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論文

Dislocation-climbing bypass over dispersoids with different lattice misfit in creep deformation of FeCrAl oxide dispersion-strengthened alloys

鵜飼 重治; 山下 真一郎

Journal of Materials Research and Technology, 16, p.891 - 898, 2022/01

 被引用回数:5 パーセンタイル:84.51(Materials Science, Multidisciplinary)

軽水炉の事故耐性燃料被覆管候補材であるFeCrAl-ODS合金の1000$$^{circ}$$Cでのクリープ変形速度は、分散粒子がYAlO$$_{3}$$である場合はY$$_{4}$$Zr$$_{3}$$O$$_{12}$$である場合に比べ、2-3桁大きくなる。また、これらの変形は転位と分散粒子の相互作用で決まる分散強化応力より十分低い応力で起こることが分かっている。このような新しく見出されたクリープ変形現象のメカニズムを2通りのアプローチで検討した。第1のアプローチは分散粒子と母相の界面での転位エネルギーの緩和理論に基づくもので、数値解析により転位の上昇運動が格子ミスフィットの大きいYAlO$$_{3}$$界面で加速されることを示した。他のアプローチは、分散粒子の周りに発生する応力が上昇運動する転位に働く力をPeach-Koehler関係式を解くことにより求める方法である。その結果、格子ミスフィットが大きい整合性の悪いYAlO$$_{3}$$は母相との界面で大きな応力を発生することが、転位の上昇運動を加速し大きな変形速度をもたらすことを定量的に示した。

論文

Effects of thermal aging on the mechanical properties of FeCrAl-ODS alloy claddings

矢野 康英; 丹野 敬嗣; 大塚 智史; 皆藤 威二; 鵜飼 重治*

Materials Transactions, 62(8), p.1239 - 1246, 2021/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)

FeCrAl-ODS鋼被覆管を製作し、その被覆管の熱時効の影響を調査するために、450$$^{circ}$$C,5000時間と15000時間の熱時効後に、硬さ試験,リング引張試験,TEM観察を実施した。全てのFeCrAl鋼被覆管で熱時効硬化が確認され、延性低下を伴う顕著な強度上昇も生じた。熱時効硬化挙動は(Ti, Al)リッチ相($$beta$$'相)析出とAl7wt%未満の場合は$$alpha$$'相析出も起因していると考えられる。同様の組成をもつFeCrAl-ODS鋼を比較した場合、再結晶材と未再結晶材で熱時効硬化は生じるが、後者は延性低下を伴わないことが明らかになった。この挙動の差は、結晶粒界,転位密度,試験片作製方向の影響が起因していると考えられる。本研究は、文部科学省の原子力システム研究開発事業による委託業務として、北海道大学が実施した平成25$$sim$$28年度「事故時高温条件での燃料健全性確保のためのODSフェライト鋼燃料被覆管の研究開発」の中で北海道大学からの委託により原子力機構が実施した研究成果である。

論文

Orientation dependence of yield strength in a new single crystal-like FeCrAl oxide dispersion strengthened alloy

Aghamiri, S. M. S.*; 菅原 直也*; 鵜飼 重治; 大野 直子*; 坂本 寛*; 山下 真一郎

Materials Characterization, 176, p.111043_1 - 111043_6, 2021/06

事故耐性被覆管材料として、化学組成と製造プロセスの改良により、優れた耐酸化性を有するFeCrAl-ODS合金を開発した。圧延方向に{110}$$<$$112$$>$$集合組織を有し、ナノサイズの酸化物粒子を含有する単結晶likeの粗大結晶粒から成るFeCrAl-ODS合金を製造した。これを用いて、圧延方向(L)とこれに直角方向(T)の引張試験を室温から800$$^{circ}$$Cまでの温度範囲で行い、T方向の降伏応力はL方向より大きいことを示した。このような降伏応力の結晶方位依存性は、L方向とT方向のシュミット因子で説明できることを示した。合わせて、FeCrAl-ODS合金の臨界分解せん断応力を室温から800$$^{circ}$$Cの温度範囲で初めて決定した。

論文

Solid-solution strengthening by Al and Cr in FeCrAl oxide-dispersion-strengthened alloys

鵜飼 重治*; 矢野 康英; 井上 利彦; 曽和 貴志*

Materials Science & Engineering A, 812, p.141076_1 - 141076_11, 2021/04

 被引用回数:7 パーセンタイル:69.36(Nanoscience & Nanotechnology)

FeCrAl-ODS鋼は、軽水炉の事故耐性燃料に対する有望な材料として期待されている。この合金に対してAlとCrは鍵となる元素であり、Crはアルミナ形成を促進し、Alは脆性相となるCrリッチ相($$alpha$$')の形成を抑制する重要な相乗効果を有している。今回の研究では、Cr(9-16at.%)とAl(10-17 at.%)の添加量を系統的に変化させ、室温, 300, 700度の引張試験を実施し、CrとAlの両添加に及ぼす固溶強化に関する調査を行った。その結果、軽水炉の運転温度である300度において、CrとAlの1at.%当りの固溶強化量は、それぞれ20, 5MPaと直線的に増加することが分かった。この固溶強化量は、一般的なFleischer-Friedel理論やLabusch理論では説明できず、鈴木の変形はラセン転位の2重キンク機構により説明可能であることを明らかにした。本研究成果は、文部科学省の原子力システム研究開発事業による委託業務として、北海道大学が実施した平成25-28年度「事故時高温条件での燃料健全性確保のためのODSフェライト鋼燃料被覆管」の研究成果である。

論文

High-temperature creep deformation in FeCrAl-oxide dispersion strengthened alloy cladding

鵜飼 重治; 加藤 章一; 古川 智弘; 大塚 智史

Materials Science & Engineering A, 794, p.139863_1 - 139863_13, 2020/09

 被引用回数:26 パーセンタイル:91.51(Nanoscience & Nanotechnology)

著者が代表者として文部科学省の原子力システム研究開発事業(平成25年度$$sim$$平成28年度)で実施したFeCrAl-ODS合金のクリープ試験結果を解析したものである。本合金は軽水炉事故耐性被覆管として開発したもので、転位と酸化物粒子の弾性相互作用と転位の上昇運動による応力緩和効果を考慮して、転位の酸化物粒子からの離脱応力を求めた。この離脱応力を新たに作成した一般化した歪速度-応力関係図の中にプロットすることで、以下のことを明らかにした。設定応力が離脱応力を越える場合、転位は酸化物粒子を乗越えて変形するが、その場合でも転位の上昇運動による応力緩和が重要である。設定応力が離脱応力に達しない場合、転位は酸化物粒子を乗り越えられず、粒界すべりが起こる。事故時1000$$^{circ}$$Cでは粒界すべり支配の変形となる。以上、軽水炉事故耐性用FeCrAl-ODS合金被覆管について、事故時に経験する1000$$^{circ}$$C高温で、低応力・低歪速度で起こる変形予測に適用可能な高温クリープ構成式を変形メカニズムと共に提示した。

論文

Oxide dispersion strengthened steels

鵜飼 重治*; 大野 直子*; 大塚 智史

Comprehensive Nuclear Materials, 2nd Edition, Vol.3, p.255 - 292, 2020/08

Fe-Cr基酸化物分散強化型(ODS)鋼は、Na冷却型高速炉の高燃焼度燃料被覆管等に必要とされる高温・高燃焼度環境下での耐久性に優れた先進材料として期待されている。本稿ではまず、高燃焼度燃料被覆管としての重要性能である管周方向の機械的特性評価(引張,クリープ等)等のFe-Cr基ODS鋼被覆管に関わる研究開発の現状についてレビューを行った。さらに、軽水炉の事故耐性燃料被覆管、および鉛ビスマス冷却型高速炉の燃料被覆管として期待されている高耐食性Fe-Cr-Al基ODS鋼被覆管の研究状況についてもレビューを行った。

論文

Anomalous small-angle X-ray scattering (ASAXS) study of irradiation-induced nanostructure change in Fe-ion beam irradiated oxide dispersion-strengthened (ODS) steel

熊田 高之; 大場 洋次郎; 元川 竜平; 諸岡 聡; 冨永 亜希; 谷田 肇; 菖蒲 敬久; 金野 杏彩; 大和田 謙二*; 大野 直子*; et al.

Journal of Nuclear Materials, 528, p.151890_1 - 151890_7, 2020/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:17.27(Materials Science, Multidisciplinary)

ステンレス鋼の放射線照射によるナノ構造変化観測用異常分散X線小角散乱(ASAXS)装置を開発した。イオンビーム照射前後のMA956試料の散乱パターンを比較したところ、Cr析出物の形状は全く変化していないことが判明した。

論文

Microstructure and texture evolution and ring-tensile properties of recrystallized FeCrAl ODS cladding tubes

Aghamiri, S. M. S.*; 曽和 貴志*; 鵜飼 重治*; 大野 直子*; 坂本 寛*; 山下 真一郎

Materials Science & Engineering A, 771, p.138636_1 - 138636_12, 2020/01

 被引用回数:21 パーセンタイル:87.74(Nanoscience & Nanotechnology)

酸化物分散強化型FeCrAlフェライト鋼は、高温までの優れた機械特性とアルミナ皮膜形成による水蒸気酸化特性の著しい改善により、軽水炉用事故耐性燃料被覆管候補材料として開発されてきている。本研究では、被覆管成型プロセスにおいて、1100$$^{circ}$$Cと1150$$^{circ}$$Cの異なる引き抜き温度で成型した時のFeCrAl-ODS被覆管の微細組織特性及び引張特性を調査した。温間引き抜き成型した試料では、$$<$$110$$>$$方向に沿った集合組織を有するミクロンサイズの$$alpha$$繊維であったのに対し、冷間ピルガ-圧延で成型した微細組織では、結晶の回転を経由し、$$<$$110$$>$$方向に沿った集合組織を有するミクロンサイズの$$alpha$$繊維と{111}面に沿った集合組織を有するサブミクロンサイズの$$gamma$$繊維が確認された。次に、最終アニーリングを行うことで、これらの組織は約810-850$$^{circ}$$Cで再結晶化した大粒径の再結晶組織に変化した。再結晶被覆管材において、これら2つの異なる集合体組織発達が生じた。すなわち、引き抜き温度を1100$$^{circ}$$Cにして成型した時に形成した(110) $$<$$211$$>$$集合組織を有する大きな伸張粒と、より高い温度の1150$$^{circ}$$Cで引き抜き成型した時に見られた(110) $$<$$211$$>$$集合組織と{111} $$<$$112$$>$$集合組織である。1100$$^{circ}$$Cで引き抜き加工を施した被覆管において生じた異なる集合組織の発達と再結晶の遅延は、酸化物粒子の高密度分散に起因していると考えられる。

論文

Stability of $$gamma$$' precipitates in nickel based oxide dispersion-strengthened superalloys under high-temperature and heavy irradiation conditions

金野 杏彩; 大野 直子*; 鵜飼 重治*; 近藤 創介*; 橋冨 興宣*; 木村 晃彦*

Materials Transactions, 60(11), p.2260 - 2266, 2019/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:7.95(Materials Science, Multidisciplinary)

次世代高温ガス炉は、過酷な温度・照射条件が想定されており、その炉心材は1000$$^{circ}$$C・100dpaもの条件を満たす必要がある。そこで、更なる高温強度実現のため、Feよりも高温強度に優れるNi基合金が候補材として挙げられている。その中でもNimonicPE16は有力な候補材の一つであるが、650$$^{circ}$$C・50dpaの条件で$$gamma$$'相の溶解・結晶粒界への再析出による強度低下と脆化が生じてしまうため、更なる耐照射性の向上が必要とされている。そこで、本研究では、$$gamma$$'相析出型Ni基超合金に酸化物粒子を分散させることでこれまでのNi基合金を凌駕する$$gamma$$'析出型Ni基ODS超合金(MS4)を開発し、高温重照射影響を評価することを目的とした。イオン照射実験は600$$^{circ}$$Cから1000$$^{circ}$$Cの温度範囲で100dpaの条件で行われた。照射後、$$gamma$$'相は600$$^{circ}$$CではCuboidalな形状を維持したまま、800$$^{circ}$$Cでは形状が崩れながらも成長していることが判明した。これはNHMモデルに基づく成長速度式から説明されるが、1000$$^{circ}$$Cにおいては、照射全域に$$gamma$$'相が析出しており800$$^{circ}$$Cまでとは全く異なる現象が起こることが明らかとなった。本研究では、新たに$$gamma$$'相の照射下挙動のモデル化を試みた。

論文

Overview of accident-tolerant fuel R&D program in Japan

山下 真一郎; 井岡 郁夫; 根本 義之; 川西 智弘; 倉田 正輝; 加治 芳行; 深堀 智生; 野澤 貴史*; 佐藤 大樹*; 村上 望*; et al.

Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.206 - 216, 2019/09

福島第一原子力発電所事故を教訓に、冷却材喪失等の過酷条件においても損傷しにくく、高い信頼性を有する新型燃料の開発への関心が高まり、世界中の多くの国々において事故耐性を高めた新型燃料の研究開発が進められている。本プロジェクトは、経済産業省資源エネルギー庁からの委託を受けて2015年10月から2019年3月までの3年半の間実施され、新型燃料部材を既存軽水炉に装荷可能な形で設計・製造するために必要となる技術基盤を整備することを目的に、国内の軽水炉燃料設計,安全性評価,材料開発を実施してきた人材,解析ツール,ノウハウ、及び経験を最大限活用して進められてきた。本論文では、プロジェクトの総括として、各要素技術について3年半の研究開発の成果をまとめ、日本の事故耐性燃料開発の現状と課題を整理した。

論文

Ultra-high temperature creep rupture and transient burst strength of ODS steel claddings

矢野 康英; 関尾 佳弘; 丹野 敬嗣; 加藤 章一; 井上 利彦; 岡 弘; 大塚 智史; 古川 智弘; 上羽 智之; 皆藤 威二; et al.

Journal of Nuclear Materials, 516, p.347 - 353, 2019/04

 被引用回数:11 パーセンタイル:84.36(Materials Science, Multidisciplinary)

一般的に耐熱マルテンサイト鋼の高温でのクリープ強度はオーステナイト鋼に比較し劣ることが知られているが、超高温である1000$$^{circ}$$Cにおける9Cr-ODS鋼被覆管のクリープ強度は、耐熱用オーステナイトステンレス鋼と比較しても卓越強度を示すことが明らかになった。1000$$^{circ}$$Cでのクリープ強度は、650から850$$^{circ}$$Cのデータを使用し定式化し、予想した破断強度よりも高いものであった。この優れた強度は、9Cr-ODS鋼の母相が$$alpha$$から$$gamma$$相に相変態することに起因すると考えられる。また、9Cr-ODS鋼被覆管の急速加熱バースト強度も、一般的な11Cr-耐熱マルテンサイト鋼であるPNC-FMS被覆管に比較し高い傾向であった。累積損傷和(CDF)を使用し解析することにより、ある程度の精度をもって、過渡時や事故時の9Cr-ODS鋼及びPNC-FMS被覆管の寿命予測が可能となることを示すことができた。

論文

Ion irradiation effects on FeCrAl-ODS ferritic steel

近藤 啓悦; 青木 聡; 山下 真一郎; 鵜飼 重治*; 坂本 寛*; 平井 睦*; 木村 晃彦*

Nuclear Materials and Energy (Internet), 15, p.13 - 16, 2018/05

 被引用回数:11 パーセンタイル:80.13(Nuclear Science & Technology)

核融合炉ブランケット構造材料の候補である酸化物分散粒子(ODS)フェライト鋼の開発とその照射効果に関する基礎的研究を行った。耐食性向上を目的に作製したAl添加フェライト系ODS鋼に対して、温度300$$^{circ}$$Cで最大20dpaまでイオン照射を行い、照射硬化と損傷微細組織発達挙動を評価した。硬化は照射量20dpaまで単調に増加することが明らかとなった。並行して照射損傷微細組織観察を行い、評価された照射欠陥(ドット状欠陥、転位ループ)のサイズおよび数密度を用いて照射硬化量を理論的に計算した結果、5dpa照射量までは測定値と理論値が一致し、硬化の原因が主として照射欠陥によるものであることが明らかとなった。一方5dpa以上の照射量では、実験値が理論値よりも大きくなることが明らかとなった。このことから、照射量が大きくなると照射欠陥だけでなく照射誘起による$$alpha$$'相のような第2相の形成が照射硬化に寄与してくることが推測された。

論文

Technical basis of accident tolerant fuel updated under a Japanese R&D project

山下 真一郎; 永瀬 文久; 倉田 正輝; 野澤 貴史; 渡部 清一*; 桐村 一生*; 垣内 一雄*; 近藤 貴夫*; 坂本 寛*; 草ヶ谷 和幸*; et al.

Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2017/09

我が国では、事故耐性燃料の技術基盤を整備するために2015年に軽水炉の事故耐性燃料等(ATFs)に関する研究開発プロジェクトが立ち上がった。日本原子力研究開発機構は、国内のプラントメーカ, 燃料メーカ, 大学等が有する国内軽水炉においてジルカロイを商用利用した際の経験、知識を最大限活用するために、これらの機関と協力して本プロジェクトを実施するとともに取りまとめを行っている。プロジェクトの中で検討されているATF候補材料は、微細な酸化物粒子を分散することで強化されたFeCrAl鋼(FeCrAl-ODS鋼)と炭化ケイ素(SiC)複合材料であり、通常運転時の燃料性能は同等かそれ以上で、事故時にはジルカロイよりも長い時間原子炉炉心においてシビアアクシデント条件に耐えることが期待されている。本論文では、日本のプロジェクトで実施中の研究開発の進捗について報告する。

論文

Overview of Japanese development of accident tolerant FeCrAl-ODS fuel claddings for BWRs

坂本 寛*; 平井 睦*; 鵜飼 重治*; 木村 晃彦*; 山路 哲史*; 草ヶ谷 和幸*; 近藤 貴夫*; 山下 真一郎

Proceedings of 2017 Water Reactor Fuel Performance Meeting (WRFPM 2017) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2017/09

本論文では、現在、経済産業省のプログラムにおいて進められている沸騰水型原子炉(BWR)用事故耐性FeCrAl-ODS燃料被覆管の開発の状況について概要を述べる。本プログラムでは、多種多様な内容の研究により、軽水炉において事故耐性燃料等を実用化するために必要な技術基盤を整備することが目的である。FeCrAl-ODS燃料被覆管の開発においては、実験研究と解析研究の両方を実施してきており、FeCrAl-ODS燃料被覆管の主要な材料特性に関しては、解析研究における評価を実験的にもサポートするために、本事業で製作した各種形状の試験片を用いてデータ取得やデータ拡充を行う。本事業では、機械的な特性に及ぼす中性子照射の影響を調べるために、米国オークリッジ国立研究所の高照射束炉(HFIR)を用いた中性子照射試験も実施している。

論文

Ultra-high temperature tensile properties of ODS steel claddings under severe accident conditions

矢野 康英; 丹野 敬嗣; 岡 弘; 大塚 智史; 井上 利彦; 加藤 章一; 古川 智弘; 上羽 智之; 皆藤 威二; 鵜飼 重治*; et al.

Journal of Nuclear Materials, 487, p.229 - 237, 2017/04

 被引用回数:29 パーセンタイル:96.3(Materials Science, Multidisciplinary)

シビアアクシデント時におけるODS鋼被覆管とラッパ管材料の引張特性を調べることを目的に、室温から融点近傍の1400$$^{circ}$$Cまでの引張試験を実施した。900$$sim$$1200$$^{circ}$$Cまでの超高温での引張特性は他の炉心材料と比較し優れた特性を有していたが、それ以上の超高温温度域になると急激な特性低下が認められた。この強度低は、$$gamma$$/$$delta$$変態を伴って、変形メカニズムが伸びの低下を伴う粒界すべりに変化することに起因すると考えられる。一方、12Cr-ODS鋼とFeCrAl-ODS鋼では、1200$$^{circ}$$C以上でも急激な低下は生じず、高い強度を維持していた。本研究成果の一部は、文部科学省の原子力システム研究開発事業による委託業務として、北海道大学が実施した平成25$$sim$$28年度「事故時高温条件での燃料健全性確保のためのODSフェライト鋼燃料被覆管の研究開発」を含む。

論文

Evaluation on tolerance to failure of ODS ferritic steel claddings at the accident conditions of fast reactors

上羽 智之; 矢野 康英; 大塚 智史; 永沼 正行; 丹野 敬嗣; 岡 弘; 加藤 章一; 皆藤 威二; 鵜飼 重治*; 木村 晃彦*; et al.

Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 7 Pages, 2017/04

酸化物分散強化型(ODS)フェライト鋼は、高速炉燃料要素用に開発している長寿命被覆管候補材料である。実証炉規模の高速炉で冷却材喪失(LOF)型および過出力(TOP)型の事故を想定した場合のODSフェライト鋼被覆管の破損耐性を累積損傷和(CDF)によって評価し、受動的炉停止システムが動作するまでCDFが破損目安値の1.0を十分に下回るという結果を得た。

論文

Consideration of the oxide particle-dislocation interaction in 9Cr-ODS steel

井尻 佑太*; 大野 直子*; 鵜飼 重治*; Yu, H.*; 大塚 智史; 阿部 陽介; 松川 義孝*

Philosophical Magazine, 97(13), p.1047 - 1056, 2017/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:13.16(Materials Science, Multidisciplinary)

室温でのTEM内引張その場観察により、9Cr-ODSフェライト鋼における酸化物粒子と転位の相互作用について調べた。測定した酸化物粒子の障害物強度($$alpha$$)は高々0.80で平均は0.63だった。いくつかの粗大化した粒子の周辺には転位ループが観察された。Orowan機構による応力評価式に基づく障害物強度は実験データの平均値とほぼ等しいことが分かった。交差すべり系の相互作用のみならず、Orowan機構が9Cr-ODSフェライト鋼における酸化物粒子と転位の主な相互作用機構であると考えられる。

論文

Oxide dispersion-strengthened/ferrite-martensite steels as core materials for Generation IV nuclear reactors

鵜飼 重治*; 大塚 智史; 皆藤 威二; de Carlan, Y.*; Ribis, J.*; Malaplate, J.*

Structural Materials for Generation IV Nuclear Reactors, p.357 - 414, 2017/00

 被引用回数:53 パーセンタイル:99.15

酸化物分散強化型(ODS)鋼は、第四世代炉の被覆管として有望視されている。本稿では、日本およびフランスで進められてきたODSフェライト/マルテンサイト鋼の開発状況の概要を述べる。まず、ODSフェライト/マルテンサイト鋼の化学組成を示す。次にフェライト系ODS鋼およびマルテンサイト系ODS鋼について、それぞれ再結晶および$$alpha$$/$$gamma$$相変態を利用した製管・組織制御技術について述べる。最適化された製造技術は基本的に両国共通である。端栓接合技術としては、加圧抵抗溶接法の開発が進められている。ODSフェライト/マルテンサイト鋼が優れた高温強度と耐照射性を有することが確認されている。

論文

Effect of the dilation caused by helium bubbles on edge dislocation motion in $$alpha$$-iron; Molecular dynamics simulation

阿部 陽介; 都留 智仁; Shi, S.*; 大野 直子*; 鵜飼 重治*

Journal of Nuclear Science and Technology, 53(10), p.1528 - 1534, 2016/10

 被引用回数:10 パーセンタイル:72.38(Nuclear Science & Technology)

高エネルギー中性子照射により形成されるボイドやヘリウム(He)バブルなどのナノ欠陥は照射材料の機械特性を劣化させることが知られている。本研究では、分子動力学法を用いて$$alpha$$鉄中での刃状転位の運動に対するHeバブルによる障害物強度を評価した。温度300Kと500Kの場合について、2nmと4nmのHeバブルに対してヘリウム/空孔(He/V)比をそれぞれ0-1の範囲で変化させた。その結果、両温度において、He/V比が0-0.5程度までは障害物強度は増加し、それ以上のHe/V比の増加によって障害物強度は減少することが分かった。各バブルサイズ・He/V比・温度に依存してHeバブルにより生じる格子歪み量と障害物強度に相関があることが分かった。

論文

Synthesis of bubble dispersion strengthened copper by using pyrolysis gases of Poly (methyl methacrylate)

Shi, S.*; 大野 直子*; 鵜飼 重治*; 阿部 陽介

Materials Science & Engineering A, 617, p.61 - 65, 2014/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:7.1(Nanoscience & Nanotechnology)

放電プラズマ焼結による有機高分子の熱分解ガスを利用したCu基バブル分散強化合金を作製した。Cuマトリクス中に平均直径14nmのバブルが119nm間隔で分散形成された。バブルによる転位ピン止め効果により、ビッカース硬さは純Cuに比べて400MPa高くなることが分かった。

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