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山路 哲史; 中野 佳洋; 内川 貞夫; 大久保 努
Nuclear Technology, 179(3), p.309 - 322, 2012/09
被引用回数:5 パーセンタイル:39.28(Nuclear Science & Technology)HC-FLWRは現行BWRから大きな技術的ギャップを伴わずに、核分裂性プルトニウム(Puf)残存比0.84を達成し、ウラン(U)やプルトニウム(Pu)資源を有効に活用できる。本研究では、L/F移行期における導入効果を高める観点から、現在の軽水炉のU酸化物(UO)燃料やU-Pu混合酸化物(MOX)燃料の技術に立脚して、Puf残存比0.95を達成する新たなHC-FLWR炉心の概念を構築した。炉心のボイド反応度特性悪化の対策として、稠密格子用に提案された、FLWR/MIX集合体の概念を用いた。燃料棒間ギャップ幅を0.20から0.25cmとした準稠密燃料格子でPuf残存比0.89から0.94、平均取出燃焼度53から49GWd/tが得られ、
U濃縮度を4.9から6.0wt%に上げると、Puf残存比を0.97まで高めることができる。Puf残存比がそれぞれ0.91と0.94となる代表炉心設計及び、同0.97の代替設計例を得た。これらから、Puf残存比が従来の0.84から向上し、0.95までを達成するHC-FLWRの柔軟性を示した。
内川 貞夫; 大久保 努; 中野 佳洋
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles (FR 2009) (CD-ROM), 8 Pages, 2012/00
FLWRは、発電炉としての経験・実績が豊富な軽水炉技術に立脚して増殖による持続的なプルトニウムの多重リサイクル利用を目指した水冷却高速炉であり、同一炉心構成のもとで燃料集合体の仕様を変更することにより、将来の核燃料サイクル環境の進展に対応した柔軟かつ高度な資源の利用を実現するものである。これまでの設計研究により、1.0を越える転換比と負のボイド反応度係数を維持してプルトニウムの多重リサイクル利用が可能であることを確認している。本論文では、FLWRの全体概念と炉心設計に関する最新成果を紹介する。
内川 貞夫; 大久保 努; 中野 佳洋
Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/12
水冷却高速炉FLWRは、発電炉としての経験・実績が豊富な軽水炉技術に立脚したBWRタイプの原子炉であり、今後の核燃料サイクル技術の進歩やインフラ整備の進展に対応して、同一炉心構成のもとで燃料集合体の仕様を段階的に進化させることにより柔軟かつ高度なプルトニウム利用を目指している。本研究では、MOX燃料棒と濃縮UO燃料棒を集合体内で非均質(アイランド型)に配置してボイド反応度特性を制御する燃料集合体として提案したFLWR/MIX設計概念に基づき、軽水炉サイクル時代から将来の高速炉サイクル時代への進展に対応したFLWRの炉心燃料設計概念を3つのフェーズに分けて構築し、その炉心性能と技術的成立性を評価した。
内川 貞夫
JAEA-Research 2011-011, 50 Pages, 2011/06
水冷却高速炉FLWRは、発電炉としての経験・実績が豊富な軽水炉技術に立脚したBWRタイプの原子炉であり、今後の核燃料サイクル技術の進歩やインフラ整備の進展に対応して、同一炉心構成のもとで燃料集合体の仕様を段階的に進化させることにより柔軟かつ高度なプルトニウム利用をめざしている。本研究では、MOX燃料棒と濃縮UO燃料棒を集合体内で非均質(アイランド型)に配置してボイド反応度特性を制御するFLWR/MIX燃料集合体設計概念に基づき、軽水炉サイクル時代から将来の高速炉サイクル時代への進展に対応したFLWRの炉心燃料設計概念を3つのフェーズに分けて構築し、その炉心性能と技術的成立性を評価した。
内川 貞夫; 大久保 努; 中野 佳洋
Nuclear Technology, 172(2), p.132 - 142, 2010/11
被引用回数:1 パーセンタイル:10.35(Nuclear Science & Technology)プルサーマル燃料技術に立脚し効率的なプルトニウム利用を実現する軽水冷却高速炉用燃料集合体として、MOX燃料とUO燃料棒を燃料集合体内で非均質に配置した新たな設計概念を構築し、使用するMOX燃料ペレットの最大Pu富化度をプルサーマル用燃料加工施設での取扱可能範囲としながら、核分裂性Pu残存比1.0以上を実現できる見通しを得た。
大久保 努; 中野 佳洋; 内川 貞夫; 深谷 裕司
Revue Gn
rale Nucl
aire, (6), p.83 - 89, 2010/11
成熟した軽水炉技術に立脚してPuやTRUのリサイクルによって将来の持続的なエネルギー供給に貢献するため、新型軽水炉概念FLWRの提案・検討が行われている。本概念はMOX燃料を用いた稠密炉心を使用し、時系列的な2つのステップで構成されている。第1ステップは、早期導入を実現する高転換型炉概念HC-FLWRであり、軽水炉及びプルサーマル技術からのスムースな連続性の確保を目指したものである。第2ステップは、低減速軽水炉概念RMWRであり、1.0を超える高転換比を実現してPuやTRUの多重リサイクルによって長期的持続的なエネルギー供給に適するものである。重要な点は、この2つの炉心概念では整合性を有する同じ形の燃料集合体を利用する点であり、このことにより、同一の原子炉において前者から後者への移行が将来の燃料サイクル環境の状況に柔軟に対応して行うことが可能である。本論文では、FLWRの早期導入炉心の設計に重点を置きながら、FLWR研究開発における炉心設計の進め方とともに紹介する。
内川 貞夫; 中野 佳洋; 大久保 努
JAEA-Research 2010-008, 30 Pages, 2010/06
革新的水冷却炉(FLWR)は、発電炉としての経験・実績が豊富な軽水炉技術に立脚したBWRタイプの水冷却高速炉であり、同一炉心構成のもとで燃料集合体の仕様を変更することにより、将来の核燃料サイクル環境の変化に対応した柔軟かつ高度なプルトニウム利用を目指している。第1ステップでは、軽水炉サイクルインフラを活用したプルトニウムの集中利用を、第2ステップでは、MOX燃料再処理等の高速炉サイクルインフラを利用した増殖による持続的なプルトニウムの多重リサイクル利用を実現する。本研究では、プルサーマル利用により確立される軽水炉燃料サイクル技術に立脚し、FLWRの第1ステップにおいて転換比を1.0近傍まで高めて効率的なプルトニウム利用を実現する燃料集合体概念として、MOX燃料棒とUO燃料棒を集合体内で非均質(アイランド型)に配置した設計概念(FLWR/MIX)を構築し、その成立性を検討した。
中野 佳洋; 深谷 裕司; 秋江 拓志; 石川 信行; 大久保 努; 内川 貞夫
JAEA-Research 2009-061, 92 Pages, 2010/03
革新的水冷却炉(FLWR)を構成する二つの炉心概念、高転換型炉(HC-FLWR)と低減速軽水炉(RMWR)炉のうち、HC-FLWRについて、代表炉心設計,HC-FLWRからRMWRへの移行炉心設計,マイナーアクチニド(MA)リサイクル炉心設計,導入効果の検討を行った。代表炉心設計では、燃料棒直径1.12cm,核分裂性Pu(Puf)富化度10.75%, MOX長85.5cm,取出燃焼度52GWd/t, Puf残存比0.84の炉心を設計した。移行炉心設計では、集合体内の富化度分布調節と燃料交換パターンの工夫により、集合体内及び炉心内の出力分布を平坦化できることを明らかにした。MAリサイクル炉心設計では負のボイド反応度係数を維持しながら取出燃焼度55GWd/tが得られる炉心を設計し、MA添加がボイド反応度係数に寄与する炉物理的メカニズムを、厳密摂動論を用いて明らかにした。導入効果の検討に関しては、本研究で得られた代表炉心設計の結果を踏まえて、より一般的な枠組みで、将来の軽水炉でのプルトニウム有効利用について考察し高転換軽水炉導入のメリットとそのポテンシャルを明らかにした。
大久保 努; 中野 佳洋; 内川 貞夫; 深谷 裕司
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycle; Sustainable Options & Industrial Perspectives (Global 2009) (CD-ROM), p.1703 - 1710, 2009/09
成熟した軽水炉技術に立脚してPuやTRUのリサイクルによって将来の持続的なエネルギー供給に貢献するため、新型軽水炉概念FLWRの提案・検討が行われている。本概念はMOX燃料を用いた稠密炉心を使用し、時系列的な2つのステップで構成されている。第1ステップは、早期導入を実現する高転換型炉概念HC-FLWRであり、軽水炉及びプルサーマル技術からのスムースな連続性の確保を目指したものである。第2ステップは、低減速軽水炉概念RMWRであり、1.0を超える高転換比を実現してPuやTRUの多重リサイクルによって長期的持続的なエネルギー供給に適するものである。重要な点は、この2つの炉心概念では整合性を有する同じ形の燃料集合体を利用する点であり、このことにより、同一の原子炉において前者から後者への移行が将来の燃料サイクル環境の状況に柔軟に対応して行うことが可能である。本論文では、FLWRの早期導入炉心の設計に重点を置きながら、FLWR研究開発における炉心設計の進め方とともに紹介する。
内川 貞夫; 大久保 努; 中野 佳洋
Proceedings of 2009 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '09) (CD-ROM), p.9022_1 - 9022_9, 2009/05
軽水冷却高速炉(FLWR)においてプルサーマル燃料技術に立脚して増殖型運転を実現する燃料集合体概念として、MOX燃料棒とUO燃料棒を非均質に配置した新たな設計概念を構築し、使用するMOX燃料ペレットのプルトニウム最大富化度をプルサーマル用燃料加工施設での取扱可能範囲としながら、核分裂プルトニウム残存比1.0以上を実現できる見通しを得た。
内川 貞夫; 大久保 努; 中野 佳洋; 小林 登
Proceedings of 16th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-16) (CD-ROM), 6 Pages, 2008/10
革新的水冷却炉(FLWR)は、発電炉としての経験・実績が豊富な軽水炉技術に立脚して増殖による持続的なプルトニウムの多重リサイクル利用を目指した水冷却高速炉であり、同一炉心構成のもとで燃料集合体の仕様を変更することにより、将来の核燃料サイクル環境の進展に対応した柔軟かつ高度な資源の利用を実現するものである。これまでの設計研究により、1.0を越える転換比(核分裂性プルトニウム残存比)と負のボイド反応度係数を維持してプルトニウムの多重リサイクル利用が可能であることを確認している。本論文では、FLWRの全体概念と炉心設計に関する最新成果を紹介する。
大久保 努; 中野 佳洋; 深谷 裕司; 小林 登; 内川 貞夫
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors, Nuclear Power; A Sustainable Resource (PHYSOR 2008) (CD-ROM), 3 Pages, 2008/09
革新的水冷却炉(FLWR)は、経験と実績が豊富な軽水炉技術に立脚して将来の持続的なエネルギー供給を実現するため、原子力機構において研究が進められているBWR型の新型原子炉概念で、MOX燃料棒を三角格子稠密配列とした炉心を使用している。これにより、硬い中性子スペクトルを実現し、ウランからプルトニウムへの転換比を高めており、プルトニウムやさらにマイナーアクチニド(MA)を加えたTRUのリサイクルに適したものとなっている。FLWR炉心には、転換比の異なるHC-FLWRとRMWRの2概念があるが、0.85程度と転換比の低いHC-FLWRにおいてもMAを2%程度含むTRUリサイクルが可能であるとの結果が得られた。
深谷 裕司; 大久保 努; 内川 貞夫
Nuclear Engineering and Design, 238(7), p.1601 - 1611, 2008/07
被引用回数:3 パーセンタイル:24.11(Nuclear Science & Technology)低減速軽水炉(RMWR)における使用済燃料特性の検討をSWATコードとORIGENコードを用いて行った。この評価においてはRMWR用のORIGENライブラリが必要であったが、公開されたものが存在しなかったため本研究においてSWATコードを用いて作成した。RMWRの使用済燃料特性を検討するために崩壊熱,放射能,各核種の組成をORIGENを用いて評価した。また、これらについてほかの炉型に対する評価も行った。RMWRの使用済燃料における崩壊熱と放射能はフルMOX軽水炉やFBRのものよりも低く、高燃焼度PWRと同程度のものであることがわかった。加えて、廃棄物処理の観点から、発熱性元素,白金族元素, Mo, LLFPについての検討も行った。
小林 登; 大貫 晃; 内川 貞夫; 大久保 努
JAEA-Research 2008-054, 145 Pages, 2008/05
革新的水冷却炉(FLWR)の増殖型炉心と高転換型炉心とが燃料集合体以外の原子炉システムを変更することなく運転可能であることを示すため、自然循環冷却システムを採用した高転換型炉心の熱水力設計を行った。設計解析ではTRAC-BF1コードを使用し、従来の知見を反映した熱水力相関式を選択した。同一の原子炉圧力容器並びに燃料集合体入口オリフィスにより増殖型炉心と高転換型炉心とを成立させることを設計目標として、燃料集合体下部タイプレートでの圧力損失(形状損失)及び給水温度を調整することで、核設計上の要求事項(炉心平均ボイド率50%以下)並びに限界出力比の目標(CPR 1.3)を満足することを目指した。その結果、現行BWRと同等の下部タイプレート形状損失を採用し、給水温度を505Kとすることで成立する見通しを得た。
深谷 裕司; 大久保 努; 内川 貞夫
JAEA-Research 2008-041, 98 Pages, 2008/03
本研究は、新概念の炉型である低減速軽水炉(RMWR)の使用済燃料の特性(組成,崩壊熱,放射能)をほかの既存の炉型のものとの比較を含め検討することを目的としている。使用済燃料の特性を検討することはその輸送や再処理等の取扱いにおける安全管理を考えるうえで不可欠である。一般的に、使用済燃料の特性の検討には線源評価コードORIGENが広く使われているため、本研究においてもORIGENによる解析を行って評価した。しかし、低減速軽水炉に適した公開ライブラリが存在しないためSWATコード改訂版によってORIGENライブラリを作成した。使用済燃料特性の検討においては、崩壊熱と放射能について冷却期間が2年と4年の場合について各炉型に対し検討した。その結果、RMWRの使用済燃料の崩壊熱と放射能はフルMOX軽水炉やFBRより小さく、高燃焼度軽水炉と同程度であることがわかった。これは、RMWR燃料の炉内滞在期間が長いためその間にFPによる崩壊熱と放射能が減衰することと、フルMOX軽水炉に比べスペクトルが硬くMAの生成量が少ないことによることがわかった。また、廃棄物処分の観点から、発熱性FP元素,白金族元素,Mo,長寿命FP(LLFP)などに関しても検討した。
内川 貞夫; 中野 佳洋; 大久保 努; 小林 登
JAEA-Research 2008-040, 24 Pages, 2008/03
革新的水冷却炉(FLWR)の増殖型炉心を対象に、軽水炉使用済燃料の再処理に伴い回収されるウランをブランケット燃料として利用した炉心の特性及びその効果を検討した。劣化ウランに替って、Uを約1wt%程度含む回収ウランをブランケット燃料として利用することにより、劣化ウランを利用した場合と同等の炉心性能を実現するために必要な核分裂性プルトニウム量を低減でき、さらに、回収ウランを
U濃縮度5wt%程度まで再濃縮して増殖型FLWR炉心の特徴である二重扁平炉心の中間ブランケット部に装荷することにより、核分裂性プルトニウム残存比を1.1に高めることが可能であるとの見通しが得られた。本炉心概念は、導入時のプルトニウム需給収支が改善されることから、軽水炉サイクルから持続的な核燃料サイクルへの移行を速やかに実現することができ、軽水炉使用済燃料からの回収ウランが利用可能な軽水炉サイクルから高速炉サイクルへの移行期の炉心として有効である。
中野 佳洋; 秋江 拓志; 奥村 啓介; 大久保 努; 内川 貞夫
JAEA-Research 2008-006, 37 Pages, 2008/03
革新的水冷却炉(FLWR)を構成する二つの炉心概念のうち、高転換型炉(HC-FLWR)について炉心設計を行い、その基本仕様を作成した。FLWRは、既存の軽水炉技術に基づいた熱出力3,926MWの沸騰水型軽水炉で、高富化度MOX燃料を用い、燃料棒は六角形のチャンネルボックス内に稠密に三角格子配置される。HC-FLWRの炉心設計では、まず予備的なパラメータサーベイ計算を行い、大まかな炉心仕様を求めた。その結果を受けて、核熱結合炉心計算コードMOSRAを用いた設計計算を行った。一次元核熱結合炉心燃焼計算を行って炉心仕様を絞り込み、燃料棒直径1.12cm,Puf富化度11%,MOX長85cm,冷却材炉心流量10t/s,炉心入口温度550K等の炉心仕様を得た。この炉心について三次元核熱結合炉心燃焼を行うとともに、燃料交換パターンを検討し、負のボイド反応度係数を維持し、出力ピーキング係数は許容範囲内に収まり、MOX領域の取出燃焼度が56GWd/t,Puf残存比が0.84という炉心性能を有する炉心設計仕様・燃料交換パターンを構築した。
岩村 公道; 大久保 努; 内川 貞夫
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.1718 - 1724, 2007/09
TRUリサイクルが可能な新型軽水炉概念FLWRの検討を進めている。これまでの設計研究により、その概念は十分に達成可能であると見込まれる結果が得られており、関連する重要な技術課題に関するR&Dの結果も含めてそのように判断できる状況である。将来において強固な原子力エネルギー供給システムを確立するためには、軽水炉技術と高速炉技術、すなわちFLWRとNa-FBRを適切に組合せて使用して行くことが望ましくまた現実的であると考えられる。本論文ではこのような適切な両方の炉の併用を提案している。
中野 佳洋; 秋江 拓志; 大久保 努; 内川 貞夫
Proceedings of 2007 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2007) (CD-ROM), 9 Pages, 2007/05
高転換型FLWR炉心の概念設計を行った。本炉心は、MOX燃料を用いた沸騰水型軽水炉で、六角形状の燃料集合体に燃料棒を三角格子に配置し、かつ冷却材ボイド率を高めており、0.85程度の転換比を有している。この炉心は、現行軽水炉との技術的な差が小さく、現行軽水炉からの移行が容易である。計算は、原子力機構で開発中の核熱結合炉心解析コード・MOSRAを用いて行った。まず軸方向1次元計算で、MOX燃料のPu富化度や炉心高さ,冷却材流量等のパラメータサーベイを行い、その後3次元計算を行った。核熱結合した3次元炉心燃焼計算では、複数の燃料交換パターンについて炉心特性を評価した。その結果、核分裂性Pu富化度11%,MOX領域高さ85cm,MOX領域の平均冷却材ボイド率46%で、MOX部の取出燃焼度が56GWd/t、転換比が0.84で、負のボイド反応度係数と比較的平坦な径方向の出力分布を持つ炉心概念が得られた。
小林 登; 大貫 晃; 大久保 努; 内川 貞夫
Proceedings of 15th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-15) (CD-ROM), 6 Pages, 2007/04
革新的水冷却炉(FLWR)の高転換型炉心の熱設計を実施した。高転換型FLWR炉心は炉システムを変更することなく燃料集合体を入替えるだけで増殖型炉心に移行できることが要求されている。高転換型炉心は増殖型炉心と燃料棒間ギャップが大きく異なるが、高転換型炉心には増殖型炉心と同じ自然循環冷却を適用する。熱設計には、TRAC-BF1コードを用いた。高転換型炉心と増殖型炉心で、自然循環を駆動するためのチムニー長さ及び炉心入口オリフィスの設定を同じにし、下部タイプレートの形状損失係数をそれぞれの炉心に適したものにすることで、自然循環流量を制御することとした。高転換型炉心では、平均ボイド率を低下させるため、給水温度を調節した。TRAC計算結果から、同一の炉システムで高転換型炉心及び増殖型炉心とも自然循環冷却可能な設計を実現できる見通しを得た。