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論文

Cell-cycle dependence on the biological effects of boron neutron capture therapy and its modification by polyvinyl alcohol

松谷 悠佑; 佐藤 達彦; 楠本 多聞*; 谷内 淑恵*; 清野 良輔*; 三輪 美沙子*; 石川 正純*; 松山 成男*; 福永 久典*

Scientific Reports (Internet), 14, p.16696_1 - 16696_14, 2024/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:82.15(Multidisciplinary Sciences)

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、細胞レベルで不均一に取り込まれるホウ素化合物(例: 4-ボロノ-L-フェニルアラニン[BPA])を使用して腫瘍細胞を選択的に治療するユニークな放射線療法である。一方で、ホウ素化合物の時間空間的不均一性が細胞殺傷効果に与える影響は依然として不明である。そこで本研究では、放射線追跡検出器、細胞周期解析、生物物理学的シミュレーションの技術を組合わせた研究手法により、Fucci細胞周期可視化システムを発現するHeLa細胞における細胞周期依存的BPA取り込み不均一性と$$^{10}$$B(n, $$alpha$$)$$^{7}$$Li反応の生物学的影響、さらにはポリビニルアルコール(PVA)の修飾効果を定量的に評価した。その結果、S/G2/M期の細胞内BPA濃度がG1/S期よりも高く、PVAが細胞周期依存性を修飾することを明らかにした。また、BPA-PVA実測値を使用することでBNCT治療効果を予測する新たなモデルを開発に成功した。本成果は、BNCTとPVAおよび/または細胞周期特異的抗がん剤を組み合わせた治療が、治療効果の精度向上に寄与する可能性を示している。

論文

The Impact of dose rate on responses of human lens epithelial cells to ionizing irradiation

松谷 悠佑; 佐藤 達彦; 谷内 淑恵*; 伊達 広行*; 浜田 信行*

Scientific Reports (Internet), 14, p.12160_1 - 12160_14, 2024/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:70.65(Multidisciplinary Sciences)

電離放射線による被ばく後のヒト水晶体上皮細胞(HLEC)の反応に関する知識は、放射線防護や治療分野で懸念される放射線白内障の発生メカニズムを理解するために重要である。しかし、長期にわたる放射線被ばく後のHLECにおける生物学的影響は未だ十分に研究されていない。本研究では、様々な線量率を用いて光子線を照射した後のHLECのDNA二本鎖切断(DSB)の時間変化と細胞生存率を測定し、ヒト肺線維芽細胞(WI-38)と比較するとともに、照射中や照射後のDSB修復動態を考慮した細胞応答を予測可能モデルにより解析した。その結果、HLECの修復率はWI-38より低いことが明らかになった。また、0.033$$sim$$1.82Gy/minの線量率の範囲では、両細胞の生存率に対して線量率の有意な影響は認められなかった。一方、修復後に残存するDSBは、モデル予測と比較して逆線量率効果を示し、水晶体に対する放射線の影響を評価する際の逆線量率効果の重要性を浮き彫りにした。

論文

Modelling oxygen effects on the in- and out-of-field radiosensitivity of cells exposed to intensity-modulated radiation fields

松谷 悠佑; McMahon, S. J.*; Butterworth, K. T.*; 谷内 淑恵*; 嵯峨 涼*; 佐藤 達彦; Prise, K. M.*

Physics in Medicine & Biology, 68(9), p.095008_1 - 095008_12, 2023/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:50.48(Engineering, Biomedical)

低酸素症は腫瘍の放射線抵抗性を誘導し、強度変調放射線治療後に悪性進行を招く可能性がある。また、照射野内外に位置する細胞間のシグナル効果が、低酸素下の放射線感受性に影響を与えることも近年わかってきた。しかし、低酸素下において誘導される細胞間シグナリングとその細胞応答メカニズムは完全には解明されていない。そこで本研究では、低酸素症下における細胞間シグナリングと細胞殺傷効果をモデリングし、不均一な放射線治療後の放射線感受性メカニズムの解明を行った。DNA損傷数から与えられた酸素増感効果比(OER)を使用し、照射野内外の細胞の放射線感受性を推定できる統合的な細胞応答モデル(IMKモデル)を開発した。その結果、細胞間シグナルを放出する細胞内ターゲットへのヒット確率は酸素濃度に依存する一方、放射線照射場の不均一性に依存しない共通のOERの使用により照射野内外の両方の放射線感受性を再現できることがわかった。これらの成果は、強度変調放射線治療による不均一被ばく下で発生する細胞間シグナリングのより正確な理解に貢献するものである。

論文

An Analytical method for quantifying the yields of DNA double-strand breaks coupled with strand breaks by $$gamma$$-H2AX focus formation assay based on track-structure simulation

谷内 淑恵*; 松谷 悠佑*; 吉井 勇治*; 福永 久典*; 伊達 広行*; 甲斐 健師

International Journal of Molecular Sciences (Internet), 24(2), p.1386_1 - 1386_14, 2023/01

 被引用回数:5 パーセンタイル:45.63(Biochemistry & Molecular Biology)

生きた細胞に放射線が照射され、DNAの数ナノメートル以内に複雑な損傷が形成されると、細胞死のような生物影響を誘発すると考えられている。一般的に、細胞に形成された複雑なDNA損傷は、蛍光体を利用すると、損傷部位の周辺が焦点のように発光するため、蛍光顕微鏡で実験的に検出することができる。しかしながらこの検出法で、DNA損傷の複雑さの度合いを解析するまでには至ってなかった。そこで本研究では、計測した焦点サイズに注目すると共に、飛跡構造解析コードを用いてDNA損傷の複雑さの度合いを評価した。その結果、DNA損傷がより複雑になると、焦点サイズも増大する ことがわかった。本研究成果は、放射線生物影響の初期要因を解明するための新たな解析手法になることが期待される。

論文

Impact of the Lorentz force on electron track structure and early DNA damage yields in magnetic resonance-guided radiotherapy

谷内 淑恵*; 甲斐 健師; 松谷 悠佑; 平田 悠歩; 吉井 勇治*; 伊達 広行*

Scientific Reports (Internet), 12, p.16412_1 - 16412_8, 2022/09

 被引用回数:3 パーセンタイル:34.69(Multidisciplinary Sciences)

近年、腫瘍を見ながら治療する磁場共鳴誘導放射線治療法(MRgRT)が開発され、その装置が医療施設へ導入され始めている。MRgRTにおいて、ローレンツ力は荷電粒子によるマクロな線量分布を変調することが知られているが、生体内におけるミクロな放射線飛跡構造や初期DNA損傷に対するローレンツ力の影響は未解明のままである。本研究では、PHITSを利用し、静磁場が印加された生体内の電子線飛跡構造を模擬し、その結果から生物学的効果の特徴を推定した。本研究により、腫瘍サイズのマクロな線量分布はローレンツ力に強く依存する一方、分子サイズのミクロなDNA損傷は、ローレンツ力の影響を受けない数10eV未満の二次電子がDNAの二本鎖切断に起因することを明らかにした。本研究から得られた新たな知見はMRgRTの発展に大きく寄与することが期待される。

論文

Features of accelerator-based neutron source for boron neutron capture therapy calculated by Particle and Heavy Ion Transport code System (PHITS)

松谷 悠佑; 楠本 多聞*; 谷内 淑恵*; 平田 悠歩; 三輪 美沙子*; 石川 正純*; 伊達 広行*; 岩元 洋介; 松山 成男*; 福永 久典*

AIP Advances (Internet), 12(2), p.025013_1 - 025013_9, 2022/02

 被引用回数:7 パーセンタイル:53.46(Nanoscience & Nanotechnology)

ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy: BNCT)は、腫瘍細胞選択的にホウ素薬剤を集積させ、$$^{10}$$Bと熱中性子の核反応から発生する$$alpha$$線やLiイオンを利用して、腫瘍細胞に効率的に治療する放射線療法である。近年開発の進む加速器型(病院設置型)中性子源により、将来的に数多くの医療施設でBNCTが普及すると期待されている。加速器型中性子源で、BNCTに用いる熱外中性子は$$^{7}$$Li(p,n)$$^{7}$$Be反応により生成する。様々な種類の放射線や粒子の挙動を模擬できる放射線輸送計算コードPHITSでは、近年の改良により、日本国内の評価済み核データライブラリー(JENDL-4.0/HE)を使用して$$^{7}$$Li(p,n)$$^{7}$$Be反応からの中性子生成の推定が可能となった。本研究では、病院設置型BNCTの治療効果の評価へ向けて、PHITSで考慮されている中性子発生断面積や中性子エネルギー分布の基礎的検証を行った。さらに、熱中性子や反跳陽子の発生数 を試算し、BF$$_{3}$$ガス計数管や固体飛跡検出器CR-39の測定値と比較した。その結果、これらの検証により、PHITSコードがLiターゲットを使用して加速器から生成された中性子を正確に予測できることを確認した。この成果は、PHITSコードが加速器型中性子場の正確な評価と加速器型BNCTの治療効果の予測に有用であることを示すものである。

論文

Inflammatory signaling and DNA damage responses after local exposure to an insoluble radioactive microparticle

松谷 悠佑; 浜田 信行*; 谷内 淑恵*; 佐藤 志彦; 石川 正純*; 伊達 広行*; 佐藤 達彦

Cancers (Internet), 14(4), p.1045_1 - 1045_15, 2022/02

 被引用回数:12 パーセンタイル:77.65(Oncology)

福島原子力発電所の事故後、不溶性の放射性セシウム含有微粒子(Cs-BMP)が発見された。放射性Cs摂取後の内部被ばくのリスクに関しては、従来、可溶性Csが全身へ均一に分布した条件を想定した臓器線量から推定されてきた。一方、Cs-BMPは正常組織に長期的に付着し、慢性的な不均一被ばくを引き起こす可能性がある。本研究では、Cs-BMPによる不均一被ばく後の放射線影響の解明へ向けて、炎症応答とDNA損傷誘発との関係を調査した。炎症性シグナル経路であるNF-$$kappa$$B p65とCOX-2に焦点を当てた実験により、$$gamma$$線による均一被ばくと比較して、Cs-BMPの近位の細胞ではNF-$$kappa$$B p65が活性化される一方、遠位の細胞ではNF-$$kappa$$B p65と同時にCOX-2も有意に活性化する傾向を観察した。また、炎症性シグナルの阻害剤を用いた実験により、Cs-BMP近位の細胞の放射線感受性の低下と遠位の細胞の放射線感受性の増強の双方に対し、炎症性シグナルの活性が深く関与することがわかった。これらの結果は、Cs-BMPによる被ばく後の放射線影響は、従来の均一被ばくに基づく推定とは異なることを示唆している。

論文

Oxygen enhancement ratios of cancer cells after exposure to intensity modulated X-ray fields; DNA damage and cell survival

松谷 悠佑; McMahon, S. J.*; Butterworth, K. T.*; 内城 信吾*; 奈良 一志*; 谷内 淑恵*; 嵯峨 涼*; 石川 正純*; 佐藤 達彦; 伊達 広行*; et al.

Physics in Medicine & Biology, 66(7), p.075014_1 - 075014_11, 2021/04

 被引用回数:6 パーセンタイル:45.86(Engineering, Biomedical)

腫瘍内の低酸素細胞は放射線抵抗性を示し、分割放射線療法の悪性進行を引き起こす。不均質な酸素条件下に存在する腫瘍に線量を付与させる場合、照射野内と照射野外の細胞間で伝達される細胞間シグナリングにより、両者の放射線感受性が変化することが知られている。しかしながら、強度変調照射下において低酸素症が放射線感受性へ与える影響については不明である。本研究では、2種類のがん細胞株(DU145とH1299)を使用して、低酸素症が、照射野内外の細胞に対する放射線感受性(DNA損傷と細胞死)へもたらす影響を研究した。細胞実験の結果から、低酸素症は照射野外の放射線感受性へ明らかに影響を与える一方、その低酸素症の影響の程度(酸素増感効果比)は照射野内細胞よりも小さいことがわかった。DNA損傷ならびに細胞死の両評価対象に対して、照射野外で低減される放射線感受性について一貫した傾向が示された。これらの成果は、強度変調放射線を活用して低酸素下の腫瘍を照射する際の治療計画時において、放射線誘発の細胞間シグナリングを考慮する重要性を示すものである。

論文

Track structure study for energy dependency of electrons and X-rays on DNA double-strand break induction

谷内 淑恵*; 吉井 勇治*; 松谷 悠佑; 森 諒輔*; 及川 青亮*; 伊達 広行*

Scientific Reports (Internet), 9(1), p.17649_1 - 17649_8, 2019/11

 被引用回数:10 パーセンタイル:43.70(Multidisciplinary Sciences)

光子線および電子線に対する放射線加重係数はエネルギーに依存せず一意に1.0と定められている。しかしながら、200kVp X線と比較して、29kVpX線で生物学的効果が高くなることを指摘する実験データも公表されている。また、光子線による生体への影響は、相互作用で生成される電子線による影響の評価も重要となる。本研究では、染色体(マイクロメートル)スケールにおける放射線飛跡上のエネルギー付与の密度を表す線量平均線エネルギー(keV/$$mu$$m))をモンテカルロ計算により評価し、診断用X線と治療で使用される6MVのX線エネルギースペクトルに対するDNA二本鎖切断生成率の実測結果と比較した。実測値から、治療用X線(6MV)と比較して診断用X線(60-100kVp)において、多くのDNA二本鎖切断数を検出した。この実測値と線量平均線エネルギー(計算値)の関係から、X線エネルギーが小さいほど低エネルギー電子の作用により生物学的効果が高くなる可能性が示された。本研究の成果は、光子線および電子線に対する放射線加重係数をエネルギーに応じて定義すべきことを示唆するものである。

論文

Modeling of yield estimation for DNA strand breaks based on Monte Carlo simulations of electron track structure in liquid water

松谷 悠佑; 甲斐 健師; 吉井 勇治*; 谷内 淑恵*; 内城 信吾*; 伊達 広行*; 佐藤 達彦

Journal of Applied Physics, 126(12), p.124701_1 - 124701_8, 2019/09

 被引用回数:35 パーセンタイル:81.27(Physics, Applied)

放射線被ばく後の生物学的効果は、DNA主鎖への初期損傷から生じる。DNA損傷はトラック構造解析とフリーラジカル拡散のシミュレーションにより推定可能であるが、両者を考慮した計算は時間を要する。本研究では、PHITSコードで得られる非弾性散乱(電離・電子的励起)の空間分布のパターンのみに着目して、主鎖切断を推定するシンプルなモデルを考案した。このモデルでは、トラック毎のイベント数と10塩基対のサイズに相当する3.4nm以内に存在するイベントの組合せを確率的にサンプリングし、一本鎖切断(SSB)と二本鎖切断(DSB)を計算した。単一エネルギー電子線照射に対するDSB生成率ならびにDSB/SSBの生成率比の計算結果については、他の計算結果や実測値とよく一致した。また、様々な光子照射に対して、DSBをエンドポイントとした生物学的効果比の再現にも成功した。本研究により、電離ならびに電子的励起で構成される非弾性散乱の空間分布のパターンにより、電子線が誘発するDNA主鎖切断の生成率を十分に推定できることが示された。

口頭

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)におけるホウ素線量の細胞周期依存性

福永 久典*; 松谷 悠佑; 谷内 淑恵*; 伊達 広行*

no journal, , 

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、熱中性子とホウ素の核反応から生じる$$alpha$$線やLiイオンにより腫瘍細胞に線量を集中させる放射線療法であるが、加速器型中性子線源の開発と保健収載により、今後に多くの医療機関への普及が期待されている。この加速器型BNCTでは、静脈注射によりホウ素製剤であるBPAを投与して腫瘍細胞に取り込ませるため、BPAの取り込みが細胞レベルで空間的に不均一に変化すると予想される。しかしながら、細胞間のBPA濃度のばらつきが治療効果へ与える影響は依然として不明な状況にある。本研究では、腫瘍細胞内への不均一な取り込み分布(細胞周期依存性)を固体飛跡検出器であるCR-39を用いて測定した。その結果、BPA投与細胞群における単位面積当たり反応数は、S/G$$_{2}$$/M期の細胞においてG$$_{1}$$/S期の細胞と比較して約20%増加していた。本成果より、腫瘍細胞内のBPA濃度およびホウ素線量には細胞周期依存性が認められ、細胞間でのBPA濃度のばらつきがBNCT細胞殺傷効果に影響を及ぼす可能性が示唆された。

口頭

電子飛跡構造解析モードを使用したDNA損傷生成率の推定

松谷 悠佑; 甲斐 健師; 吉井 勇治*; 谷内 淑恵*; 伊達 広行*; 佐藤 達彦

no journal, , 

放射線照射によって生体内に誘発されるDNA損傷は、液相水中における電子線の飛跡構造(物理過程)とフリーラジカルの拡散(化学過程)に関係する。両者を考慮した計算シミュレーションにより、DNA損傷を推定し、放射線照射後の生物学的効果を評価することが期待されるが、非常に長い計算時間を要する。本研究では、PHITSへ近年に実装された電子線飛跡構造解析モードを使用し、DNAスケールにおける電子線と水の相互作用(電離・励起)の凝集度のみに着目してDNA主鎖切断を推定するシンプルなモデルを開発した。本モデルでは、10塩基対(3.4nm)以内に存在する2つの相互作用の組合せを確率的にサンプリングし、致命的なDNA損傷である二本鎖切断(DSB)の生成率を計算した。計算されたDSB生成率は、300eVを有する単一エネルギー電子線照射において最大値となり、様々な電子ならびに光子照射条件に対して実測値と良い一致を示した。本研究は、電子線飛跡上で生じる電離と励起の空間分布のパターンにより、電子線(光子線)照射が誘発するDNA主鎖切断の生成率を十分に推定できることを示した。今後、開発した手法に基づき、陽子線や炭素線照射下におけるDSB推定を進める予定である。

口頭

MRリニアック放射線治療における物理的および生物学的影響を評価するための電子線のモンテカルロ飛跡構造シミュレーション

松谷 悠佑; 谷内 淑恵*; 甲斐 健師

no journal, , 

リニアック加速器とMRIを組み合わせたMRリニアック放射線治療は、リアルタイム画像診断時に正常軟部組織と固形腫瘍のコントラストを高めることができる。電子線などの荷電粒子の飛跡構造は磁場中のローレンツ力によって変化するが、磁場中での照射が生物学的効果(特に、初期のDNA損傷発生数)に与える影響は不明である。我々はこれまで、放射線輸送計算コードPHITSに、電離や励起といった個々の相互作用を再現する電子線飛跡構造モード(PHITS-ETSモデル)と、電離や励起の空間パターンに基づくDNA損傷推定モデルを開発してきた。また、近年、PHITS-ETSモデルに磁場効果を考慮することで、磁場中の荷電粒子の物理的特性やそれによる生物影響の推定を可能にした。本発表では、磁場中の電子線の物理的特性(範囲と線量分布)とDNA損傷発生数(DNA二本鎖切断とその複雑さ)を示し、MRリニアック放射線治療計画の理論的立案法を提案する。

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