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論文

深層学習に基づく気泡検出技術の適用による分散気泡の3次元挙動の可視化

上澤 伸一郎; 小野 綾子; 吉田 啓之

第52回可視化情報シンポジウム講演論文集(インターネット), 2 Pages, 2024/07

気泡の3次元挙動を得るため、複数台のハイスピードビデオカメラにより気泡の3次元位置を同定する可視化計測技術が用いられている。しかしながら、ボイド率の増加と共にカメラの視線方向に対して重なり合う気泡が増加することから、高ボイド率条件への適用が困難であった。原子力機構では、気泡の重なりに対する課題を克服するため、Shifted window Transformer (Swin Transformer)を用いた深層学習ベースの気泡検出技術の開発を進めている。本報では、その気泡検出技術を主流方向以外の二方向から撮影した分散気泡群の画像に適用し、分散気泡の3次元挙動可視化計測を実施した。その結果、各画像に対して、視線方向に対して重なり合う気泡群から個々の気泡を検出でき、気泡径やアスペクト比を取得できることを確認した。また、両画像の主流方向に対する気泡位置を紐付けることにより、個々の気泡の3次元位置ならびに3次元の気泡速度計測が可能であることを確認した。

論文

熱流動解析コード妥当性確認のための4$$times$$4模擬燃料バンドルにおける高圧域ボイド率分布計測

永武 拓; 柴田 光彦; 上澤 伸一郎; 小野 綾子; 吉田 啓之

第27回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(インターネット), 5 Pages, 2023/09

原子力機構で開発している核熱カップリングコードに適用する熱流動解析コードには、核計算に必要な実機条件での集合体内ボイド率分布評価が要求されているため、高温・高圧下で実験データを用いた妥当性確認が必要となる。そこで、コード妥当性確認のためのデータ取得を目的とし、ワイヤメッシュセンサを用い、4$$times$$4模擬燃料集合体バンドル内の瞬時ボイド率分布の計測を実施している。本報では、大気圧から2.6MPaまでの範囲において、圧力・流量をパラメータとした二相流実験を実施した結果について報告する。

論文

Development of a numerical simulation method for air cooling of fuel debris by JUPITER

山下 晋; 上澤 伸一郎; 小野 綾子; 吉田 啓之

Mechanical Engineering Journal (Internet), 10(4), p.22-00485_1 - 22-00485_25, 2023/08

乾式での燃料デブリ取り出しにおいて、実機での燃料デブリの詳細な空冷評価が重要である。多孔質体として仮定されるPCV内部の燃料デブリ周囲の熱伝達を機構論的に理解するために、多相多成分CFDコードであるJUPITERに多孔質体モデルを新たに導入した。多孔質体モデルに関して、JUPITERと親和性の高いDarcy-Brinkmanモデルを採用した。このモデルはJUPITERに採用されている多相流解析手法の一つである1流体モデルと同様に、流体相と多孔質体相を一つの方程式で同時に解くことができる。また、非線形性が卓越する高速度の自然対流場については、非線形効果として速度の2乗の項を支配方程式に加えることで対応した。導入したモデルの妥当性を確認するために、例えば、矩形多孔質体領域内の自然体流解析や多孔質体を含む自然体流熱伝達試験といった単純な妥当性確認解析と実験解析を行った。検証解析の結果、先行研究の結果と実験解析の結果と良い一致を示した。また、改良されたJUPITERの応用として、1F2号機の条件を考慮したPCV内部の燃料デブリの空冷予備解析を行った。その結果、燃料デブリ周囲の温度場や速度場は、非物理的挙動を示すことなく安定に計算できることが分かった。故に、JUPITERは詳細且つ精度良く燃料デブリの熱流動挙動を予測できる可能性を有していることが分かった。

論文

Development of numerical analysis method of oxygen concentration near wall of lead-bismuth eutectic channel

渡辺 奈央; 山下 晋; 上澤 伸一郎; 西原 健司; 吉田 啓之

Proceedings of 20th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-20) (Internet), p.3522 - 3534, 2023/08

JAEAでは、鉛ビスマス共晶合金(LBE)を冷却材とする加速器駆動型核変換システム(ADS)を設計している。LBE流路壁の腐食速度の推定は、安全性や構造物全体の寿命を検討する上で重要な課題である。腐食速度は材料表面に形成される酸化層の状態に依存する。そこで、本研究では数値解析により酸化層の成長および溶解(OLGD)速度を推定することで、ADSにおける腐食速度を評価し設計に反映できる手法の構築を目的とする。OLGD速度は材料とLBE間の酸素と鉄の質量移動速度およびLBE中におけるこれらの移流拡散速度と相互に依存している。したがって、OLGD速度を推定するには、3つの数値解析モデルを連成させて解を得る必要がある。このうち、移流拡散の計算には、ADS中の複雑な流れへの適用性からCFDコードの使用が合理的である。一方、移流拡散に比べてはるかにスケールの小さい現象である材料とLBE間の質量移動およびOLGDについては、何らかの相関式を用いることが合理的である。本報告では、JAEAが開発しているCFDコードJUPITERを用いたOLGD速度の解析手法の構築について述べる。なお、材料とLBE間の質量移動速度およびOLGD速度の相関式については、実験式から導出され先行研究で用いられた既存のモデルを修正して用いた。

論文

Development of numerical simulation method of natural convection around heated porous medium by using JUPITER

上澤 伸一郎; 山下 晋; 柴田 光彦; 吉田 啓之

Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 9 Pages, 2023/05

福島第一原子力発電所の廃炉における汚染水対策として、注水低減,間欠注水,空冷が検討されている。しかし、格納容器内には燃料デブリの不確実性があるため、燃料デブリの分布状態や燃料デブリ取り出し作業の進捗状況に応じて、最適な冷却方法を事前に検討する必要がある。そのため我々は、燃料デブリの位置,発熱,気孔率の影響を含む空冷中の熱挙動を推定する方法の開発を進めている。多孔体と考えられる燃料デブリの内部構造をモデル化した上で大規模な熱流動解析を行うことは困難であることから、JUPITERに多孔体モデルを追加することにより多孔体の熱流動の解析を可能にした。本研究では、多孔体モデルを導入したJUPITERの妥当性検証結果について報告するとともに、多孔体の伝熱モデルについて直列,平行,幾何平均モデルのどのモデルが最も有効かについて議論する。多孔体周辺の自然対流の検証データについては、多孔体を含む系における自然対流の伝熱流動実験を独自に行った。実験と各モデルでの数値解析と比較を行ったところ、幾何平均モデルを用いた数値結果が実験結果に最も近い結果を得られた。しかしながら、定量的には温度と速度ともに実験結果よりも過大評価しており、特に、多孔体と空気との境界付近の温度は、より過大評価していることを確認した。

論文

ベンチュリ管における気泡微細化現象を用いた微粒子捕集技術の開発

上澤 伸一郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之

混相流, 37(1), p.55 - 64, 2023/03

東京電力株式会社福島第一原子力発電所の廃炉工程において、放射性飛散微粒子の発生が指摘されており、その閉じ込め管理が課題となっている。エアロゾル粒子の捕集にはHigh Efficiency Particulate Air (HEPA)フィルタが用いられるが、HEPAフィルタの負荷を軽減するためにスクラバなどの前処理設備の適用が考えられる。スクラバでは、気液界面を介して気体から液体へ移動することによりエアロゾル粒子を除去する。捕集効率は気液界面積に依存するため、高い効率を得るためには気泡の微細化が必要となる。そこで本研究では、ベンチュリ管における気泡微細化現象に着目した新しい粒子捕集技術を開発し、その有用性を確認するため捕集性能評価試験を行った。その結果、ベンチュリ管を用いることにより、捕集性能が直管と比較して1,000倍以上向上し、その捕集効率がHEPAフィルタと同程度であることを確認した。また、関東ローム、SUS、オイルなどの様々な粒子に対して十分な捕集性能があることも確認できた。一方で、液体流量の増加とともに捕集効率は増加したものの、気相流量の増加とともに減少するなど、捕集効率が液相流量や気相流量に依存することが明らかとなった。この原因としては、流量により気泡微細化が活発もしくは抑制されるためと考えられる。本試験においても、気泡微細化現象のパラメータであるキャビテーション数と捕集効率に関係があることが確認されており、気泡微細化現象が捕集性能に大きく寄与していることが明らかとなった。

論文

A Numerical simulation method to evaluate heat transfer of fuel debris in air cooling by JUPITER, 2; Validation of porous model for natural convective heat transfer

上澤 伸一郎; 山下 晋; 柴田 光彦; 吉田 啓之

Proceedings of 12th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS12) (Internet), 8 Pages, 2022/10

Various types of cooling of fuel debris such as reduction in the amount of water injection, intermittent injection water and air cooling are considered for contaminated water management in the decommissioning of Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (NPS). As a method for estimating the thermal behavior of fuel debris in the preliminary containment vessel (PCV) of Fukushima Daiichi NPS, JAEA develops a method for estimating the thermal behavior in the air cooling, including the influence of the position, heat generation, and the porosity of fuel debris by JUPITER added a porous model. In order to validate the natural convective heat transfer analysis with porous bodies by the JUPITER added the porous model, the heat transfer and the flow visualization experiments of air natural convection with a porous body was performed in this study. The temperature distributions of the heat transfer surface, the natural convection area and the porous body were measured with thermocouples. In addition, the flow visualization was performed by a particle image velocimetry (PIV). We compared the temperature and flow results between the experiment and the numerical analysis. The temperature distributions at the central axis were generally agreed on the condition without the porous body. As for with the porous body, the tendency to increase the temperature inside the porous body was reproduced as in the analysis, but quantitative differences were observed. For the flow distribution of the test vessel, flow along the experimental vessel wall to form a vortex was observed in the experiment. On the other hand, an upward flow occurred from the center of the heating surface, and the flow was separated by the ceiling to form two vortices in the numerical analysis. The difference between the analysis and the experiment indicates that discussions for various thermal conductivity models to porous bodies is necessary.

論文

A Numerical simulation method to evaluate heat transfer of fuel debris in air cooling by JUPITER, 1; Project overview and the applicability to the actual reactor system

山下 晋; 上澤 伸一郎; 小野 綾子; 吉田 啓之

Proceedings of 12th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS12) (Internet), 8 Pages, 2022/10

原子炉格納容器内部の燃料デブリを空冷条件で取り出すことは、福島第一原子力発電所の廃止措置において重要な問題である。しかしながら、空冷条件下での燃料デブリの取り出しに関する知見は限られているため、燃料デブリの熱挙動の理解は、確実且つ安全な取り出しを行うために重要である。原子力機構は、数値シミュレーションと実験の両方を用いた空冷条件下での燃料デブリの熱挙動を把握するための国家プロジェクトへ参画している。このプロジェクトでは、PCV内部に存在する燃料デブリ周囲の自然対流を計算するために、CFDコードであるJUPITERへ新しいモデルを導入するとともに、JUPITERに対する検証データを得るための実験を実施している。JUPITERは元来過酷事故時の炉内構造物の溶融移行挙動及び単相・多相流体現象解析のために開発された。多孔質体と推定されている燃料デブリの崩壊熱により生じる自然対流を解析するために、新たに多孔質体モデルの一種であるDarcy-BrinkmanモデルをJUPITERに導入した。このモデルは多孔質体中の流れ場解析に多く利用されており、また、流れ場において純流体と多孔質体の両方が同時に存在する体系を解析するために開発されているため、一流体モデルを用いるJUPITERへの親和性は高い。加えて、非線形効果を含む自然対流を解析するために、速度の2乗の項からなる非線形効果の役割をなすForchheimerモデルを導入した。本研究では、矩形キャビティ内部の多孔質体を含む単純な自然対流問題に対する妥当性検証およびペデスタル壁、制御棒案内管、圧力容器などのPCV内部の構造物を考慮した予備解析を実施した。検証解析において、加熱壁面でのNusselt数についてJUPITERの結果と既往研究結果と比較し、良好な一致を得た。また、予備解析においては、非現実的な挙動を示すことなく安定して自然対流を解析することができた。以上より、JUPITERはPCV内部の複雑な構造物を有する燃料デブリ周りの自然対流解析に適用できる見通しを得た。

論文

縮小拡大管における気泡微細化現象を用いた微粒子除去技術の開発

上澤 伸一郎; 吉田 啓之

混相流シンポジウム2022講演論文集(インターネット), 2 Pages, 2022/08

福島第一原子力発電所の廃炉工程において、放射性飛散微粒子の発生する可能性が指摘されており、その閉じ込め管理が課題となっている。閉じ込めに必要な排気系における放射性飛散微粒子の除去方法としては、既存の排気設備と同様に繊維フィルタなどが用いられると考えられるが、燃料デブリ切断・取り出し時など、飛散微粒子が高濃度に発生する環境下では、繊維フィルタの目詰まりにより、交換頻度が増大することが予想され、メンテナンス作業の負担や放射性廃棄物の増加を招くことが想定される。そこで本研究では、従来にないメンテナンスフリーの飛散微粒子除去技術として、気泡微細化現象を利用した飛散微粒子除去技術を開発した。気泡微細化現象とは、縮小拡大管内において液中の気泡が瞬時に縮小崩壊し、微細な気泡に変化する現象である。本技術は、この一連の気泡挙動に着目した技術であり、気泡の収縮・微細化による気液界面の変形、気泡微細化による単位体積当たりの気液接触面積の大幅な増加、微細気泡による流れの撹拌、気泡微細化による気泡の滞留時間(液中に気泡が存在する時間)の長期化等の効果により、飛散微粒子の気体から液体への移行を促進し、効率的に気体の微粒子を除去できることが期待される。本報では、この縮小拡大管における気泡微細化現象を用いた微粒子除去技術について説明するとともに、その有用性を確認するために実施した、粒子除去性能評価試験結果について報告する。

論文

「廃炉・汚染水対策事業費補助金(燃料デブリの分析精度の向上及び熱挙動の推定のための技術開発)」に係る補助事業; 2020年度最終報告

小山 真一; 中桐 俊男; 逢坂 正彦; 吉田 啓之; 倉田 正輝; 池内 宏知; 前田 宏治; 佐々木 新治; 大西 貴士; 高野 公秀; et al.

廃炉・汚染水対策事業事務局ホームページ(インターネット), 144 Pages, 2021/08

令和2年度に原子力機構が補助事業者となって実施した「廃炉・汚染水対策事業費補助金(燃料デブリの性状把握のための分析・推定技術の開発(燃料デブリの分析精度の向上及び熱挙動の推定のための技術開発))」の成果概要を、最終報告として取りまとめた。本報告資料は、廃炉・汚染水対策事業事務局ウェブサイトにて公開される。

論文

Numerical simulation of microparticles motion in two-phase bubbly flow

吉田 啓之; 上澤 伸一郎

Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 7 Pages, 2020/08

The radioactive aerosol removal equipment is used as one of the safety systems of nuclear reactors. In this equipment, microparticles of aerosol are removed through gas-liquid interfaces of two-phase flow. The mechanism related to the removal of microparticles through the gas-liquid interface is not precise; a numerical evaluation method of performance of aerosol removal equipment is not realized. Then, we have started to construct a numerical simulation method to simulate the removal of microparticles through gas-liquid interfaces. In this simulation method, a detailed two-phase flow simulation code TPFIT is used as the basis of this method. TPFIT adopts an advanced interface tracking method and can simulate interface movement and deformation directly. Also, to simulate the movement of particles, the Lagrangian particle tracking method is incorporated. By combining the interface tracking method, and the Lagrangian particle tracking method, the interaction between interfaces and microparticles can be simulated in detail. To solve the Lagrangian equations of particles, fluid properties and fluid velocity surrounding aerosol particles are evaluated by considering the relative position of particles and gas-liquid interface, to simulate particle movement near the interface. In this paper, we show an outline and preliminary results of this simulation method.

論文

Locally mesh-refined lattice Boltzmann method for fuel debris air cooling analysis on GPU supercomputer

小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 上澤 伸一郎; 山下 晋; 吉田 啓之

Mechanical Engineering Journal (Internet), 7(3), p.19-00531_1 - 19-00531_10, 2020/06

福島第一原子力発電所の廃炉の方法の一つとして、空気のみで冷却する乾式法が挙げられる。日本原子力研究開発機構(JAEA)では、空冷性能のCFD評価手法としてJUPITERコードを開発している。しかしながら、JUPITERコードにおいて、複雑な原子炉内構造物を捉えた解析を実施するためには、非常の多くの計算資源が必要となる。このような問題に対して、本研究ではGPUスーパーコンピュータおよび適合格子細分化(AMR)法を適用した格子ボルツマン法に基づくCityLBMコードを開発している。CityLBMにて乾式法を模擬したJAEAの実験に対して検証計算を行なった結果、AMR格子の一様格子への収束性、および、実験値の再現を確認した。同じ解像度および同数の並列数にて計算速度の比較を行った結果、4台のGPU(NVIDIA Tesla V100)を用いたCityLBM法は、36台のCPU(Intel Xeon E5-2680v3)を用いたJUPITERの6.7倍の速度にて解析が可能であることが示された。

論文

Observation of aerosol particle capturing behavior near gas-liquid interface

上澤 伸一郎; 吉田 啓之

Mechanical Engineering Journal (Internet), 7(3), p.19-00539_1 - 19-00539_9, 2020/06

Air pollution control equipment with spraying liquid in aerosol is used in severe accidents of nuclear power plants to remove radioactive aerosol particles. The removal performance of the equipment has been confirmed based on actual-scale tests. However, unexpected situations may happen in severe accidents due to large-scale disasters. We have developed a numerical analysis method for evaluating radioactive aerosol particle removal performance to optimize the performance and the design. As a part of the development of the numerical analysis, in order to grasp the capturing behavior of the aerosol particle deposition on a gas-liquid interface, we performed a direct observation of aerosol particle behavior near the gas-liquid interface of a droplet. As the capturing behavior near the gas-liquid interface, the particle penetration into liquid, the deposition on the gas-liquid interface and the deposition on the interface after moving to slide on the interface were confirmed in the experiment. The observation result indicated that the penetration was observed with the higher Stokes number and the deposition was observed with the lower Stokes number. However, for the lower Stokes number, the case where particles were not captured on the gas-liquid interface was also confirmed. Thus, the Stokes number is one of the important parameters for the aerosol particle capturing by gas-liquid interface.

論文

塩析出を伴う海水流動沸騰熱伝達; 析出物の役割

小泉 安郎*; 上澤 伸一郎; 小野 綾子; 柴田 光彦; 吉田 啓之

日本機械学会熱工学コンファレンス2019講演論文集(USB Flash Drive), 1 Pages, 2019/10

福島第一原子力発電所事故時では、経験のない海水による炉心冷却が試みられた。これまでの海水プール沸騰熱伝達試験から、海水塩が伝熱面上に析出することにより熱伝達が低下することが指摘されている。しかし、炉内には強制対流もしくは自然対流による流動があった考えられ、流動が海水塩層の成長速度や熱伝達劣化に与える影響についても議論が必要である。本報では、沸騰伝熱面での海水塩析出に対する流動の影響を明らかにするため、海水塩析出層の挙動の観察が可能な狭隘海水流動沸騰試験装置を用いた、海水強制対流における伝熱面温度計測ならびにレーザー変位計による析出物厚さの時間変化計測結果について報告する。天然海水と同じ塩分濃度3.5wt%の人工海水から10wt%の濃縮人工海水の比較試験を実施したところ、3.5wt%海水では海水塩の析出は確認されなかったのに対して、7wt%以上の人工海水では伝熱面上に海水塩が析出し、析出が始まると壁面温度が経時的に上昇することを確認した。この海水塩の析出は、海水塩濃度が高いほど低い熱流束で開始した。この温度上昇は、これより低い熱流束条件では確認されておらず、伝熱面上に海水塩の析出が確認された熱流束のときのみで起きた。また、レーザー変位計での析出厚さ計測から、連続的な温度上昇とともに析出層が厚くなることが確認されたことから、強制対流下においても、濃縮海水では海水塩が伝熱面上に析出し、析出層が厚くなることで熱伝達が劣化することを明らかした。

論文

Development of evaluation method for aerosol particle deposition in a reactor building based on CFD

堀口 直樹; 宮原 直哉; 上澤 伸一郎; 吉田 啓之; 逢坂 正彦

Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 8 Pages, 2019/05

軽水炉の安全性向上に必要なシビアアクシデント時の現実的なソースターム評価に資するため、原子炉建屋内部構造物へのエアロゾル状核分裂生成物(FP)沈着量の評価手法を開発している。本稿では、本評価手法のベースとなるCFDツールを開発し、代表的な建屋及び流動条件を想定した予備解析によって性能を確認した結果について報告する。予備解析の結果、原子炉建屋内のエアロゾル粒子の挙動は流動場に大きく影響されることが分かり、熱流動の詳細な取り扱いが可能な本CFDツールの有効性を確認した。また、原子炉建屋の除染係数は4$$sim$$14となり、粒径増加に伴い除染係数も増加した。この傾向は、粒子の運動方程式から予測される傾向と整合することから、本CFDツールの有用性を確認した。

論文

Fuel debris' air cooling analysis using a lattice Boltzmann method

小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 河村 拓馬; 上澤 伸一郎; 山下 晋; 吉田 啓之

Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 6 Pages, 2019/05

福島第一原子力発電所の廃炉の方法の一つとして、乾式法が挙げられる。日本原子力研究開発機構(JAEA)では、空冷性能のCFD評価手法としてJUPITERコードを開発している。しかしながら、JUPITERコードにおいて、複雑な原子炉内構造物を捉えた解析を実施するためには、非常の多くの計算資源と計算時間が必要となる。このような問題に対して、本研究ではGPUスーパーコンピュータに適した格子ボルツマン法に基づくCityLBMコードを開発している。CityLBMにてDry methodを模擬したJAEAの実験に対して検証計算を行なった結果、JUPITERコードと同様の結果が得られることが示された。また、同じ解像度および同数の並列数にて計算速度の比較を行った結果、GPUを用いたCityLBM法は、CPUを用いたJUPITERの1/6の計算時間にて解析が行えることが示された。以上の結果より、CityLBMは熱流動解析コードの有効な手法の一つであることが示された。

論文

Observation of aerosol particle behavior near gas-liquid interface

上澤 伸一郎; 宮原 直哉; 堀口 直樹; 吉田 啓之; 逢坂 正彦

Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 5 Pages, 2019/05

Air pollution control equipment with spraying liquid in aerosol is used in severe accidents of nuclear power plants to remove radioactive aerosol particles. The removal performance of the equipment has been confirmed based on actual-scale tests. However, unexpected situations may happen in severe accidents due to large-scale disasters. We have developed a numerical analysis method for evaluating radioactive aerosol particle removal performance to optimize the performance and the design. As a part of the development of the numerical analysis, in order to grasp the capturing mechanism of the aerosol particle deposition on a gas-liquid interface, we performed a direct observation of aerosol particle behavior on the gas-liquid interface. As the capturing mechanism on the gas-liquid interface, the particle penetration into liquid, the deposition on the gas-liquid interface and the deposition on the interface after moving to slide on the interface were confirmed in the experiment. In addition, the observation result indicated that the penetration was observed with the higher Stokes number and the deposition was observed with the lower Stokes number. However, for the lower Stokes number, the case where particles were not captured on the gas-liquid interface was also confirmed. Thus, the Stokes number is one of the important parameters for the aerosol particle capturing by gas-liquid interface.

論文

Free convective heat transfer experiment to validate air-cooling performance analysis of fuel debris

上澤 伸一郎; 山下 晋; 柴田 光彦; 吉田 啓之

Proceedings of 11th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-11) (Internet), 6 Pages, 2018/11

A dry method for fuel debris is proposed for decommissioning of TEPCO's Fukushima Daiichi NPS. We have been evaluating the air-cooling performance of the fuel debris in the dry method by using JUPITER. Because JUPITER can calculate relocation of the corium, it is expected to calculate thermal-hydraulic simulation of the air cooling of the fuel debris in the dry method based on the calculated debris position, shapes and composition with the relocation analysis. In this paper, the experiment of heat transfer and flow visualization of free convection adjacent to upward-facing horizontal heat transfer surface was performed to validate the calculation of the free convective heat transfer with JUPITER. In the experiment, the temperature distribution was measured with a thermocouple tree. In addition, the velocity distribution of free convection was visualized by a particle image velocimetry (PIV). In the comparison between the JUPITER and the experiment, the temperature distribution for the vertical direction in the quasi-steady state was fitted between the JUPITER and the experiment. The velocity distribution calculated with JUPITER was also in good agreement with the experimental result. Therefore, it is expected that JUPITER is a helpful numerical method to evaluate the air-cooling performance of the fuel debris in the dry method.

論文

Development of numerical simulation method for small particles behavior in two-phase flow by combining interface and Lagrangian particle tracking methods

吉田 啓之; 上澤 伸一郎; 堀口 直樹; 宮原 直哉; 小瀬 裕男*

Proceedings of 11th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-11) (Internet), 6 Pages, 2018/11

The radioactive aerosol removal equipment is used as one of the safety systems of nuclear reactors. In this equipment, micro particles of aerosol remove through gas-liquid interfaces of two-phase flow. The mechanism related to the removal of micro particles through the gas-liquid interface is not clear, a numerical evaluation method of performance of aerosol removal equipment is not realized. Then, we have started to construct a numerical simulation method to simulate removal of micro particles through gas-liquid interfaces. In this simulation method, detailed two-phase flow simulation code TPFIT is used as the basis of this method. TPFIT adopts an advanced interface tracking method and can simulate interface movement and deformation directly. In addition, to simulate the movement of particles, the Lagrangian particle tracking method is incorporated. By combining the interface tracking method and the Lagrangian particle tracking method, the interaction between interfaces and micro particles can be simulated in detail. To solve the Lagrangian equations of particles, fluid properties and fluid velocity surrounding aerosol particles are evaluated by considering the relative position of particles and gas-liquid interface, to simulate particle movement near the interface. In this paper, outline and preliminary results of this simulation method are shown.

論文

Measurement of void fraction distribution in a 4$$times$$4 fuel bundle under high pressure condition for validation of two-phase CFD code

永武 拓; 柴田 光彦; 上澤 伸一郎; 小野 綾子; 吉田 啓之

Proceedings of 11th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-11) (Internet), 3 Pages, 2018/11

過酷事故を含む事故時の炉心冷却を評価する上では、ポンプなどが停止した低流速条件での気液二相流の挙動の把握が重要となる。本研究では低流速時における、炉心内の気液二相流挙動を実験的に把握するため、二相流解析コードTPFIT及びACE3Dの開発・改良、及び検証データ取得を目的としたワイヤーメッシュセンサーを用いた模擬燃料集合体内ボイド率分布の計測を行っている。本報では、4$$times$$4の非発熱模擬燃料集合体試験装置を用いて、蒸気-水系二相流のボイド率分布を、0.1MPaから2.6MPaまでの範囲において計測した結果について報告する。

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