
加藤 治一; 酒井 宏典; 徳永 陽; 常盤 欣文; 池田 修悟; 大貫 惇睦; 神戸 振作; Walstedt, R. E.
Journal of the Physical Society of Japan, 72(9), p.2357 - 2363, 2003/09
被引用回数:17 パーセンタイル:67.33(Physics, Multidisciplinary)UPtGa及びUNiGa
は互いに同型構造をとるが、T
以下においては相異なった磁気構造をとる。これら両化合物についてGa,Pt核NMR測定を行った。本論文では常磁性相におけるナイトシフト(K)の結果について述べる。Ga核,Pt核位置におけるトランスファー超微細相互作用係数が求められた。またKのうち、温度に依存しない成分K
を定量的に評価することに成功した。解析の結果、UPtGa
及びUNiGa
における伝導電子の状態は少なくとも常磁性領域ではほぼ同一であることが示された。
加藤 治一; 酒井 宏典; 徳永 陽; 常盤 欣文; 池田 修悟; 大貫 惇睦; 神戸 振作; Walstedt, R. E.
Journal of Physics; Condensed Matter, 15(28), p.S2001 - S2005, 2003/07
被引用回数:4 パーセンタイル:27.23(Physics, Condensed Matter)HoCoGa型構造をとるUPtGa
, UNiGa
はともに、Uのもつ5
電子が遍歴的に振る舞い、
=26K(Pt), 86K(Ni)で長距離秩序化する。常磁性層でのFermi面は両化合物でほぼ同一であり、またPt,Ni原子の
軌道は磁性に本質的にかかわりないことが示唆されているにもかかわらず、中性子回折実験で示された
以下での磁気構造はUPtGa
,UNiGa
で互いに相異なる。われわれは、微視的な観点からこの系の磁性を明らかにしようと常磁性相,磁気秩序相それぞれにおいて
Ga核についてNMR/NQR実験を行った。常磁性相で得られたナイトシフト
と、静帯磁率
はそれぞれ、温度に依存しないconst項とCurie-Weiss的な温度変化する項に分離できる。このことを手がかりに、特にスピンと軌道の役割の違いに注目して、この系の磁性について考察する。
池田 修悟; 大久保 智幸*; 稲田 佳彦*; 常盤 欣文; 金子 耕士; 松田 達磨; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Journal of Physics; Condensed Matter, 15(28), p.S2015 - S2018, 2003/07
被引用回数:6 パーセンタイル:35.95(Physics, Condensed Matter)CeTIn
(T: Co, Rh, Ir)は、Ceをベースとした重い電子系超伝導物質として、現在盛んに研究されている化合物である。しかしCeをUに置換したU
TGa
においては、U
RuGa
のみ化合物が発見、研究されており、まだまだ未知の化合物群である。われわれは、自己フラックス法により、遷移金属をRuからFeやRhに変えたU
FeGa
とU
RhGa
の化合物を初めて発見し、その単結晶育成に成功した。これらの単結晶を用い、比熱,電気抵抗,磁化率測定を行ったところ、両者ともパウリ常磁性で、電子比熱係数
が比較的大きい、重い電子系物質であることがわかった。
金子 耕士; 目時 直人; Lander, G. H.*; Bernhoeft, N.*; 常盤 欣文; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦; 石井 慶信
Physica B; Condensed Matter, 329-333(1-4), p.510 - 511, 2003/05
被引用回数:3 パーセンタイル:21.64(Physics, Condensed Matter)5遍歴反強磁性体UTGa
(T=Ni, Pt)について、粉末中性子回折実験から磁気構造を決定し、加えて温度変化の測定から磁歪について調べた。その結果、両者は酷似した結晶構造を持っているにもかかわらず、磁気モーメントの大きさとともに、
底面内の最隣接間相互作用の符号が異なっていることを明らかにした。またその相互作用の違いに対応して、面内の磁歪も異なっていることを見いだした。このようなことを生じる原因の一つとして、軌道の影響が考えられるが、単結晶を用いた中性子回折実験の結果から、実際に両者では軌道磁気モーメントの凍結の様子が異なっていることを明らかにした。以上の結果から、この系における遍歴性と軌道磁気モーメントの凍結の間に明瞭な関係があることを見いだした。これらの結果について、他の5
化合物との比較検討も含めて行う。
池田 修悟; 常盤 欣文*; 大久保 智幸*; 山田 美音子*; 松田 達磨; 稲田 佳彦*; 摂待 力生*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Physica B; Condensed Matter, 329-333(2), p.610 - 611, 2003/05
被引用回数:13 パーセンタイル:56.4(Physics, Condensed Matter)UTGa(T:遷移金属)は、a軸に比べてc軸の格子定数が大きくなった正方晶の結晶構造をもつ化合物で、われわれは遷移金属を変えて系統的に磁性とフェルミ面を明らかにしてきた。その中でも今回われわれは、UTGa
の単結晶育成にはじめて成功し、ドハース・ファンアルフェン効果測定を行った。その結果、準二次元的な4つの円柱状フェルミ面を観測した。これは結晶構造や、中性子散乱実験から求まった磁気モーメントの周期を考慮することで理解できる。現在まで、反強磁性状態でのバンド計算とドハース・ファンアルフェン効果の結果は、一致していなかった。しかし今回は、UTGa
の反強磁性状態でのバンド計算は、ドハース・ファンアルフェン効果の結果と比較的よく一致していることがわかった。