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荒木 祥平; 山根 祐一; 植木 太郎; 外池 幸太郎
Nuclear Science and Engineering, 195(10), p.1107 - 1117, 2021/10
被引用回数:2 パーセンタイル:31.78(Nuclear Science & Technology)燃料デブリのように乱雑な性状をもつ核燃料物質の臨界管理は事故後の安全対策において重要な課題のひとつである。様々な乱雑で管理されていない自然現象をノイズを用いて記述できることから、乱雑な性状をもつ核燃料物質についてもスペクトル分布を持つモデルが適用可能と考えた。本研究では、モデルで表現される核燃料物質について、中性子実効増倍率と減速条件の関係を検討した。減速条件の指標としてコンクリートと核燃料物質の体積比を定めた上で、乱雑化ワイエルストラス関数(RWF)に基づくスペクトル分布を持つモデルから多数の乱雑性状を生成した。生成された各々の乱雑性状について、2群エネルギーモンテカルロ計算により増倍率を計算し、結果を分散,歪み度,尖り度を用いて整理した。これらの統計量は最適減速条件において極値を持つことが見出された。また、モデルで表現される核燃料物質について、増倍率の分布範囲、分布の歪み、外れ値の出現を推定できる可能性が示唆された。
荒木 祥平; 山根 祐一; 植木 太郎; 外池 幸太郎
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors; Transition To A Scalable Nuclear Future (PHYSOR 2020) (USB Flash Drive), 8 Pages, 2020/03
本研究は1/fノイズモデルに従う乱雑化体系の実効増倍率に対するの影響を調査したものである。2群のモンテカルロ計算を用いて乱雑体系の増倍率を計算し、1/f乱雑体系の空間分布の非均一さがとともに増加するため、増倍率分布の標準偏差がとともに増加することを明らかにした。
長家 康展; 植木 太郎; 外池 幸太郎
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 9 Pages, 2019/09
燃料デブリ体系に対する臨界安全解析のために新規モンテカルロ計算ソルバーSolomonを開発した。Solomonは、通常の臨界安全解析だけでなく、燃料デブリを含む損傷した原子炉の炉心の臨界安全解析もできるように設計されている。本論文では、Solomon開発の現状について述べ、乱雑化ワイエルシュトラス関数モデル, ボクセル形状を重ね合わせた乱雑化ワイエルシュトラス関数モデルの応用について紹介する。
桜井 淳; 植木 紘太郎*
日本原子力学会誌, 43(4), p.351 - 352, 2001/04
モンテカルロ計算のここ四半世紀における発展の経緯をまとめた。特に核データ信頼性評価用ベンチマーク実験解析に携わった経験を通し、計算の精度が向上した経緯をまとめた。最近の臨界ベンチマーク実験解析では中性子増倍率が0.001の不確定を問題にしており、従来無視してきたU-234の考察が欠かせないことを指摘した。
桜井 淳; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 43(3), p.219 - 220, 2001/03
日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会は、臨界事故を受けて、委員会で対応できる安全対策を検討した。その結果、核燃料サイクル施設従事者に対してパソコンに連続エネルギーモンテカルロコードMCNP-4Bをインストールして代表的体系を解析する臨界安全教育プログラムの有効性を確認した。本稿では考え方と計算例について解説した。
桜井 淳; 久米 悦雄; 谷田部 茂*; 前川 藤夫; 山本 俊弘; 長家 康展; 森 貴正; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
JAERI-Review 2000-034, 133 Pages, 2001/02
日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会主催「モンテカルロ計算夏季セミナー」は、2000年7月26-28日に日本原子力研究所東海研究所で実施された。参加者は大学・研究機関・企業から111名にも及び盛況であった。初級コースではノート型パソコンにMCNP-4B2及び付属ライブラリ,入力例をインストールし、モンテカルロ法基礎理論から計算演習まで行った。このようなセミナーは日本では最初の試みであるため、ここに実施概要及び講義,インストール,計算演習の内容について報告する。
桜井 淳; 久米 悦雄; 谷田部 茂*; 前川 藤夫; 山本 俊弘; 長家 康展; 森 貴正; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 42(10), p.1062 - 1065, 2000/10
日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会主催の「モンテカルロ計算夏季セミナー」を実施した。大学・研究機関・企業から計111名の参加者があった。本稿においては、開催主旨、ノート型パソコンへの連結エネルギーモンテカルロ計算コードのインストールの技術的問題検討、セミナープログラム、計算メカ、参加者からのアンケート、今後の課題についてまとめた。今回は最初の読みであったため、実施上のさまざまな問題が生じたが、今後のために役立てていきたい。
桜井 淳; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 42(10), p.1048 - 1049, 2000/10
モンテカルロ計算を計算科学の標準的手法にするため、新しい試みを行った。ここでは、おもに、1990年代半ば以降に原研及び日本原子力学会に設けた研究委員会や研究成果,モンテカルロ研究の課題等をまとめている。これらの成果をふまえ、日本でのモンテカルロ国際会議開催の必要性を提案している。
桜井 淳; 山本 俊弘; 植木 紘太郎*; 森 貴正; 野村 靖; 内藤 俶孝*
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(Suppl.1), p.446 - 448, 2000/03
本論文は日本における最近のモンテカルロシミュレーション研究活動の概要をまとめたものである。本論文で取り上げた活動内容は、(1)原研が実施した遮蔽実証解析、(2)原研の原子力コード評価専門部会で実施した「原子力研究におけるモンテカルロシミュレーション」及び「モンテカルロ計算ガイドライン」作成、(3)第1回モンテカルロシミュレーション研究会内容、(4)日本原子力学会に設立した「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会の活動である。(1)-(4)はモンテカルロシミュレーション研究における新しい試みであり、世界でも例がない。この論文で日本におけるこの分野の研究の進展を世界に示し、情報交換を推進したいと考えている。
桜井 淳; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 42(2), p.114 - 115, 2000/02
日本原子力学会会員のために、日本におけるモンテカルロ計算の現状を紹介する。モンテカルロ計算の拡大をめざし、学会研究専門委員会では、モンテカルロ計算夏季セミナーの開催準備中である。連続エネルギーモンテカルロコードMCNPやMVPをパソコンで利用できるようにする方針である。今後、モンテカルロ計算を積極的に促進する必要がある研究分野として、宇宙ステーションでの被曝評価、中性子や放射光を利用した物質科学研究が挙げられるが、10年以内にこれらの分野のモンテカルロシミュレーションを高精度で実現する方針である。
植木 紘太郎*; 森 貴正; 桜井 淳; 中川 正幸; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 41(6), p.614 - 627, 1999/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)汎用モンテカルロコードである米国のMCNPや我が国のMVP等の普及並びに計算機環境の向上に伴い、広い分野でモンテカルロ法による詳細な中性子、光子等のシミュレーションが行われるようになってきた。本解説では、MCNPとMVPの内容と特徴並びに国内における原子炉炉心解析、臨界安全解析、遮蔽・被曝計算、高エネルギー粒子解析の必要な放射能消滅処理炉の解析及び核融合炉の解析等への適用の現状を紹介する。最後に、モンテカルロコードの使用上並びに開発上の課題を整理する。
大山 幸夫; 馬場 護*; 渡辺 幸信*; 河野 俊彦*; 沼尻 正晴*; 植木 絋太郎*; 小田野 直光*; 山野 直樹*; 小迫 和明*; 林 克己*; et al.
JAERI-Review 98-020, 130 Pages, 1998/11
シグマ委員会では近年の加速器利用の進展に伴い、基礎研究、放射性廃棄物の消滅処理研究、核融合炉材料研究、医学診断・治療研究など多岐に渡る分野において共通の基礎データである中高エネルギー領域核データの整備を目的として、JENDL High Energy File(JENDL-HE)の整備作業を実施してきた。一方、そのデータレビュー及び積分テスト手法が未確立であり、JENDL-HEの利用を促すためにも積分的検証が必須である。このため、シグマ委員会ではJENDL-HEに関する積分評価のためのタスクフォースを設置し、問題点の現状を調査・検討し、今後のシグマ委員会における中高エネルギー核データ評価及び整備に対する指針を得ることを目的として調査活動を実施した。本報告書は本タスクフォースの調査検討結果をまとめたものであり、シグマ委員会に対する報告を行うものである。
中根 佳弘; 中島 宏; 中尾 徳晶*; 植木 絋太郎*
Proc. of 3rd Workshop on Simulating Accelerator Radiation Environments (SARE3), p.334 - 342, 1997/00
20MeVから100MeVまでの中性子に対する計算コード及び断面積ライブラリの検証を目的として、43及び68MeV陽子により発生した準単色中性子の鉄及びコンクリート遮蔽体透過ベンチマーク問題について、3種類の計算手法による解析結果を比較した。MORSE-CGにHILO86及びHILO86R群定数を、またMCNP4AにHILO86群定数を用いて計算したビーム軸上でのスペクトルは同程度に実験値を良く再現した。断面積を改良したHETC-KFA2コードによる計算値は薄い遮蔽体透過に対しては実験値を再現するが、厚い遮蔽体透過では実験値を過大評価した。またビーム軸を外れた位置でのスペクトルについては、MORSE-CGによる計算値は実験値を概ね再現するが、改良したHETC-KFA2による計算値は実験値を著しく過小評価し、コード内の中性子散乱の取り扱いを改良する必要があることがわかった。
荒木 祥平; 山根 祐一; 植木 太郎; 外池 幸太郎
no journal, ,
燃料デブリ取出し時の再臨界リスクを評価するには、様子のわからないデブリ内部について、物質の乱雑な分布を仮定して臨界計算を行う必要がある。仮定した乱雑さの様子が計算結果の中性子実効増倍率()の分布を通して臨界リスクの評価に影響するため、乱雑さの様子との分布との関係を明らかにすることを目的として解析を行った。解析では、確率論的乱雑化モデルを用いて自然界でよく観察されるの周波数分布を持つ乱雑な体系を生成することで、周波数fの指数と分布の分散との関係を調べた。その結果の分散はに対し正の相関があることが分かった。この成果は、解析で得られたの分布に対する空間分布の乱雑さの影響を理解し、デブリの再臨界リスク評価の精度向上に資することが期待できる。