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町田 昌彦; 岩田 亜矢子; 山田 進; 乙坂 重嘉*; 小林 卓也; 船坂 英之*; 森田 貴己*
日本原子力学会和文論文誌, 21(1), p.33 - 49, 2022/03
本論文では、福島第一原子力発電所の港湾口から沿岸へと流出するトリチウム量を、港湾内のトリチウムモニタリング結果から推定し、事故当初の2011年4月から2020年3月までの凡そ9年間に渡り、月間流出量を算出した。その結果、2015年の海側遮水壁閉合により、未知の流出は殆ど抑制されたことが分かった。また、この推定量を基に、日本全体の原子力施設からのトリチウム年間排出量を求め、事故前後の排出量の変遷を議論した。その結果、2015年以降、福島第一原子力発電所からの流出量は、事故前の約半分程度となっている一方、事故後の日本全体の排出量は大きく減少していることが分かった。
佐久間 一幸; 町田 昌彦; 操上 広志; 岩田 亜矢子; 山田 進; 飯島 和毅
Science of the Total Environment, 806(3), p.151344_1 - 151344_8, 2022/02
被引用回数:1 パーセンタイル:14.15(Environmental Sciences)Estimation of H discharge from river catchments is important to evaluate the effect of Fukushima Dai-ichi discharge and future planned
H release to the ocean on the coastal environment. Using a previously developed model based on the tank model and observed
H concentration in river water, the
H discharge from the Abukuma River and 13 other rivers in the Fukushima coastal region were estimated from June 2013 to March 2020. The annual
H discharge from catchments of the Abukuma River and 13 other rivers in the Fukushima coastal region during 2014-2019 were estimated to be 1.2-4.0 TBq/y. These values were approximately 2-22 times larger than the annual
H discharge from the Fukushima Dai-ichi after 2016, indicating the significance of naturally derived
H discharge from the catchments through the rivers. This estimation is expected to be useful to evaluate and predict
H concentrations and inventories in the Fukushima coastal region for consideration of planned
H release to the ocean.
町田 昌彦; 岩田 亜矢子; 山田 進; 乙坂 重嘉*; 小林 卓也; 船坂 英之*; 森田 貴己*
Journal of Nuclear Science and Technology, 19 Pages, 2022/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)本論文では、福島第一原子力発電所の港湾口から沿岸へと流出するトリチウム量を、港湾内のトリチウムモニタリング結果から推定し、事故当初の2011年4月から2020年3月までのおよそ9年間に渡り、月間流出量を算出した。その結果、2015年の海側遮水壁閉合により、未知の流出はほとんど抑制されたことが分かった。また、この推定量を基に、日本全体の原子力施設からのトリチウム年間排出量を求め、事故前後の排出量の変遷を議論した。その結果、2015年以降、福島第一原子力発電所からの流出量は、事故前の約半分程度となっている一方、事故後の日本全体の排出量は大きく減少していることが分かった。
山田 進; 今村 俊幸*; 町田 昌彦
Supercomputing Frontiers, p.1 - 19, 2022/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0本発表は科学研究費補助金(科研費)研究「エクサスケール計算機を想定した量子モデルシミュレーションに対する並列化・高速化」の一環として実施した量子問題計算に現れる大規模な対称疎行列の複数固有値を求める計算をGPUを用いて高速に計算する方法についての報告である。GPU側のメモリは小さいため、大規模な問題をGPUを用いて計算するとき、すべてのデータをGPU側のメモリに格納することができず、一部のデータをCPU側のメモリに格納することになるが、CPUとGPU間のデータのやり取りには多くの時間がかかる。そこで、LOBPCG法のアルゴリズムの特徴を考慮してこのデータのやり取りを削減する方法を提案した。実際に原子力機構のスパコンHPE SGI8600のGPUシステムを用いた並列計算から提案方法を用いることで高速化を実現できることを確認した。この成果は、固有値計算の高速計算だけでなく、現在の主流の1つであるGPU計算機の有効利用に資する成果でもある。
山田 進; 町田 昌彦; 田中 みのり*; 関 克己*; 有川 太郎*
日本応用数理学会論文誌, 31(1), p.20 - 43, 2021/03
原子力規制庁の受託研究に基づき開発した水路等に設置したたわみのあるシルトフェンスを流れ場に合わせて変形させるアルゴリズムを報告する。さらに、このアルゴリズムを用いて、水路内の流れ場とシルトフェンスの連成シミュレーションを実施しその変形を評価するとともに、実際の水路実験の結果との比較を行い、提案したアルゴリズムの妥当性を報告する。
田中 みのり*; 渡部 真史*; 町田 昌彦; 山田 進; 榎本 容太*; 郡司 滉太*; 有川 太郎*
土木学会論文集,B2(海岸工学)(インターネット), 76(2), p.I_103 - I_108, 2020/11
原子力規制庁の受託研究に基づき実施した水路に2枚のシルトフェンスを設置した際の汚濁物質の拡散防止効果の評価を目標とした水理模型実験の結果報告である。シルトフェンスを適切な間隔で2枚設置すると1枚目のシルトフェンスの影響で2枚目のふかれ量が少なくなり、1枚だけの場合よりもより多くの汚濁物質が捕捉できるようになることを報告する。また、平面水槽実験においても同様の結果が得られたことも報告する。
長尾 郁弥; 新里 忠史; 佐々木 祥人; 伊藤 聡美; 渡辺 貴善; 土肥 輝美; 中西 貴宏; 佐久間 一幸; 萩原 大樹; 舟木 泰智; et al.
JAEA-Research 2020-007, 249 Pages, 2020/10
2011年3月11日に発生した太平洋三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波により、東京電力(現東京電力ホールディングス)福島第一原子力発電所の事故が発生し、その結果、環境中へ大量の放射性物質が放出された。この事故により放出された放射性核種は、その大部分が森林に沈着している。これに対し、面積が広大であり大量の除去土壌などが生じる、多面的な森林の機能が損なわれる可能性があるなどの問題があり、生活圏近傍を除き、汚染された森林の具体的な除染計画はない。そのため、未除染の森林から放射性セシウムが流出し、既に除染された生活圏に流入することで空間線量率が上がってしまうのではないか(外部被ばくに関する懸念)、森林から河川に流出した放射性セシウムが農林水産物に取り込まれることで被ばくするのではないか、規制基準値を超えて出荷できないのではないか(内部被ばくに関する懸念)などの懸念があり、避難住民の帰還や産業再開の妨げとなる可能性があった。日本原子力研究開発機構では、環境中に放出された放射性物質、特に放射性セシウムの移動挙動に関する「長期環境動態研究」を2012年11月より実施している。この目的は、自治体の施策立案を科学的側面から補助する、住民の環境安全に関する不安を低減し、帰還や産業再開を促進するといった点にある。本報告書は、原子力機構が福島県で実施した環境動態研究におけるこれまでの研究成果について取りまとめたものである。
山田 進; 町田 昌彦; 操上 広志
Proceedings of Joint International Conference on Supercomputing in Nuclear Applications + Monte Carlo 2020 (SNA + MC 2020), p.140 - 146, 2020/10
本発表は、2011年の福島第一原子力発電所の事故により環境中に放出され、地上に降下した放射性セシウムのダム内での振る舞いの研究についての発表である。大きなダムでは、夏期に上層の水温が高く下層が低い状態が保たれる水温の成層化と呼ばれる状態が観測されており、成層化しているダム内での詳細な振る舞いを計算機シミュレーションにより評価するためには、その状態を考慮した機能を追加することが必須である。そこで、これまでに著者らが開発してきた3次元流体シミュレーションコード「3D-Sea-SPEC」に水平方向の移動に関する補正機能を追加することで、温度の成層化を再現することを可能にした。本発表では、「3D-Sea-SPEC」の紹介を行うとともに、成層化を再現するための補正方法について報告する。また、水温を変化させたシミュレーションを実施し、ダム内が成層化する条件を調査するとともに、水温の成層化の有無による放射性セシウムの振る舞いの違いを評価し、その結果を報告する。
井戸村 泰宏; 小野寺 直幸; 山田 進; 山下 晋; 伊奈 拓也*; 今村 俊幸*
スーパーコンピューティングニュース, 22(5), p.18 - 29, 2020/09
多相多成分熱流動解析コードJUPITERの圧力ポアソン方程式に省通信型マルチグリッド前処理付き共役勾配(CAMGCG)法を適用し、従来のクリロフ部分空間法と計算性能と収束特性を比較した。CAMGCGソルバは問題サイズによらずロバーストな収束特性を示し、通信削減と収束特性向上を両立することから、通信削減のみを実現する省通信クリロフ部分空間法に対する優位性が高い。CAMGCGソルバを900億自由度の大規模多相流体解析に適用し、前処理付共役勾配法ソルバと処理性能を比較した。このベンチマークにおいて、反復回数は約1/800に削減され、Oakforest-PACS上で8,000ノードに至る良好な強スケーリングを維持しつつ約11.6倍の性能向上を達成した。
町田 昌彦; 山田 進; 岩田 亜矢子; 乙坂 重嘉; 小林 卓也; 渡辺 将久; 船坂 英之; 森田 貴己*
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(8), p.939 - 950, 2020/08
被引用回数:7 パーセンタイル:78.88(Nuclear Science & Technology)2011年45月にかけて発生した東京電力ホールディングス・福島第一原子力発電所2号機及び3号機からの汚染水の海洋への直接流出以後、神田は相対的に小さいが連続的な放射性物質の流出が引き続き起こっていることを指摘している。しかし、その期間は2012年9月までであり、その後の流出量の推定についての報告はない。そこで、本論文では、その後を含めて2011年4月から2018年6月までの7年間に渡り
Csの流出量を推定した結果を報告する。報告のない時期、国・東京電力ホールディングスは、流出を抑制するための努力を続け、港湾内海水の放射性核種濃度は徐々に減少している。われわれは、一月単位で
Csの流出量を二つの手法、一つは神田の提案した手法だがわれわれの改良を加えた手法とボロノイ分割によるインベントリー評価法を使い評価した。それらの結果から、前者の手法は常に後者の手法と比べて保守的だが、前者の後者に対する比は1桁の範囲内であることが分かった。また、それらの推定量から簡単に沿岸域に対するインパクトを評価し、特に魚食による内部被ばく量を推定したところ、福島第一原子力発電所(1F)の海洋流出量に基づく内部被ばく分は極めて小さいことが分かった。
山田 進; 町田 昌彦; 今村 俊幸*
Parallel Computing; Technology Trends, p.105 - 113, 2020/00
被引用回数:1 パーセンタイル:50.11本発表は科学研究費補助金(科研費)に従い実施した強相関ハバードモデル計算に現れる固有値問題に対する高性能計算に関するものである。具体的には、ハバードモデルの計算に現れる固有値計算に固有値計算ソルバの1つであるLOBPCG法を適用した際の高速化についての発表である。特筆すべき成果は、現在主流のプロセッサの1つであるGPUのアーキテクチャに合わせたデータの格納方法を提案し、実際に行列計算を高速化したことである。さらに、複数の線形計算をまとめて実行することで、データへのアクセス回数を減らすことができ、さらなる高速化も実現した。これらの高速化により、これまでの方法と比較し全体で約1.4倍の高速化を実現した。なお、この成果は科研費研究「エクサスケール計算機を想定した量子モデルシミュレーションに対する並列化・高速化」の研究成果である一方、GPUを利用した高性能計算にも資する成果である。
松本 和也*; 井戸村 泰宏; 伊奈 拓也*; 真弓 明恵; 山田 進
Journal of Supercomputing, 75(12), p.8115 - 8146, 2019/12
被引用回数:2 パーセンタイル:29.88(Computer Science, Hardware & Architecture)ジャイロ運動論的トロイダル5次元オイラーコードGT5Dにおける反復法線形ソルバの性能向上に向けて省通信一般化最小残差法(CA-GMRES)をCPU-GPUハイブリッドクラスタで実装した。CA-GMRESに加え、計算量を削減するために我々が提案した修正版CA-GMRES(M-CA-GMRES)の実装と評価も行った。本研究から、集団通信回数の最小化と密行列積演算による高効率演算というCA-GMRESの利点が実証された。性能評価は1ノードあたりNVIDIA Tesla P100 GPU4台を搭載したReedbush-L GPUクラスタで実施した。この結果、M-CA-GMRESによりCA-GMRES, 一般化共役残差法(GCR), GMRESに比べてそれぞれ1.09x, 1.22x, 1.50xの高速化が示された。
山田 進
固有値計算と特異値計算; 計算力学レクチャーコース, p.77 - 104, 2019/12
本書「固有値計算と特異値計算」は一般の研究者向けに固有値計算及び特異値計算の基礎理論から応用例までを解説する書籍である。発表者は本書の第3章「疎行列の固有値計算」を執筆し、疎行列向きの固有値計算方法として頻繁に用いられているLanczos法やLOBPCG法などのアルゴリズムを解説している。また、実際にこれらの解法を用いて固有値問題を計算した結果を示すとともに、それぞれの解法の有効性や問題点などを紹介している。
町田 昌彦; 山田 進; 岩田 亜矢子; 乙坂 重嘉; 小林 卓也; 渡辺 将久; 船坂 英之; 森田 貴己*
日本原子力学会和文論文誌, 18(4), p.226 - 236, 2019/12
2011年45月にかけて発生した東京電力HD・福島第一原子力発電所2号機及び3号機からの汚染水の海洋への直接流出以後、神田は相対的に小さいが連続的な放射性物質の流出が引き続き起こっていることを指摘している。しかし、その期間は2012年9月までであり、その後の流出量の推定についての報告はない。そこで、本論文では、その後を含めて2011年4月から2018年6月までの7年間に渡りCs-137の流出量を推定した結果を報告する。報告のない時期、国・東京電力HDは、流出を抑制するための努力を続け、港湾内海水の放射性核種濃度は徐々に減少している。われわれは、一月単位でCs-137の流出量を二つの手法、一つは神田の提案した手法だがわれわれの改良を加えた手法とボロノイ分割によるインベントリー評価法を使い評価した。それらの結果から、前者の手法は常に後者の手法と比べて保守的だが、前者の後者に対する比は1桁の範囲内であることが分かった。また、それらの推定量から簡単に沿岸域に対するインパクトを評価し、特に魚食による内部被ばく量を推定したところ、1Fの海洋流出量に基づく内部被ばく分は極めて小さいことが分かった。
長尾 郁弥; 新里 忠史; 佐々木 祥人; 伊藤 聡美; 渡辺 貴善; 土肥 輝美; 中西 貴宏; 佐久間 一幸; 萩原 大樹; 舟木 泰智; et al.
JAEA-Research 2019-002, 235 Pages, 2019/08
2011年3月11日に発生した太平洋三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波により、東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生し、その結果、環境中へ大量の放射性物質が放出され、その大部分が森林に沈着している。これに対し、面積が広大であり大量の除去土壌等が生じる、多面的な森林の機能が損なわれる可能性があるなどの問題があり、生活圏近傍を除き、汚染された森林の具体的な除染計画はない。そのため、未除染の森林から放射性セシウムが流出し、既に除染された生活圏に流入することに対する懸念があり、避難住民の帰還や産業再開の妨げとなる可能性があった。原子力機構では、環境中に放出された放射性物質、特に放射性セシウムの移動挙動に関する「長期環境動態研究」を2012年11月より実施している。この目的は、自治体の施策立案を科学的側面から補助する、住民の環境安全に関する不安を低減し、帰還や産業再開を促進するといった点にある。本報告書は、原子力機構が福島県で実施した環境動態研究におけるこれまでの研究成果について取りまとめたものである。
Wang, H.*; 大津 秀暁*; 千賀 信幸*; 川瀬 頌一郎*; 武内 聡*; 炭竃 聡之*; 小山 俊平*; 櫻井 博儀*; 渡辺 幸信*; 中山 梓介; et al.
Communications Physics (Internet), 2(1), p.78_1 - 78_6, 2019/07
被引用回数:7 パーセンタイル:59.11(Physics, Multidisciplinary)陽子(あるいは中性子)過剰核の効率的な生成経路を探索することは、原子核反応研究の主な動機のひとつである。本研究では、Pdに対する核子当たり50MeVの陽子および重陽子入射による残留核生成断面積を逆運動学法によって測定した。その結果、重陽子入射ではAgやPd同位体の生成断面積が大きくなることを実験的に示した。また、理論計算による解析から、この生成断面積の増大は重陽子の不完全融合反応に起因することを示した。これらの結果は、陽子過剰核の生成において重陽子のような弱束縛核の利用が有効であることを示すものである。
井戸村 泰宏; 伊奈 拓也*; 山下 晋; 小野寺 直幸; 山田 進; 今村 俊幸*
Proceedings of 9th Workshop on Latest Advances in Scalable Algorithms for Large-Scale Systems (ScalA 2018) (Internet), p.17 - 24, 2018/11
被引用回数:6 パーセンタイル:92.37多相流体CFDコードJUPITERの圧力ポアソン方程式に省通信マルチグリッド前処理付共役勾配(CAMGCG)法を適用し、省通信クリロフ部分空間法と計算性能と収束特性を比較した。JUPITERコードにおいてCAMGCGソルバ問題サイズによらずロバーストな収束特性を有し、通信削減と収束特性向上を両立することから、通信削減のみを実現する省通信クリロフ部分空間法に対する優位性が高い。CAMGCGソルバを億自由度の大規模多相流体CFDシミュレーションに適用して反復回数を前処理付CG法の
に削減し、Oakforest-PACSにおける8,000ノードまでの良好な強スケーリングとCG法の
倍の性能向上を達成した。
上窪田 紀彦*; 山田 秀衛*; 佐藤 健一郎*; 菊澤 信宏; 山本 昇*; 吉田 奨*; 根本 弘幸*
Proceedings of 16th International Conference on Accelerator and Large Experimental Physics Control Systems (ICALEPCS 2017) (Internet), p.1470 - 1473, 2018/01
J-PARC加速器制御用のネットワークシステムは、2005年以来10年以上運用されてきた。加速器制御ネットワークは、J-PARCの3加速器(リニアック, 3Gevシンクロトロン, MR)と3実験施設(物質・生命科学実験施設,ニュートリノ実験施設,ハドロン実験施設)をカバーし、エッジスイッチの総数は約250である。その全体構成(光ネットワーク網)、冗長機能、VLAN構成、について現状を説明する。次に、オフィスネットワーク(JLAN)と加速器制御ネットワークとの関係について説明する。2つのネットワークの間にFirewallを導入して直接通信を禁止する一方で、双方から制限付きで通信できる別ネットワークを設定した。この手法で、アクセス制限(セキュリティ)と接続性(利便性)の両立を図っている。また、J-PARC加速器制御システムのセキュリティ運用について説明する。オフィスネットワークからのウィルス感染を防ぐための複数のアクセス制限や、アンチウィルスソフトの端末への適用状況について解説する。
山田 進; 今村 俊幸*; 町田 昌彦
Lecture Notes in Computer Science 10776, p.243 - 256, 2018/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01本発表は科学研究費補助金(科研費)研究の一環として実施した量子問題計算に現れる大規模な対称疎行列であるハミルトニアン行列の複数の固有値および固有ベクトルを計算する際に用いる省通信ノイマン展開前処理の有効性についての報告である。具体的な成果は、ハミルトニアン行列の複数の固有値とそれに対応する固有ベクトルをLOBPCG法を用いて反復計算する際の収束性を向上させるための新規の前処理方法を提案し、実際の計算から既存の方法よりも短時間で計算できることを示したことである。さらに、問題の物理的性質を利用して前処理計算の通信回数を減少させるアルゴリズムを提案し、原子力機構のスパコンSGI ICEXおよび理化学研究所の京スパコンの数千コアを用いた並列計算において、高速化が実現することを確認した。この成果は、量子計算の高速計算だけでなく、今後大規模化していく並列計算機の有効利用に資する成果でもある。
井戸村 泰宏; 伊奈 拓也*; 真弓 明恵; 山田 進; 今村 俊幸*
Lecture Notes in Computer Science 10776, p.257 - 273, 2018/00
被引用回数:2 パーセンタイル:54.57前処理付チェビシェフ基底省通信共役勾配(P-CBCG)法を多相熱流体CFDコードJUPITERにおける圧力ポアソン方程式に適用し、8,208台のKNLプロセッサを搭載したOakforest-PACS上で計算性能と収束特性を前処理付共役勾配(P-CG)法や前処理付省通信共役勾配(P-CACG)法と比較した。P-CBCG法は収束特性のロバースト性を維持しつつ集団通信回数を削減する。このロバースト性向上により、P-CACG法と比べて一桁以上大きい省通信ステップ数を実現する。2,000プロセッサを用いた場合、P-CBCG法はP-CG法, P-CACG法と比べてそれぞれ1.38倍, 1.17倍高速であることを示した。