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V.Shevtsov*; 正木 信行
Chemical Physics Letters, 244, p.188 - 194, 1995/09
被引用回数:3 パーセンタイル:14.17(Chemistry, Physical)外国人研究者招へい制度を利用して、ロシア・クルチャトフ研から研究者を招へいした際の研究成果である。低温マトリクス中の量子拡散は、低温物理、化学反応研究の両面から重要な課題である。トンネル効果により固体水素中を拡散する水素原子の実験の比較として、固体窒素中の水素原子を取り上げた。液体ヘリウム温度の固体窒素中における水素原子の生成と、その水素原子の電子スピン共鳴分光法(ESR)による研究を行った。ヨウ化水素を紫外光により光分解することで水素原子を生成した。固体窒素中のヨウ化水素の初期濃度を10から10として光分解を行い、水素原子をESRにより観測したが、ヨウ素原子の信号は観測できなかった。低濃度のヨウ化水素を用いた場合、捕捉された水素原子のESRスペクトルに超微細構造が観測された。シミュレーションにより、このスペクトルは固体窒素の四面体格子間サイトに捕捉された水素原子によると同定した。