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富田 涼平; 富田 純平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ
放射化学, (48), p.1 - 15, 2023/09
二次イオン質量分析法は酸素などのイオンビームを試料に照射することで試料の構成元素から放出されたイオンを質量分析する手法である。この手法は僅かなイオンであっても高感度の計測が可能であり、極微量の元素の同位体比分析に広く用いられる。我々は高分解能を有する二次イオン質量分析装置を用いて、ウランを主とした核物質を含む微小粒子の同位体組成分析技術を開発するとともに、IAEAが原子力施設等の立ち入り査察で採取した試料に含まれるウラン粒子の同位体組成を日本のIAEAネットワーク分析所として分析し、その結果を報告している。本稿では、二次イオン質量分析法の解説と従来型の二次イオン質量分析装置から始まり、現在、主流となっている大型二次イオン質量分析装置が開発されるまでの二次イオン質量分析法を使用した保障措置環境試料中のウラン粒子に対する分析技術の発展について、我々が行った分析技術開発の成果を中心に述べる。
宮本 ユタカ; 鈴木 大輔; 富田 涼平; 富田 純平; 安田 健一郎
Isotope News, (786), p.22 - 25, 2023/04
IAEAが核不拡散条約に基づき、IAEAに未申告の原子力活動を探知するための技術としてIAEAが実施している「保障措置環境試料」の分析について、技術的な側面から概要を述べるとともに、国際協力の一環として日本のIAEAネットワーク分析所として活動している原子力機構の分析技術について解説する。特に微小核物質粒子の検知および核物質の同位体組成分析技術に焦点を当てて解説する。
富田 涼平; 富田 純平; 蓬田 匠; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ
KEK Proceedings 2022-2, p.108 - 113, 2022/11
ウラン粒子に対するSIMS分析では最初に粒子自動測定(APM)を行う。APMを行うことで試料台上に存在するウラン粒子の個数とその位置や、どの程度の濃縮度であるかを知ることができる。APMは測定範囲350m四方に酸素イオンビームを短時間照射する同位体比測定を座標を移動しながら繰り返すことで試料台全体の様子を網羅していくが、その精度や確度は試料の状態の影響を大きく受ける。そこで、試料の前処理で行っている加熱処理の温度がウラン二次イオンの発生効率やウラン水素化物の生成量、粒子の結晶性等に与える影響を調べ、APMに適した条件を求めた。得られた実験結果を元に試料の状態に応じた粒子分析スキームを作成した。実験により800Cの加熱処理は350Cと比較してウラン二次イオンの検出量が33%まで低下し、ウラン水素化物の生成も4倍となる結果が得られた。ラマン分光分析によって800Cの加熱は結晶性の向上に繋がることがわかったが、二次イオンの発生効率を低下させるような変質が引き起こす悪影響の方が顕著であり、今回の実験では350Cによる加熱が適した加熱条件であるとわかった。
富田 純平; 富田 涼平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ
KEK Proceedings 2022-2, p.154 - 158, 2022/11
保障措置環境試料に含まれるウラン粒子中の存在度の低いウラン同位体(U及び)を精密に測定することは、施設の原子力活動を検認するうえで重要である。本研究では、これら存在度の低いウラン同位体の測定技術を開発するために使用するウラン模擬粒子の作成方法を検討した。ウランの代用としたルテチウム溶液を粒子母体である多孔質シリカビーズを効果的に含浸させる方法を検討した。走査型電子顕微鏡で粒子の含浸状態を観察した結果、シリカビーズと溶液をPFA棒で混合するよりも時間をかけて静かに含浸させる方法が含浸粒子を効果的に作成できることが分かった。
富田 純平; 小澤 麻由美; 小原 義之; 宮本 ユタカ
KEK Proceedings 2021-2, p.130 - 134, 2021/12
本研究は、研究所の管理部門や自治体等でも実施可能なRa分析法の開発を目指し、試料中に元来含まれる非放射性Baを化学収率補正に用いる簡便・迅速な化学分離法の開発及び比較的普及している四重極型ICP-MSによる天然水中Ra迅速分析法の開発を目的としている。本発表では、ICP-MSによるHeコリジョン法の最適な測定条件、コリジョンガスを使用しない通常法及びHeコリジョン法における検出下限値、干渉を起こす元素の同定及びその影響の定量的評価を行った結果について報告する。Heコリジョン法を用いた場合、ガス流量が3.6mL/minの時が最も高感度であった。通常法及びHeコリジョン法におけるRa測定の検出下限値は、それぞれ8fg/mL(0.28mBq/mL)及び10fg/mL(0.38mBq/mL)であった。また、通常法ではW, Heコリジョン法の場合はPbがRa濃度測定に有意な影響を与えた。測定溶液中のW及びPb濃度が1g/mLの場合、WやPbの多原子イオンが妨害することで、濃度が本来の値よりそれぞれ40fg/mL, 20fg/mL高い値を示すことがわかった。
富田 涼平; 富田 純平; 蓬田 匠; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ
KEK Proceedings 2021-2, p.146 - 150, 2021/12
大型二次イオン質量分析装置(LG-SIMS)を使用したウラン粒子のスクリーニング測定(APM)は広い測定領域に複数の粒子を収め、測定範囲内に存在する個々の粒子の座標と同位体組成の情報を得る連続測定である。特に高濃縮の粒子を含むAPMではウラン粒子表面の水素化物生成比が高い場合にU$測定値$=UH+U$真値$となる影響を受けてUの存在率が見かけ上高くなる。APMでは個々の粒子から得られる二次イオンが少ないため正確な水素化物補正ができず、この影響でウラン全体に対するUの存在率が見かけ上低下する問題が起きる。そこでAPMの測定前に一定時間だけイオンビームを照射することでウラン粒子表面の水素化物生成比の低減を試みた。また、粒子表面を十分にスパッタしやすいマニピュレーション-APM(APM-mani)についても実験を行い、水素化物を効果的に低減できるスクリーニング条件を検討した。
鈴木 大輔; 富田 涼平; 富田 純平; 江坂 文孝; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 328(1), p.103 - 111, 2021/04
被引用回数:3 パーセンタイル:45.99(Chemistry, Analytical)保障措置のためのウラン粒子の精製年代分析技術を開発した。ウランの精製年代は、粒子中のウランとトリウムを化学分離したのち、シングルコレクタ型誘導結合プラズマ質量分析計を用いてTh/U原子個数比を測定することにより得た。粒子中のTh及びUの原子個数の定量は、既知量のU濃縮同位体標準物質及びその標準物質にUの娘核種として含まれるThをスパイクとして用いて行った。精製年代既知(精製からの経過年: 61年)の二種類の同位体標準物NBL U-850及びU-100のウラン粒子を用いて分析を行ったところ、得られた推定精製年代はそれらの標準物質の参照精製年代と良く一致した結果であった。さらに、単一のU-850ウラン粒子を用いて分析を行った結果、推定精製年代は参照精製年代から-28年2年のずれの範囲内で得ることができた。
園田 哲*; 和田 道治*; 富田 英生*; 坂本 知佳*; 高塚 卓旦*; 古川 武*; 飯村 秀紀; 伊藤 由太*; 久保 敏幸*; 松尾 由賀利*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 295, p.1 - 10, 2013/01
被引用回数:21 パーセンタイル:83.85(Instruments & Instrumentation)ガスセル中でのレーザー共鳴イオン化を用いた新しいタイプのイオン源を開発した。このイオン源は、ガスセル中に入射した放射性核種の原子を、レーザーでイオン化して、オンラインで質量分離するためのものである。このイオン源の特長は、ガスセルからイオンを引き出す出口に六極イオンガイドを付けて差動排気することにより、同位体分離装置を高真空に保ちながらガスセルの出口径を大きくした点にある。これによって、ガス中でイオン化されたイオンの引出し時間が短くなり、より短寿命の放射性核種の分離が可能となった。このイオン源は、理化学研究所の放射性イオンビーム施設(RIBF)で使用される予定である。
冨田 豊; 森平 正之; 田巻 喜久*; 西村 一久*; 庄司 修一*; 木原 義之; 加瀬 健; 小泉 務
JAEA-Research 2006-088, 95 Pages, 2007/01
日本原子力研究開発機構では、高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究において、低除染TRU燃料の有望な候補の一つとして外部ゲル化法による燃料粒子製造技術開発を実施した。フェーズIIでは大径粒子の製造条件の最適化,アンモニア廃ガス処理の軽減を目的とした外部ゲル化法の改良方法の検討及び低除染燃料特有の核分裂生成物の影響について検討した。その結果、振動充填燃料に適した大径粒子の製造条件を把握及び改良型の外部ゲル化法の適用性の可能性を見いだした。さらに、核分裂生成物は粒子製造に悪影響を与えないことを確認するとともに原料液の耐放射線性についてのデータを取得した。これらの結果より、低除染湿式再処理対応の振動充填燃料用燃料粒子製造に外部ゲル化法が適応できる技術的な見通しを得た。
冨田 豊; 森平 正之; 木原 義之; 田巻 喜久*
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 4 Pages, 2005/10
高い経済性と環境負荷低減がFBRサイクルに求められている。スフェアパック燃料は、遠隔自動化が可能、製造工程で微粉末が発生しない、コスト低減が可能である、などの利点を持つために有望な燃料と考えられている。このため、サイクル機構では外部ゲル化法によるスフェアパック燃料製造の開発を行っている。この報告では、外部ゲル化法による粒子製造試験について報告する。
冨田 豊; 重留 義明; 木原 義之
サイクル機構技報, (24), p.1 - 10, 2004/00
サイクル機構では、スイス PSIとオランダNRGとの間で、振動充填燃料に関する共同研究を実施している。本共同研究ではスフェアパック、バイパック、ペレットの3タイプの燃料をPSIで製造し、2004年1月からオランダペッテンのHFRで照射試験を行っている。このうちスフェアパック燃料については、20%Pu-MOX及び5%Np-20%Pu-MOXの球状粒子燃料を内部ゲル化法で製造し、9本のスフェアパックセグメントを製造した。バイパック燃料については、グリーンペレットを粉砕して焼結することで20%Pu-MOX非球状粒子燃料を製造し、2本のバイパックセグメントを製造した。また、リファレンスとして5本の20%Pu-MOXペレットセグメントを製造した。本稿ではスフェアパック燃料とバイパック燃料の製造について報告する。
中原 将海; 冨田 豊; 野村 和則; 鷲谷 忠博
no journal, ,
先進湿式再処理法の晶析工程より回収される硝酸ウラニル結晶の精製技術開発に関連して、不純物として混入していると思われるPu-Cs複塩を生成させ、その物性データを取得した。溶液中の硝酸濃度が高くなるにつれ、複塩の生成量が増加した。また、複塩のX線回折を行った結果はCsU(NO)に近い回折パターンを示した。熱分析においては、100Cでは重量減少はみられず、約245Cにて約10%の減少がみられた。これは、CsPu(NO)からCsPuO(NO)への変化によるものと推察される。
鍛治 直也; 中原 将海; 中村 和仁; 柴田 淳広; 冨田 豊; 鷲谷 忠博; 北嶋 卓史; 小泉 務
no journal, ,
今回実施した照射済燃料を用いた晶析試験並びにこれまで実施したU試験及びU/Pu試験における溶解度データとHartの溶解度データを比較し、晶析率予測における同データの適用性について考察する。
比内 浩; 冨田 豊; 野村 和則; 大山 孝一; 北嶋 卓史; 小泉 務
no journal, ,
粉体化した照射済燃料において粒径が1000m以下の燃料粉体については、粒径は溶解速度に依存しないことが確認されている。しかし1000m以上の粒径では試験は行われていない。そこで1000m以上の粒径での溶解挙動の把握を目的とした溶解試験を実施した。燃料粉末としては、高速実験炉「常陽」Mk-II照射済炉心燃料を粉体化し、篩い分けにより分級した2000m未満,1000m以上の燃料粉(大粒子)と850m未満の燃料粉(中粒子)を用いた。Kr放出率の結果から、大粒子は中粒子より溶解の進展が遅くなる傾向が見られた。また、溶解の完了時間としては、大粒子では1割程遅くなっているものの、ともに200分程度で溶解が完了しており、溶解時間として大きな差ではないことがわかった。
赤羽 温; 冨田 仁*; 小川 奏; 西岡 一*; 山川 考一
no journal, ,
光パラメトリックチャープパルス増幅時のポンプ光の位相制御によるアイドラー光の高次残留分散の補償を目指して、光パラメトリック増幅時の相互作用光(シグナル光,アイドラー光,ポンプ光)の位相を計測した。計測には最近開発された広時間域周波数シアリング干渉法を用いており、従来SPIDER等では計測が難しかったピコ秒のチャープパルスの位相も容易に直接計測可能である。計測ではポンプ光位相変調によるアイドラー分散の変化も観測され、能動的ポンプ光位相制御によるアイドラー光高次分散補償が実現可能であることがわかった。
赤羽 温; 小川 奏; 冨田 仁*; 西岡 一*; 山川 考一
no journal, ,
光パラメトリックチャープパルス増幅時に発生するアイドラー光をシグナル光パルス伸長に用いるのと同一の正分散媒質でパルス圧縮する新たなチャープパルス増幅手法を提案し開発を進めている。この手法を用いることにより環境の変化に強く、シンプルかつ高効率な実用的フェムト秒チャープパルス増幅レーザーの構築が可能で、屋外やレーザー加工工場のような実業,産業面での応用の進展が期待される。実証実験ではサブ100フェムト秒の圧縮アイドラーパルスを得ることに成功し、現在高次分散補償による短パルス化を進めている。
熊田 政弘; 冨田 豊
no journal, ,
2011年3月11日に発生した東日本大震災直後の日本国高崎のRN38放射性核種監視観測所における運用状況を報告する。
赤羽 温; 冨田 仁*; 小川 奏; 西岡 一*; 山川 考一
no journal, ,
増幅光のパルス伸張と圧縮に正分散媒質のみを用いる実用的チャープパルス増幅レーザー装置のさらなる短パルス化を目指して、ポンプ光位相変調を用いた発生アイドラー光残留高次分散補償の研究を進めている。ポンプ光はシグナル光やアイドラー光に比べ狭帯域で、既存の空間光変調器等で容易に位相制御が可能である。また一度最適な位相変調が決まればファイバーブラッグ回折格子や体積ブラッグ回折格子等の堅牢な素子で任意の位相変調を安定に印可することができるため、装置のメリットを損なうことなく高次分散補償が可能である。位相制御実験の初めの一歩として行った光パラメトリック増幅段における相互作用光の位相計測ではシグナル光分散値に対して符号反転しないはずの3次分散が負に反転し、反転するはずの4次分散が反転せず正のままであるなど、ポンプ光位相変調の影響を示唆する実験結果が得られている。
冨田 豊; 熊田 政弘; 若林 修二; 木島 佑一; 山本 洋一; 小田 哲三
no journal, ,
A SAUNA system was installed for monitoring of radioxenon at the Takasaki IMS station (JPX38) in Japan in December, 2006. The test operation had been performed from 2007 to 2014, and valuable monitoring data and operation and maintenance experiences were obtained. Though the CTBTO planned to start system upgrade of the JPX38 for certification in April, 2013, the upgrade plan was postponed since JPX38 detected radioxenon isotopes early in April, 2013, which were derived from the third nuclear test announced by North Korea. To prevent missing data during the period of upgrade, the TXL was installed near JPX38 as an alternative measurement system and started to operate in January, 2014. The JPX38 upgrade was carried out from January to April, 2014 to replace some parts with new ones and to implement some new functions. Stability and reliability of the JPX38 are definitely increased by these improvements. JPX38 obtained the certification on December 19, 2014.
江坂 文孝; 蓬田 匠; 富田 涼平; 宮本 ユタカ
no journal, ,
環境中に存在する個々の微粒子に対してその化学状態を調べることは、その起源や環境への影響を明らかにする上で重要である。しかし、個々の微粒子中に含まれる元素量は少なく、元素組成のみならず化学状態まで明らかにすることは非常に困難である。本研究ではより微小な粒子の分析を目的として、電子線後方散乱回折(EBSD)法を用い、ウラン微粒子の化学状態分析への適用可能性について検討を行った。その結果、直径1m以下の粒子に対しても明瞭な電子線回折パターンを取得することができた。また、UO微粒子ではCubic構造、UO微粒子ではOrthorhombic構造に対応した電子線回折パターンを取得でき、本法により各微粒子の化学状態の違いを区別できることが示された。一方、微粒子の表面は平滑ではないため、測定位置によっては後方散乱電子の検出器への到達が妨げられ、明瞭な電子線回折パターンが取得できないことも明らかとなった。これは、微粒子表面を研磨することなどにより解決できるものと考えられる。