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打田 正樹*; 前川 孝*; 田中 仁*; 井手 俊介; 高瀬 雄一*; 渡辺 文武*; 西 誠司*
Nuclear Fusion, 51(6), p.063031_1 - 063031_9, 2011/06
被引用回数:11 パーセンタイル:44.22(Physics, Fluids & Plasmas)Generation of initial closed flux surfaces by electron cyclotron heating at a conventional aspect ratio of / 3 has been investigated on the Low Aspect ratio Torus Experiment (LATE) device and further tested on the Japan Atomic Energy Research Institute Tokamak-60 Upgrade (JT-60U) Tokamak. In both experiments, a plasma current is initiated and increased by ECH under steady external fields composed of a toroidal field and a weak vertical field. In the LATE experiments, a movable inboard limiter is used to change the aspect ratio of plasmas up to / 3. The results show that the formation of closed flux surfaces is still possible up to / 3 while higher decay indexes of vertical field are required as the aspect ratio increases. Similar current start-up discharges have been performed on JT-60U, and a plasma current is initiated and increased up to 20 kA under a vertical field having a high decay index.
打田 正樹*; 前川 孝*; 田中 仁*; 井手 俊介; 高瀬 雄一*; 渡辺 文武*; 西 誠司*
Proceedings of 23rd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2010) (CD-ROM), 8 Pages, 2010/10
Generation of an initial closed flux surface by electron cyclotron heating at a conventional aspect ratio of R/a 3 has been investigated on LATE and further tested on the JT-60U tokamak. In both experiments, plasma currents are initiated and increased by ECH under steady external fields composed of a toroidal field and a weak vertical field. In LATE experiments, a movable inboard limiter is used to change the aspect ratio of plasmas up to R/a 3. The results show that the formation of an initial closed flux surface is still possible up to R/a 3 while higher decay indices of vertical field are required as the aspect ratio increases. Similar current start-up discharges have been performed on JT-60U and a plasma current is initiated and increased up to 20 kA under a vertical field configuration having a high decay index.
小西 啓之; 山下 正人*; 水木 純一郎; 内田 仁*
Characterization of Corrosion Products on Steel Surfaces, p.199 - 222, 2006/00
大気腐食によって低合金鋼表面に生成する腐食物(さび)層には、鋼表面を保護し耐食性を高める働きのあることがわかっている。このような保護性さび層の機能や生成機構の詳細については未だに解明されていない点が多い。本稿ではCr及びNiを主要添加合金元素とする鋼材を用いた長期大気暴露試験によって得られたさび試料について、われわれが行った放射光XAFS実験の詳細を解説し、さび層保護機能に関して得られた知見を紹介する。また放射光白色X線を用いた回折実験によってFe-Cr, Fe-Ni合金表面の液膜腐食過程のその場観察についても詳述し、液膜中に共存するイオン種と腐食生成物との相関を示す。
松岡 弘充; 橋本 和幸; 菱沼 行男*; 石川 幸治*; 照沼 仁*; 蓼沼 克嘉*; 内田 昇二*
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 6(3), p.189 - 191, 2005/12
レニウム-188は、高エネルギーの線を放出する等がん治療用として優れた核特性を持ち、さらに、W(半減期69.4日)の娘核種として生成し、入手が容易であるため、がん治療用RIとして注目されている。しかしながら、得られるWの比放射能が低いため、アルミナカラムを使用した従来のジェネレーターでは、カラム容積が大きくなり、溶出したReの放射能濃度が低くなる問題点がある。Reの放射能濃度の向上を目指して、原研と(株)化研が共同で開発したモリブデンの吸着容量がアルミナの100倍以上もあるジルコニウム系無機高分子PZCがW/Reジェネレーターへ応用可能かどうか、基礎的な検討を行った。WのPZCカラムへの吸着収率,Reのカラムからの長期溶離安定性,WのPZCカラムからの脱離の確認、そして、PZCから溶離したReのHydroxyethylidene Diphosphonic Acid(HEDP)とMercaptoacetyltriglycine(MAG3)への標識を試みた結果、長期間におけるWのPZCへの安定した吸着,ReのPZCからの溶離安定性及び良好な標識率が確認でき実用化の可能性が示唆された。
小西 啓之; 山下 正人*; 内田 仁*; 水木 純一郎
Proceedings of 16th International Corrosion Congress (CD-ROM), 6 Pages, 2005/09
耐候性鋼保護性さび層の構造的特徴と合金元素及び塩化物イオンとの関係を明らかにするために、塩化物環境下で大気暴露した純鉄、Fe-Cr及びFe-Ni合金の表面さび層のXANESを放射光を用いて測定した。Cl K吸収端XANES測定からこれらのさび層がアカガネアイト以外の塩化物を含むことがわかったが、その塩化物の特定には至っていない。Fe K吸収端XANES測定からこれらのさび層がゲーサイト,アカガネアイト,レピドクロサイト及びマグネタイトを主成分とすることがわかった。特にFe-Ni合金のさび層中のアカガネアイトの成分比はFe-Cr合金と比べて相対的に多い。またFe-Cr合金さび層のCr K吸収端XANESスペクトルはCr添加量に依存してわずかに変化するが、Fe-Ni合金さび層のNi K吸収端XANESにはそのような傾向は見られず、Ni添加量のある範囲においてNi周辺の局所構造は変化しないことがわかる。
加藤 智子; 鈴木 祐二*; 牧野 仁史; 内田 雅大; 内藤 守正; 若杉 圭一郎*; 奥山 茂*
JNC TN1400 2005-024, 14 Pages, 2005/08
生物圏評価は,地表に流入する放射性核種の移行率を人間への影響の尺度(例えば,放射線量)に変換するものとして安全評価の重要な要素の一つとして位置付けられる。一般に生物圏評価では数多くのデータを取り扱い,その多くは評価対象となるサイトの特徴に関連する。このため,限られた資源を有効に活用し,効率的に生物圏評価を行うためには,対象とするパラメータを絞って検討を進めることが合理的である。以上のことから,サイクル機構および原環機構は,協力協定に基づき,今後の生物圏評価データベースの整備における方向性や優先度を明らかにすることを目的として,双方のこれまで蓄積している知見を活用し,共同で検討していくための場として「生物圏評価データに関する検討会」を設置した。本検討会では,生物圏評価データの設定の考え方に関する検討として,今後選定される特定のサイト(概要調査地区など)の性能評価に向けて整備していく必要のあるデータを明らかにするとともに,その優先度を評価するための方法論について検討した。この結果,線量に寄与する重要な核種移行プロセスや移行経路をKIPPs(Key Issues, Processes and Pathways)リストとして具体化し,このKIPPsリストに対応するパラメータについて,その特性に基づくタイプ分類を行うことにより,今後データ取得が必要なパラメータを特定する作業フローを構築した。さらに,この作業フローに基づき,第2次取りまとめなどの既存の生物圏データベースの情報を部分的に用いて,適用性の確認のための試行を実施した。この結果,生物圏で取り扱う膨大なデータをデータ出典の信頼性や重要度などの複数の観点から類型化できること,さらにわが国の環境条件やその取得方法を勘案しながら優先的に検討すべきデータを把握できる見通しを得た。
小西 啓之; 山下 正人*; 内田 仁*; 水木 純一郎
Materials Transactions, 46(2), p.329 - 336, 2005/02
被引用回数:28 パーセンタイル:80.47(Materials Science, Multidisciplinary)少量のクロムを含む従来型耐候性鋼の耐食性は、塩分飛来環境下では著しく減少する。そのため合金元素としてニッケルを添加した耐候性鋼が、塩分飛来環境下での使用に耐える新型鋼材として注目される。このような耐候性鋼の保護性さび層の構造を知る手がかりとして、宮古島で大気暴露した鉄,鉄ニッケル合金,鉄クロム合金の各試料片の表面に生成したさび層の分析を放射光を用いたCl K-XANES, Fe K-XANESによって行った。Fe K-XANESスペクトルをパターンフィッティング解析することで、さび層の主要構成成分であるゲーサイト,アカガネイト,レピドクロサイト,マグネタイトの組成比を求めることができた。いずれのさび試料についても最も組成比の高い成分はアカガネイトであり、しかもFe-Ni合金のさび中のアカガネイト組成比はFe-Cr合金さび中のそれよりも高い結果となった。一般にアカガネイトは鋼材の腐食をより進行させるということを考えると、塩分環境でより耐食性が高いはずのFe-Ni合金でさび中のアカガネイト量が多いことは意外である。両者のさび中のアカガネイトが質的に異なるものであり、Fe-Ni合金さび中のアカガネイトは腐食の進行に関与しないと考えられる。一方、さび層のCl K-XANESスペクトルは人工育成アカガネイトのそれと極めてよく似ているが、主吸収ピークの立ち上がりにアカガネイトのスペクトルにはないショルダーピークが見られることから、さび層はアカガネイト以外にも何らかの塩化物を含んでいる。幾つかの参照用塩化物試料とスペクトルを比較したが、さび中の塩化物を特定するには至っていない。しかしこのことはClが直接CrやNiなどの添加合金元素と結合していないこと、したがって金属塩化物を生成することにより添加合金元素の耐食性に関する役割を阻害するものではないことがわかる。ショルダーピークは合金元素の添加量がそれぞれある値より低いときにのみ現れており、この塩化物の生成プロセスと鋼材の腐食率との間に関連性があると考えられる。
小西 啓之; 山下 正人*; 内田 仁*; 水木 純一郎
Materials Transactions, 46(2), p.337 - 341, 2005/02
被引用回数:9 パーセンタイル:57.4(Materials Science, Multidisciplinary)Cr-ゲーサイト中のCrの配位数を決定するために、人工育成Cr-ゲーサイトに対するEXAFS解析を行った。スペクトルはフォトンファクトリー(PF)の放射光を用いて測定した。フーリエ・フィルタリングを用いて最近接原子によるEXAFS振動を抽出し、カーブフィッティングで構造パラメータを求めた。その結果、(71)個のOがCrに配位していることがわかった。このことから、耐候性鋼のCr-ゲーサイト保護性さび層の最も特徴的な保護効果は、Crに配位するOによってCr-ゲーサイト粒子に負の固定電荷がもたらされることで生じるものと説明できる。
小西 啓之; 山下 正人*; 内田 仁*; 水木 純一郎
Materials Transactions, 46(1), p.136 - 139, 2005/01
被引用回数:2 パーセンタイル:25.85(Materials Science, Multidisciplinary)耐候性鋼の表面に生成するさび層の保護性は、さび層の構造に関係して現れる特性である。塩分環境下でCr添加型耐候性鋼のさび層よりもNi添加型耐候性鋼のさび層が高い保護性を持つことは、それぞれのさび層中におけるCr及びNiの化学状態や局所構造などの特徴が異なることを示唆する。塩分環境下での鋼材さび層の保護性に対するCrとNiの効果の相違を説明するために、塩分環境下で大気暴露したFe-Cr及びFe-Ni合金のさび層中のCr及びNiの周辺構造を放射光を用いたXANES測定によって調べた。Cr K-edge XANES測定の結果よりFe-Cr合金のさび層中のCrの局所構造はCr添加量によって変化し、したがってその構造は不安定であり、CrまたはCrが作る分子はその周辺の原子から比較的強く相互作用を受けると考えられる。一方、Fe-Ni合金のさび層のNi K-edge XANES測定から、Niがさび層構成物質の結晶構造の中の特定の位置を占有しており、このためClイオンなどの影響をNiはほとんど受けず、保護性さび層形成にかかわる役割を阻害されないと考えられる。
小西 啓之; 山下 正人*; 内田 仁*; 水木 純一郎
Materials Transactions, 45(12), p.3356 - 3359, 2004/12
被引用回数:9 パーセンタイル:50.69(Materials Science, Multidisciplinary)耐候性鋼中の添加合金元素であるNiやCr、環境中の腐食イオンであるClが耐候性鋼の耐食性に及ぼす働きを調べるために、飛来塩分量の多い試験場で大気暴露した純Fe,Fe-Ni合金,Fe-Cr合金から表面さび層を採取し、そのCl K吸収端XANESを放射光を用いて測定した。二元合金表面のさびのXANESスペクトルには吸収端近傍にショルダーピークが現れる。現時点でこのピークに対応した塩化物は特定できていない。そのピーク強度は暴露試験材中の合金元素の種類と量に依存するが、ピーク位置は一定であった。このことからさび中のClイオンは添加合金元素と直接結合しているのではないことがわかった。
柴田 勝志; 牧野 仁史; 若杉 圭一郎; 内田 雅大
サイクル機構技報, (21), p.79 - 88, 2003/12
地層処分研究開発は,地質環境調査・処分(設計)技術・安全評価の3分野から成り立っている。今後,この3分野が連携して研究が繰り返されることで生ずる技術的な情報の量的な増加と質的な多様化・複雑化の加速に対応していかねばならない。この課題に対応するために,技術的な情報を適切に登録・更新することができ,その技術的な情報を効率的・効果的に共有・利用できる環境を整備する必要がある。この環境を実現する技術情報統合システムの開発への取り組みを紹介する。
加藤 智子; 鈴木 祐二*; 牧野 仁史; 内田 雅大
Proceedings of International Symposium on Radioecology and Environmental Dosimetry, p.465 - 472, 2003/10
高レベル放射性廃棄物地層処分における生物圏評価モデルの構築の考え方とその適用例,評価上重要なパラメータについて紹介する。
加藤 智子; 鈴木 祐二*; 牧野 仁史; 内田 雅大
平成15年度環境研国際検討委員会「放射性生態学と環境の放射線被ばくに関する国際シンポジウム」, 35 Pages, 2003/00
高レベル放射性廃棄物地層処分における生物圏評価モデルの構築の考え方とその適用例、評価上重要なパラメータについて紹介する。
内田 雅大; 牧野 仁史; 若杉 圭一郎; 柴田 勝志
OECD/NEA Amigo Project 第1回ワークショップ, 0 Pages, 2003/00
サイクル機構においては、地層処分研究において調査・設計・安全評価の3分野の連携を円滑に進めるため、技術情報統合システムの開発を進めている。システムは、リレーショナル型データベースとユーティリティから構成され、データベースは調査・設計・安全評価の情報の流れを、作業者の視点から整理した「ワークフロー」と評価者の視点から整理した「現象・特性フロー」に沿って整理・表示可能な設計となっている。プロジェクト管理を行う上では、両方のフローから行うことが可能となっている。今後は、東濃・幌延の両地下研究施設から得られるデータに基づき行われる設計手法・安全評価手法の適用性の確認に活用していく。
牧野 仁史; 澤田 淳; 加藤 智子; 宮原 要; 内田 雅大
JNC TN8450 2001-012, 11 Pages, 2002/02
サイクル機構は、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関して、「わが国における地層処分の技術的信頼性を示すこと」を目的として研究開発成果を取りまとめ、平成11年11月26日に「地層処分研究開発第2次取りまとめ(以下、第2次取りまとめ)」を原子力委員会に提出した。本報は、第2次取りまとめにおいて実施した、「システム性能の総合的解析」における解析結果(デジタルデータ)をデータ集として取りまとめるものである。あわせて、補足的な情報として、「48分割された透水量係数分布の各区間での一次元平行平板モデルの解析(レファレンスケース)」および「線量換算係数の算出」についても結果(デジタルデータ)を取りまとめる。解析結果(デジタルデータ)は膨大な量となるため、CD-ROMとして参照しやすい形で集約し、本報の付録とした。
山下 正人*; 小西 啓之; 高橋 正光; 水木 純一郎; 内田 仁*
Materials Science Research International, Special Technical Publication, 1, p.398 - 401, 2001/05
耐候性低合金鋼のさび層は大気腐食に対して強い保護機能を有する。鉄鋼のさび層を制御するには、さびの詳細な構造及びそれと防食性との関係を知ることが重要である。特にさび層に含まれる合金元素の原子位置は直接さび層の構造と特性を制御していると考えられる。本研究ではFe-Cr合金蒸着膜を硫酸水溶液液膜下で腐食させて得られる生成物について、その局所構造を調べた。メスバウアー分光法及び放射光斜入射X線回折法の結果は、腐食生成物が-FeOOHと超微細ゲーサイト(-FeOOH)とから成ることを示している。EXAFS実験より少なくともゲーサイト中にはFe-Cr合金からのCrが存在することがわかった。Feサイトを置換したCrがゲーサイトの結晶粒径を微細化する一方、Fe-O-OH八面対の間に侵入して存在するCrがさび層にイオン選択性を与え、保護機能を増加させていると考えられる。
久米 民和; 松橋 信平; 伊藤 均; G.W.Roeb*; 石岡 典子; 長 明彦; 松岡 弘充; 関根 俊明; 内田 博*; 辻 淳憲*; et al.
JAERI-Review 97-015, p.51 - 53, 1997/11
植物の環境応答を非破壊で計測するための基礎として、ポジトロンイメージング装置を用いて植物の主要構成成分である炭素化物の転流について検討した。CO(半減期20分)を用いた計測では、葉に短時間でCOは吸収され、光合成産物の根への移行が観察された。そのコムギの根へのCO化合物の移行は、特に新根で大きく、幼根の先端に多く蓄積することが認められた。また、光条件の影響を調べた結果では、新葉へのC化合物の移行は暗条件下で多いのに対し、穂への移行は逆に明条件の方が多かった。C-メチオニンを用いた実験では、Fe欠乏のオオムギの葉から根への移行が大きいと予測されたが、根には移行せずに新葉に転流していることが認められた。以上のように、ポジトロン放出核種を用いた計測は、植物のストレス応答を調べるのに有効な手段であると考えられた。
久米 民和; 松橋 信平; 島津 昌光*; 伊藤 均; 藤村 卓; 安達 勝彦*; 内田 博*; 石岡 典子; 松岡 弘充; 長 明彦; et al.
Applied Radiation and Isotopes, 48(8), p.1035 - 1043, 1997/00
被引用回数:51 パーセンタイル:94.73(Chemistry, Inorganic & Nuclear)ポジトロン・イメージング装置を用いて、植物における水の吸収と移行について検討した。TIARAのAVFサイクロトロンで製造したF-水を用いて、葉の画像解析を行った。植物体としてはダイズを用い、切断した茎から2分間F-水を吸収させ、葉におけるF活性を50分間計測した。非照射のダイズでは5分後に最大値に達したが、100Gy照射試料では最大値に達するまで15分を要し、また吸収量も低かった。従って、100Gy照射試料では外見上の変化はほとんど認められないが、吸水能力は著しく低下していることがわかった。また、葉柄に近い部分の葉脈を切断した場合、吸収されたFの減少が認められるが、葉の先端でも活性が検出され、葉肉から水のまわりこみが認められた。以上のように本装置は植物体内での物質の移行をみるのに有効な手段であり、植物機能解明の研究に役立つと考えられた。
久米 民和; 松橋 信平; 島津 昌光*; 伊藤 均; 内田 博*; 辻 淳憲*; 石岡 典子; 松岡 弘充; 長 明彦; 関根 俊明
Plant Nutrition for Sustainable Food Production and Environment, 0, p.169 - 170, 1997/00
線照射処理した植物について、ポジトロン・イメージング装置を用いて物質の吸収・移行を計測した。4.85.0cmの平面検出器を2台対向させ、消滅線を計測することにより画像を得た。ダイズの切断した茎からF-水(5MBq/ml)を2分間吸収させた後、30分間計測した結果、葉におけるF量は10分以内に最大値に達した。しかし、100Gy照射して障害を与えたダイズでは、吸収・移行が著しく遅くなり25分以上を要した。切りバラの殺虫を目的として800Gyの線を照射した場合、花部へのFの移行は非照射に比べ著しく少なかった。2%のグルコースを添加すると吸収回復効果が認められた。これらの結果は、肉眼的な開花遅延効果に対応しており、植物の障害及び回復機能を調べる上で有効な手段となり得ると考えられた。
橋本 和幸; 菱沼 行男*; 石川 幸治*; 照沼 仁*; 蓼沼 克嘉*; 内田 昇二*; 松岡 弘充
no journal, ,
レニウム-188は、高エネルギーの線を放出する等がん治療用として優れた核特性を持ち、さらに、W(半減期69.4日)の娘核種として生成し、入手が容易であるため、がん治療用RIとして注目されている。しかしながら、得られるWの比放射能が低いため、アルミナカラムを使用した従来のジェネレーターでは、カラム容積が大きくなり、溶出したReの放射能濃度が低くなる問題点がある。Reの放射能濃度の向上を目指して、旧原研と化研が共同で開発したモリブデンの吸着容量がアルミナの100倍以上もあるジルコニウム系無機高分子PZCのW/Reジェネレーターへの応用可能かどうか、基礎的な検討を行った。WのPZCカラムへの吸着収率,Reのカラムからの長期溶離安定性,WのPZCカラムからの脱離の確認、そして、PZCから溶離したReのHydroxyethylidene Diphosphonic Acid(HEDP)とMercaptoacetyltriglycine(MAG3)への標識を試みた結果、長期間におけるWのPZCへの安定した吸着,ReのPZCからの溶離安定性及び良好な標識率が確認でき実用化の可能性が示唆された。