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論文

324MHz高周波駆動の大強度負水素イオン源のマッチング回路の設計

神藤 勝啓; 柴田 崇統*; 和田 元*

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.392 - 395, 2023/11

J-PARCなどの大強度陽子加速器施設やITERなどの中性粒子入射加熱施設で用いられている高周波負水素イオン源では、駆動周波数が1$$sim$$2MHzの高周波源を用いてイオン源内プラズマを生成している。我々はこれまでにこのような数MHz帯域の高周波源を用いたイオン源より引き出された負水素イオンビームが、駆動周波数またはその2倍高調波成分をもって揺動していることを示してきた。これは、イオン源内のプラズマ密度が高く、イオンプラズマ周波数よりも低い周波数の駆動周波数でプラズマを生成していることが原因である。そこで、我々はイオンプラズマ周波数よりも高い周波数、例えばJ-PARCリニアックの高周波源(クライストロン)の周波数(324MHz)でイオン源プラズマを生成した場合に、引き出された負水素イオンビームの揺動が抑えられると考えた。そのために、先ずは高周波源からの入力電力を損失無く、イオン源内プラズマに投入するための整合回路の設計を行った。本発表では、新たな高周波源を用いることを検討した経緯と整合回路の設計結果について報告する。

論文

Non-destructive beam spatial profile measurement using a gas sheet monitor for a high-intensity ion beam

山田 逸平; 和田 元*; 神谷 潤一郎; 金正 倫計

Journal of Physics; Conference Series, 2244, p.012077_1 - 012077_6, 2022/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.32(Engineering, Electrical & Electronic)

J-PARCのような大強度加速器の安定な運転には、非破壊型モニタを用いたビームの常時監視によるビーム損失の低減が重要である。これまでの研究にて、ガスシートとビームの相互作用を利用する非破壊型プロファイルモニタを開発し、その有効性を実証した。開発したモニタはシートガスの密度を広い範囲で制御できるほか、ビーム誘起蛍光を直接カメラで検出するため、任意の露光時間に設定することで容易に信号の平均化が可能である。この特性を利用したビームプロファイルの時間発展測定の可能性を検証した。ビームパルス50$$mu$$sに対して1$$mu$$s刻みにビームプロファイルを測定した結果、ビームプロファイルは先頭の10$$mu$$sで大きく変化しており、その後安定することを明らかにした。また、このプロファイルの時間発展は初段の高周波加速空洞であるRFQのフィードフォワード制御に依存することも明らかにした。以上から、今後のJ-PARCビームの安定化に新たな指標を提案できる可能性を見出した。

論文

2MHz高周波源による高周波大強度負水素イオン源から引き出されたビームへの影響

神藤 勝啓; 柴田 崇統*; 和田 元*

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.230 - 233, 2021/10

J-PARCやSNS, LINAC4では2MHzの高周波源を用いてイオン源内で水素プラズマを生成し、負水素イオンビームを引き出している。これまで、我々は高周波負水素イオン源より引き出された負水素イオンビームの特性について報告してきた。今回、高時間分解能でマクロパルス内でのエミッタンスの変化を測定する計測系を開発した。この計測系を用いてイオン源より引き出された負水素イオンビームのエミッタンスを測定したところイオン源のプラズマ生成に用いている高周波源と同じ周波数またはその高調波で揺動していることが分かった。本発表では、測定で得られたエミッタンス揺動の結果について報告する。

論文

High-speed emittance measurements for beams extracted from J-PARC RF ion source

柴田 崇統*; 神藤 勝啓; 和田 元*; 小栗 英知; 池上 清*; 大越 清紀; 南茂 今朝雄*

AIP Conference Proceedings 2373, p.050002_1 - 050002_9, 2021/08

J-PARCの2MHz高周波イオン源から引き出された負水素イオンビームのエミッタンスやTwissパラメータの振動を、RFQ入口の位置に設置した二重スリット型のエミッタンスモニターを用いて測定した。このエミッタンスモニターには、新たに開発した毎秒60メガサンプルのデータ取得系を備えており、数MHzのビーム振動ならば十分な時間分解能で測定することができる。本測定から、ビームの位相空間は(1)ビームコア部分に存在するDC成分、(2)ビームコア部分とハロー部分の両方で存在する2MHz成分、(3)ビームハロー部分でわずかに存在する2倍高調波(4MHz)成分の3つの成分で構成されていることが分かった。主成分は2MHz成分であり、これはビームエミッタンスの振動周波数を決めている。今回の実験で得られたビームエミッタンスは0.34$$pi$$ mm-mradのDC成分に、約0.04$$pi$$ mm-mradの2MHz振動成分の振幅が重畳していることが分かった。この結果は、イオン源から引き出されたビームが、2mほどの磁場集束系を通過しても約10%の高周波振動成分を持っていることを示している。

論文

High-intensity beam profile measurement using a gas sheet monitor by beam induced fluorescence detection

山田 逸平; 和田 元*; 守屋 克洋; 神谷 潤一郎; Saha, P. K.; 金正 倫計

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 24(4), p.042801_1 - 042801_13, 2021/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:46.8(Physics, Nuclear)

大強度加速器のビームを測定するためには非破壊型モニタが必要である。本研究ではビーム誘起蛍光を利用した横方向ビームプロファイルを測定する非破壊型モニタを開発した。開発したモニタは希薄気体力学の技術を利用してシート状に形成したガスを導入し、ビーム照射により発生した蛍光像を検知することで、二次元プロファイルの測定を可能とする。このモニタから得られる信号をビームプロファイルに変換するための近似手法もあわせて考案した。このモニタおよびプロファイル変換手法をJ-PARCの3MeV水素負イオンビームのプロファイル測定に適用した。その結果、開発したモニタで得られたビームプロファイルは既存のプロファイルモニタであるワイヤスキャナモニタで得られたものと一致した。また、ガスシート導入によるビーム損失の評価として、ビーム電流の減少率を測定した。その結果、ビーム減少率はガス導入流量と比例し、0.004% $$sim$$ 2.5%の電流値の減少が見られた。さらに、開発したモニタはJ-PARCビーム1パルス中のプロファイル変化を測定できる可能性を持つことを示した。

論文

Measurement of a time dependent spatial beam profile of an RF-driven H$$^-$$ ion source

和田 元*; 神藤 勝啓; 柴田 崇統*; 笹尾 眞實子*

Review of Scientific Instruments, 91(1), p.013330_1 - 013330_5, 2020/01

 被引用回数:3 パーセンタイル:21.33(Instruments & Instrumentation)

イオンは、低周波電磁誘導がそのターゲットとなるイオンを含む荷電粒子の輸送を駆動するプラズマシースを介してイオン源から引き出される。負水素イオン(H$$^-$$)生成のためのイオン源ではMHz帯の高周波交流源がプラズマを励起している。狭い入口のスリットを持った高速ビーム電流計測システムを用いることで、2MHzの高周波源で行動したイオン源から引き出したH$$^-$$ビームのAC成分の強度についての空間分布の調査を行うことができた。ビーム揺動の空間分布は、ビーム中心では周辺部に比べてより小さい揺動であることが分かった。

論文

Observation of beam current fluctuation extracted from an RF-driven H$$^-$$ ion source

神藤 勝啓; 柴田 崇統*; 三浦 昭彦; 宮尾 智章*; 和田 元*

AIP Conference Proceedings 2011, p.080016_1 - 080016_3, 2018/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:91.75(Physics, Applied)

In J-PARC, peak H$$^-$$ current of several tens mA is produced from a cesiated hydrogen plasma generated by a solid-state RF amplifier with the frequency of 2 MHz. In case of the high-intensity H$$^-$$ beam extracted from the ion source, the plasma density in the source chamber is so high that the ion sheath around the beam extraction area follows the RF oscillation. Because the ion plasma frequency defined by the ion density is much higher than the driving frequency. The potential fluctuation of the plasma is combined with the driving RF electric field and causes motion of charged particles in the plasma some changes. As a result, the H$$^-$$ beam extracted from the source plasma also fluctuates. The beam current signal from a Faraday cup was measured by a spectrum analyzer. A powerful frequency component at 2 MHz which is as same as that of the RF amplifier was also observed after the acceleration of RFQ linac located at the downstream of the ion source.

論文

大強度負水素イオン源の高周波放電による引き出されたビームへの影響

神藤 勝啓; 柴田 崇統*; 和田 元*

Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.648 - 650, 2017/12

J-PARCでは、セシウムを導入した水素プラズマ生成に2MHzの高周波をイオン源よりピーク電流が数10mAのH$$^-$$ビームを引き出している。このような大強度RF H$$^-$$イオン源では、イオン源内のイオン密度が高いためビーム引出領域近傍のイオンシースがRF振動に追随する。J-PARCの大強度RF H$$^-$$イオン源より引き出されたH$$^-$$ビーム電流をファラデーカップで測定すると、44mAの平均ピーク電流に対して1mA程度のビーム電流の揺らぎが観測された。ビームはその進行方向だけでなく、それに垂直な方向にも振動していると考えられる。ビーム引き出し領域のシースの高周波振動をより明らかにするために、位相空間内での実時間でのビームの揺動を観測できるような高時間分解能で高感度のエミッタンスモニターを備えた実験系を提案する。

論文

炉内トリチウム

上田 良夫*; 大宅 薫*; 芦川 直子*; 伊藤 篤史*; 小野 忠良*; 加藤 太治*; 川島 寿人; 河村 学思*; 剣持 貴弘*; 斎藤 誠紀*; et al.

プラズマ・核融合学会誌, 88(9), p.484 - 502, 2012/09

特定領域科研費「核融合炉実現を目指したトリチウム研究の新展開」のレビューのうち第3章4節を執筆した。JT-60Uの30秒Hモード放電では外側ダイバータ板からの炭化水素の発生量が多いときに容器内に残留する水素量が増加することを示した。さらに外側ダイバータ板から発生した炭化水素がプラズマ中でどのような経路を輸送されるのかを調べるため、人為的に外側ダイバータから$$^{13}$$CH$$_{4}$$を注入する実験を行い、実験後にダイバータ・タイルを取り出しタイル上の堆積物を同定した。その結果、注入口のほぼ正面の内側ダイバータ・タイル上に$$^{13}$$Cが多量のHとともに検出された。この結果は、磁力線を横切った輸送が支配的であること、及び$$^{13}$$CとHが結合した形態で輸送された可能性が高いことを示しており、これらから中性の炭化水素、すなわち$$^{13}$$CH$$_{x}$$, x=1$$sim$$4の形態で外側ダイバータから内側ダイバータまで輸送されたと解釈される。

論文

Development of a negative hydrogen ion source for spatial beam profile measurement of a high intensity positive ion beam

神藤 勝啓; 和田 元*; 西田 睦聡*; 出村 康拡*; 佐々木 大地*; 津守 克嘉*; 西浦 正樹*; 金子 修*; 木崎 雅志*; 笹尾 眞實子*

AIP Conference Proceedings 1390, p.675 - 683, 2011/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.19(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)

A negative ion beam probe system has been proposed as a new tool to diagnose beam profiles of high intensity positive ion beams such as the high intensity continuous-wave (CW) D$$^+$$ beam for the International Fusion Materials Irradiation Facility (IFMIF). To monitor beam profile of the positive ion beam from a remote position, a negative ion beam is injected into the positive ion beam perpendicularly, and the negative-ion-beam attenuation due to the beam-beam interaction is measured at each point. In a low barycentral energy region, the additional electrons of the negative ions with the small electron affinity are easily detached by collisions with the positive ions. To validate the system capability, an experimental study with a low-energy intense He$$^+$$ beam system has been started for the proof-of-principle (PoP) experiment. For the probe beam source, an H$$^-$$ ion source to produce the H$$^-$$ beam with a rectangular shape of 70 mm $$times$$ 2 mm has been designed and assembled. The long side of the rectangle can cover the entire cross section of the He$$^+$$ beam around the focal point, while the short side should be thin not to disturb the target beam. It is installed on a small test stand to measure the beam quality of the H$$^-$$ beam. Experimental results of the H$$^-$$ beam extracted from the small source will be presented.

論文

Identified charged hadron production in $$p + p$$ collisions at $$sqrt{s}$$ = 200 and 62.4 GeV

Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.

Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06

 被引用回数:184 パーセンタイル:99.44(Physics, Nuclear)

200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からの$$pi, K, p$$の横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。また$$m_T$$$$x_T$$スケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。

論文

Azimuthal correlations of electrons from heavy-flavor decay with hadrons in $$p+p$$ and Au+Au collisions at $$sqrt{s_{NN}}$$ = 200 GeV

Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.

Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04

 被引用回数:8 パーセンタイル:49.7(Physics, Nuclear)

重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。

論文

A Negative ion beam probe for diagnostics of a high intensity ion beam

神藤 勝啓; 和田 元*; 金子 修*; 津守 克嘉*; 西浦 正樹*; 笹尾 眞實子*; 木崎 雅志*

Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.999 - 1001, 2010/05

大出力正イオンビームのプロファイルを診断するための新方式として、われわれは負イオンビームプローブシステムを提案した。IFMIFの2本の線形加速器は加速器駆動型中性子源として、各々が40MeV/125mA連続重陽子ビームを供給する。連続運転中は極大電流ビームと高放射線レベルのために、ビーム光学やメンテナンス等の観点からビーム輸送系で通常の診断方式による測定は困難である。高エネルギー粒子との衝突により容易に付加電子が脱離する負イオンのビームを正イオンビームに対して遠方より垂直に入射して、ビーム=ビーム相互作用による負イオンビームの減衰量を各位置で調べることにより、ビームプロファイルを診断することが可能になる。われわれは平成21年度よりこの新しいビームプロファイルモニターシステムの原理検証実験を開始した。本発表では、その実験原理及び方法、本研究のために製作したシート状ビーム生成用水素負イオン源の性能評価とともに、IFMIFビーム輸送系への応用の見通しについて報告する。

論文

Negative ion production in cesium seeded high electron temperature plasmas

井上 多加志; 戸張 博之; 高戸 直之*; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 畑山 明聖*; 和田 元*; 坂本 慶司

Review of Scientific Instruments, 79(2), p.02C112_1 - 02C112_4, 2008/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:14.59(Instruments & Instrumentation)

大型負イオン源の一様性改善の実験研究において、負イオンビームと電子温度の空間分布には急峻な勾配が観察されている。Cs添加前後で、電子温度分布に変化はなかったが、負イオンビームの空間分布における勾配は、Cs添加前後で反転した。これは、Cs添加時に高電子温度プラズマ領域で負イオン生成が促進されていることを示している。本論文では簡単な解析から、負イオンの親粒子である原子状水素や陽子の生成に高電子温度プラズマが有効であり、このため負イオン生成が促進されることを明らかにした。

論文

プローブ計測の基礎から応用まで

雨宮 宏*; 和田 元*; 豊田 浩孝*; 中村 圭二*; 安藤 晃*; 上原 和也; 小山 孝一郎*; 酒井 道*; 橘 邦英*

プラズマ・核融合学会誌, 81(7), p.482 - 525, 2005/07

プラズマ核融合学会からの依頼原稿である。幅広い専門分野にわたる学会誌読者のために核融合プラズマでのプローブ測定の実際を解説した。第1章では、シングルプローブにおけるプローブ特性から電子温度と密度を決定する手順と電子エネルギー分布関数の測定法及びイオン温度の測定について静電エネルギー分析器,イオン感受プローブを取り上げて解説した。第2章ではダブルプローブにおけるイオン温度とフローの測定法を非対称プローブと回転対称プローブを取り上げて解説した。原研のトカマクのJFT-2, JFT-2a及びJFT-2Mで得られたデータを紹介してプローブ測定の実際を解説した。

報告書

セシウム添加型負イオン源におけるプラズマ電極材質の違いが負イオン生成に与える影響

清水 崇司; 森下 卓俊; 柏木 美恵子; 花田 磨砂也; 伊賀 尚*; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 和田 元*; 今井 剛

JAERI-Tech 2003-006, 26 Pages, 2003/03

JAERI-Tech-2003-006.pdf:1.12MB

セシウム添加型負イオン源におけるプラズマ電極の材質の違いが、負イオン生成効率に与える影響について実験的に調べた。本研究においては、金,銀,銅,ニッケル,モリブデンの5種の電極について調べた。実験では、プラズマ電極がフィラメント陰極材によって覆われることを防ぐために、2.45GHzのマイクロ波イオン源を用い、各電極において仕事関数と負イオン電流の相関性を測定した。その結果、得られる負イオン電流量は、その時の電極の仕事関数によって一意的に決まり、電極材質そのものには無関係であることが明らかになった。つまり、電極材質の違いが仕事関数の違いをもたらし、仕事関数の違いによって負イオン生成量が変わることがわかった。用いた材質の中では、金が最も低い仕事関数1.42eVを示し、負イオン生成効率も20.7mA/kWの高い値を示した。この値は、従来から電極として用いられている銅やモリブデンより30%高い値であった。さらに、セシウムとタングステンを同時堆積させた場合には、24.6mA/kWと最も高い効率を得た。

論文

プラズマ電極材質の違いがH$$^{-}$$表面生成に与える影響

清水 崇司; 和田 元*; 渡邊 和弘; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 伊賀 尚*; 井上 多加志; 森下 卓俊; 雨宮 亨*; 今井 剛

第12回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム(BEAMS 2001)報文集, p.25 - 28, 2001/11

体積生成型負イオン源に少量のCsを添加すると、負イオン生成効率が3-5倍に増加することが知られている。そのため、核融合炉用などの大電流負イオン源として体積生成方式のセシウム添加型負イオン源が用いられている。Cs添加による負イオン生成の促進効果は、プラズマに直接面するプラズマ電極(PG)表面の仕事関数がCs吸着により下がることによって、表面生成効率が増加するためであると考えられている。セシウムが付着した場合のPG電極の仕事関数は電極材質によって異なるため、表面生成される水素負イオン量も電極材質によって違いがあることが予想される。本研究では、電極材質の違いが負イオン生成効率へ与える影響を調べるために、PG電極の材質(金,モリブデン等)を変えて、生成される負イオン電流値の比較を行った。その結果、Au,MoにそれぞれCsを添加した場合、負イオン電流値はCs/AuがCs/Moより1.5倍ほど高い値が得られ、電極材質の違いで負イオン生成量が大きく変化することが確認できた。

論文

Correlation between negative hydrogen ion production and work function of plasma grid in a cesium-introduced volume-production-type negative hydrogen ion source

神藤 勝啓*; 奥村 義和; 安藤 俊光*; 和田 元*; 津田 博*; 井上 多加志; 宮本 賢治; 永瀬 昭仁*

Japanese Journal of Applied Physics, 35(3), p.1894 - 1900, 1996/00

 被引用回数:20 パーセンタイル:68.19(Physics, Applied)

体積生成型負イオン源において、プラズマ電極の仕事関数と負イオン引き出し電流の関数を実験的に調べた。セシウム添加した際の負イオン電流の増分は、仕事関数の減少とともに指数関数的に増大する。この実験的事実は、表面生成された負イオンが、プラズマ中の水素原子の温度に相当するエネルギーをもって表面から脱離すると仮定したモデルでは説明できない。負イオンが熱運動エネルギーよりも大きな運動エネルギーをもって生成されると仮定すれば、実験結果を良く説明することができる。

口頭

負イオンビーム入射による大強度正イオンビームモニターの開発

神藤 勝啓; 和田 元*; 今北 真輔*; 金子 修*; 津守 克嘉*

no journal, , 

IFMIFで用いられる大強度CW重水素正イオンビームでビームプロファイルを調べるモニターとして、既存の方式ではビームの散乱や損失,ビーム光学に悪影響を与える等の問題が生じる可能性がある。そこで、これに替わる方式として、負イオンビームプローブ法を用いた大強度正イオンビームプロファイルモニター(BPM)を考案した。負イオンプローブビームを、ターゲットとなる正イオンビームに対して垂直に入射して、位置方向での負イオンビームの減衰量を診ることでプロファイルを調べるため、従来の方式の問題点を克服し、かつ加速器運転中にリアルタイムでモニターすることが可能となる。本発表では、核融合科学研究所NBIテストスタンドで行う予定の新方式BPMの原理検証実験(POP)計画について報告する。POPでは、小型カマボコ型負イオン源で幅広薄型の矩形ビームを生成して、大強度正イオンビームに対して垂直に入射することで正イオン,中性粒子,負イオンの混合ビームが生じる。このビームの混合比を調べることで、大強度正イオンビーム断面のプロファイルに焼き直して、ビームを診断する予定である。

口頭

DNA塩基の熱蒸発時分子量測定

中川 敦引*; 廣安 知之*; 森林 健悟; 剣持 貴弘*; 和田 元*

no journal, , 

放射線損傷メカニズムを解明するため、DNA塩基の電子電離断面積の評価が必要となる。実験的に断面積を測定するには、DNAを高温の蒸気として真空内に導入し、電子衝撃反応を起こすことが一般的である。蒸発の際、供給DNAは加熱により一部分解している可能性がある。そこで計測の際の電子衝撃やイオンアタッチメント時の分子フラグメンテーションがDNAを蒸散させる際の温度によりどのように変化するか理論的,実験的に調査する必要がある。そこで本研究ではDNA塩基のうちアデニンに注目し、蒸散供給する際の分子量を実験的に計測する。最終的には、電荷付与時の分子の分解を低減するためイオン付着法を採用する予定であるが、その前段階として、電子衝撃時の分子分解について実験を行う。講演では、電子衝撃時の分子分解の実験装置の概要及びこの電子衝撃によるフラグメーションパターンの解析結果を示す。

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