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早川 虹雪; 村口 正和*; 馬酔木 ゆめの*; 小島 洋一郎*; 小田 将人*; 藪田 莉名*; 石井 宏幸*; 本田 充紀
AIP Advances (Internet), 16(2), p.025337_1 - 025337_8, 2026/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nanoscience & Nanotechnology)風化黒雲母(WB)は粘土由来の層状鉱物であり、700
C以上での溶融塩処理により熱電特性を示すようになる。本研究では、CsおよびSrのインターカレーションがWBの局所構造および電気伝導性に与える影響を調査した。WBをCsClおよび/またはSrCl
を含む溶融塩で処理し、得られた試料についてX線蛍光分析(XRF)、X線回折(XRD)、X線吸収微細構造(XAFS)、および四端子法による電気伝導度測定を行った。XRFによりCs/Srの取り込みが確認され、XRDにより層状構造が保持されていることが示された。XAFS解析では、Cs/Srをインターカレーションした試料において、高温下でSr-Si間距離が約
,
短縮することが明らかとなり、SrがSi-O層に近づくことが示唆された。630
860
Cで測定した電気伝導度では、630
780
Cの範囲においてCs/Sr-WBがSr-WBより高い伝導性を示した。これらの結果から、層間イオンの再配置により伝導経路が改善されることが示され、層間構造制御が粘土系熱電材料設計における有効な手法であることが示唆された。
早川 虹雪*; 村口 正和*; 馬酔木 ゆめの*; 小島 洋一郎*; 小田 将人*; 藪田 莉名*; 石井 宏幸*; 本田 充紀
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 23(3), p.290 - 295, 2025/07
環境調和型の高温で動作する熱電材料へむけて、粘土鉱物を利用した材料開発を進めている。高温で熱電特性をえることに成功したが、なぜその特性を示すかは分からない。そこで高温環境下で風化黒雲母の構造変化を解明するためのXAFS分析手法の開発し、高温でのFeの局所構造を明らかにする。大気環境と真空環境で焼結した試料のFeの局所構造解析からFeの化学結合状態の変化を明らかにした。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:66 パーセンタイル:95.03(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300
Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200
Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
藪田 莉名*; 小田 将人*; 村口 正和*; 石井 宏幸*; 早川 虹雪*; 本田 充紀
no journal, ,
近年、熱電材料は産業廃熱の有効利用により注目されており、粘土鉱物の一種である風化黒雲母(WB)も高温下で熱電特性を示すことが報告されている。しかし、その電気および熱伝導のメカニズムは未解明である。本研究では、WBの電気特性に注目し、その伝導機構の解明を目的とする。WBは層状構造を持つため、層内の電子伝導または層間のイオン伝導が考えられる。密度汎関数理論に基づく第一原理計算を用い、WBの単純化モデルを作成し、CsおよびKの層間吸着を仮定して構造最適化を行った。最安定構造の決定後、原子の拡散に伴うエネルギー障壁をNEB法で評価した結果、CsおよびKの拡散ポテンシャル障壁は約2.5eVと高く、安定構造ではイオン伝導が困難であることが示された。一方で、この障壁は層間距離に強く依存し、特定条件下ではイオン伝導の可能性があることが分かった。
馬酔木 ゆめの*; 早川 虹雪*; 本田 充紀; 小田 将人*; 藪田 莉名*; 石井 宏幸*; 村口 正和*
no journal, ,
本研究では、層状ケイ酸塩鉱物である風化黒雲母(WB)に対し、溶融塩法を用いてCs
イオンを層間にインターカレーションさせ、Cs吸着量5.07wt%の試料を作製した。Cs吸着による局所構造変化を明らかにするため、Si K吸収端のEXAFS測定を実施し、得られたフーリエ変換スペクトルから1.5
付近にSi-O由来のピークを確認した。当日は、未吸着WBとの比較を通してCsインターカレーションが局所構造へ与える影響について報告する。
本田 充紀; 早川 虹雪*; 馬酔木 ゆめの*; 村口 正和*; 藪田 莉名*; 小田 将人*; 石井 宏幸*
no journal, ,
地球上に豊富に存在する粘土鉱物を基盤とした持続可能型熱電材料の創製を目的として、風化黒雲母(weathered biotite, WB)に対する溶融塩処理による構造制御と熱電特性評価を行った。KCl-CaCl
(3:1)混合塩をWBに対して1/100
1の比率で添加し、粒径および成型条件を制御した結果、粒径45-75
mの試料で電気伝導率の向上が確認された。一方、熱伝導率は粒界構造や充填率などのマクロな構造因子に支配される傾向を示した。構造解析との相関から、高温域における層間イオン移動の寄与が示唆された。
早川 虹雪*; 村口 正和*; 馬酔木 ゆめの*; 小島 洋一郎*; 小田 将人*; 藪田 莉名*; 石井 宏幸*; 本田 充紀
no journal, ,
風化黒雲母(WB)は層状の粘土鉱物であり、溶融塩処理により700度以上の高温において熱電特性を示すことが確認されている。WBはSi、Al、Fe、Mgなどの環境負荷の低い元素で構成されており、有望な熱電材料である。本研究では、溶融塩処理中にセシウム(Cs)およびストロンチウム(Sr)イオンをWBに層間挿入し、それによって生じる構造および電気的特性の変化を調査した。XRF分析により、WBの主要元素に加え、CsおよびSrの取り込みが確認された。XRD解析では約9
および27
に特徴的なピークが認められ、WBが層状構造を保持していることが示唆された。FeのK端を用いたXAFS解析により、第一近接原子は酸素、第二近接原子はケイ素であることが明らかとなった。Srの含有量が増加するにつれてSi由来ピークの強度が減少する傾向が見られ、Csは主にSiと結合し、Srは主に酸素と結合することが示唆された。これらの構造変化はWBの電気伝導性に影響を及ぼしており、イオンの層間挿入、構造変化、および熱電特性との関連性を明らかにするものである。
本田 充紀; 早川 虹雪*; 馬酔木 ゆめの*; 村口 正和*; 藪田 莉名*; 小田 将人*; 石井 宏幸*
no journal, ,
本研究では、地殻に豊富に存在する土壌由来の粘土鉱物を出発原料とした熱電材料の作製プロセスを開発した。NaCl-CaCl
系およびKCl-CaCl
系などの溶融塩を用いることで、層状鉱物構造内部で進行する反応を制御した。溶融塩組成と反応温度を精密に調整することにより、カチオンの層間挿入挙動を効果的に制御でき、その結果、構造保持型と構造変換型の二種類の構造変化を選択的に誘起することに成功した。これらの結果は、適切な溶融塩系の選択と反応環境の制御が、粘土鉱物を基盤とした熱電材料の結晶構造および機能特性の最適化における重要な要素であることを示している。
早川 虹雪*; 村口 正和*; 馬酔木 ゆめの*; 藪田 莉名*; 小田 将人*; 石井 宏幸*; 本田 充紀; 小島 洋一郎*
no journal, ,
未利用廃熱の有効活用に向けた高温熱電材料の開発を目的として、土壌由来の粘土鉱物である風化黒雲母(WB)に対し、溶融塩法によりアルカリ金属およびアルカリ土類金属イオンを導入した試料を作製し、電気伝導特性を評価した。Sr導入WBおよびCs/Sr共導入WBについて電気伝導度の温度依存性を測定した結果、いずれも温度上昇に伴い電気伝導度が増加し、特にCs/Sr共導入試料では630
780
Cの高温域においてSr導入試料を上回る値を示した。これらの結果から、アルカリ金属・アルカリ土類金属イオンの導入がWBの電気伝導挙動に影響を及ぼす可能性が示唆された。本発表では、イオン導入と電気伝導特性との関係について検討した結果を報告する。
藪田 莉名*; 小田 将人*; 村口 正和*; 早川 虹雪*; 石井 宏幸*; 本田 充紀
no journal, ,
高温域での工業排熱回収に適した熱電材料として、層状ケイ酸塩鉱物である風化黒雲母(WB)に着目し、そのイオン伝導機構の解明を目的とした理論解析を行った。第一原理計算およびNudged Elastic Band(NEB)法を用いて、層間イオン(Cs、K)の拡散ポテンシャル障壁を評価した結果、層間距離が拡大した条件下ではKイオンの拡散障壁が低下し、高温域においてKイオンによるイオン伝導が支配的となる可能性が示唆された。本発表では、理論計算に基づくイオン伝導機構と実験結果との対応について議論する。
早川 虹雪*; 馬酔木 ゆめの*; 村口 正和*; 小島 洋一郎*; 小田 将人*; 藪田 莉名*; 石井 宏幸*; 本田 充紀
no journal, ,
低炭素社会実現に向け、排熱有効活用技術として熱電発電技術が注目される中、我々は新規熱電材料として期待される土壌粘土鉱物の一つである風化黒雲母(WB)に着目し、溶融塩法を用いた各種結晶鉱物の合成を行ってきた。その結果、溶融塩法を適用することで、WBの層構造を保持したままアルカリイオンが層間に吸着する場合(インターカレーション)と、層構造が破壊・再構成され新たな結晶鉱物が形成される2つの過程を明らかにし、WBを利用した熱電材料創製に成功した。本研究では、溶融塩にSrCl
を用いたSrインターカレーションが構造と熱電物性に与える影響を検討した。WB質量に対し3種類のSrCl
添加量(1倍、5倍、10倍)で試料を作製し、XRF、XRD、XAFSで分析を実施した。XRFによる組成分析の結果、Sr吸着量は添加量に応じ12.7%(1倍)、16.5%(5倍)、23.4%(10倍)と増加傾向を示した。また、WBのSr局所構造を明らかにするため、室温、300
C、500
C、700
C、冷却後室温の5条件でXAFS測定を実施した。得られた動径構造関数において第一配位(P1)Sr-O、第二配位(P2)Sr-Siが確認され、P1ピークは温度上昇に伴い増加傾向を示すことを明らかにした。
馬酔木 ゆめの*; 小田 将人*; 藪田 莉名*; 石井 宏幸*; 本田 充紀; 早川 虹雪*; 村口 正和*
no journal, ,
With attention focused on the development of new thermoelectric materials, we have focused on weathered biotite (WB), a type of layered silicate mineral that is expected to become an environmentally friendly material. WB consists of laminated tetrahedral and octahedral sheets, and the interlayer contains K, Cs and other substances. However, the influence of the amount and type of interlayer material adsorbed on the structure and physical properties remains unresolved. Changes in the crystal structure due to Cs adsorption may affect the electrical and thermal properties during the synthesis of various crystalline minerals by the molten salt method. In this study, four samples with different amounts of CsCl as molten salt were prepared for WB and analyzed using XRF, XRD and XAFS. The XRF analysis showed that the Cs adsorption was 0.95%, 1.61%, 3.83% and 5.07%. XRD analysis showed that the interlayer distance varied from 10.09 AA to 10.13 AA with increasing adsorption. In order to clarify the effect of Cs adsorption on the bonding state around the Si closest to the interlayer, XAFS analysis of the Si K-edge of the WB samples with different amounts of adsorption is also reported.
藪田 莉名*; 小田 将人*; 村口 正和*; 石井 宏幸*; 早川 虹雪*; 本田 充紀
no journal, ,
本研究では、産業排熱の有効利用に向けて注目される風化黒雲母(WB)の熱電特性のうち、特に電気伝導のメカニズム解明を目的として、密度汎関数法に基づく第一原理計算を行った。WBを簡略化したモデルを用い、層間に最密吸着したCsまたはKの構造最適化を行い、NEB法により拡散ポテンシャルを評価した。その結果、Csの安定構造における拡散障壁は2.5eVと高く、安定構造のままではイオン伝導が困難であることが示された。一方で、拡散障壁は層間距離に大きく依存し、特定条件下ではイオン伝導が可能になることが示唆された。
藪田 莉名*; 小田 将人*; 村口 正和*; 石井 宏幸*; 早川 虹雪*; 本田 充紀
no journal, ,
本研究では、産業排熱の有効利用に向けて注目される風化黒雲母(WB)の電気伝導メカニズム解明を目的として、密度汎関数法に基づく第一原理計算を行った。層状構造をもつWBにおける伝導は、層内の電子伝導および層間のイオン伝導が想定されるため、CsおよびKを最密吸着させたモデル構造を用いて拡散挙動を評価した。NEB法による計算の結果、CsおよびKの拡散障壁は約2.5eVと高く、安定構造下ではイオン伝導が起こりにくいことが示された。一方、拡散障壁は層間距離に強く依存し、特定条件下ではイオン伝導が可能となる可能性が示唆された。
本田 充紀; 早川 虹雪*; 村口 正和*; 藪田 莉名*; 小田 将人*; 石井 宏幸*
no journal, ,
風化黒雲母を原材料とし、KCl-CaCl
溶融塩処理によって層状構造を改質することで、高温域における熱電特性の発現機構を検討した。粒径および成形条件を系統的に制御した結果、45-75
m粒子において電気伝導率の顕著な向上を確認した。構造解析との相関から、層間イオン移動が高温電気伝導に寄与する可能性が示唆された。本研究は、粘土鉱物を基盤とした持続可能な高温熱電材料設計指針を提示するものである。
本田 充紀; 早川 虹雪*; 馬酔木 ゆめの*; 村口 正和*; 藪田 莉名*; 小田 将人*; 石井 宏幸*
no journal, ,
本研究では、熱電材料を簡便かつ環境にやさしいプロセスによって合成した。粘土鉱物とKCl-CaCl
塩の混合物を700
Cで2時間溶融塩反応した後、水洗および乾燥を行った。得られた材料はさらに900
Cで5時間焼成され、最終的な熱電相が形成される。蛍光X線分析による組成分析の結果、主にSi、Fe、Al、Mgを含むことが明らかとなった。X線回折分析により、結晶相としてWB、ワダライト、オージャイト、輝石、ダイオプサイドが確認された。熱電特性評価として、電気伝導率、ゼーベック係数、および熱伝導率を測定した。高温(600
C以上)において、本材料は1
10
to 8
10
S/cmの電気伝導率、0.1
0.150V/Kのゼーベック係数、および0.3
0.5W/mKの熱伝導率を示した(熱拡散率、比熱、密度に基づいて算出)。これらの熱電材料は、特に工業プロセスや発電所などにおける廃熱回収などの高温環境での使用に適しており、大きな温度勾配下での動作が可能であること、ならびに粘土ベースの資源から低コストで製造できることから、大規模な熱電デバイスへの応用が期待される。このような性能とスケーラビリティの組み合わせにより、持続可能なエネルギー変換技術の産業規模での実現に貢献する可能性を秘めている。
本田 充紀; 早川 虹雪*; 馬酔木 ゆめの*; 村口 正和*; 小田 将人*; 藪田 莉名*; 石井 宏幸*
no journal, ,
本研究では、我々が開発した簡便な合成法により、粘土鉱物と塩から熱電材料を合成した。粘土鉱物とKCl-CaCl
混合塩は、(1)加熱、(2)水洗、(3)加圧成形、(4)焼結によって調製される。問題は、粘土鉱物の粒径によって得られる熱電特性が異なることである。そこで本研究では、実用化を見据えた量産に最適な粒子径を明らかにすることを目的とした。具体的には、粒径の異なる2種類の粒子(45
m以下と45-75
m)を作製し、電気伝導率とゼーベック係数に及ぼす影響を調べた。導電率とゼーベック係数は、650
Cから850
Cの温度範囲で測定した。その結果、850
Cにおける導電率は粒径45
m以下で9.5
10
S/cm、45-75
mで6.5
10
S/cmであった。この結果から、電気伝導率は粒径45
m以下で約1.5倍向上することを明らかにした。