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谷田 肇; 小林 徹; 矢板 毅; 小畠 雅明; 福田 竜生; 伊藤 あゆみ*; 小無 健司*; 有田 裕二*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 98(10), p.uoaf088_1 - uoaf088_5, 2025/10
被引用回数:1 パーセンタイル:18.14(Chemistry, Multidisciplinary)Structural analysis using synchrotron radiation, such as X-ray diffraction (XRD) and X-ray absorption fine structure (XAFS), is an effective means of investigating physical properties of materials at high temperatures in order to experimentally clarify their physical properties. However, accurate temperature measurements above 2800 K are difficult, complicating the assessment of structural changes in materials. This study addresses these issues by employing a newly developed furnace capable of reaching 2800 K and performing in situ rapid XAFS and XRD measurements. These advances will improve our understanding of metal oxides at melting points and provide valuable insights into their behaviour under extreme conditions.
酒瀬川 英雄; 野村 光生; 澤山 兼吾; 中山 卓也; 矢板 由美*; 米川 仁*; 小林 登*; 有馬 立身*; 檜山 敏明*; 村田 栄一*
Progress in Nuclear Energy, 153, p.104396_1 - 104396_9, 2022/11
被引用回数:1 パーセンタイル:8.97(Nuclear Science & Technology)ウラン濃縮施設の使用済み遠心分離機を解体する際、解体部品のウラン汚染面のみを選択的に除去できる除染技術を開発することは重要である。これは適切な除染を通じて、解体部品を非放射性廃棄物として処分、もしくは、再利用するためである。これまでの研究により、ウラン汚染面を除去できる酸性電解水を利用した湿式除染技術を開発した。ただし、実用化のためにはさらなる技術の最適化は必要である。解体部品は、様々な運転履歴、七フッ化ヨウ素ガスを使用した不均一な系統除染の状況、そして、解体後の長期保管条件の変化により、ウラン汚染状態が異なるためである。本研究は遠心分離機の低炭素鋼製ケーシングからウラン汚染状態の異なる試料を採取して酸性電解水を利用した湿式除染を実施した。その結果、ウラン汚染面のみを効果的に除去することができ、最大20分間で放射能の目標値を下回った。実際の除染時間は解体部品の大きさや形状にも依存することになるが、この方法が遠心分離機のウラン汚染部品に対する除染技術として利用できることを明らかとした。
中山 卓也; 野村 光生; 美田 豊; 米川 仁*; 分枝 美沙子*; 矢板 由美*; 村田 栄一*; 保坂 克美*; 杉杖 典岳
Proceedings of 2019 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2019) (Internet), 8 Pages, 2019/05
金属廃棄物は、放射性廃棄物量最小化の観点から、クリアランスして資源化することが重要である。適用可能な除染技術の中で、金属廃棄物のように、形状・材質が多様であるものに対しては、湿式除染が有効な手法と考えられる。一方、一般的には、湿式除染は、廃液処理から生ずる二次廃棄物量が多くなる傾向がある。本件では、六フッ化ウランで汚染した鋼材をクリアランスするための目標レベル(0.04Bq/cm
)以下まで除染し、かつ二次廃棄物発生量を最小化することを目標とする。本試験では、除染液の液性に着目し、酸性電解水,塩酸,硫酸,オゾン水を試験した。その結果、酸性電解水は六フッ化ウランで汚染した鋼材の除染液として有効であることがわかった。
成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 矢板 毅
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 10, p.367 - 373, 2012/07
有機薄膜を新たな光学・電子デバイス材料として応用するためには、デバイス基板として用いられる酸化物表面基に対して、有機分子を固定化し規則的に配列させることが重要である。そこで本研究では酸化物表面に有機分子を固定化させ、自己組織化膜を作製することを目指した。試料はサファイア単結晶基板を、デシルホスホン酸(DPA)のエタノール溶液に浸すことにより作製した。表面の電子構造は放射光軟X線でのX線光電子分光法(XPS)により測定した。固体のDPA分子とDPA分子膜のP 1s XPSスペクトルでは、ともに一本のピークが確認され、その束縛エネルギーはほぼ同じであった。また入射X線を全反射条件にしてXPSを測定したところ、通常のXPSに比べC 1sの強度が増大した。全反射条件でのXPS測定は表面敏感になるので、この結果より、サファイア表面においてDPA分子はリン酸基を介して表面とイオン結合を形成しており、アルキル鎖を上にして位置していることが明らかになった。
成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 矢板 毅
Applied Surface Science, 258(6), p.2034 - 2037, 2012/01
被引用回数:4 パーセンタイル:17.73(Chemistry, Physical)近年、有機薄膜が新たな機能性材料として注目を集めているが、有機薄膜を新規デバイス材料として応用するためには、有機分子を無機基板表面へ整然と並べて固定化する必要がある。特に光学デバイスを考えた場合、透明な絶縁体である酸化物表面に有機分子を固定化することが重要である。そこで本研究では、サファイア表面にシリコンアルコキシド基を終端に持つ長鎖アルキル分子(オクタデシルトリエトキシシラン,ODTS)を自己組織化的に固定化することを試み、界面の化学状態と分子配向をX線光電子分光法(XPS)及びX線吸収微細構造法(NEXAFS)を用いて調べた。XPSの結果から、溶液法,吸着法で得られた膜は単分子層に近く、シリコンアルコキシドがサファイア表面と化学結合を形成していることがわかった。また、単分子膜のSi K吸収端NEXAFSスペクトルの偏光依存性から、ODTS分子のSi-O結合が、表面に対して垂直であることが明らかとなった。
成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 矢板 毅
Photon Factory Activity Report 2011, Part B, P. 94, 2012/00
有機分子薄膜を用いた電子材料,光学材料の基板には、絶縁性や透明性に優れた酸化物基板が多く用いられている。しかしながら、酸化物表面は化学的に不活性であり、しかも有機分子結晶と酸化物の格子定数は大きく異なるため、酸化物表面に有機分子を固定化し均一な薄膜を作成することは難しい。本研究は、リン酸基と酸化物の親和性が高いことに着目し、炭素数10個のアルキル鎖の末端にホスホン酸基をもつ分子(DPA)をサファイア基板表面に固定化することを試み、界面の化学結合状態を放射光内殻分光法により調べた。基板をDPAのエタノール溶液に浸すことにより作成した膜についてX線光電子分光スペクトル(XPS)を測定した結果、DPA分子はリン原子を下、アルキル鎖を上にして基板に吸着していることがわかった。またXPSとX線近吸収端微細構造(NEXAFS)スペクトルの結果から、室温で島状に吸着したDPAは、250度に加熱することにより、均一な単分子膜に変化することがわかった。以上のことから、ホスホン酸基は有機分子を酸化物表面に固定化するための優れたアンカーであることを明らかにした。
成田 あゆみ; 本田 充紀; 平尾 法恵*; 馬場 祐治; 矢板 毅
Applied Surface Science, 255(4), p.883 - 885, 2008/12
被引用回数:3 パーセンタイル:15.62(Chemistry, Physical)極低温下において固体表面上に吸着した分子にイオンビームを照射することにより起こる化学反応は、惑星・彗星表面などにおいてさまざまな生体分子や有機分子が生成される過程の一つとして重要である。本研究では、極低温下において銅基板上に厚みを正確に制御してメタン分子を吸着させ、1keVのヘリウムイオンビームを照射した時に脱離するイオンを四重極質量分析計で検出した。単分子層の場合、脱離するイオンはモノマーイオン(CH
)が最も多く確認されたが、多分子層になると炭素数が20までの多くのクラスターイオン(C
H
)が脱離することがわかった。またクラスターイオンの中には、エチレンやアセチレン等、C-C結合を持つ分子イオンも確認された。脱離イオン分布の厚み依存性の結果から、モノマーイオンは吸着分子層の表層から1電子励起により脱離するのに対し、クラスターイオンは吸着層内部において高密度の電子励起によって生成することを明らかにした。
H
(n
2)分子生成成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; 平尾 法恵; 矢板 毅
表面科学, 29(8), p.489 - 494, 2008/08
極低温で吸着したCH
及びCD
分子に、1keVのHe
イオンを照射したときに生成する分子イオン及び中性分子を二次イオン質量分析法により調べた。単層吸着メタンの場合、モノマーイオン(CH
)のみが脱離するが、多層吸着メタンでは、クラスターイオン(C
H
)とともに、アセチレンイオン(C
H
)及びエチレンイオン(C
H
)の脱離も認められた。中性分子の脱離についても同様の結果が得られた。分子生成の機構を明らかにするため、分子イオンの脱離強度の厚み依存性を測定し、固体メタン中でのHe
イオンのエネルギー損失過程のモンテカルロ計算結果と比較した。その結果、モノマーイオンは吸着分子の最表面層から1電子励起で脱離するのに対し、C
H
(n
2)イオンは吸着分子層の内部において原子核衝突で起こるフォノン励起によって生成されることが明らかとなった。
成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; 平尾 法恵; 矢板 毅; 平山 孝人*; 立花 隆行*
Proceedings of 25th European Conference on Surface Science (ECOSS-25), p.531 - 532, 2008/07
低温で凝縮した分子に放射線照射することにより起こる化学反応は、宇宙空間において衛星の氷表面上で実際に起こっており、アミノ酸などの生体分子が生成する起源として重要と考えられている。本研究では、極低温で吸着したCH
, CD
, N
分子及びAr分子に、1keVのHe
イオンを照射したときに生成する分子イオン及び中性分子を二次イオン質量分析法により調べた。単層吸着メタンの場合、モノマーイオン(CHx
)のみが脱離した。一方、多層吸着メタンでは、クラスターイオン(CnHx
)とともに、アセチレンイオン(C
H
)及びエチレンイオン(C
H
)の脱離も認められた。このことは、イオン照射により新たな化学結合が形成されたことを示している。分子生成の機構を明らかにするため、分子イオンの脱離強度の厚み依存性を測定し、固体メタン中でのHe
イオンのエネルギー損失過程のモンテカルロシミュレーション計算の結果と比較した。その結果、モノマーイオンは吸着分子の最表面層から1電子励起で脱離するのに対し、CnHx
(n
2)イオンは吸着分子層内部において、原子核衝突による高密度励起によって生成することがわかった。
,
-dialkyl carboxyamides鈴木 伸一; 矢板 毅; 須郷 由美; 木村 貴海
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.1137 - 1141, 2007/09
われわれの研究グループでは、FBRの使用済燃料再処理において、ウラン(VI)を選択的に分離回収できる化合物として、
,
-di-(2-ethl)hexyl-(2,2-di-methyl)-propanamide(D2EHDMPA)を提案した。しかし、このD2EHDMPAは、プルトニウム(IV)やネプツニウム(VI)からウラン(VI)を選択的に分離回収できるが、有機相へのウラン(VI)の抽出容量が小さいということが明らかになった。そこで、ウラン(VI)高除染選択分離のために19種類の新規化合物を合成し、U(VI)/Pu(IV)の分離特性,高濃度ウラン(VI)の抽出特性について検討した。その結果、U(VI)-Pu(IV)の分離性を維持し、D2EHDMPAよりもU(VI)の抽出容量の大きな
,
-di-hexyl-(2-ethyl)-butanamide(DH2EBA)や
,
-di-octyl-(2-ethyl)-butanamide(DO2EBA)などの新規化合物を開発した。また、
,
-ジアルキルアミドの耐放射線性評価においては、リン酸トリブチル(TBP)と同等の耐放射線性であることを確認できた。
-dialkyl-2,6-pyridinedimethanaminium halide小林 徹; 矢板 毅; 須郷 由美; 須田 裕喜*; 鈴木 真治*; 藤井 有起*; 仲野 義晴*
Journal of Heterocyclic Chemistry, 43(3), p.549 - 557, 2006/05
被引用回数:5 パーセンタイル:12.83(Chemistry, Organic)A facile preparation and the crystal structures of
-dialkyl-2,6-pyridinedimethanaminium halides were described. Direct substitution reactions were convenient to prepare specifically secondary diaminesusing 2,6-bis(chloromethyl)- pyridine and 10 equivalents molar of primary alkylamines. Hydrogen halidesalts were obtained in good yields and the crystal structures of three
-dialkyl-2,6-pyridinedimethanaminium salts were determined by the X-ray diffraction method. A cancroid structure around the pyridine ring was observed commonly in the three salts. Acidity constants of the three salts were determined. Since the pKa values of the salts were slightly smaller than those of several commontriamines previously reported, the acidities did not correlate with the cancroid structure directly. This isprobably due to electrostatic interaction of the two protonated amino groups, furthermore the central pyridine nitrogen was not protonated in all the ligands.
成田 弘一*; 田中 幹也*; 佐藤 由美子*; 矢板 毅; 岡本 芳浩
Solvent Extraction and Ion Exchange, 24(5), p.693 - 702, 2006/05
被引用回数:15 パーセンタイル:47.65(Chemistry, Multidisciplinary)LIX84IとNi(II)錯体の溶液内構造及び構造,錯形成速度に与えるD2EHPAの添加効果について溶媒抽出法及びEXAFS法により明らかにした。XANES及びEXAFSスペクトルから、LIX84Iはニッケルに対して2分子が平面配位することを明らかにした。一方D2EHPAを添加するとその構造は変化し、8面体構造を4配位から6配位の8面体構造へと変化することがわかった。Ni(II)の抽出速度は、D2EHPAの添加で劇的に促進されることが明らかとなっているが、一方抽出種の構造は明らかに平面4配位構造をとっており、抽出速度の増大は、D2EHPAが触媒的に作用することで起こることが推定される。
石森 健一郎*; 渡邉 雅之; 木村 貴海; 矢板 毅; 山田 たかし*; 片岡 悠美子*; 篠田 哲史*; 築部 浩*
Chemistry Letters, 34(8), p.1112 - 1113, 2005/08
被引用回数:14 パーセンタイル:45.25(Chemistry, Multidisciplinary)三脚状の構造を持つトリス(2-ピリジルメチル)アミンは、ピリジン環を3個持ち、3価アクチノイドの分離に対して注目されているソフトドナー配位子である。本研究では、これを立体化学的に置換した配位子を用いて、3価のアクチノイドの分離を行った。その結果、置換か所を一か所から二か所に増やすことにより、3価ランタノイドとアクチノイドが効果的に分離され、また2-ブロモデカン酸をこれら置換した配位子と組合せることでさらによい分離性能が得られることを見いだした。
矢板 由美*; 大平 茂; 奥野 健二
Fusion Technology, 28(3), p.1294 - 1298, 1995/10
核融合炉のプラズマ対向材料候補である黒鉛材料中での水素同位体の保持,放出挙動に関して検討を行った。黒鉛材料への重水素プラズマ照射は、重水素ガスを一定量封入し閉じた系で行う閉鎖系及び一定流量でガスを流しながら行う流通系の両系で行った。プラズマ照射された黒鉛からの重水素の昇温脱離曲線においては両系とも800Kと1250K付近に放出ピークが見られた。これらは前者が黒鉛内部のトラップサイトに捕捉されたD,後者が炭素と化学結合したDの脱離と考えられる。しかし2つのピークの面積比は閉鎖系と流通系で異なり、これは両系でプラズマ中のガス組成に違いがあるため重水素の捕捉状態に差が出たものと考えられる。さらにトリチウムプラズマ照射を行い、トリチウムインベントリに関する基礎的なデータを取得した。
成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 矢板 毅
no journal, ,
有機分子を酸化物表面に安定に固定化する方法について検討するため、炭素数が3のアルキル基の両端にシリコンアルコキシド基とチオール基を持つメルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTS, Si(OCH3)3-CH2-CH2-CH2-SH)分子と酸化アルミニウム基板の界面の化学結合状態を、X線光電子分光法(XPS)とX線吸収微細構造法(NEXAFS)で解析した。MPTS分子単層膜のSi1sXPSスペクトルから、MPTS分子のシリコンアルコキシドが酸化アルミニウム表面と化学結合を形成していることがわかった。また、単分子層のSiK吸収端NEXAFSスペクトルでは角度依存性が見られたことから、MPTS分子は酸化アルミニウム表面に対して垂直方向に配向していることがわかった。
成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 矢板 毅
no journal, ,
有機薄膜は分子の多様性,柔軟性などの点において、従来のシリコン系デバイスにはない機能を発現させることができる可能性が高い。しかし、有機薄膜と金属,酸化物など無機基板界面の電子状態や基板上での分子配向など、未解明の研究課題は多い。そこで本研究では、有機分子と酸化物界面の化学結合状態を明らかにするため、酸化アルミニウム表面上に吸着したメルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTS)分子について、放射光軟X線を用いたX線光電子分光及びX線吸収スペクトルを測定した。X線光電子分光スペクトルより、MPTS分子はシリコンアルコキシドを介して酸化アルミニウム上に結合していることがわかった。また、シリコンK-吸収端のX線吸収スペクトルに認められた偏光依存性から、MPTS分子は酸化アルミニウム表面に対して分子軸を垂直にして結合していることがわかった。
成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; 平尾 法恵; 矢板 毅
no journal, ,
光子や電子線を固体表面上に照射すると化学結合が解裂し、分解生成物の脱離が起こる。これに対して照射により化学結合が形成される報告はまだ数少ない。しかしながら、メタンなど軽い分子の低温凝縮系に高エネルギー放射線を照射することにより化学結合が形成する過程は、宇宙空間において重要と考えられており、アミノ酸などの有機分子生成の起源とも言われている。本研究では極低温で金属基板上に吸着したメタン分子に0.1keVから10keVまでのHe+イオンを照射し、脱離するイオンや分子についてその生成過程を調べた。その結果、He+イオン照射により共有結合を持つアセチレン,エチレンなどの分子やイオンが生成することがわかった。脱離強度の照射エネルギー依存性,膜厚依存性をイオンのエネルギー損失過程のモンテカルロシミュレーション計算と比較した結果、分子イオンは吸着層の内部において原子核衝突による高密度励起により生成するのに対し、中性分子はイオン照射による局所的な温度上昇に伴う瞬間的なガス化により生成することが明らかとなった。
鈴木 伸一; 矢板 毅; 須郷 由美; 木村 貴海
no journal, ,
N,N-dialkylamideの軽水炉から高速炉への移行期の再処理への適合性検討のための、要素技術開発を行っている。U(VI)/Pu(IV)の分離性を維持し、抽出容量の増加が期待できる新規のN,N-dialkylamideを合成し、U(VI), Pu(IV)などの抽出特性を検討した。その結果、U(VI)/Pu(IV)の分離性を損なうことなく、抽出容量を増加させたN,N-ジオクチル-(2-エチル)ブタンアミド(DO2EBA)やN,N-ジオクチル-(2,2-メチル)プロパンアミド(DODMPA)の開発に成功した。
成田 あゆみ*; 馬場 祐治; 本田 充紀; 平尾 法恵*; 矢板 毅
no journal, ,
近年、さまざまな放射線を利用した研究が多数なされているが、その多くは放射線を分析に用いるか、もしくは放射線分解過程に関する研究である。本研究では放射線分解とは逆の過程、すなわち放射線照射により、簡単な分子から新たに大きな分子やクラスターが生成する過程に関して調べた。具体的に窒素・メタンなどの軽分子を極低温において固体化し0.1-10KeVのHe
イオンビームを照射することにより、表面から脱離するイオンを四重極質量分析計で測定した。これらの分子が多層の場合、出発物質はN
(質量数: 28)とCH
(質量数: 16)であるにもかかわらず、質量数が500近くまでのクラスターイオンが観測された。また質量数が偶数のクラスターイオンがとなりの奇数のクラスターイオンよりも強度が大きい傾向が認められた。これらの結果は気相のクラスターイオンが(N
)
のときにより安定であることと類似しており、クラスターの脱離がイオン照射部の瞬間的なガス化により起こることが明らかとなった。
成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 矢板 毅
no journal, ,
有機薄膜は次世代に期待される新機能性材料であるが、いまだ残されている課題は多い。中でもデバイス基板材料として重要な酸化物表面に対する有機分子の固定化及び自己組織化膜形成はまだ実現されていない。そこで本研究では酸化物表面に有機分子の自己組織化膜生成を目指し、放射光軟X線を利用した分析手法を用いて有機分子と無機表面の界面の化学結合状態を解析した。試料はサファイア単結晶基板を、デシルホスホン酸(DPA)のエタノール溶液に浸すことにより作製した。測定にはX線光電子分光法(XPS)を用いた。固体のDPA分子とDPA分子膜のP 1s XPSスペクトルに関して、ともに一本のピークが確認され、その束縛エネルギーはほぼ同じであった。また表面敏感な全反射XPSを試み、通常のXPSの場合とC 1sの強度を比較すると、全反射XPSで測定した場合の方が強度は大きくなった。これらの結果より、サファイア表面においてDPA分子はリン酸基を介して表面とイオン結合を形成しており、アルキル鎖を上にして位置していることが明らかになった。