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論文

Liquid decontamination using acidic electrolyzed water for various uranium-contaminated steel surfaces in dismantled centrifuge

酒瀬川 英雄; 野村 光生; 澤山 兼吾; 中山 卓也; 矢板 由美*; 米川 仁*; 小林 登*; 有馬 立身*; 檜山 敏明*; 村田 栄一*

Progress in Nuclear Energy, 153, p.104396_1 - 104396_9, 2022/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

ウラン濃縮施設の使用済み遠心分離機を解体する際、解体部品のウラン汚染面のみを選択的に除去できる除染技術を開発することは重要である。これは適切な除染を通じて、解体部品を非放射性廃棄物として処分、もしくは、再利用するためである。これまでの研究により、ウラン汚染面を除去できる酸性電解水を利用した湿式除染技術を開発した。ただし、実用化のためにはさらなる技術の最適化は必要である。解体部品は、様々な運転履歴、七フッ化ヨウ素ガスを使用した不均一な系統除染の状況、そして、解体後の長期保管条件の変化により、ウラン汚染状態が異なるためである。本研究は遠心分離機の低炭素鋼製ケーシングからウラン汚染状態の異なる試料を採取して酸性電解水を利用した湿式除染を実施した。その結果、ウラン汚染面のみを効果的に除去することができ、最大20分間で放射能の目標値を下回った。実際の除染時間は解体部品の大きさや形状にも依存することになるが、この方法が遠心分離機のウラン汚染部品に対する除染技術として利用できることを明らかとした。

論文

Study on decontamination of steel surface contaminated with uranium hexafluoride by acidic electrolytic water

中山 卓也; 野村 光生; 美田 豊; 米川 仁*; 分枝 美沙子*; 矢板 由美*; 村田 栄一*; 保坂 克美*; 杉杖 典岳

Proceedings of 2019 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2019) (Internet), 8 Pages, 2019/05

金属廃棄物は、放射性廃棄物量最小化の観点から、クリアランスして資源化することが重要である。適用可能な除染技術の中で、金属廃棄物のように、形状・材質が多様であるものに対しては、湿式除染が有効な手法と考えられる。一方、一般的には、湿式除染は、廃液処理から生ずる二次廃棄物量が多くなる傾向がある。本件では、六フッ化ウランで汚染した鋼材をクリアランスするための目標レベル(0.04Bq/cm$$^{2}$$)以下まで除染し、かつ二次廃棄物発生量を最小化することを目標とする。本試験では、除染液の液性に着目し、酸性電解水,塩酸,硫酸,オゾン水を試験した。その結果、酸性電解水は六フッ化ウランで汚染した鋼材の除染液として有効であることがわかった。

論文

Immobilization of alkyl chain molecules on oxide surface using phosphonic acid as an anchor

成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 矢板 毅

e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 10, p.367 - 373, 2012/07

有機薄膜を新たな光学・電子デバイス材料として応用するためには、デバイス基板として用いられる酸化物表面基に対して、有機分子を固定化し規則的に配列させることが重要である。そこで本研究では酸化物表面に有機分子を固定化させ、自己組織化膜を作製することを目指した。試料はサファイア単結晶基板を、デシルホスホン酸(DPA)のエタノール溶液に浸すことにより作製した。表面の電子構造は放射光軟X線でのX線光電子分光法(XPS)により測定した。固体のDPA分子とDPA分子膜のP 1s XPSスペクトルでは、ともに一本のピークが確認され、その束縛エネルギーはほぼ同じであった。また入射X線を全反射条件にしてXPSを測定したところ、通常のXPSに比べC 1sの強度が増大した。全反射条件でのXPS測定は表面敏感になるので、この結果より、サファイア表面においてDPA分子はリン酸基を介して表面とイオン結合を形成しており、アルキル鎖を上にして位置していることが明らかになった。

論文

Anchoring of alkyl chain molecules on oxide surface using silicon alkoxide

成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 矢板 毅

Applied Surface Science, 258(6), p.2034 - 2037, 2012/01

 被引用回数:4 パーセンタイル:19.71(Chemistry, Physical)

近年、有機薄膜が新たな機能性材料として注目を集めているが、有機薄膜を新規デバイス材料として応用するためには、有機分子を無機基板表面へ整然と並べて固定化する必要がある。特に光学デバイスを考えた場合、透明な絶縁体である酸化物表面に有機分子を固定化することが重要である。そこで本研究では、サファイア表面にシリコンアルコキシド基を終端に持つ長鎖アルキル分子(オクタデシルトリエトキシシラン,ODTS)を自己組織化的に固定化することを試み、界面の化学状態と分子配向をX線光電子分光法(XPS)及びX線吸収微細構造法(NEXAFS)を用いて調べた。XPSの結果から、溶液法,吸着法で得られた膜は単分子層に近く、シリコンアルコキシドがサファイア表面と化学結合を形成していることがわかった。また、単分子膜のSi K吸収端NEXAFSスペクトルの偏光依存性から、ODTS分子のSi-O結合が、表面に対して垂直であることが明らかとなった。

論文

Immobilization of alkyl chain molecules with phosphonic acid on oxide surface

成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 矢板 毅

Photon Factory Activity Report 2011, Part B, P. 94, 2012/00

有機分子薄膜を用いた電子材料,光学材料の基板には、絶縁性や透明性に優れた酸化物基板が多く用いられている。しかしながら、酸化物表面は化学的に不活性であり、しかも有機分子結晶と酸化物の格子定数は大きく異なるため、酸化物表面に有機分子を固定化し均一な薄膜を作成することは難しい。本研究は、リン酸基と酸化物の親和性が高いことに着目し、炭素数10個のアルキル鎖の末端にホスホン酸基をもつ分子(DPA)をサファイア基板表面に固定化することを試み、界面の化学結合状態を放射光内殻分光法により調べた。基板をDPAのエタノール溶液に浸すことにより作成した膜についてX線光電子分光スペクトル(XPS)を測定した結果、DPA分子はリン原子を下、アルキル鎖を上にして基板に吸着していることがわかった。またXPSとX線近吸収端微細構造(NEXAFS)スペクトルの結果から、室温で島状に吸着したDPAは、250度に加熱することにより、均一な単分子膜に変化することがわかった。以上のことから、ホスホン酸基は有機分子を酸化物表面に固定化するための優れたアンカーであることを明らかにした。

論文

低エネルギーイオン照射による極低温吸着メタンからのC$$_{rm n}$$H$$_{rm x}$$(n$$geq$$2)分子生成

成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; 平尾 法恵; 矢板 毅

表面科学, 29(8), p.489 - 494, 2008/08

極低温で吸着したCH$$_{4}$$及びCD$$_{4}$$分子に、1keVのHe$$^{+}$$イオンを照射したときに生成する分子イオン及び中性分子を二次イオン質量分析法により調べた。単層吸着メタンの場合、モノマーイオン(CH$$_{rm x}$$$$^{+}$$)のみが脱離するが、多層吸着メタンでは、クラスターイオン(C$$_{rm n}$$H$$_{rm x}$$$$^{+}$$)とともに、アセチレンイオン(C$$_{2}$$H$$_{2}$$$$^{+}$$)及びエチレンイオン(C$$_{2}$$H$$_{4}$$$$^{+}$$)の脱離も認められた。中性分子の脱離についても同様の結果が得られた。分子生成の機構を明らかにするため、分子イオンの脱離強度の厚み依存性を測定し、固体メタン中でのHe$$^{+}$$イオンのエネルギー損失過程のモンテカルロ計算結果と比較した。その結果、モノマーイオンは吸着分子の最表面層から1電子励起で脱離するのに対し、C$$_{rm n}$$H$$_{rm x}$$$$^{+}$$(n$$geq$$2)イオンは吸着分子層の内部において原子核衝突で起こるフォノン励起によって生成されることが明らかとなった。

論文

Study on selective separation of uranium(VI) by new $$N$$,$$N$$-dialkyl carboxyamides

鈴木 伸一; 矢板 毅; 須郷 由美; 木村 貴海

Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.1137 - 1141, 2007/09

われわれの研究グループでは、FBRの使用済燃料再処理において、ウラン(VI)を選択的に分離回収できる化合物として、$$N$$,$$N$$-di-(2-ethl)hexyl-(2,2-di-methyl)-propanamide(D2EHDMPA)を提案した。しかし、このD2EHDMPAは、プルトニウム(IV)やネプツニウム(VI)からウラン(VI)を選択的に分離回収できるが、有機相へのウラン(VI)の抽出容量が小さいということが明らかになった。そこで、ウラン(VI)高除染選択分離のために19種類の新規化合物を合成し、U(VI)/Pu(IV)の分離特性,高濃度ウラン(VI)の抽出特性について検討した。その結果、U(VI)-Pu(IV)の分離性を維持し、D2EHDMPAよりもU(VI)の抽出容量の大きな$$N$$,$$N$$-di-hexyl-(2-ethyl)-butanamide(DH2EBA)や$$N$$,$$N$$-di-octyl-(2-ethyl)-butanamide(DO2EBA)などの新規化合物を開発した。また、$$N$$,$$N$$-ジアルキルアミドの耐放射線性評価においては、リン酸トリブチル(TBP)と同等の耐放射線性であることを確認できた。

論文

Facile preparation and the crystal structure of ${it N,N'}$-dialkyl-2,6-pyridinedimethanaminium halide

小林 徹; 矢板 毅; 須郷 由美; 須田 裕喜*; 鈴木 真治*; 藤井 有起*; 仲野 義晴*

Journal of Heterocyclic Chemistry, 43(3), p.549 - 557, 2006/05

 被引用回数:5 パーセンタイル:13.48(Chemistry, Organic)

A facile preparation and the crystal structures of ${it N,N'}$-dialkyl-2,6-pyridinedimethanaminium halides were described. Direct substitution reactions were convenient to prepare specifically secondary diaminesusing 2,6-bis(chloromethyl)- pyridine and 10 equivalents molar of primary alkylamines. Hydrogen halidesalts were obtained in good yields and the crystal structures of three ${it N,N'}$-dialkyl-2,6-pyridinedimethanaminium salts were determined by the X-ray diffraction method. A cancroid structure around the pyridine ring was observed commonly in the three salts. Acidity constants of the three salts were determined. Since the pKa values of the salts were slightly smaller than those of several commontriamines previously reported, the acidities did not correlate with the cancroid structure directly. This isprobably due to electrostatic interaction of the two protonated amino groups, furthermore the central pyridine nitrogen was not protonated in all the ligands.

論文

Structure of the extracted complex in the Ni(II)-LIX84I system and the effect of D2EHPA addition

成田 弘一*; 田中 幹也*; 佐藤 由美子*; 矢板 毅; 岡本 芳浩

Solvent Extraction and Ion Exchange, 24(5), p.693 - 702, 2006/05

 被引用回数:14 パーセンタイル:47.36(Chemistry, Multidisciplinary)

LIX84IとNi(II)錯体の溶液内構造及び構造,錯形成速度に与えるD2EHPAの添加効果について溶媒抽出法及びEXAFS法により明らかにした。XANES及びEXAFSスペクトルから、LIX84Iはニッケルに対して2分子が平面配位することを明らかにした。一方D2EHPAを添加するとその構造は変化し、8面体構造を4配位から6配位の8面体構造へと変化することがわかった。Ni(II)の抽出速度は、D2EHPAの添加で劇的に促進されることが明らかとなっているが、一方抽出種の構造は明らかに平面4配位構造をとっており、抽出速度の増大は、D2EHPAが触媒的に作用することで起こることが推定される。

論文

Novel separation system of trivalent actinides-combined effects of substituted tris(2-pyridylmethyl)amine ligand and hydrophobic counter-anion

石森 健一郎*; 渡邉 雅之; 木村 貴海; 矢板 毅; 山田 たかし*; 片岡 悠美子*; 篠田 哲史*; 築部 浩*

Chemistry Letters, 34(8), p.1112 - 1113, 2005/08

 被引用回数:13 パーセンタイル:44.83(Chemistry, Multidisciplinary)

三脚状の構造を持つトリス(2-ピリジルメチル)アミンは、ピリジン環を3個持ち、3価アクチノイドの分離に対して注目されているソフトドナー配位子である。本研究では、これを立体化学的に置換した配位子を用いて、3価のアクチノイドの分離を行った。その結果、置換か所を一か所から二か所に増やすことにより、3価ランタノイドとアクチノイドが効果的に分離され、また2-ブロモデカン酸をこれら置換した配位子と組合せることでさらによい分離性能が得られることを見いだした。

論文

Study of tritium retention in graphite by simulating first wall circumstances

矢板 由美*; 大平 茂; 奥野 健二

Fusion Technology, 28(3), p.1294 - 1298, 1995/10

核融合炉のプラズマ対向材料候補である黒鉛材料中での水素同位体の保持,放出挙動に関して検討を行った。黒鉛材料への重水素プラズマ照射は、重水素ガスを一定量封入し閉じた系で行う閉鎖系及び一定流量でガスを流しながら行う流通系の両系で行った。プラズマ照射された黒鉛からの重水素の昇温脱離曲線においては両系とも800Kと1250K付近に放出ピークが見られた。これらは前者が黒鉛内部のトラップサイトに捕捉されたD,後者が炭素と化学結合したDの脱離と考えられる。しかし2つのピークの面積比は閉鎖系と流通系で異なり、これは両系でプラズマ中のガス組成に違いがあるため重水素の捕捉状態に差が出たものと考えられる。さらにトリチウムプラズマ照射を行い、トリチウムインベントリに関する基礎的なデータを取得した。

口頭

イオン照射による極低温吸着分子からのクラスターイオン生成

成田 あゆみ*; 馬場 祐治; 本田 充紀; 平尾 法恵*; 矢板 毅

no journal, , 

近年、さまざまな放射線を利用した研究が多数なされているが、その多くは放射線を分析に用いるか、もしくは放射線分解過程に関する研究である。本研究では放射線分解とは逆の過程、すなわち放射線照射により、簡単な分子から新たに大きな分子やクラスターが生成する過程に関して調べた。具体的に窒素・メタンなどの軽分子を極低温において固体化し0.1-10KeVのHe$$^{+}$$イオンビームを照射することにより、表面から脱離するイオンを四重極質量分析計で測定した。これらの分子が多層の場合、出発物質はN$$_{2}$$(質量数: 28)とCH$$_{4}$$(質量数: 16)であるにもかかわらず、質量数が500近くまでのクラスターイオンが観測された。また質量数が偶数のクラスターイオンがとなりの奇数のクラスターイオンよりも強度が大きい傾向が認められた。これらの結果は気相のクラスターイオンが(N$$_{2}$$)$$_{n}$$$$^{+}$$のときにより安定であることと類似しており、クラスターの脱離がイオン照射部の瞬間的なガス化により起こることが明らかとなった。

口頭

イオン照射による極低温吸着分子からのクラスターイオン脱離

成田 あゆみ*; 本田 充紀; 平尾 法恵*; 馬場 祐治; 矢板 毅

no journal, , 

固体表面に低温で凝縮した分子に放射線を照射したときに起こる化学反応は、宇宙空間において彗星・惑星などで実際に起こっている反応であり、アミノ酸などの生体分子が生成する過程の一つとして重要と考えられる。そこで本研究では、固体表面上に極低温で吸着した窒素,メタンなどの軽分子に、イオンビームを照射したときのイオン脱離過程を調べた。銅基板にメタンを9Kにおいて吸着させ、1keVのHe$$^{+}$$イオンビームを照射し、脱離するイオンを四重極質量分析計で測定した結果、単層吸着の場合はモノマーイオン(CH$$_{x}$$$$^{+}$$)のみが脱離するが、多層吸着では多数のクラスターイオン((CH$$_{x}$$)$$_{n}$$$$^{+}$$)が脱離することを見いだした。クラスター分布の吸着層依存性を解析した結果、モノマーイオンは吸着分子層の表層における1電子励起過程により脱離するのに対して、クラスターイオンは吸着分子層内部における高密度電子励起により脱離することがわかった。

口頭

U(VI)高除染選択分離のためのN,N-ジアルキルアミドの開発

鈴木 伸一; 矢板 毅; 須郷 由美; 木村 貴海

no journal, , 

湿式法(溶媒抽出法)を基本としたFBR燃料再処理のために、N,N-ジアルキルアミドの開発を行った。N,N-ジアルキルアミドは、アルキル鎖の修飾によりU(VI)のみの選択分離が可能であり、U(VI)-Pu(IV)の分離を維持しつつ高濃度のU(VI)を処理可能な新規のN,N-ジアルキルアミドを開発した。また、N,N-ジアルキルアミドの$$gamma$$線に対する耐放射線性も明らかにした。

口頭

低エネルギーイオン照射による極低温吸着分子からのクラスターイオン脱離

成田 あゆみ; 本田 充紀; 平尾 法恵*; 馬場 祐治; 矢板 毅

no journal, , 

極低温において固体表面に吸着した分子に、放射線を照射したときに起こる反応は、衛星表面上などで実際に起こっている反応の一つであり、生体分子や有機分子などの大きな分子が生成する過程の一つとして重要と考えられている。本研究では、Cu(110)表面にメタン分子を厚みを正確に制御して吸着させ、0.1$$sim$$10keVのHe+イオンビームを照射したときに脱離するイオンについて調べた。単分子層ではモノマーイオン(CHx+)のみの脱離が認められた。これより、モノマーイオンは1電子励起によるクーロン反発力で脱離すると考えられる。一方多分子層では、n=20までのクラスターイオン(CnHx+)の脱離が観測されるとともに、質量数26のアセチレンイオンが観測されたことから、イオンビーム照射によって分子量の大きい新たな分子が生成されていることがわかった。脱離強度の膜厚依存性の結果から、クラスターイオンは吸着分子層内部での原子核衝突により引き起こされる高密度の電子励起によって脱離することを明らかにした。

口頭

N,N-ジアルキルアミドによるU(VI)選択分離技術の研究開発

鈴木 伸一; 矢板 毅; 須郷 由美; 木村 貴海

no journal, , 

発表者らは、高速炉及び軽水炉から高速炉への移行期の使用済み燃料の再処理技術の開発の一環として、N,N-ジアルキルアミド化合物によるウラン(VI)の選択分離技術の開発を行っている。N,N-ジアルキルアミドは、アルキル置換基の構造を変えることでウラン(VI)やプルトニウム(IV)の抽出特性が変化し、特に嵩高い化合物を用いることでウラン(VI)だけを選択的に分離することを報告してきた。本発表では、ウラン(VI)に対する抽出容量を改善させた新規の化合物を合成し、アクチノイドの抽出特性を調べた結果、これまでに報告している化合物と同じようなU(VI)-Pu(IV)の分離性を有し、抽出容量が大幅に改善された新規化合物の開発に成功した。

口頭

イオンビーム照射による極低温吸着メタンからのCnHx(n$$geq$$2)分子生成

成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; 平尾 法恵*; 矢板 毅

no journal, , 

固体表面に光や電子線を照射すると化学結合が解離し、分解生成物の脱離が起こる。しかしながらイオンビームを照射するとそれとは逆の過程、すなわち大きな分子やクラスターイオンが脱離する。そこで本研究では、Cu(110)表面にメタン・重水素メタンを厚みを極低温で吸着させ、1keVのHe$$^{+}$$イオンビームを照射したときに脱離する正イオン・中性分子を四重極質量分析計で検出した。吸着分子層が単分子層である場合、モノマーイオン(CHx+)のみの脱離が確認された。それに対し、吸着分子層を正確に制御して厚くしていくと、多くの分子イオン(CnHx+)が脱離した。脱離した分子イオンの中には、C-C結合を持つアセチレンやエチレンが最も多く確認された。これらの結果から、モノマーイオンは最表層から1電子励起によって、分子イオンは層内部から原子核衝突による高密度の多電子励起によって脱離すると考えられる。また、イオンビーム照射によって新たにC-C結合が形成されることが明らかとなった。

口頭

低エネルギーイオン照射による極低温吸着メタンからのCnHx+(n$$geq$$2)分子生成

成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; 平尾 法恵*; 矢板 毅

no journal, , 

宇宙空間では衛星や彗星表面に氷状のメタン,窒素などの軽分子が存在する。その表面にイオンが衝突することにより、大きなクラスターや分子が生成する反応が実際に起こっており、この反応が宇宙空間における有機分子生成の起源とされている。本研究では、この反応機構を明らかにするため、極低温において銅基板上に厚みを正確に制御してメタン(CH$$_{4}$$)及び重水素化メタン(CD$$_{4}$$)を吸着させ、1keVのヘリウムイオンビームを照射したときに脱離するクラスターイオン及び中性分子を四重極質量分析計で検出した。CD$$_{4}$$の場合、最も強度が大きい脱離種は質量数28のC$$_{2}$$D$$_{2}$$$$^{+}$$及びC$$_{2}$$D$$_{2}$$であった。この結果より、イオン照射によりファンデアワールズクラスターが生成するだけでなく、新たなC-C結合が形成されることがわかった。また脱離強度の吸着分子層の厚みに対する依存性により、これらのC-C結合は1電子励起ではなく、吸着分子層の内部におけるヘリウムイオンと吸着分子との原子核衝突によって起こる高密度励起によって生成することがわかった。

口頭

U(VI)高除染選択分離のための新規N,N-ジアルキルアミドの開発

鈴木 伸一; 矢板 毅; 須郷 由美; 木村 貴海

no journal, , 

N,N-dialkylamideの軽水炉から高速炉への移行期の再処理への適合性検討のための、要素技術開発を行っている。U(VI)/Pu(IV)の分離性を維持し、抽出容量の増加が期待できる新規のN,N-dialkylamideを合成し、U(VI), Pu(IV)などの抽出特性を検討した。その結果、U(VI)/Pu(IV)の分離性を損なうことなく、抽出容量を増加させたN,N-ジオクチル-(2-エチル)ブタンアミド(DO2EBA)やN,N-ジオクチル-(2,2-メチル)プロパンアミド(DODMPA)の開発に成功した。

口頭

Chemical bond formation in adsorbed and condensed methane by He+ ion irradiation

成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; 平尾 法恵; 矢板 毅

no journal, , 

光子や電子線を固体表面上に照射すると化学結合が解裂し、分解生成物の脱離が起こる。これに対して照射により化学結合が形成される報告はまだ数少ない。しかしながら、メタンなど軽い分子の低温凝縮系に高エネルギー放射線を照射することにより化学結合が形成する過程は、宇宙空間において重要と考えられており、アミノ酸などの有機分子生成の起源とも言われている。本研究では極低温で金属基板上に吸着したメタン分子に0.1keVから10keVまでのHe+イオンを照射し、脱離するイオンや分子についてその生成過程を調べた。その結果、He+イオン照射により共有結合を持つアセチレン,エチレンなどの分子やイオンが生成することがわかった。脱離強度の照射エネルギー依存性,膜厚依存性をイオンのエネルギー損失過程のモンテカルロシミュレーション計算と比較した結果、分子イオンは吸着層の内部において原子核衝突による高密度励起により生成するのに対し、中性分子はイオン照射による局所的な温度上昇に伴う瞬間的なガス化により生成することが明らかとなった。

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