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田中 謙治*; 川端 一男*; 徳沢 季彦*; 秋山 毅志*; 横山 雅之*; 庄司 主*; Michael, C. A.*; Vyacheslavov, L. N.*; 村上 定義*; 若狭 有光*; et al.
Fusion Science and Technology, 58(1), p.70 - 90, 2010/07
被引用回数:23 パーセンタイル:82.36(Nuclear Science & Technology)LHDプラズマにおける粒子輸送特性を調べた。密度摂動実験から拡散係数と対流速度を導出し、それらのパラメータ依存性を調べるため磁場配位と衝突周波数をスキャンした。磁場配位の効果を調べるためには、磁気軸をR=3.5mから3.9mまで変化させた。磁気軸を変化させることにより、新古典輸送が大きく違ってくるために、その効果を広範囲で調べることが可能である。電子温度依存性と1/領域とプラトー領域を分けるヘリカル捕捉周波数で規格化した衝突周波数()依存性について、中性粒子ビーム入射のパワースキャンを行った。その結果、新古典輸送の寄与が大きい場合はホローな密度分布、寄与が小さいときはピークした分布になることを明らかにした。大きな新古典輸送の寄与は、同じ電子温度では外側シフト配位で見られ、同じ磁気軸では高い電子温度、低いで観測された。しかしながら、R=3.5mでは、異なる傾向が観測されており、高い電子温度の時にピークした密度分布が得られた。
居田 克巳*; 坂本 宜照; 稲垣 滋*; 竹永 秀信; 諫山 明彦; 松永 剛; 坂本 隆一*; 田中 謙治*; 井手 俊介; 藤田 隆明; et al.
Nuclear Fusion, 49(1), p.015005_1 - 015005_7, 2009/01
被引用回数:13 パーセンタイル:45.06(Physics, Fluids & Plasmas)LHDとJT-60Uの内部輸送障壁プラズマにおけるダイナミック輸送解析について述べる。ダイナミック輸送解析とは、外部加熱による過渡応答中の輸送解析である。両装置において、内部輸送障壁プラズマへの遷移に伴い、その内側領域における温度分布の平坦化(輸送の増大)を同定した。また、内部輸送障壁領域の温度分布の曲率が正から負へ自発的に遷移する現象を観測した。これらの現象は、今後さらなる分析を要するが、空間的な乱流輸送の強い相互作用を示唆している。
田中 謙治*; 竹永 秀信; 村岡 克紀*; Michael, C.*; Vyacheslavov, L. N.*; 横山 雅之*; 山田 弘司*; 大山 直幸; 浦野 創; 鎌田 裕; et al.
Proceedings of 22nd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/10
トロイダルプラズマにおける密度分布を決定するパラメータを明らかにするために、LHDヘリカルプラズマとJT-60Uトカマクプラズマの比較研究を行った。両装置において異なる密度分布の衝突周波数依存性が観測された。LHDプラズマでは、衝突周波数が減少するにしたがって磁気軸位置R=3.6mでは密度分布のピーキング度が減少し、R=3.5mではわずかに増加した。一方、JT-60Uでは衝突周波数が減少するにしたがって密度分布のピーキング度は増加した。LHDプラズマでのRの違いによる衝突周波数依存性の違いは、乱流輸送の寄与の違いであると考えられる。R=3.5mのLHDプラズマでは、大きな乱流輸送がトカマクと同様な衝突周波数依存性を作り出している。両装置のコア領域において、密度分布が違う場合に揺動の変化が観測されている。JT-60Uでは、密度分布がピーキングした場合に径方向の相関が強くなることが観測された。このことから、粒子拡散と内向き対流速度が増大していることが示唆される。R=3.6mのLHDプラズマでは、揺動レベルの増加がホローな密度分布を持つ高パワー加熱時に観測され、拡散の増加を示唆している。ピークした密度分布からホローな密度分布への変化は、新古典輸送の寄与増大による対流速度の内向きから外向きへの変化により引き起こされている。以上の結果よりLHDプラズマの密度分布の衝突周波数依存性は、新古典輸送と乱流輸送の両方によるものであることを明らかにした。
田中 謙治*; Michael, C.*; Vyacheslavov, L. N.*; 横山 雅之*; 村上 定義*; 若狹 有光*; 竹永 秀信; 村岡 克紀*; 川端 一男*; 徳沢 季彦*; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 3, p.S1069_1 - S1069_7, 2008/08
LHDでの密度分布の測定結果と密度変調実験で評価した粒子輸送係数について報告する。磁気軸位置,トロイダル磁場,加熱パワーを変えたデータセットを用いることにより、さまざまな新古典輸送レベルに対して解析を行った。新古典輸送が極小化された配位(磁気軸位置3.5m,トロイダル磁場2.8T)では、ピークした密度分布が観測された。このとき、ピーキング係数は衝突周波数の減少に対して緩やかに増加しており、この傾向はJT-60Uでの測定結果と同様である。そのほかの条件では、ピーキング度は衝突周波数の減少とともに低減した。新古典輸送の寄与が大きい場合は、ホローな密度分布が観測されている。新古典輸送理論と実験で評価した粒子輸送係数の比較から、極小化の条件は両者で異なることを明らかにした。このことは、新古典輸送の極小化が、乱流輸送の極小化と異なることを示唆している。ホローな密度分布とピークした密度分布では、乱流揺動の空間分布が異なっていることが観測された。この乱流揺動は、イオン温度勾配モードが不安定な領域で存在している。
竹永 秀信; 田中 謙治*; 村岡 克紀*; 浦野 創; 大山 直幸; 鎌田 裕; 横山 雅之*; 山田 弘司*; 徳沢 季彦*; 山田 一博*
Nuclear Fusion, 48(7), p.075004_1 - 075004_11, 2008/07
被引用回数:32 パーセンタイル:75.35(Physics, Fluids & Plasmas)トロイダル系プラズマにおける粒子輸送を系統的に理解するために、JT-60UトカマクプラズマとLHDヘリカルプラズマでの密度分布を低衝突領域にて比較した。JT-60UのELMy Hモードプラズマでは、規格化半径0.5の衝突周波数が無衝突領域にある場合には密度分布尖塔度は衝突周波数が減少するにしたがって増大した。このことは、乱流輸送による内向き対流粒子束が密度分布形成に大きな影響を与えていることを示唆している。LHDプラズマでは、新古典輸送が低減された磁場配位の場合には、同様の衝突領域においてJT-60Uに近い密度分布尖塔度の衝突周波数依存性が観測された。一方、新古典輸送が上記ケースより大きい場合には、密度分布尖塔度は衝突周波数とともに減少する傾向を示した。LHDプラズマでは、ヘリカルリップルによる新古典輸送が大きい場合には新古典輸送が密度分布に大きく影響しており、新古典輸送の効果が小さくなると乱流輸送が支配的なトカマクでの衝突周波数依存性に近づくことを明らかにした。このように、トカマクとヘリカルで粒子輸送を支配する物理機構に共通性と相違性の両側面が観測された。
間瀬 淳*; 近木 祐一郎*; 北條 仁士*; 吉川 正志*; 板倉 昭慶*; Chujo, T.*; 徳沢 季彦*; 川端 一男*; 長山 好夫*; 大山 直幸; et al.
Fusion Science and Technology, 51(2T), p.52 - 57, 2007/02
被引用回数:3 パーセンタイル:25.51(Nuclear Science & Technology)磁場閉じ込め装置で生成した高温プラズマを計測するためにマイクロ波技術が用いられてきた。干渉計,反射計,散乱計,放射計といった計測器によって、安定性・波動現象・揺動による異常輸送といったプラズマの物理研究のため、プラズマの主要パラメータが計測されている。近年のマイクロ波技術やコンピューター技術の進展に伴い、プラズマの23次元像を計測することが可能な次世代の計測技術が開花しつつある。その一つである、マイクロ波を用いたイメージング計測は、プラズマの物理研究を行ううえで期待されている。本論文では、最近のマイクロ波計測技術の進展とそれらを用いた実験結果についてレビューする。
波多江 仰紀; 近藤 貴; 鈴木 隆博; 徳沢 季彦*; 石川 正男*; 中村 浩隆*
プラズマ・核融合学会誌, 82(8), p.540 - 543, 2006/08
第16回高温プラズマ計測会議(16th Topical Conference on High-Temperature Plasma Diagnostics)は、2006年5月7日から11日まで、米国バージニア州ウィリアムズバーグで開催された。本会議はプラズマの計測法と計測装置の開発について、広範囲に議論することを目的としている。対象となるプラズマは磁場閉じ込め方式と慣性閉じ込め方式が全体の95%程度を占めているが、中にはプラズマ推進ロケットのプラズマやプラズマディスプレイパネルのプラズマを対象とするものもあった。本会議は2年ごとに米国の研究機関が持ち回りで主催しているが、今回はロチェスター大学のレーザーエネルギー学研究所が主催し、James P. Knauerが実行委員長を務めた。20カ国(国際機関などを含む)から267人の参加者があった。会議運営は全般的に良好であった。招待講演とポスター発表の2部構成で、それらが重なっていないので、すべての参加者が十分に議論に参加できるよう配慮されていた。招待講演は25件,ポスター発表は263件であった。招待講演の約半数は慣性閉じ込め関連の発表であった。一方、ポスター発表では、磁場閉じ込め関連が64%,慣性閉じ込め関連が32%,その他が4%であった。
渡邊 清政*; 鈴木 康浩*; 山口 太樹; 成原 一途*; 田中 謙治*; 徳沢 季彦*; 山田 一博*; 榊原 悟*; 森崎 智宏*; 中島 徳嘉*; et al.
no journal, ,
プラズマ境界の位置,形状の同定は、実験で得られているMHD平衡配位の同定のために重要である。しかし、対称性のないヘリカル系プラズマでは厳密な意味での磁気面は存在しない。プラズマ境界の一つの指標として、真空磁場における"OMFS(最外殻磁気面;きれいに閉じた最大の磁気面)"が用いられることがあるが、ダイバータ配位においては、ベータ値が低い場合でも"OMFS"の外のストキャスティック領域で有意なプラズマ圧力が観測されている。以上のような理由で、ヘリカルダイバータ配位プラズマにおいてベータ値が有限な場合の境界同定手法は確立していない。本論では、ダイバータ配位のヘリオトロンプラズマのコア領域のMHD平衡配位を同定する観点から、計測結果と矛盾の少ないプラズマ境界位置,形状を同定する手法を確立することを目的とし、LHD実験において実効的な「プラズマ境界」位置を電子温度,電子密度分布計測から同定し、それがベータ値の上昇とともにどのように変化するかを調べた。その結果を入れ子状の磁気面の存在を前提にしない実座標3次元MHD平衡コードHINTによる解析結果と比較して得られた結果について報告する。
田中 謙治*; 竹永 秀信; 村岡 克紀*; Michael, C.*; Vyacheslavov, L. N.*; 横山 雅之*; 山田 弘司*; 村上 定義*; 若狹 有光*; 川端 一男*; et al.
no journal, ,
トロイダルプラズマにおける電子密度分布決定機構を解明するために、JT-60UトカマクプラズマとLHDヘリカルプラズマでの密度分布の比較を行った。輸送理論の観点から両者の明確な違いは、低衝突周波数領域における新古典輸送の違いである。ヘリカルプラズマでは、ヘリカルリップルが存在するため低衝突周波数領域で新古典輸送がトカマクプラズマに比べ増大する。JT-60Uでは衝突周波数の減少にしたがって密度分布がピーキングした。LHDでは実効的なヘリカルリップルが小さい磁気軸3.5mにおいては、衝突周波数の減少とともに密度分布が緩やかにピーキングし、トカマクと同様な傾向を示した。一方、実効的なヘリカルリップルが大きい磁気軸が3.6mより大きい場合には、衝突周波数の減少に伴って密度分布がホローになることが観測された。LHDの磁気軸位置3.5mと3.6mでは乱流揺動の空間構造に違いがあり、3.5mでは電子反磁性方向、3.6mではイオン反磁性方向に進行する揺動が観測されている。新古典輸送の違いとともに、揺動の違いが密度分布の違いに関与している可能性がある。また、LHDプラズマにおいて、電子温度増加によるコア領域密度吐き出し時に周辺部から揺動が変化し、遅れてコア部の揺動が変化することが観測された。
田中 謙治*; 竹永 秀信; 村岡 克紀*; Michael, C.*; Vyacheslavov, L. N.*; Mishchenko, A.*; 横山 雅之*; 山田 弘司*; 大山 直幸; 浦野 創; et al.
no journal, ,
トロイダルプラズマにおける密度分布と乱流輸送の関係を明らかにするために、LHDヘリカルプラズマとJT-60Uトカマクプラズマの比較研究を行った。両装置において異なる密度分布の衝突周波数依存性が観測された。LHDプラズマでは、衝突周波数が減少するにしたがって磁気軸位置Rax=3.6mでは密度分布のピーキング度が減少した。一方、JT-60Uでは衝突周波数が減少するにしたがって密度分布のピーキング度が増加した。LHDプラズマでは、揺動レベルの増加がホローな密度分布を持つ高パワー加熱時に観測され、拡散の増加を示唆している。JT-60Uでは、密度分布がピーキングした場合に径方向の相関が強くなることが観測された。このことから、粒子拡散と内向き対流速度が増大していることが示唆される。また、湾曲ピンチの効果を両装置で調べた結果、磁気シアの違いからJT-60Uではピークした分布、LHDではホローな分布が得られた。しかしながら、その効果は小さく実験結果を説明するには至っていない。
田中 謙治*; 竹永 秀信; 村岡 克紀*; 吉田 麻衣子; Michael, C.*; Vyacheslavov, L. N.*; Mikkelsen, D. R.*; 横山 雅之*; 大山 直幸; 浦野 創; et al.
no journal, ,
本研究ではトカマク装置JT-60とヘリカル装置LHDにおける粒子輸送の類似性, 相違性を理解することにより、トロイダル装置における電子密度分布の決定機構を理解することを目的とする。トカマクでは乱流揺動により密度分布が尖塔化することが報告されている。LHDでは、磁気丘の強い磁気軸位置3.5mでは尖塔化した分布となるが、磁気丘が相対的に弱い磁気軸位置3.6mでは凹状の密度分布となる。ジャイロ運動論乱流コードと密度揺動計測により、これらの密度分布の差異は乱流による内向きの粒子束の寄与の違いによることが分かった。粒子ソースと新古典輸送による粒子束が密度揺動による粒子束に比べ無視できる場合において、LHDとJT-60いずれの場合も密度勾配が小さい場合には内向き粒子束となり、密度勾配が増加するに従い外向き粒子束に反転することが、ジャイロ運動論シミュレーションより予測された。