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precipitation in Fe-Cr-Al alloys; Thermal aging, ion irradiation, and pre-aging effects阿部 陽介; 佐々木 泰祐*; 山下 真一郎; 大久保 成彰; 鵜飼 重治
Journal of Nuclear Materials, 632, p.156940_1 - 156940_17, 2026/10
被引用回数:0Fe-Cr-Al系事故耐性燃料(ATF)被覆材の照射脆化は、Cr濃化
相の照射誘起析出に起因する。本研究では、Fe-17.5Cr-
Al合金(
~wt.%)について、熱時効・イオン照射・予備時効後のイオン照射の3パターンを網羅した系統的アトムプローブトモグラフィー(APT)測定を行い、新規構築した低温域を起点としたFe-Cr-Al三元熱力学データベースと組み合わせて解釈した。その結果、(i)~
Cにおける時効と照射の硬化ピークを示すAl組成に約
~at.%のシフトがあること、(ii)~予備時効
のAl濃度依存的な照射成長応答があること、(iii)~
内部の(Cr+Al)組成和則があることを明らかにした。これらの多軸的なベンチマークにより、空孔輸送と局所Al濃度を陽に結合した三元拡張フェーズフィールドモデルによる校正対象を提供した。
precipitation in Fe-Cr-Al alloys based on effective diffusion length; From dense-cascade irradiation to thermal aging阿部 陽介; 佐々木 泰祐*; 山下 真一郎; 大久保 成彰; 鵜飼 重治
Acta Materialia, 317, p.122580_1 - 122580_15, 2026/09
被引用回数:0事故耐性燃料被覆管向けFe-Cr-Al合金は照射下で
析出により脆化しうるが、イオン照射から中性子環境への外挿は未解決であった。本研究では12合金・80条件のアトムプローブデータベースを構築し、既報データ約170件を統合したうえで、点欠陥理論に基づく有効拡散長を損傷速度・照射量・温度・時間を包含するパラメータフリーのスカラー量として用いる統一的枠組みを構築した。Cr、Al、有効拡散長のみを入力とする機械学習モデルは、体積分率と数密度について照射種を越えた予測に成功したが、析出物サイズと組成は予測できず、この限界はカスケード損傷に起因する弾道的混合に帰される。また、Alの非単調効果(
5 at.%で析出を促進)を見出し、被覆管設計で回避すべき組成域を特定した。
suppression in ion-irradiated Fe-Cr-Al alloys revealed by high-throughput mapping阿部 陽介; 久保 淳; Geng, D.*; 山下 真一郎; 大久保 成彰; 都留 智仁; 佐々木 泰祐*; Yu, H.*; 笠田 竜太*; 鵜飼 重治
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 576, p.166135_1 - 166135_9, 2026/07
被引用回数:2 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)本研究では、0-45at.% Crおよび0-25at.% Alをカバーする拡散接合型コンビナトリアル試料を用いて、Fe-Cr-Al合金の組成依存照射硬化を高速にマッピングする手法を示す。LOOCV最適化を組み込んだLOESS補間と自動化Nix-Gao解析により、約100点のナノインデンテーション測定データから硬さを約15sで高精度に抽出でき、組成不確かさは約3at.%以下に抑えられる。10.5MeVのFe
による350
C、9.1dpaの照射下で得られた硬化量は、照射誘起欠陥クラスターとCr-rich
析出に起因する寄与へと定量的に分離された。特にAlは
析出に対して非単調な影響を示し、約5at.%では析出を促進する一方、より高濃度では抑制に転じる。この抑制は平衡予測(約12at.%)より大幅に低い約5at.%から始まり、照射による速度論的効果を示唆する。
' phase precipitation in FeCrAl alloys山下 真一郎; 阿部 陽介; 大久保 成彰; 鵜飼 重治; 佐々木 泰祐*
QST-M-56; QST Takasaki Annual Report 2024, P. 28, 2026/02
This study continues our investigation of FeCrAl alloys, promising candidates for accident-tolerant fuel cladding materials, aiming to clarify the precipitation behavior of the embrittlement phase (
' phase) and to contribute to the development of a predictive model. In FY2024, the irradiation dose was increased from the previously achieved 0.3 dpa, and data up to 0.64 dpa (partially 1.44 dpa) were obtained. This enabled the development of an
' phase precipitation map using chemical composition, damage rate, and damage dose as parameters. Multiple regression analysis quantitatively demonstrated that a decrease in damage rate, along with increases in Cr concentration and damage dose, tends to increase precipitation volume fraction. Notably, Al addition was found to suppresses
' phase precipitation, providing important insights for alloy design.
阿部 陽介; 久保 淳; 鵜飼 重治; 都留 智仁
Journal of Nuclear Materials, 618, p.156221_1 - 156221_11, 2026/01
被引用回数:5 パーセンタイル:79.61(Materials Science, Multidisciplinary)Crリッチ析出物(CrRP)の安定性は、耐照射性に優れた酸化物分散強化型Fe-Cr-Al合金の開発において重要な要素である。本研究では、第一原理に基づく平衡モンテカルロシミュレーションを用いて、Al添加量および照射下で重要な空孔がCrRPの形成と原子構造に与える影響を評価した。CrRPの形成はAl添加量に対して非単調な挙動を示し、約12at.%で最大化された。Al添加量が増加すると、CrRP内部への侵入が進み、構造的な乱れと安定性の低下を引き起こすことが分かった。空孔は単独ではCrRP形成に大きな影響を及ぼさないが、Alと共にCrRP界面近傍に偏析することで界面安定性に影響を与える可能性を示した。これらの知見は、Fe-Cr-Al合金の最適設計やメゾスケールモデリングに資する原子レベルの基礎情報を提供する。
阿部 陽介; 都留 智仁; 藤田 洋平*; 大友 政秀*; 佐々木 泰祐*; 山下 真一郎; 大久保 成彰; 鵜飼 重治
Journal of Nuclear Materials, 606, p.155606_1 - 155606_12, 2025/02
被引用回数:9 パーセンタイル:94.18(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉の事故耐性燃料被覆管用として開発中の酸化物分散強化型Fe-Cr-Al合金では、Crリッチ析出物(
相)に起因する脆化挙動の解明と予測が課題となっている。我々は、熱時効によるFe-Cr-Alモデル合金における
相の形成に対するAl添加の影響を調査した。ビッカース硬さ試験と過去の研究のデータベースを用いて作成した機械学習モデルにより、低Al添加合金では
相の形成が促進され、高Al添加合金では抑制されることが示された。第一原理計算では、Cr-Al-空孔複合体はCr-Cr対よりも安定であり、
相の核生成時にAl原子を取り込むことがエネルギー的に有利である可能性があることが示された。一方、Al-Al対の形成は非常に不安定である。Al添加量が少ない場合には、
相の界面付近でのAl-Al対の形成は回避できる。しかし、Al添加量が多量の場合には、Al-Al対の形成が避けられなくなり、
相の不安定化につながることが示唆された。
阿部 陽介; 佐々木 泰祐*; 山下 真一郎; 大久保 成彰; 鵜飼 重治
Journal of Nuclear Materials, 600, p.155271_1 - 155271_12, 2024/11
被引用回数:7 パーセンタイル:62.23(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉用燃料被覆管として開発中のFeCrAl-ODS (ODS:酸化物分散強化)合金のモデル合金として、CrとAlの組成を系統的に変化させた14種類のFe-Cr-Al合金を
Cで10.5MeVの自己イオンにより0.24dpaまで照射した。中性子照射条件下でのCrリッチ析出物(CrRP)の生成挙動を予測するために、3水準の損傷速度を選択した。3次元アトムプローブ解析の結果、Cr組成の増加、Al組成の減少及び損傷速度の減少に伴い、CrRP数密度、体積率及びCr濃度が増加することがわかった。重回帰分析の結果、これらの主要な効果に加えて、CrRP体積率には次の交互作用があることが示された:(1)Al組成が高いほど、Cr組成の増加に伴うCrRP体積率の増加は小さく、(2)Cr組成が低いほど、Al組成および損傷速度の低下に伴うCrRP体積率の増加は小さい。また、中性子照射下でのCrRP生成挙動に対する損傷速度の影響を理解するためには、損傷量依存性の観点に加えて、損傷速度ゼロの限界として熱時効データを利用することが有効であることを強調した。本研究で構築した体系的なCrRP関連量のデータベースは、数値予測モデルのさらなる開発と検証に貢献するものと考えられる。
鵜飼 重治; 平出 哲也; 大久保 成彰
Materials Characterization, 211, p.113813_1 - 113813_9, 2024/05
被引用回数:5 パーセンタイル:45.46(Materials Science, Multidisciplinary)Ti添加FeCr ODS合金とAl添加FeCrAl ODS合金を対象として、酸化物粒子とフェライト母相の界面ナノ構造を調べることを目的に陽電子寿命測定を行った。測定データは2トラップから成る3成分に精度良く分解できることが示された。フェライト母相での陽電子寿命は理論値である107ピコ秒に近い値になった。陽電子消滅同時計数ドップラー広がり法と高分解能電顕観察を併用することにより、陽電子をトラップしている2種類の欠陥集合体の構造を詳細に調べた。その結果、短寿命(179-194ピコ秒)に対応する欠陥集合体は蔵元らの理論解析に基づき、フェライト母相と酸化物粒子の界面に形成されたミスフィット転位に沿って集積した単空孔や複空孔にトラップされた陽電子の寿命に対応している。また、長寿命(301-323ピコ秒)は界面に生成したアルゴンガスバブルに対応しいていることを示した。陽電子消滅測定で得られたアルゴンガスバブルの数密度は高分解能電顕で観察された酸化物粒子の数密度と同オーダーで両者は整合していることを確認した。
鵜飼 重治; 坂本 寛*; 大塚 智史; 山下 真一郎; 木村 晃彦*
Journal of Nuclear Materials, 583, p.154508_1 - 154508_24, 2023/09
被引用回数:49 パーセンタイル:94.50(Materials Science, Multidisciplinary)Following the severe accident at the Fukushima Daiichi nuclear power plant in 2011, FeCrAl-ODS claddings have been developed in Japan. This paper presents an overview of the alloy design and the process used to manufacture the recrystallized cladding, together with an analysis of the applicability of these alloys as BWR fuel cladding and a summary of the simulated severe accident performance. It was verified that core excess reactivities affected by the increased neutron absorption by Fe, Cr, Al can be compensated by reducing the thickness to half that of Zircaloy cladding, while maintaining mechanical integrity. A simulated design basis LOCA event with assessment of post-LOCA ductility confirmed that FeCrAl-ODS cladding provided a greater safety margin. The SA code analysis indicated that melting of the Zircaloy core could be slightly accelerated due to release of the huge amount of exothermic reaction heat, whilst the water injection always acts toward cooling the FeCrAl-ODS core.
鵜飼 重治; 山下 真一郎
Journal of Materials Research and Technology, 16, p.891 - 898, 2022/01
被引用回数:22 パーセンタイル:74.64(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉の事故耐性燃料被覆管候補材であるFeCrAl-ODS合金の1000
Cでのクリープ変形速度は、分散粒子がYAlO
である場合はY
Zr
O
である場合に比べ、2-3桁大きくなる。また、これらの変形は転位と分散粒子の相互作用で決まる分散強化応力より十分低い応力で起こることが分かっている。このような新しく見出されたクリープ変形現象のメカニズムを2通りのアプローチで検討した。第1のアプローチは分散粒子と母相の界面での転位エネルギーの緩和理論に基づくもので、数値解析により転位の上昇運動が格子ミスフィットの大きいYAlO
界面で加速されることを示した。他のアプローチは、分散粒子の周りに発生する応力が上昇運動する転位に働く力をPeach-Koehler関係式を解くことにより求める方法である。その結果、格子ミスフィットが大きい整合性の悪いYAlO
は母相との界面で大きな応力を発生することが、転位の上昇運動を加速し大きな変形速度をもたらすことを定量的に示した。
坂本 寛*; 三浦 祐典*; 鵜飼 重治; 大野 直子*; 木村 晃彦*; 山路 哲史*; 草ヶ谷 和幸*; 高野 渉*; 近藤 貴夫*; 池側 智彦*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 557, p.153276_1 - 153276_11, 2021/12
被引用回数:74 パーセンタイル:99.17(Materials Science, Multidisciplinary)FeCrAlを母材にした酸化物分散強化合金は、軽水炉向け事故耐性燃料被覆管の有力な候補材料であり、日本でも近年精力的に開発が進められている。本論文では、日本の沸騰水型軽水炉(BWR)用に開発が進められている事故耐性FeCrAl-ODS燃料被覆管の開発の進捗を紹介する。現行BWRにFeCrAl-ODS燃料被覆管を実装した場合の影響について、実験及び既存コード等を用いた解析の両面から評価を行った。実験研究では、解析研究における評価に資するために、FeCrAl-ODS鋼製の棒材,板材,菅材等を用いて主要な材料特性データを取得・蓄積した。論文の末尾では、本事業を実施する中で抽出された課題や将来展望等について、FeCrAl-ODS燃料被覆管の開発を加速するための国際協力も見据えて課題解決方策等を検討・整理した。
矢野 康英; 丹野 敬嗣; 大塚 智史; 皆藤 威二; 鵜飼 重治*
Materials Transactions, 62(8), p.1239 - 1246, 2021/08
被引用回数:12 パーセンタイル:46.13(Materials Science, Multidisciplinary)FeCrAl-ODS鋼被覆管を製作し、その被覆管の熱時効の影響を調査するために、450
C,5000時間と15000時間の熱時効後に、硬さ試験,リング引張試験,TEM観察を実施した。全てのFeCrAl鋼被覆管で熱時効硬化が確認され、延性低下を伴う顕著な強度上昇も生じた。熱時効硬化挙動は(Ti, Al)リッチ相(
'相)析出とAl7wt%未満の場合は
'相析出も起因していると考えられる。同様の組成をもつFeCrAl-ODS鋼を比較した場合、再結晶材と未再結晶材で熱時効硬化は生じるが、後者は延性低下を伴わないことが明らかになった。この挙動の差は、結晶粒界,転位密度,試験片作製方向の影響が起因していると考えられる。本研究は、文部科学省の原子力システム研究開発事業による委託業務として、北海道大学が実施した平成25
28年度「事故時高温条件での燃料健全性確保のためのODSフェライト鋼燃料被覆管の研究開発」の中で北海道大学からの委託により原子力機構が実施した研究成果である。
Aghamiri, S. M. S.*; 菅原 直也*; 鵜飼 重治; 大野 直子*; 坂本 寛*; 山下 真一郎
Materials Characterization, 176, p.111043_1 - 111043_6, 2021/06
事故耐性被覆管材料として、化学組成と製造プロセスの改良により、優れた耐酸化性を有するFeCrAl-ODS合金を開発した。圧延方向に{110}
112
集合組織を有し、ナノサイズの酸化物粒子を含有する単結晶likeの粗大結晶粒から成るFeCrAl-ODS合金を製造した。これを用いて、圧延方向(L)とこれに直角方向(T)の引張試験を室温から800
Cまでの温度範囲で行い、T方向の降伏応力はL方向より大きいことを示した。このような降伏応力の結晶方位依存性は、L方向とT方向のシュミット因子で説明できることを示した。合わせて、FeCrAl-ODS合金の臨界分解せん断応力を室温から800
Cの温度範囲で初めて決定した。
鵜飼 重治*; 矢野 康英; 井上 利彦; 曽和 貴志*
Materials Science & Engineering A, 812, p.141076_1 - 141076_11, 2021/04
被引用回数:31 パーセンタイル:79.76(Nanoscience & Nanotechnology)FeCrAl-ODS鋼は、軽水炉の事故耐性燃料に対する有望な材料として期待されている。この合金に対してAlとCrは鍵となる元素であり、Crはアルミナ形成を促進し、Alは脆性相となるCrリッチ相(
')の形成を抑制する重要な相乗効果を有している。今回の研究では、Cr(9-16at.%)とAl(10-17 at.%)の添加量を系統的に変化させ、室温, 300, 700度の引張試験を実施し、CrとAlの両添加に及ぼす固溶強化に関する調査を行った。その結果、軽水炉の運転温度である300度において、CrとAlの1at.%当りの固溶強化量は、それぞれ20, 5MPaと直線的に増加することが分かった。この固溶強化量は、一般的なFleischer-Friedel理論やLabusch理論では説明できず、鈴木の変形はラセン転位の2重キンク機構により説明可能であることを明らかにした。本研究成果は、文部科学省の原子力システム研究開発事業による委託業務として、北海道大学が実施した平成25-28年度「事故時高温条件での燃料健全性確保のためのODSフェライト鋼燃料被覆管」の研究成果である。
Maji, B. C.*; 鵜飼 重治; 大野 直子*
Materials Science & Engineering A, 807, p.140858_1 - 140858_14, 2021/03
被引用回数:26 パーセンタイル:73.04(Nanoscience & Nanotechnology)1423Kの溶体化条件と748Kの時効条件で、相安定性と機械的特性を比較することにより、Al添加の効果を調べた。13wt%未満のAlを含む溶体化FeCrAl-ODS合金のミクロ組織は、主にフェライトマトリックスで構成されている。しかし、13wt%Alを超えると、Fe
Alリン金属析出物の形成が見られる。Al濃度が16wt%まで上昇すると、フェライト母相は規則正しいB2相に変化した。748Kでの時効処理により、10wt%以上のAlを含む合金では、Fe
Al金属間析出物の形成が加速された。20wt%超のCrと16wt%超のAlを含む合金で観察された秩序B2相は、748Kで長時間時効処理してもB2相のままであった。
鵜飼 重治; 加藤 章一; 古川 智弘; 大塚 智史
Materials Science & Engineering A, 794, p.139863_1 - 139863_13, 2020/09
被引用回数:63 パーセンタイル:92.29(Nanoscience & Nanotechnology)著者が代表者として文部科学省の原子力システム研究開発事業(平成25年度
平成28年度)で実施したFeCrAl-ODS合金のクリープ試験結果を解析したものである。本合金は軽水炉事故耐性被覆管として開発したもので、転位と酸化物粒子の弾性相互作用と転位の上昇運動による応力緩和効果を考慮して、転位の酸化物粒子からの離脱応力を求めた。この離脱応力を新たに作成した一般化した歪速度-応力関係図の中にプロットすることで、以下のことを明らかにした。設定応力が離脱応力を越える場合、転位は酸化物粒子を乗越えて変形するが、その場合でも転位の上昇運動による応力緩和が重要である。設定応力が離脱応力に達しない場合、転位は酸化物粒子を乗り越えられず、粒界すべりが起こる。事故時1000
Cでは粒界すべり支配の変形となる。以上、軽水炉事故耐性用FeCrAl-ODS合金被覆管について、事故時に経験する1000
C高温で、低応力・低歪速度で起こる変形予測に適用可能な高温クリープ構成式を変形メカニズムと共に提示した。
鵜飼 重治*; 大野 直子*; 大塚 智史
Comprehensive Nuclear Materials, 2nd Edition, Vol.3, p.255 - 292, 2020/08
Fe-Cr基酸化物分散強化型(ODS)鋼は、Na冷却型高速炉の高燃焼度燃料被覆管等に必要とされる高温・高燃焼度環境下での耐久性に優れた先進材料として期待されている。本稿ではまず、高燃焼度燃料被覆管としての重要性能である管周方向の機械的特性評価(引張,クリープ等)等のFe-Cr基ODS鋼被覆管に関わる研究開発の現状についてレビューを行った。さらに、軽水炉の事故耐性燃料被覆管、および鉛ビスマス冷却型高速炉の燃料被覆管として期待されている高耐食性Fe-Cr-Al基ODS鋼被覆管の研究状況についてもレビューを行った。
熊田 高之; 大場 洋次郎; 元川 竜平; 諸岡 聡; 冨永 亜希; 谷田 肇; 菖蒲 敬久; 金野 杏彩; 大和田 謙二*; 大野 直子*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 528, p.151890_1 - 151890_7, 2020/01
被引用回数:1 パーセンタイル:6.83(Materials Science, Multidisciplinary)ステンレス鋼の放射線照射によるナノ構造変化観測用異常分散X線小角散乱(ASAXS)装置を開発した。イオンビーム照射前後のMA956試料の散乱パターンを比較したところ、Cr析出物の形状は全く変化していないことが判明した。
Aghamiri, S. M. S.*; 曽和 貴志*; 鵜飼 重治*; 大野 直子*; 坂本 寛*; 山下 真一郎
Materials Science & Engineering A, 771, p.138636_1 - 138636_12, 2020/01
被引用回数:56 パーセンタイル:90.86(Nanoscience & Nanotechnology)酸化物分散強化型FeCrAlフェライト鋼は、高温までの優れた機械特性とアルミナ皮膜形成による水蒸気酸化特性の著しい改善により、軽水炉用事故耐性燃料被覆管候補材料として開発されてきている。本研究では、被覆管成型プロセスにおいて、1100
Cと1150
Cの異なる引き抜き温度で成型した時のFeCrAl-ODS被覆管の微細組織特性及び引張特性を調査した。温間引き抜き成型した試料では、
110
方向に沿った集合組織を有するミクロンサイズの
繊維であったのに対し、冷間ピルガ-圧延で成型した微細組織では、結晶の回転を経由し、
110
方向に沿った集合組織を有するミクロンサイズの
繊維と{111}面に沿った集合組織を有するサブミクロンサイズの
繊維が確認された。次に、最終アニーリングを行うことで、これらの組織は約810-850
Cで再結晶化した大粒径の再結晶組織に変化した。再結晶被覆管材において、これら2つの異なる集合体組織発達が生じた。すなわち、引き抜き温度を1100
Cにして成型した時に形成した(110)
211
集合組織を有する大きな伸張粒と、より高い温度の1150
Cで引き抜き成型した時に見られた(110)
211
集合組織と{111}
112
集合組織である。1100
Cで引き抜き加工を施した被覆管において生じた異なる集合組織の発達と再結晶の遅延は、酸化物粒子の高密度分散に起因していると考えられる。
' precipitates in nickel based oxide dispersion-strengthened superalloys under high-temperature and heavy irradiation conditions金野 杏彩; 大野 直子*; 鵜飼 重治*; 近藤 創介*; 橋冨 興宣*; 木村 晃彦*
Materials Transactions, 60(11), p.2260 - 2266, 2019/11
被引用回数:1 パーセンタイル:4.14(Materials Science, Multidisciplinary)次世代高温ガス炉は、過酷な温度・照射条件が想定されており、その炉心材は1000
C・100dpaもの条件を満たす必要がある。そこで、更なる高温強度実現のため、Feよりも高温強度に優れるNi基合金が候補材として挙げられている。その中でもNimonicPE16は有力な候補材の一つであるが、650
C・50dpaの条件で
'相の溶解・結晶粒界への再析出による強度低下と脆化が生じてしまうため、更なる耐照射性の向上が必要とされている。そこで、本研究では、
'相析出型Ni基超合金に酸化物粒子を分散させることでこれまでのNi基合金を凌駕する
'析出型Ni基ODS超合金(MS4)を開発し、高温重照射影響を評価することを目的とした。イオン照射実験は600
Cから1000
Cの温度範囲で100dpaの条件で行われた。照射後、
'相は600
CではCuboidalな形状を維持したまま、800
Cでは形状が崩れながらも成長していることが判明した。これはNHMモデルに基づく成長速度式から説明されるが、1000
Cにおいては、照射全域に
'相が析出しており800
Cまでとは全く異なる現象が起こることが明らかとなった。本研究では、新たに
'相の照射下挙動のモデル化を試みた。