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常盤 欣文; Opletal, P.; 酒井 宏典; 神戸 振作; 山本 悦嗣; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 青木 大*; 芳賀 芳範; et al.
Physical Review B, 109(14), p.L140502_1 - L140502_6, 2024/04
被引用回数:5 パーセンタイル:75.63(Materials Science, Multidisciplinary)超伝導体UTeの常伝導状態を
軸磁場に対するエントロピー解析によって調べた。メタ磁性揺らぎ(空間一様、
)による磁場によるエントロピーの強い増加が観測された。この磁場依存性は遍歴メタ磁性の量子臨界性に関するHertz-Millis-Moriya理論によってよく記述される。特に、量子臨界領域の下界は超伝導転移温度
の最小値の位置とよく一致する。この結果は、
の揺らぎが超伝導を強めることを示唆している。
Zhao, K.*; 常盤 欣文; Chen, H.*; Gegenwart, P.*
Nature Physics, 20(3), p.442 - 449, 2024/03
被引用回数:10 パーセンタイル:94.39(Physics, Multidisciplinary)磁性結晶において、時間反転対称性が明示的に破れているにもかかわらず、時間反転に関連する二つの平衡状態は常にエネルギー的に等価である。強磁性体では、この時間反転の等価性は磁化の磁場依存性のヒステリシスおよび金属的な場合には異常ホール効果(AHE)のヒステリシスに現れる。時間反転において、これらの量は符号が変わるが、その大きさは変わらない。ここでは、金属的なカゴメ型スピンアイスHoAgGeにおいて、カゴメ面に平行な磁場が印加された際に時間反転に似た等価性が現れることを示す。低温で磁化の磁場依存性においては消失するヒステリシスが見られるが、磁場依存のAHEにおいては有限のヒステリシスがある。これは、ほぼ同じエネルギーと純磁化を持ちながら、AHEと縦方向の磁気抵抗の大きさが異なる状態の出現を示唆している。実験データと最小のタイトバインディングモデルの解析により、これらのほぼ等価な状態を関連付ける時間反転に似た操作を特定した。これは、HoAgGeにおけるカゴメ格子の非自明な歪みに関連している。われわれの研究は、トランスポート現象がイライラしたスピン系における隠れた対称性を特定するための診断力を示している。
末次 祥大*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 芳賀 芳範; 他12名*
Science Advances (Internet), 10(6), p.eadk3772_1 - eadk3772_6, 2024/02
被引用回数:10 パーセンタイル:96.78(Multidisciplinary Sciences)The superconducting gap structure of UTe was determined by the thermal conductivity measurement on ultra-clean UTe
single crystals. The result demonstrates the absence of nodes around the
-axis, contrary to the previous study. The finding reveals that UTe
is likely to be a long-sought three-dimensional strong topological superconductor.
徳永 陽; 酒井 宏典; 神戸 振作; Opletal, P.; 常盤 欣文; 芳賀 芳範; 北川 俊作*; 石田 憲二*; 青木 大*; Knebel, G.*; et al.
Physical Review Letters, 131(22), p.226503_1 - 226503_7, 2023/12
被引用回数:10 パーセンタイル:81.90(Physics, Multidisciplinary)Our measurements of Te NMR relaxations reveal an enhancement of electronic spin fluctuations above
~T, leading to their divergence in the vicinity of the metamagnetic transition at
~T, below which field-reinforced superconductivity appears when a magnetic field (
) is applied along the crystallographic
axis. The NMR data evidence that these fluctuations are dominantly longitudinal, providing a key to understanding the peculiar superconducting phase diagram in
, where such fluctuations enhance the pairing interactions.
常盤 欣文; 酒井 宏典; 神戸 振作; Opletal, P.; 山本 悦嗣; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 柳瀬 陽一*; 芳賀 芳範; et al.
Physical Review B, 108(14), p.144502_1 - 144502_5, 2023/10
被引用回数:6 パーセンタイル:60.56(Materials Science, Multidisciplinary)-軸磁場下で
-軸方向の電流を用いて測定することで、スピン3重項超伝導体UTe
におけるボルテックスダイナミクスを研究した。驚くべきことに、超伝導状態の深部で、島状の臨界電流の低い領域を発見した。この現象は、ボルテックスのピンニングが弱まった結果と考えられる。特筆すべきは、この領域が最近提案された中間磁場の超伝導相と一致していることである。我々は、中間磁場超伝導状態において非特異的なボルテックスが存在する可能性を検討した。この中間状態では、複数の超伝導成分が混合するためボルテックスの中心部で超伝導の秩序パラメータが完全に消えない可能性があり、それがピニングが弱まる原因になっている可能性がある。
石原 滉大*; 六本木 雅生*; 小林 雅之*; 今村 薫平*; 水上 雄太*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 芳賀 芳範; 橋本 顕一郎*; et al.
Nature Communications (Internet), 14, p.2966_1 - 2966_7, 2023/05
被引用回数:31 パーセンタイル:97.96(Multidisciplinary Sciences)重い電子系超伝導UTeの超伝導対称性を極低温磁場侵入長測定により研究した。異方的な低エネルギー準粒子励起が観測され、多成分カイラル超伝導を強く示唆する。このうち最も実験をよく説明するのは、カイラル非ユニタリー状態である。
酒井 宏典; 常盤 欣文; Opletal, P.; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 青木 大*; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範
Physical Review Letters, 130(19), p.196002_1 - 196002_6, 2023/05
被引用回数:24 パーセンタイル:95.69(Physics, Multidisciplinary)=2.1Kのウラン2テルル化物単結晶における超伝導相図を磁気困難軸である結晶
軸方向に磁場をかけて調べた。電気抵抗と交流帯磁率を同時に測定した結果、低磁場超伝導(LFSC)相と高磁場超伝導(HFSC)相が、対照的な磁場-角度依存性をもつことがわかった。結晶の純良性が上がったことにより、LFSC相の上部臨界磁場は上昇したものの、HFSC相が現れる特徴磁場
は、単結晶の純良性に関わらず、15Tと一定であることがわかった。また、
近傍のLFSC相内に、弱い渦糸ピン留め力で特徴づけられる中間超伝導相を示唆する新たな相線の形跡を捉えた。
石原 滉大*; 小林 雅之*; 今村 薫平*; Konczykowski, M.*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 芳賀 芳範; 橋本 顕一郎*; 芝内 孝禎*
Physical Review Research (Internet), 5(2), p.L022002_1 - L022002_6, 2023/04
重い電子系超伝導UTeの下部臨界磁場
を決定した。直方晶UTe
は
軸が磁化容易軸であるがそれと垂直方向の磁場中では
が増強されかつ低温で上昇するという特徴を持つことを明らかにした。上部臨界磁場の異方性と比較することにより磁気揺らぎが超伝導に影響を与えていることが示唆された。
Opletal, P.; 酒井 宏典; 芳賀 芳範; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽
Journal of the Physical Society of Japan, 92(3), p.034704_1 - 034704_5, 2023/03
被引用回数:2 パーセンタイル:24.57(Physics, Multidisciplinary)UTe
の単結晶の物理的性質を調べた。U
Te
が3つの非等価な結晶ウランサイトを持つ六方晶構造を持つことを確認した。常磁性モーメントは、すべてのサイトで一様なモーメントを仮定すると、ウランサイトあたり約1
と推定される。強磁性相転移は
=48Kで発生し、面内磁化は急激に増加するが、面外成分はあまり増加しない。磁場冷却条件下で温度がさらに
以下に低下すると、面外成分はT
=26K付近で急激に増加する。対照的に、T
付近で面内成分はほとんど変化しない。比熱測定では、T
付近に
型の異常がないことが示されているため、これらの振る舞いは、秩序した磁気モーメントの再配向、もしくは複数のウランサイトの連続した逐次磁気転移を示唆している。
Jesche, A.*; Winterhalter-Stocker, N.*; Hirschberger, F.*; Bellon, A.*; Bachus, S.*; 常盤 欣文; Tsirlin, A. A.*; Gegenwart, P.*
Physical Review B, 107(10), p.104402_1 - 104402_8, 2023/03
被引用回数:20 パーセンタイル:92.24(Materials Science, Multidisciplinary)スピン-1/2三角反強磁性体KBaGd(BO)
の結晶構造、熱力学特性、断熱減磁冷凍(ADR)効果を報告する。最近隣交換相互作用が44mKであるこの化合物は、ゼロ磁場で
=263mKの磁気秩序を示す。ADRテストは、
の2倍以上低い
=122mKの温度に達し、PPMSセットアップでは192mJ K
cm
のエントロピー蓄積容量と8時間以上の保持時間を実現した。スピン-
Yb
アナログと比較して改善された。我々は、KBaGd(BO
)
は交換結合と双極子結合のバランスの取れた相互作用を示し、構造的ランダム性と幾何学的フラストレーションとともに
を秩序温度
よりもかなり低い位置にシフトさせ、したがって冷却を促進すると主張する。
青木 大*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 石塚 淳*; 柳瀬 陽一*; 播磨 尚朝*; 仲村 愛*; Li, D.*; 本間 佳哉*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 91(8), p.083704_1 - 083704_5, 2022/08
被引用回数:54 パーセンタイル:98.03(Physics, Multidisciplinary)de Haas-van Alphen oscillation was successfully observed in an unconventional superconductor UTe using high-quality single crystals. From this observation, Fermi surfaces of this compound were determined to be cylinders elongated along the c-direction, in consistent with theoretical expectation. However, the extremely large cyclotron effective masses ranging 32 to 57 m
, in consistent with the electronic specific heat, far exceed calculated values.
酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 徳永 陽; 神戸 振作; 芳賀 芳範
Physical Review Materials (Internet), 6(7), p.073401_1 - 073401_10, 2022/07
被引用回数:47 パーセンタイル:94.54(Materials Science, Multidisciplinary)スピン三重項超伝導体UTeの新規合成ルートとして溶融塩フラックス法を適用した。合成条件を最適化した結果、今までで最高の超伝導転移温度
Kを記録した。これらの単結晶は、著しく大きな残留抵抗率比を示し、
以下における残留比熱も小さくなった。これらはウラン空孔による結晶欠陥が減少したことを示しており、溶融塩フラックス中の余剰金属ウランが、還元雰囲気を作り、四価ウランが五価となるのを防ぎウラン空孔生成を抑制しているようだ。また、低融点フラックスがテルルの蒸発を防ぐ効果も期待できる。
芳賀 芳範; Opletal, P.; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 徳永 陽; 神戸 振作; 酒井 宏典
Journal of Physics; Condensed Matter, 34(17), p.175601_1 - 175601_7, 2022/04
被引用回数:27 パーセンタイル:85.25(Physics, Condensed Matter)Single crystals of the unconventional superconductor UTe have been grown in various conditions. Superconducting samples are nearly stoichiometric within an experimental error of about 1%, while non-superconducting sample significantly deviates from the ideal composition. The superconducting UTe
showed that the large density of states was partially gapped in the normal state, while the non-superconducting sample is characterized by the relatively large electronic specific heat as reported previously.
徳永 陽; 酒井 宏典; 神戸 振作; 芳賀 芳範; 常盤 欣文; Opletal, P.; 藤林 裕己*; 金城 克樹*; 北川 俊作*; 石田 憲二*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 91(2), p.023707_1 - 023707_5, 2022/02
被引用回数:25 パーセンタイル:91.32(Physics, Multidisciplinary)ウラン系の強磁性超伝導体で議論されてきた、「強磁性ゆらぎによるスピン三重項超伝導対の形成」および「強磁性ゆらぎを介した磁場による対形成引力の制御」というコンセプトがUTeにおいても成り立つことを期待させる。しかしその一方、
では静的な強磁性秩序は存在せず、低温の磁気状態がこれまでのウラン系強磁性超伝導体にどこまで近いのかという点については疑問を持たれていた。実際、最近の中性子散乱実験では、比較的高温側から反強磁性に近いq=0.57という波数を持った磁気ゆらぎの発達が示されている。本研究では
Te-NMR実験により低温で非常に遅いゆっくりとした揺らぎが発達する様子を捉えることに成功した。このことはこの系の低温における強い相関の発達を示唆している。
常盤 欣文; Bachus, S.*; Kavita, K.*; Jesche, A.*; Tsirlin, A. A.*; Gegenwart, P.*
Communications Materials (Internet), 2(1), p.42_1 - 42_6, 2021/04
低温量子コヒーレンスは量子コンピューターの操作と超流動/超伝導などのエキゾチックな量子状態の形成を可能にするため、非常に低い温度の生成はアプリケーションと基礎研究にとって非常に重要である。ミリケルビン温度に到達するための主要な技術の1つは、断熱消磁冷凍である。この方法は、常磁性塩のほとんど相互作用しない磁気モーメントを使用し、距離が大きいとモーメント間の相互作用が抑制される。大きな空間的分離は水分子によって促進されるが、材料の安定性が低下するという欠点がある。ここでは、水を含まない欲求不満の磁石KBaYb(BO)
が冷凍に理想的であり、少なくとも22mKを達成できることを示す。KBaYb(BO
)
は、従来の冷媒と比較して、高温・超高真空下でも劣化しない。さらに、その磁気的フラストレーションと構造的ランダム性により、従来の冷媒の基本温度の主な制限要因である磁気相互作用のエネルギースケールよりも数倍低い温度まで冷却することができる。
藤森 伸一; 大河内 拓雄*; 川崎 郁斗; 保井 晃; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳; 山上 浩志; 芳賀 芳範; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(1), p.014703_1 - 014703_9, 2012/01
被引用回数:39 パーセンタイル:82.05(Physics, Multidisciplinary)重い電子系化合物UGe, UCoGe, URhGe, URu
Si
, UNi
Al
, UPd
Al
, UPt
及び典型的な遍歴・局在系に対して高分解能内殻光電子分光実験を行い、その電子状態に対する研究を行った。UGe
, UCoGe, URhGe, URu
Si
, UNi
Al
の内殻スペクトルは遍歴的な化合物の内殻スペクトルに類似しており、これらの化合物ではU 5
電子はよく混成していることを示している。一方でUPd
Al
及びPt
の内殻スペクトルはこれらのスペクトルとは異なっており、U 5
電子は電子相関効果が強いことを示している。
酒井 宏典; 神戸 振作; 徳永 陽; 中堂 博之; 常盤 欣文*; 青木 大*; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦; 安岡 弘志
Physical Review B, 79(10), p.104426_1 - 104426_7, 2009/03
被引用回数:6 パーセンタイル:28.42(Materials Science, Multidisciplinary)立方晶AuCu型構造を持つ反強磁性体UIn
において、
In核核磁気共鳴(NMR),核四重極共鳴(NQR)法による研究を行った。ナイトシフト,NQR周波数をNMR法により決定し、超微細結合定数を見積もった。ゼロ磁場下で、NQRスペクトルの観測も行った。NQR緩和率は、反強磁性転移温度(
)よりずっと上で、温度に関してほぼ一定の振る舞いをし、局在5
電子の存在を示唆した。また
以下4Kにおいて、反強磁性秩序によるゼロ磁場NMRスペクトルの観測も行った。スペクトル解析から、Uモーメントは
方向を向いている可能性がある。
藤森 伸一; 藤森 淳; 島田 賢也*; 成村 孝正*; 小林 健一*; 生天目 博文*; 谷口 雅樹*; 播磨 尚朝*; 宍戸 寛明*; 池田 修悟; et al.
Physical Review B, 73(22), p.224517_1 - 224517_5, 2006/06
被引用回数:45 パーセンタイル:82.56(Materials Science, Multidisciplinary)重い電子系超伝導体CeIrInに対して、高分解能4
-4
共鳴角度分解光電子分光を行った。Ce 4
共鳴スペクトルには、約30meVの分散を持つ準粒子バンドが観測された。この結果は、この化合物において、Ce 4
電子は局在した成分がほとんど支配的であるものの、小さな遍歴成分が存在し、この成分が超伝導を担っていることを示している。
藤森 伸一; 寺井 恒太; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 村松 康司; 藤森 淳; 山上 浩志*; 池田 修悟; 松田 達磨; et al.
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.995 - 996, 2006/05
被引用回数:2 パーセンタイル:11.91(Physics, Condensed Matter)現在、その高いバルク敏感性から、軟X線を用いた光電子分光実験が注目を集めている。われわれはSPring-8からの軟X線放射光を用いてウラン化合物に対する放射光光電子分光実験を行った。遍歴的なウラン化合物UFeGaとUSb
のバンド構造及びフェルミ面の導出を行い、バンド計算との比較を行った。また、重い電子系化合物UPd
Al
, UNi
Al
に対する実験も行った。UPd
Al
では、U 5
電子状態の温度変化が観測された。
藤森 伸一; 寺井 恒太; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 村松 康司; 藤森 淳; 山上 浩志*; 常盤 欣文*; 池田 修悟; et al.
Physical Review B, 73(12), p.125109_1 - 125109_6, 2006/03
被引用回数:22 パーセンタイル:66.04(Materials Science, Multidisciplinary)常磁性体UFeGaに対して軟X線放射光(
=500eV)を用いた角度分解光電子分光実験を行い、この化合物のバルクU 5
電子状態に敏感な電子状態を調べた。実験結果をU 5
電子を遍歴として取り扱ったLDAバンド計算と比較したところ、両者の一致は定性的なものであったが、フェルミ面の形状はよく再現された。この結果は、この化合物におけるU 5
電子は基本的に遍歴モデルで理解されることを示している。