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國分 陽子; 藤田 奈津子; 三宅 正恭; 渡邊 隆広; 石坂 千佳; 岡部 宣章; 石丸 恒存; 松原 章浩*; 西澤 章光*; 西尾 智博*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 456, p.271 - 275, 2019/10
被引用回数:6 パーセンタイル:43.37(Instruments & Instrumentation)JAEA-AMS-TONOは、日本原子力研究開発機構東濃地科学センターに導入されてから20周年を迎えた。5MVタンデム型加速器質量分析装置を用いて、炭素,ベリリウム,アルミニウムの同位体測定を行っている。また、現在、さらなる利用を広げるため、ヨウ素同位体測定等の整備を進めている。年間の測定試料数はここ5年の平均で、およそ1000個である。そのうち、最も多い測定は炭素であり、主に高レベル放射性廃棄物の地層処分に関わる地質環境の長期安定性に関する研究の一環で地質試料の年代測定に使われている。近年、試料調製のスピードを上げるため、自動グラファイト調製装置の導入及び地下水中の溶存無機炭素のガス化回収装置の構築を行った。また、ベリリウム、アルミニウム測定では地球科学の研究に利用する一方、ベリリウムについては検出限界の低減を図った。最近、ヨウ素の測定に向け、測定条件の検討を行っている。
藤田 奈津子; 松原 章浩; 三宅 正恭*; 渡邊 隆広; 國分 陽子; 加藤 元久*; 岡部 宣章*; 磯崎 信宏*; 石坂 千佳*; 虎沢 均*; et al.
第32回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.57 - 59, 2019/09
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターJAEA-AMS-TONOの平成30年度の施設状況について報告する。平成9年の装置導入以来、測定時間の積算は24,923時間、総測定試料数は20,085個となった。そのうち、平成30年度の測定時間は2,426時間、測定試料数は2,037個であった。平成30年度は、平成29年度の1.4倍程度となり、導入以来過去最高記録を更新した。これまで当施設の測定可能核種は、炭素-14、ベリリウム-10、アルミニウム-26の3核種であったが、ここ数年ヨウ素-129のルーチン化を目指した技術開発を行い、平成30年度にルーチン化の目処を得たため、平成31年度より合計4核種の測定が可能となった。
國分 陽子; 藤田 奈津子; 松原 章浩*; 西澤 章光*; 西尾 智博; 三宅 正恭; 石丸 恒存; 渡邊 隆広; 尾方 伸久; 島田 顕臣; et al.
JAEA-Conf 2018-002, p.5 - 8, 2019/02
日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所JAEA-AMS-TONOは、平成9年3月に5MVの加速器(NEC製ペレトロン15SDH-2)を有する加速器質量分析装置を導入し、平成29年で20年を迎えた。本発表では、JAEA-AMS-TONOのこれまでのあゆみについて紹介する。現在、土岐地球年代学研究所では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発の一環として行う深地層の科学的研究のうち、地質環境の長期安定性に関する研究の基盤となる年代測定技術の開発を行っている。その中で、JAEA-AMS-TONOは放射性炭素をはじめとする数種の年代測定が可能であり、その中核施設としての役割を担っている。これまで放射性炭素やベリリウム-10、アルミニウム-26測定により、断層の活動性や津波の痕跡、気候変動に関する研究、地表面の侵食速度や岩石の露出年代を求める研究に貢献している。
渡邊 隆広; 國分 陽子; 藤田 奈津子; 石坂 千佳*; 西尾 智博; 松原 章浩*; 三宅 正恭; 加藤 元久*; 磯崎 信宏*; 虎沢 均*; et al.
JAEA-Conf 2018-002, p.116 - 119, 2019/02
東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、放射性廃棄物の地層処分の研究開発の一環として加速器質量分析法(AMS)を用いた放射性炭素年代測定を実施している。しかし、高時間分解能でのデータが必要となるケースもあり、多数の試料を効率良く処理する手法が求められている。したがって、放射性炭素年代測定の前処理の効率化を進めるため、自動グラファイト調製装置(IonPlus社製AGE3)を2016年度に導入した。年代値を適切に評価するためには、試料調製時における炭素汚染や収率を把握することが重要となる。本研究では、標準物質であるIAEA-C1, C4, C5, C6, C7, C9およびNIST-SRM4990Cを用いて、AGE3の性能評価を実施した。測定結果は各標準試料の放射性炭素濃度の合意値とおおよそ2
の範囲で一致した。また、バックグラウンド評価として実施したIAEA-C1の測定結果は0.15
0.01pMCであり、地質試料の年代測定において十分に適用可能であると考えられる。
藤田 奈津子; 三宅 正恭; 渡邊 隆広; 國分 陽子; 石丸 恒存; 松原 章浩*; 西尾 智博*; 加藤 元久*; 磯崎 信宏*; 虎沢 均*; et al.
JAEA-Conf 2018-013, p.96 - 99, 2019/02
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターではJAEA-AMS-TONOを平成9年に導入し、当機構で進める深地層の科学的研究を行うための年代測定等を行っている。本発表では平成28年度のJAEA-AMS-TONOの状況について報告する。装置は大きな故障もなく順調に稼働している。装置メンテナンスは主に5月6月に実施し、加速器タンク内の定期メンテナンス及びブロワーユニットからの異音を取り除くためブロワーモーターの交換を行った。また同期間中に、同重体分別にかかわる研究開発を進めるため、重イオン検出器前に実験用チェンバーを設置した。また1月には5年ごとの定期検査・定期確認を受け、2月には原子力規制庁による立ち入り検査を受けた。
藤田 奈津子; 三宅 正恭; 渡邊 隆広; 國分 陽子; 松原 章浩*; 加藤 元久*; 岡部 宣章; 磯崎 信宏*; 石坂 千佳*; 虎沢 均*; et al.
第31回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.92 - 95, 2018/12
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターではJAEA-AMS-TONOを平成9年に導入し、当機構で進める深地層の科学的研究の基盤となる年代測定等を行っている。本発表では平成29年度のJAEA-AMS-TONOの状況について報告する。平成29年度は、タンク内の定期メンテナンスに加え、不具合の生じていたペレットチェーン用インバータ及びストリッパーガス圧計の交換を実施した。装置に関する不具合としては、4月にダブルスリットの動作の不具合が生じた。調査の結果、原因は制御基板のコンデンサーの老朽化による破損にあることが判明した。また、平成30年2月にはイオン源のリークが発生した。調査の結果、原因はセシウム輸送管の溶接部の亀裂にあることが分かった。このため、アイオナイザーハウジング一式の更新を行った。
藤田 奈津子; 三宅 正恭; 渡邊 隆広; 國分 陽子; 石丸 恒存; 松原 章浩*; 磯崎 信宏*; 西尾 智博*; 加藤 元久*; 虎沢 均*; et al.
第19回AMSシンポジウム・2016年度「樹木年輪」研究会共同開催シンポジウム報告集, p.68 - 71, 2017/06
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、JAEA-AMS-TONOを用いて機構で進める深地層の科学的研究や、施設供用利用制度による外部機関の研究に関わる年代測定等を行うため、炭素-14, ベリリウム-10及びアルミニウム-26のルーチン測定を行っている。また、最近では塩素-36やヨウ素-129の測定技術の整備にも取り組んでいる。本発表では平成28年度の状況について報告する。
渡邊 隆広; 國分 陽子; 藤田 奈津子; 松原 章浩*; 西尾 智博*; 三宅 正恭; 加藤 元久*; 磯崎 信宏*; 虎沢 均*; 西澤 章光*; et al.
no journal, ,
加速器質量分析法(AMS)の発展により、放射性炭素(C)年代測定は地質試料の形成年代推定等、深地層の科学的研究に広く応用されている。各分野への応用展開が進むにつれて、AMSによる測定技術のみならず、汎用性のある前処理技術を構築し測定精度を維持するため、前処理の自動化や標準手法の整備が求められている。本研究では、JAEA-AMS-TONOにおいて、自動化機器の一部である元素分析(EA)燃焼法を用いた二酸化炭素精製とグラファイト調製による
C測定を継続し、バックグラウンドの低減及び精確さの向上を検討した。測定結果は、標準試料であるIAEA-C1で0.13-0.16pMC、C5で22.7-23.0pMC、C6で148.3-151.1pMCであり、各標準試料の
C濃度の合意値と
2
の範囲で一致した。また、作業の効率化に加えて、地層中の植物片等の少量試料の
C測定に対応するため、炭素量0.1から1mg以下での前処理作業についても検討した。標準試料IAEA-C4の測定では炭素量の減少とともに
C濃度が増加する傾向が見られ、現代炭素の混入が推察された。今後は、グラファイト調製方法やガラスラインの改良等により汚染を低減させ、さらに少量での
C測定を目指す。