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西野 裕之; 栗坂 健一; 二神 敏; 渡壁 智祥; 山野 秀将
Proceedings of Probabilistic Safety Assessment and Management & Asian Symposium on Risk Assessment and Management (PSAM17 & ASRAM2024) (Internet), 10 Pages, 2024/10
従来の地震PRAでは原子炉容器(RV)の座屈は炉心損傷に支配的に寄与していた。しかしながら現実的には、たとえRVが地震の揺れによって座屈したとしてもRVの破裂や倒壊のようなことになることはなくRV本来の機能を損なうようなことはないと期待できる。このような現実的な座屈後の挙動を考慮することを本研究ではレジリエンス向上策と考える。本研究の目的はRV座屈後の挙動を理解すること、及び疲労破損に基づくフラジリティ評価をすることである。RV座屈後の挙動を理解するために本研究ではひずみやその変位の時間履歴などを定量化するために有限要素法を使って構造解析を実施した。解析の結果、座屈のしわはRV液位よりも高い位置で現れた。最も大きなひずみの値もまたこの高さであることを示せた。この解析によって疲労損傷係数を評価し、座屈によるフラジリティに加えて疲労破損のフラジリティもこの解析結果を用いて評価した。この結果、我々が対象としたプラントに対して、疲労破損及び座屈のフラジリティの中央値(地震動の強さ)は、それぞれ設計基準地震動の6倍と5倍であり、疲労破損フラジリティの中央値の方が座屈フラジリティの中央値よりも1.2倍大きかった。これは座屈後の挙動の現実的な評価は構造のレジリエンス向上に寄与することを意味する。
岡藤 孝史*; 三浦 一浩*; 佐郷 ひろみ*; 村上 久友*; 渡壁 智祥; 安藤 勝訓; 宮崎 真之
Proceedings of ASME 2024 Pressure Vessels & Piping Conference (PVP 2024) (Internet), 8 Pages, 2024/07
免震システムが適用された高速炉の容器に適用可能な座屈強度評価式の開発を行っている。既往報告において、一定の水平荷重を受けつつ、周期的な軸方向圧縮荷重が作用する条件下での一連の座屈試験と解析を行い、座屈評価式の適用性を確認している。本報告では、大きな初期不整がある場合に座屈強度が低下する効果を取入れるための補正係数を提案した。様々な寸法、初期不整形状、垂直/水平荷重比を有する改良9Cr-1Mo鋼(Grade91)及びオーステナイト系ステンレス鋼の容器に対して、大変形大ひずみ理論による一連の弾塑性座屈解析を実施した。その結果、補正係数は全体的に初期不整の程度に対応して座屈強度が減少する傾向にあり、補正係数を考慮した座屈評価式は肉厚の半分を超える大きな初期不整がある場合でも高速炉の容器に適用できることを示した。
渡壁 智祥; 山本 智彦; 岡村 茂樹; 宮崎 真之; 宮川 高行; 内田 昌人*; 平山 智之*; 杣木 孝裕*; 湯川 正貴*; 深沢 剛司*; et al.
Proceedings of ASME 2024 Pressure Vessels & Piping Conference (PVP 2024) (Internet), 10 Pages, 2024/07
ナトリウム冷却高速炉では、薄肉の機械部品や配管の耐震安全性を厳しい設計地震レベルで確保するため、3次元免震装置を開発している。開発成果の進捗をシリーズ(Part7Part9)発表する。Part7では、研究開発の全体概要、各要素を組み立てた状態での3次元免震装置の試験計画、および構成要素の性能について紹介する。Part8では、各要素を組み立てた状態での3次元免震装置の性能を負荷試験を通じて調査した。Part9では、試験結果で得た知見に基づき検証した解析モデルによる3次元免震装置の効果を報告する。
中村 いずみ*; 滝藤 聖崇; 嶋津 龍弥*; 奥田 幸彦; 酒井 理哉*; 大谷 章仁*; 渡壁 智祥; 奥田 貴大; 渋谷 忠弘*; 白鳥 正樹*
Proceedings of ASME 2024 Pressure Vessels & Piping Conference (PVP 2024) (Internet), 9 Pages, 2024/07
A new seismic design procedure which evaluates the inelastic behavior of piping system by detailed finite element method (FEM) analysis has been developed in Japan (the JSME CC); however, the inelastic behavior is only considered for pipe body in the JSME CC, and the evaluation of inelastic behavior of pipe support structure is still not included. To clarify the current analytical accuracy of inelastic analysis of pipe support structures and to develop an analytical guideline to reasonably include the inelastic behavior of pipe support structure in the seismic design of piping system, a series of benchmark analysis on pipe support structures has been launched in 2022. The benchmark analysis of pipe support structures consists of mainly two stages; the first stage is the analysis of pipe support structures themselves, and the second stage is the analysis of piping system with inelastic support structure. As of January 2024, the first stage of benchmark analysis is in progress. It is confirmed that there are some variabilities in modeling of support structures, stress-strain relationship, and boundary conditions. The load-deflection relationships also show variability even when the support structures are in the elastic region. The effect of these variations to the response of piping system model is remained as future tasks.
渡壁 智祥; 奥田 貴大; 岡島 智史
Mechanical Engineering Journal (Internet), 11(2), p.23-00395_1 - 23-00395_13, 2024/04
高速炉開発においては、三次元免震の適用が計画されている。その場合、原子炉建屋とタービン建屋を繋ぐ渡り配管には、耐震プラントでは発生しない大きな変形が水平、上下方向に作用するため、渡り配管の耐震設計成立性が課題である。加えて、高速炉では、軽水炉と比べて高温熱を取り出すため、主蒸気配管も軽水炉と比べてより高温条件下での運転となることから、高温強度に配慮した設計が必要となる。ここでは、渡り配管レイアウトに対し、日本機械学会設計・建設規格第II編高速炉規格に基づく強度評価を実施し、その結果と過去の破損試験等の最新知見を踏まえ、高速炉用渡り配管の設計評価法を検討した。
山本 智彦; 渡壁 智祥; 宮崎 真之; 岡村 茂樹; 宮川 高行; 横井 忍*; 深沢 剛司*; 藤田 聡*
Mechanical Engineering Journal (Internet), 11(2), p.23-00393_1 - 23-00393_21, 2024/04
A sodium-cooled fast reactor (SFR) considers adopting 3-dimensional seismic isolation devices for withstanding seismic loads not only horizontal but also vertical direction. A seismic isolation device consists of a laminated rubber bearing and horizontal oil dampers for horizontal direction, coned disc springs and vertical oil dampers for vertical direction, respectively. In order to investigate the performance of each component and the feasibility of integrated system for SFR, the experiments such as load-displacement tests, vibrating tests, etc., to each component of seismic isolation devices and seismic response analysis are carried out. As those experimental results, the mechanical characteristics of each component and the devices are grasped, then it is demonstrated that components and devices have expected performances to reduce the seismic loading within the design range. As the analytical results of seismic response, it is indicated that this 3-dimesional seismic isolation device and system can reduce the seismic response on horizontal and vertical simultaneously. Based on the analytical studies and experimental results, the feasibility of newly developed 3-dimensional seismic isolation system is obtained and the prospect of practical application of 3D seismic isolation system for fast reactor is implied in this paper.
中村 いずみ*; 大谷 章仁*; 奥田 幸彦; 渡壁 智祥; 滝藤 聖崇; 奥田 貴大; 嶋津 龍弥*; 酒井 理哉*; 渋谷 忠弘*; 白鳥 正樹*
第10回構造物の安全性・信頼性に関する国内シンポジウム(JCOSSAR2023)講演論文集(インターネット), p.143 - 149, 2023/10
原子力発電施設における配管系の耐震設計では、設計対象を弾性はり要素でモデル化し、弾性解析に基づく保守的な応力評価を実施している。一方、これまでに実施された多数の実験結果から、配管系は設計の想定を超えるような地震入力下では弾塑性挙動を示し、破損に至るまでには大きな裕度を有していると認識されている。このような状況を踏まえ、適切な保守性と合理性を有する耐震評価のため、弾塑性応答挙動を考慮した新たな耐震設計・評価手法の構築を目指し、2019年に日本機械学会より発電用原子力設備規格設計・建設規格の事例規格が発刊された。初版発刊後は事例規格の継続的な改善のために議論と検討を進め、2022年には疲労評価に用いるサイクルカウント法等に修正を加えた改訂版の発刊が決定した。また、次期改訂に向け、配管支持構造物の弾塑性評価を規格に取り入れる議論が進められている。本稿では、2022年の事例規格における主要な改訂内容、改訂の背景、次期改訂に向けた取り組み状況及び今後の課題について紹介する。
渡壁 智祥; 高橋 英樹*
Journal of Pressure Vessel Technology, 145(5), p.051502_1 - 051502_11, 2023/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Mechanical)設計条件を越える過酷な地震荷重を想定した場合の最終的な振る舞いを把握すること、また、現行設計が終局強度と比べてどの程度の余裕を見込んでいるかを明確にすることは耐震健全性を確実なものにするという観点から重要である。本研究では、高速炉用薄肉ティ配管を対象にした破壊試験や解析評価を通じて、破損様式、動的応答挙動、動的非弾性解析による破損予測の精度、既存設計規格に含まれる安全裕度について検討した。
奥田 貴大; 高橋 英樹*; 渡壁 智祥
Mechanical Engineering Journal (Internet), 10(4), p.23-00075_1 - 23-00075_9, 2023/08
近年、原子力発電プラントにおける配管耐震設計を合理的化するため、塑性変形とそれに伴う配管自体のエネルギー散逸を考慮した設計手法の開発が期待されている。本検討では配管系全体の地震応答に対して、支持構造の塑性変形の影響の程度を調査するために、広い範囲にわたって一連の地震応答解析を実施した。解析は配管と支持構造の塑性変形について、(1)両方とも考慮しない、(2)配管のみ考慮する、(3)支持構造のみ考慮する、(4)両方とも考慮する、の4ケースについて実施した。
深沢 剛司*; 平山 智之*; 横井 忍*; 廣田 昭彦*; 杣木 孝裕*; 湯川 正貴*; 宮川 高行; 内田 昌人*; 山本 智彦; 宮崎 真之; et al.
日本機械学会論文集(インターネット), 89(924), p.23-00023_1 - 23-00023_17, 2023/08
ナトリウム冷却高速炉の耐震性向上の観点で研究開発を進めている3次元免震装置開発に関して、そのシステムの概要を述べるとともに、1/2縮尺試験体を用いた静的載荷試験結果について、その知見を述べる。
渡壁 智祥; 奥田 貴大; 岡島 智史
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 5 Pages, 2023/05
高速炉開発においては、三次元免震の適用を前提としている。その場合、原子炉建屋とタービン建屋を繋ぐ渡り配管には、耐震プラントでは発生しない大きな変形が水平、上下方向に作用するため、渡り配管の耐震設計成立性が課題である。加えて、高速炉では、軽水炉と比べて高温熱を取り出すため、主蒸気配管も軽水炉と比べてより高温条件下での運転となることから、高温強度に配慮した設計が必要となる。ここでは、渡り配管レイアウトに対し、日本機械学会設計・建設規格第II編高速炉規格に基づく強度評価を実施し、その結果と過去の破損試験等の最新知見を踏まえ、高速炉用渡り配管の設計の在り方について検討する。
山本 智彦; 渡壁 智祥; 宮崎 真之; 宮川 高行*; 横井 忍*; 岡村 茂樹*; 深沢 剛司*; 藤田 聡*
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 7 Pages, 2023/05
A sodium-cooled fast reactor (SFR) considers adopting 3-dimensional seismic isolation devices for withstanding seismic loads not only horizontal but also vertical direction. In order to investigate the performance of each component and the feasibility of integrated system for SFR, the experiments to each component of seismic isolation devices and seismic response analysis are carried out. As those experimental results, the mechanical characteristics of each component and the devices are grasped. As the analytical results of seismic response, it is indicated that this 3-dimesional seismic isolation device and system can reduce the seismic response on horizontal and vertical simultaneously. Based on the analytical studies and experimental results, the feasibility of newly developed 3-dimensional seismic isolation system is obtained and the prospect of practical application of 3D seismic isolation system for fast reactor is implied in this paper.
大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.
Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。
古屋 治*; 藤田 聡*; 牟田 仁*; 大鳥 靖樹*; 糸井 達哉*; 岡村 茂樹*; 皆川 佳祐*; 中村 いずみ*; 藤本 滋*; 大谷 章仁*; et al.
Proceedings of ASME 2021 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2021) (Internet), 6 Pages, 2021/07
新規制基準では、深層防護を基本とし、共通要因による安全機能の一斉喪失を防止する観点から、自然現象の想定の程度と対策を大幅に引き上げ、機能維持と安全裕度の確保のための対策の多重化と分散化及び多様性と独立性が強化されている。このような中、設計基準を超える地震を含む外部ハザードに対して、設計基準事故及びシビアアクシデントの対策のための設備の機能喪失と同時に、重大事故等に対処する機能を喪失しないことを目的として、特定重大事故等対処施設の設置が定められた。当該施設の設備では、設計基準を一定程度超える地震に対して機能確保できる頑健性を有する設備が求められている。一方、安全性向上評価においては、確率論的リスク評価や安全裕度評価により設計上の想定を超える範囲も含めた評価が行われるため、耐震重要設備の耐力に係る知見を拡充させることが重要である。本報では、耐震重要設備の機能維持に対する考え方や地震を対象に考慮すべき損傷指標等に係る知見の調査と検討結果をまとめる。
大谷 章仁*; 甲斐 聡流*; 金子 尚昭*; 渡壁 智祥; 安藤 勝訓; 月森 和之*
Proceedings of 2018 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2018), 10 Pages, 2018/07
本論文は、日本機械学会において策定中の事例規格を実機配管に適用した結果を報告するものである。ここでは、高速炉もんじゅの2次系配管を実機配管の代表例として選定した。事例規格に定める手法により配管系の弾塑性時刻歴解析を行い、配管の強度評価を実施した。その結果、事例規格による評価は配管系の耐震強度を左右する疲労強度の観点で、現行規格の手法よりも合理的な評価が可能であることを確認した。
渡壁 智祥; 森下 正樹
Proceedings of 2018 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2018), 6 Pages, 2018/07
現行の配管耐震設計規格の代替規定として、新たな事例規格が日本機械学会傘下の委員会において策定中である。本規格では、塑性による応答低減効果を見込んだ簡易解析を設計に取り入れることが検討されている。本研究では、簡易解析の適用性について解析的に検討した。応答スペクトル解析と応力係数による簡易計算に基づく現行設計解析に含まれる余裕を付加減衰の観点で定量的に評価した。
渡壁 智祥; 山本 智彦; 深沢 剛司*; 岡村 茂樹*; 杣木 孝裕*; 諸菱 亮太*; 櫻井 祐*; 加藤 亨二*
日本機械学会論文集(インターネット), 83(850), p.16-00444_1 - 16-00444_14, 2017/06
厚肉積層ゴムとオイルダンパーから構成される免震装置の高速炉への適用が計画されているが、積層ゴムを実機に適用する場合、供用期間中の経年変化を考慮して建屋支持機能や復元機能の構造健全性を評価することが重要となる。そこで、本報告では、加熱促進劣化により経年を模擬した準実大の試験体を用いて静的加力試験を行い、経年が剛性や線形限界ひずみ等の力学特性に及ぼす影響について検討した。
渡壁 智祥; 山本 智彦; 深沢 剛司*; 岡村 茂樹*; 杣木 孝裕*; 諸菱 亮太*; 櫻井 祐*; 加藤 亨二*
Proceedings of 2016 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2016) (Internet), 8 Pages, 2016/07
積層ゴムとオイルダンパーから構成される免震装置の高速炉への適用が計画されている。本装置の特徴の一つは、やや厚肉積層ゴムを採用していることである。地震条件の増大に対応するため、上下固有振動数を通常よりも低下させ、内部機器の応答低減を狙いとしている。本報告では、やや厚肉積層ゴムの経年変化特性について検討した。積層ゴムは成熟した技術となっているが、経年変化に関する試験実施が少ない。また、やや厚肉積層ゴムについては、経年変化後の線形限界や破断特性等の力学特性が把握されていない。経年30年及び60年を模擬した1/2縮尺系積層ゴム(直径800mm)及び1/8縮尺系積層ゴム(直径200mm)を用いて水平及び上下方向の静的加力試験を実施し、終局挙動近傍の復元力特性データを取得して経年が力学特性に及ぼす影響を把握する。また、経年を模擬した2種類の縮尺比の終局挙動を比較評価することで、経年状況下におけるスケール効果の有無を明らかにした。
川崎 信史; 渡壁 智祥; 若井 隆純; 山本 智彦; 深沢 剛司*; 岡村 茂樹*
Proceedings of 2016 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2016) (Internet), 8 Pages, 2016/07
日本は地震国であり、また、ナトリウム冷却型高速炉では、軽水炉と比較し薄肉化した構造として、機器が設計されている。それゆえに機器にかかる地震力を低減させるために、免震装置が採用されてきた。炉心耐震性及び原子炉容器の座屈健全性の観点から、高速炉用免震装置には、上下8Hz以下の固有周波数が必要となる。このような周波数条件を満足する3種類の免震概念を紹介する。上下8Hzの固有周波数は、厚肉積層ゴムにより達成される。この厚肉積層ゴムと皿バネを組み合わせることにより、上下固有周波数は、35Hzとなる。また、積層ゴムと空気バネを組み合わせ、ロッキング防止装置を組み込むことで、1Hz以下の上下固有周波数が達成できる。上下8Hz免震概念は、厚肉積層ゴムとオイルダンパーで構成されており、本概念が日本のリファレンス高速炉用免震概念である。本概念が選定された理由は、システム構成の簡素さと開発課題の少なさである。上下5Hz免震概念を用いた場合の上下方向の加速度応答は、上下8Hz免震概念と比較し、50%のレベルまで低減することが、解析検討によりわかっている。また、皿バネの静的試験等から、皿バネの設計式は既に検討されている。これらの知見を活用し、厚肉積層ゴムと皿バネを組み合わせることにより、上下5Hz免震装置を設計することが可能である。上下1Hz免震概念を用いた場合の上下方向の加速度応答は、上下8Hz免震概念と比較し、10%のレベルまで低減することが、わかっている。上下固有振動数が1Hzといった領域まで低減するとロッキング防止装置が必要となり、これまで複数のオイルダンパーをオイルラインで結合するタイプのロッキング防止装置等が、検討されてきた。このようにロッキング防止装置がシステムを複雑化しているため、システム構成を今後簡素化していくことが、本概念にとって大きな課題となっている。これら3種類の免震概念が高速炉に適用可能な免震装置であり、これらの免震装置を開発していくことは、サイト毎に、機器仕様の統一化を図ったうえで、適切な耐震余裕を確保していくうえで、重要となるため、今後、地震動条件などの関連動向の変化を踏まえ、開発を継続していく。
渡壁 智祥; 月森 和之; 大谷 章仁*; 森泉 真; 金子 尚昭*
Mechanical Engineering Journal (Internet), 3(3), p.16-00054_1 - 16-00054_11, 2016/06
配管の耐震健全性を評価するために配管の破損様式や終局強度を把握することは重要である。軽水炉用厚肉配管の破損試験はこれまでに複数実施されている。その結果から、厚肉配管の耐震設計では、低サイクル疲労破壊を破損様式として想定するべきであるとの結論に至っている。一方、高速炉は軽水炉と比べて相対的に薄肉構造であり、薄肉配管の破損様式を明らかにするためには軽水炉配管の試験結果だけでは十分でない。したがって、本研究では、薄肉ティの破損様式及び終局強度の調査を行った。