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Yakushev, A.*; Lens, L.*; Dllmann, Ch. E.*; Khuyagbaatar, J.*; Jger, E.*; Krier, J.*; Runke, J.*; Albers, H. M.*; 浅井 雅人; Block, M.*; et al.
Frontiers in Chemistry (Internet), 10, p.976635_1 - 976635_11, 2022/08
被引用回数:11 パーセンタイル:81.01(Chemistry, Multidisciplinary)114番元素フレロビウム(Fl)は現在その化学的性質が研究されている最も重い元素である。Flに関する最初の化学実験では、Flは貴ガス的な性質を持つ元素であると報告された。一方、2番目の研究では、Flは揮発性金属の性質を示すと報告された。より信頼性の高い結論を得るため、我々は更なる実験的研究を行い、二酸化ケイ素と金表面におけるFlの吸着挙動を調べた。その結果、Flは揮発性金属の水銀よりも高い揮発性と低い反応性を示し、一方、貴ガスのラドンよりは反応性が高いことを明らかにした。
Gtz, M.*; Yakushev, A.*; Gtz, S.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; 浅井 雅人; Kindler, B.*; Krier, J.*; Lommel, B.*; 永目 諭一郎*; et al.
Radiochimica Acta, 110(2), p.75 - 86, 2022/02
被引用回数:2 パーセンタイル:29.53(Chemistry, Inorganic & Nuclear)揮発性超重元素カルボニル錯体の研究には、原子番号の増加とともに超アクチノイド元素の生成率が低下するためにより効率的な方法が必要となる。新規に開発したダブルチャンバーシステムを用いて、反跳槽と反応槽を分離することにより、カルボニル錯体合成の障害となる入射イオンビームによる反応分子の分解を回避することにより、これを実現する。軽い超アクチノイド元素Sg, Bh, Hs、およびMtの同族元素同位体として5d金属短寿命同位体を原子力機構タンデム加速器で合成し、モデル実験を行うことで、本手法の実現可能性を検証した。
Yakushev, A.*; Lens, L.*; Dllmann, C. E.*; Block, M.*; 永目 諭一郎*; 佐藤 哲也; 豊嶋 厚史*; 他42名*
Frontiers in Chemistry (Internet), 9, p.753738_1 - 753738_9, 2021/11
被引用回数:11 パーセンタイル:64.63(Chemistry, Multidisciplinary)ニホニウム(Nh, 元素113)とフレロビウム(Fl, 元素114)は、7p軌道が占有されている最初の超重元素である。7p軌道と7p軌道の間の大きなスピン軌道分裂に由来する、相対論効果による7p軌道の安定化によって、Flの高い揮発性と化学的不活性が予測された。Nhのもつ7pの不対電子は、より高い化学反応性をもたらすと予想される。気相でのNh化学研究のための最初の実験的試みの結果とともに、Nhの化学反応性の理論的予測について説明する。実験結果から、Flと比較してNh原子の化学反応性が高いことがわかった。非常に反応性の高いFr同位体を用いて、新規に開発した検出器miniCOMPACTのテストを行ったところ、Nhの化学研究が可能であることを確認できた。
Gtz, M.*; Gtz, S.*; Kratz, J.-V.*; Ballof, J.*; Dllmann, Ch. E.*; Eberhardt, K.*; Mokry, C.*; Renisch, D.*; Runke, J.*; 佐藤 哲也; et al.
Radiochimica Acta, 109(3), p.153 - 165, 2021/03
被引用回数:3 パーセンタイル:43.41(Chemistry, Inorganic & Nuclear)超重元素揮発性カルボニル錯体の化学研究のために、反跳によって標的もしくは線源から飛び出す核反応生成物または核分裂生成物を熱化し、さらに気相カルボニル錯体合成を行うための2槽型装置を開発した。この装置は、空間的にデカップルされ熱化チェンバーと気相化学反応チェンバーから成り立ち、核反応等で生成した短寿命核種が熱化チェンバーに満たされたガス中で熱化されたのち、気相化学反応チェンバーに送り込まれて、一酸化炭素と反応することでカルボニル錯体を形成する。U中性子誘起核分裂およびCm自発核分裂からの核分裂片を用いて検証したところ、全体効率として50%以上を達成した。また一連の結果により、熱化された核分裂生成物のカルボニル錯体形成が単一原子反応であり、熱原子反応ではないことを示した。
Khuyagbaatar, J.*; Yakushev, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Ackermann, D.*; Andersson, L.-L.*; 浅井 雅人; Block, M.*; Boll, R. A.*; Brand, H.*; Cox, D. M.*; et al.
Physical Review C, 102(6), p.064602_1 - 064602_9, 2020/12
被引用回数:45 パーセンタイル:98.21(Physics, Nuclear)原子番号119及び120を持つ超重元素の合成を目指した探索実験を、それぞれTi+Bk及びTi+Cf核融合-粒子蒸発反応を用いて、ガス充填型反跳分離装置TASCAにて実施した。4ヶ月間におよぶビーム照射実験を行ったが、どちらの元素も検出されず、その生成断面積の上限値は65fb及び200fbであった。119, 120番元素が観測されなかった理由について、安定の島領域の超重元素の核分裂障壁の高さを予測する様々な理論計算値を用いて、核融合-粒子蒸発反応の概念を用いて議論した。
Khuyagbaatar, J.*; Yakushev, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Ackermann, D.*; Andersson, L.-L.*; 浅井 雅人; Block, M.*; Boll, R. A.*; Brand, H.*; Cox, D. M.*; et al.
Physical Review C, 99(5), p.054306_1 - 054306_16, 2019/05
被引用回数:24 パーセンタイル:90.97(Physics, Nuclear)Ca+B融合反応を用いて117番元素(Ts)合成実験を行い、117番元素に起因すると思われる4つの崩壊連鎖を観測した。うち2つは長い崩壊連鎖で、Tsの崩壊に起因するものと同定された。他の2つは短い崩壊連鎖で、Tsの崩壊に起因すると考えると矛盾しない。今回の結果と過去の文献値を比較したところ、今回の我々の結果は過去の文献値をほぼ再現し、117番元素合成の事実を強く再確認する結果となった。
Lens, L.*; Yakushev, A.*; Dllmann, Ch. E.*; 浅井 雅人; Ballof, J.*; Block, M.*; David, H. M.*; Despotopulos, J.*; Di Nitto, A.*; Eberhardt, K.*; et al.
Radiochimica Acta, 106(12), p.949 - 962, 2018/12
被引用回数:8 パーセンタイル:61.87(Chemistry, Inorganic & Nuclear)半減期449秒の短寿命同位体を用いて、水銀(Hg), タリウム(Tl), 鉛(Pb)の単一原子レベルでのSiO及びAu表面への固体吸着挙動をオンライン気相実験により調べた。超重元素Cn, Nh, Flの吸着エンタルピー測定のためのモデル実験として実施した。短寿命同位体はドイツ重イオン研究所の反跳核分離装置TASCAを用いて生成・分離した。生成核はヘリウムガス中に捕集された後、SiOあるいはAuで表面を覆われたSi検出器で作製されたガスクロマトグラフィーカラムへと導入した。短寿命Tl及びPb同位体は室温においてSiO表面に吸着し、Si検出器で測定することに成功した。一方、HgはSiO表面には吸着せず、Au表面に吸着した。この結果より、本実験のセットアップを用いることで短寿命Hg, Tl, Pb同位体の吸着特性を調べることができると証明され、この手法がCn, Nh, Flの実験にも適用できることが確認された。
Gtz, M.*; Gtz, S.*; Kratz, J. V.*; Dllmann, Ch. E.*; Mokry, Ch.*; Runke, J.*; Thrle-Pospiech, P.*; Wiehl, N.*; Schdel, M.; Ballof, J.*; et al.
Nuclear Physics A, 961, p.1 - 21, 2017/05
被引用回数:6 パーセンタイル:46.42(Physics, Nuclear)Ca + Cmの多核子移行反応の運動学を多層捕集箔法と放射化学分離法を用いて調べた。過去の研究で、生成核の同位体分布の幅が、標的よりも重い同位体より軽い同位体の方が広いことが知られており、標的よりも軽い同位体の方がエネルギーロスの大きな衝突の成分が多いためと解釈されてきた。しかし、本研究で両者の平均的な全運動エネルギー損失、すなわち平均励起エネルギーの大きさが測定され、両者に大きな違いがないことが明らかになった。このことは過去の解釈と矛盾するため、本研究では、高い励起エネルギーを持って生成される標的よりも重い同位体は核分裂によって失われる、という新しい解釈を提案した。
Konki, J.*; Khuyagbaatar, J.*; Uusitalo, J.*; Greenlees, P. T.*; Auranen, K.*; Badran, H.*; Block, M.*; Briselet, R.*; Cox, D. M.*; Dasgupta, M.*; et al.
Physics Letters B, 764, p.265 - 270, 2017/01
被引用回数:18 パーセンタイル:80.37(Astronomy & Astrophysics)The new neutron-deficient nuclei Es and Bk were synthesised at the gas-filled recoil separator RITU. They were identified by their radioactive decay chains starting from Es produced in the fusion-evaporation reaction Bi(S,3n)Es. Half-lives of 6(2)s and 22s were obtained for Es and Bk, respectively. Two groups of particles with energies =8.19(3) MeV and 8.09(3) MeV were unambiguously assigned to Es. Electron-capture delayed fission branches with probabilities of 0.16(6) and 0.04(2) were measured for Es and Bk, respectively. These new data show a continuation of the exponential increase of ECDF probabilities in more neutron-deficient isotopes.
Eichler, R.*; 浅井 雅人; Brand, H.*; Chiera, N. M.*; Di Nitto, A.*; Dressler, R.*; Dllmann, Ch. E.*; Even, J.*; Fangli, F.*; Goetz, M.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 131, p.07005_1 - 07005_7, 2016/12
被引用回数:3 パーセンタイル:72.73(Chemistry, Inorganic & Nuclear)近年、物理的な前段分離装置を活用することにより、超重元素の比較的不安定な単一分子の合成と研究が気相化学研究によって可能になった。非常に揮発性の高い106番元素のヘキサカルボニル錯体Sg(CO)の合成は最近の大きな成果である。この成功を受けて、中心金属原子と周囲の配位子間の第一乖離エネルギーの測定を第2世代の実験として実施した。管状の分解反応装置を用いた手法を開発し、短寿命のMo(CO), W(CO), Sg(CO)錯体に適用することに成功した。
Forsberg, U.*; Rudolph, D.*; Andersson, L.-L.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Fahlander, C.*; Gates, J. M.*; Golubev, P.*; Gregorich, K. E.*; Gross, C. J.*; et al.
Nuclear Physics A, 953, p.117 - 138, 2016/09
被引用回数:46 パーセンタイル:94.21(Physics, Nuclear)Ca + Am反応による115番元素合成実験で観測された崩壊連鎖について、最近我々が報告したドイツGSIで測定したデータと過去に報告されたロシアDubna及び米国LBNLで測定されたデータのすべてを使い、その起源を調査した。それらのデータの中に、反跳核--()-核分裂タイプの短い崩壊連鎖が14事象観測されており、そのうちのいくつかは中性子が2個放出されてできるMc起源であるとこれまで解釈されてきた。一方、今回我々は、これらの短い崩壊連鎖のほとんどが、中性子が3個放出されてできるMc起源であり、崩壊連鎖の途中でEC崩壊して核分裂したものであろうと再同定した。
Usoltsev, I.*; Eichler, R.*; Wang, Y.*; Even, J.*; Yakushev, A.*; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; et al.
Radiochimica Acta, 104(3), p.141 - 151, 2016/03
被引用回数:31 パーセンタイル:94.78(Chemistry, Inorganic & Nuclear)周期表第6族元素で最も重いSgのヘキサカルボニル錯体の熱的安定性を調べることを目指して、短寿命MoおよびW同位体を用いてヘキサカルボニル錯体を合成し、その合成および解離条件を調べた。チューブ状の反応装置を用いてヘキサカルボニル錯体を解離させ、第1解離エネルギーを導出できるかテストした。第6族元素のヘキサカルボニル錯体の解離を調べるには、反応表面として銀が最適であることがわかった。Mo(CO)およびW(CO)の解離が起こる反応表面温度は、それらの第1解離エネルギーと相関があることがわかり、この方法を用いてSg(CO)の第1解離エネルギーを決定できる見通しを得た。
Even, J.*; Ackermann, D.*; 浅井 雅人; Block, M.*; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Eichler, R.*; Fan, F.*; 羽場 宏光*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(3), p.2457 - 2466, 2015/03
被引用回数:15 パーセンタイル:77.17(Chemistry, Analytical)金属カルボニル錯体の迅速その場合成を、核分裂や核融合反応によって生成される短寿命同位体を用いた実験によって実証した。高い反跳エネルギーを持つ短寿命核反応生成物を一酸化炭素分子と直接反応させることでカルボニル錯体を合成し、高い揮発性を持つ錯体のみをガス気流によって迅速に搬送し、化学分析・測定装置にかけて検出した。この手法を用いることで、Mo, Tc, Ru, Rh, W, Re, Os, Irの短寿命同位体の揮発性カルボニル錯体の合成に成功した。一方、HfとTaの揮発性錯体は検出されなかった。この手法は超重元素シーボーギウム(原子番号106)の化学研究に既に適用されており、また短寿命遷移金属同位体を用いた核科学研究の様々な分野への応用が今後期待される。
Rudolph, D.*; Forsberg, U.*; Golubev, P.*; Sarmiento, L. G.*; Yakushev, A.*; Andersson, L.-L.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Gates, J. M.*; Gregorich, K. E.*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(2), p.1185 - 1190, 2015/02
被引用回数:7 パーセンタイル:50.83(Chemistry, Analytical)115番元素の崩壊連鎖を30事象観測し、過去に115同位体として報告されている崩壊連鎖と矛盾しないことを見出した。GEANT4モンテカルロシミュレーションにより高分解能-光子同時計数実験結果の再現を試みた。この解析手法により、超重核のQ値や励起準位構造を精度よく導出できるようになる。
Even, J.*; Yakushev, A.*; Dllmann, Ch. E.*; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; 佐藤 哲也; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Eichler, R.*; Fan, F. L.*; et al.
Science, 345(6203), p.1491 - 1493, 2014/09
被引用回数:64 パーセンタイル:83.38(Multidisciplinary Sciences)超重元素の新しい錯体、106番元素シーボーギウム(Sg)のカルボニル錯体の合成に初めて成功し、その吸着特性を低温熱クロマトグラフィー・線測定装置COMPACTを用いて調べた。理化学研究所の気体充填型反跳イオン分離装置GARISを用いて合成及び前段分離された短寿命核反応生成物Sgを、ヘリウムと一酸化炭素の混合ガス中に打ち込み、カルボニル錯体を合成した。生成したカルボニル錯体のうち揮発性の高いもののみをガス気流によってCOMPACTへと搬送し、低温熱クロマトグラフィー測定を行った。検出されたSgカルボニル錯体の吸着エンタルピーは-50kJ/molと求まり、この高い揮発性からこの錯体は6配位のSg(CO)であると結論した。これまで超アクチノイド元素では単純な無機錯体しか合成されたことがなく、本研究は超アクチノイド元素における初めての有機金属錯体合成の成果である。
Khuyagbaatar, J.*; Yakushev, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Ackermann, D.*; Andersson, L.-L.*; 浅井 雅人; Block, M.*; Boll, R. A.*; Brand, H.*; Cox, D. M.*; et al.
Physical Review Letters, 112(17), p.172501_1 - 172501_5, 2014/05
被引用回数:210 パーセンタイル:98.42(Physics, Multidisciplinary)ドイツ重イオン研究所のガス充填型反跳核分離装置TASCAを用いてCa + Bk核融合反応で生成する原子番号117の超重元素の観測に成功した。この結果は、過去にロシアのフレーロフ研究所が報告した117番新元素の結果を再確認するもので、117番元素の合成及び発見を確かなものとする成果である。一方、117番元素からの崩壊連鎖の最後の原子核は、過去に報告されたDbではなく、未知核種Lrであり、Dbは非常に長い寿命を持つ崩壊核種であることを明らかにした。
Forsberg, U.*; Rudolph, D.*; Golubev, P.*; Sarmiento, L. G.*; Yakushev, A.*; Andersson, L.-L.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Gates, J. M.*; Gregorich, K. E.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 66, p.02036_1 - 02036_4, 2014/03
被引用回数:7 パーセンタイル:88.63(Physics, Nuclear)115番元素の崩壊連鎖測定に使用した焦点面Si検出器のセットアップと検出器プリアンプ出力のデジタル波形解析の結果及び検出器不感層による線エネルギー損失の事象毎の補正解析の結果について報告する。線検出器は、両面分割型Siストリップ検出器(DSSSD)5枚を箱型に配置し、115番元素を打ち込む底面検出器の片面の信号をデジタル波形解析した。底面検出器と側面検出器の2枚のSi検出器で検出された線は、2枚の不感層を斜めに横切ることから線エネルギー損失が事象毎に異なる。検出位置から線の放射角度を求めることで事象毎にエネルギー損失を補正することで線のエネルギー分解能を大幅に改善することに成功した。
Rudolph, D.*; Forsberg, U.*; Golubev, P.*; Sarmiento, L. G.*; Yakushev, A.*; Andersson, L.-L.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Gates, J. M.*; Gregorich, K. E.*; et al.
Acta Physica Polonica B, 45(2), p.263 - 272, 2014/02
被引用回数:22 パーセンタイル:75.00(Physics, Multidisciplinary)CaビームとAm標的との核反応で115番元素の同位体を合成し、崩壊連鎖を30事象観測した。観測された崩壊連鎖は過去に115番元素のものとして報告されたものと矛盾が無く、115番元素の同定を再確認した。また線と光子との同時計数測定を合わせて行い、115番元素の崩壊連鎖上に位置する超重核の線およびX線の候補を観測した。最も重い超重核領域での線の観測は、超重核の核構造研究に大きな進歩をもたらすものである。
Yakushev, A.*; Gates, J. M.*; Trler, A.*; Schdel, M.; Dllmann, Ch. E.*; Ackermann, D.*; Andersson, L.-L.*; Block, M.*; Brchle, W.*; Dvorak, J.*; et al.
Inorganic Chemistry, 53(3), p.1624 - 1629, 2014/02
被引用回数:105 パーセンタイル:98.87(Chemistry, Inorganic & Nuclear)金表面に対する114番元素フレロビウム(Fl)の吸着挙動に関するガスクロマトグラフ研究について報告する。実験対象としたFlはPu(Ca, 3-4n)Fl反応で合成し、反跳核分離装置を利用してCaビームから単離した。Fl及びその壊変核種である112番元素コペルニシウム(Cn)、そしてその周期表上の同族である14族(Pb)及び12族(Hg)、並びに不活性ガスであるRnの吸着挙動を、等温クロマトグラフィー及び熱クロマトグラフィーを利用した実験装置で観測した。その結果、2個のFl原子が測定され、PbやHgとは異なり直ちに吸着することはなかったが、室温の金表面に吸着した。得られたFlの吸着挙動は、最も近い同族元素であるPbと比較してより不活性であると言えるが、金表面でのFlの吸着エンタルピーの下限値は、金とFlが金属-金属結合を形成することを示している。したがって、Flは同族元素中で最も反応性が低い元素であると言えるが、その性質は金属である。
Rudolph, D.*; Forsberg, U.*; Golubev, P.*; Sarmiento, L. G.*; Yakushev, A.*; Andersson, L. L.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Gates, J. M.*; Gregorich, K. E.*; et al.
Physical Review Letters, 111(11), p.112502_1 - 112502_5, 2013/09
被引用回数:125 パーセンタイル:96.18(Physics, Multidisciplinary)A high-resolution X-ray and -ray coincidence spectroscopy experiment was conducted at the GSI Helmholtzzentrum fr Schwerionenforschung. Thirty correlated decay chains were detected following the fusion-evaporation reaction Ca + Am. The observations are consistent with previous assignments of similar decay chains to originate from element Z = 115. For the first time, precise spectroscopy allows the derivation of excitation schemes of isotopes along the decay chains starting with elements Z 112. Comprehensive Monte-Carlo simulations accompany the data analysis. Nuclear structure models provide a first level interpretation.