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富永 正英*; 永安 結花里*; 佐々木 幹治*; 古田 琢哉; 林 裕晃*; 笈田 将皇*; 西山 祐一*; 芳賀 昭弘*
Radiological Physics and Technology, 14(4), p.381 - 389, 2021/12
放射線診断技術の発展により、患者の被ばく線量の増大が問題となっており、医療被ばくの最適化を目的として、日本国内で共通の診断参考レベルが策定された。この中で、X線一般撮影については、患者の体表面における線量を各施設の診断線量レベルとして評価することが推奨されている。体表面の線量は、体内部からの後方散乱を表す係数を機器設置やメンテナンス等で測られる空中空気カーマに乗じることで、簡便に導出できる。しかし、障害物からの距離を十分取れない状況では、測定される空中空気カーマへ散乱X線が混入するため、線量評価の誤差の要因となる。そこで、モンテカルロシミュレーション計算により、散乱体の物質や距離が散乱X線へ与える影響を評価した。診断X線のエネルギー領域では、軽元素と重元素で散乱に関する物理現象が異なり、物質毎にX線の照射野やエネルギーへの依存性が変化することがわかった。また、どの物質でも35cm程度の距離を取れば、散乱X線の混入をほぼ無視できることがわかった。
青木 和光*; 本田 敏志*; Beers, T. C.*; 比田井 昌英*; 岩本 信之; 冨永 望*; 梅田 秀之*; 野本 憲一*; Norris, J. E.*; Ryan, S. G.*
Astrophysical Journal, 660(1, Part1), p.747 - 761, 2007/05
被引用回数:45 パーセンタイル:72.28(Astronomy & Astrophysics)以前の元素組成解析で、MgとScが非常に豊富であることが知られていた超金属欠乏星BS16934-002に対して、さらに詳しい元素組成解析を行った。典型的な金属欠乏星であるHD122563の組成との比較から、BS16934-002は、O, Na, Mg, Al、並びにScの過剰が明らかとなった。しかしながら、炭素,窒素、及び-元素の過剰で知られる超金属欠乏星CS22949-037とCS29498-043とは異なり、炭素と窒素の過剰は見られなかった。このような特異な組成を持った星の元素組成の起源を説明できるモデルはこれまで存在しなかったので、この研究では超新星爆発を起こす前に多くの外層質量を失った大質量星モデルを仮定し、超新星爆発後の元素合成結果との比較及び議論をしている。
定金 晃三*; 新井 彰*; 青木 和光*; 有本 信雄*; 比田井 昌英*; 大西 高司*; 田実 晃人*; Beers, T. C.*; 岩本 信之; 冨永 望*; et al.
Publications of the Astronomical Society of Japan, 58(3), p.595 - 604, 2006/06
被引用回数:11 パーセンタイル:31.92(Astronomy & Astrophysics)ブラックホール連星にある伴星V4641 Sgrについて分光観測を行い、10元素についてその存在比を得た。その結果、NとNaが太陽と比べて、それぞれ0.8dex程度過剰であることを見いだした。また、ほかの元素(C, O, Mg, Al, Si, Ti, Cr, Fe)を二つの典型的な晩期型B型星と比べた結果、それらの星の組成比の間には顕著な違いがなく、太陽組成と同じであった。V4641 Sgrで観測された組成を説明するようなモデルを構築した結果、ブラックホールの親星の最期に起きた超新星は、Ni-56を放出しない暗いタイプのものであったという示唆を得た。