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論文

長期間使用された原子炉配管の耐震安全性評価手法の開発

山口 義仁; Li, Y.

配管技術, 63(12), p.22 - 27, 2021/10

東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ、原子力発電所に対する地震を起因とした確率論的リスク評価(PRA: Probabilistic Risk Assessment)やリスク情報の活用が重要となっている。地震PRAでは、安全上重要な機器や配管などの地震による損傷確率を考慮して、炉心損傷頻度などが求められる。長期間使用された配管では、経年劣化による亀裂などの発生があり得る。亀裂が発生すれば、配管の破壊強度が低減され、地震時の損傷確率が上昇することとなる。そのため、長期間運転された原子炉を対象に地震PRAを実施する際には、経年劣化が機器の損傷確率に及ぼす影響を考慮することが重要である。著者らは、経年劣化の影響に加えて、地震による亀裂進展や破壊を考慮することで、長期間使用された原子炉配管の損傷確率を算出できる解析コードを開発し、妥当性の確認を経て公開した。また、地震による損傷確率を求めるための手順や推奨される手法やモデル,技術的根拠などを取りまとめた評価要領を世界に先駆けて整備し公開した。本論文では、開発した解析コード及び評価要領について説明する。

論文

Development of guideline on seismic fragility evaluation for aged piping

山口 義仁; 勝山 仁哉; 眞崎 浩一*; Li, Y.

Proceedings of ASME 2021 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2021) (Internet), 9 Pages, 2021/07

地震を起因とした確率論的リスク評価は、原子力発電所の耐震安全性を評価するための重要な手法の一つである。この評価では、地震ハザード,地震フラジリティ及び事故シーケンス評価から炉心損傷頻度が求められる。地震フラジリティ評価に着目すると、亀裂や減肉が発生している経年配管に対する評価には、確率論的破壊力学を適用した評価手法が有効であると考えられる。本研究では、長期間運転した原子力発電所を対象とした確率論的リスク評価手法の高度化を目的に、経年劣化事象を考慮した原子力発電所の代表的な配管系を対象とした地震フラジリティ評価に関する評価要領を整備した。本論文では、評価要領の概要と、評価要領に基づき確率論的破壊力学解析コードを用いた地震フラジリティ評価事例を紹介する。

論文

Pilot study on seismic fragility evaluation for degraded austenitic stainless steel piping using the probabilistic fracture mechanics code PASCAL-SP

東 喜三郎*; 山口 義仁; Li, Y.

Proceedings of ASME 2021 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2021) (Internet), 7 Pages, 2021/07

Seismic probabilistic risk assessment is a standard methodology to quantify the risk of earthquakes including beyond-design-basis levels. The quality of fragility analysis is one of the major factors that affect the results of seismic probabilistic risk assessments. A previous study revealed that component degradation could affect seismic fragility. In practice, inspection and maintenance programs are implemented to control an undesirable effect of the degradation such as stress corrosion cracking. However, the relation between seismic fragility of degraded component and inspection, maintenance, and mitigation models has not been thoroughly discussed so far. This study discussed the effect of inspection and maintenance on seismic fragility of austenitic stainless steel piping susceptible to stress corrosion cracking. Failure probability was calculated by using a probabilistic fracture mechanics code. The results indicated that the adverse effects of stress corrosion cracking on failure probability could be controlled at a relatively low level if inspection, maintenance, and mitigation measures were implemented properly.

報告書

経年配管を対象とした地震フラジリティ評価要領(受託研究)

山口 義仁; 勝山 仁哉; 眞崎 浩一*; Li, Y.

JAEA-Research 2020-017, 80 Pages, 2021/02

JAEA-Research-2020-017.pdf:3.5MB

国内では、安全性向上評価に関する運用ガイドが施行されている。原子力発電所の地震に対する安全性を評価する手法の一つとして、地震を起因とした確率論的リスク評価(地震PRA)がある。この評価では、地震動の作用に対して建屋や機器が損傷する確率である地震フラジリティ、任意の地震動強さとその強さを超過する頻度との関係である地震ハザード及び事故シーケンスから炉心損傷頻度等が求められる。日本原子力学会が定める地震PRAに関する実施基準では、原子力発電所の長期運転により経年劣化事象を無視できない場合、経年劣化事象による地震応答特性の変化又は耐力の低下を考慮して機器等の地震フラジリティを評価することとなっている。この評価において、原子力発電所の長期運転による亀裂又は配管減肉の発生及び進展が確認されている経年配管を対象とする場合は、確率論的破壊力学(PFM)は有力な評価技術である。長期運転された原子力発電所を対象に地震PRAの高度化を図るために、ここで代表的な配管や部位等を対象に、経年劣化事象を考慮した地震フラジリティ評価のための要領を取りまとめた。本評価要領の目的は、破壊力学等の知見を有する地震フラジリティ評価担当者が、本評価要領を参照しながら、別途公開する亀裂を有する経年配管を対象とした地震フラジリティ評価が可能なPFM解析コードPASCAL-SP及び配管減肉を有する経年配管を対象とした地震フラジリティ評価が可能な確率論的解析コードPASCAL-ECを用いることによって、経年配管に対する地震フラジリティ評価を実施できることである。

報告書

原子炉配管に対する確率論的破壊力学解析コードPASCAL-SP2の使用手引き及び解析手法(受託研究)

山口 義仁; 真野 晃宏; 勝山 仁哉; 眞崎 浩一*; 宮本 裕平*; Li, Y.

JAEA-Data/Code 2020-021, 176 Pages, 2021/02

JAEA-Data-Code-2020-021.pdf:5.26MB

日本原子力研究開発機構では、軽水炉機器の構造健全性評価及び耐震安全性評価に関する研究の一環として、原子炉配管を対象とした確率論的破壊力学(PFM: Probabilistic Fracture Mechanics)解析コードPASCAL-SP(PFM Analysis of Structural Components in Aging LWR - Stress Corrosion Cracking at Welded Joints of Piping)の開発を進めてきた。初版は2010年に公開され、その後もより実用性の高いPFM解析の実現を目的として、最新知見を踏まえて解析対象の拡充や解析手法の高度化等を実施してきた。今般、その成果を反映し、バージョン2.0として公開することとした。最新版では、解析対象の経年劣化事象として、ニッケル合金の加圧水型原子炉一次系水質環境中の応力腐食割れ、ニッケル合金の沸騰水型原子炉環境中の応力腐食割れ、二相ステンレス鋼における熱時効等を新たに加えたほか、最新の応力拡大係数解の導入や溶接残留応力の不確実さ等の評価機能の高度化を行い、より適用範囲が広く信頼性が高い配管の破損確率評価を可能とした。また、経年配管の耐震安全性評価の高度化に資することを目的に、巨大地震を想定した大きな地震応答応力に対応した亀裂進展量評価手法等を導入し、地震フラジリティ評価を可能とした。さらに、確率論的評価に係る影響因子の不確実さを認識論的不確実さと偶然的不確実さに分類し、これらの不確実さを考慮して配管の破損確率の信頼度を評価する機能及びモジュールを新たに整備した。本報告書は、バージョン2.0としてPASCAL-SP2の使用方法及び解析手法をまとめたものである。

論文

Non-invasive imaging of radiocesium dynamics in a living animal using a positron-emitting $$^{127}$$Cs tracer

鈴井 伸郎*; 柴田 卓弥; 尹 永根*; 船木 善仁*; 栗田 圭輔; 保科 宏行*; 山口 充孝*; 藤巻 秀*; 瀬古 典明*; 渡部 浩司*; et al.

Scientific Reports (Internet), 10, p.16155_1 - 16155_9, 2020/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Multidisciplinary Sciences)

Visualizing the dynamics of cesium (Cs) is desirable to understand the impact of radiocesium when accidentally ingested or inhaled by humans. The positron-emitting nuclide $$^{127}$$Cs was produced using the $$^{127}$$I ($$alpha$$, 4n) $$^{127}$$Cs reaction, which was induced by irradiation of sodium iodide with a $$^{4}$$He$$^{2+}$$ beam from a cyclotron. We excluded sodium ions by using a material that specifically adsorbs Cs as a purification column and successfully eluted $$^{127}$$Cs by flowing a solution of ammonium sulfate into the column. We injected the purified $$^{127}$$Cs tracer solution into living rats and the dynamics of Cs were visualized using positron emission tomography; the distributional images showed the same tendency as the results of previous studies using disruptive methods. Thus, this method is useful for the non-invasive investigation of radiocesium in a living animal.

論文

Fatigue crack growth for ferritic steel under negative stress ratio

山口 義仁; 長谷川 邦夫; Li, Y.

Journal of Pressure Vessel Technology, 142(4), p.041507_1 - 041507_6, 2020/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Mechanical)

疲労亀裂進展中における亀裂の開閉口は、亀裂進展速度の評価において重要な現象である。ASME Code Section XIのAppendix A-4300は、負の応力比におけるフェライト鋼の疲労亀裂進展速度を算出する式について、負荷の大きさに応じて二つ提示している。一つは、負荷が小さい場合に、亀裂の閉口を考慮する式である。もう一つは、負荷が大きい場合に、亀裂の閉口を考慮しない式である。本研究では、フェライト鋼に対して、負荷の大きさを徐々に変えながら疲労亀裂進展試験を実施し、負荷の大きさが亀裂閉口に及ぼす影響を調査した。その結果、Appendix A-4300における疲労亀裂進展速度算出式を切り替える負荷の大きさと比較して、より小さい負荷で亀裂が閉口することを明らかにした。

論文

Expansion of high temperature creep test data for failure evaluation of BWR lower head in severe accident

山口 義仁; 勝山 仁哉; 加治 芳行; 逢坂 正彦; Li, Y.

Mechanical Engineering Journal (Internet), 7(3), p.19-00560_1 - 19-00560_12, 2020/06

福島第一原子力発電所の事故の後、原子力機構では、廃止措置等に資するため、圧力容器下部ヘッドの貫通部、スタブ管、溶接部等を含む詳細な3次元有限要素解析モデルを用いてクリープ損傷メカニズムに基づき破損時間や場所を予測する手法の開発を進めている。また、その解析に必要な、既存のデータベースや文献にない融点近傍の高温域における引張特性やクリープ特性の取得も進めている。本研究では、圧力容器下部ヘッドを構成する低合金鋼,ニッケル合金及びオーステナイト系ステンレス鋼に対する単軸引張及びクリープ試験を実施し、既存の材料特性データベースを拡張した。特に、高温かつ長時間のクリープ特性データを非接触型伸び測定機能を有する引張試験機を用いて取得した。また、拡張されたデータベースに基づき、クリープ構成則のパラメータを求め、重大事故時における破損評価の精度向上を図った。

論文

Neutron emission spectrum from gold excited with 16.6 MeV linearly polarized monoenergetic photons

桐原 陽一; 中島 宏; 佐波 俊哉*; 波戸 芳仁*; 糸賀 俊朗*; 宮本 修治*; 武元 亮頼*; 山口 将志*; 浅野 芳裕*

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(4), p.444 - 456, 2020/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:24.18(Nuclear Science & Technology)

兵庫県立大学ニュースバル放射光施設ビームラインBL01において、$$16.6pm0.2$$MeVの単色直線偏光光子ビームを$$^{197}$$Auへ照射したときの中性子放出スペクトルを、飛行時間法により測定した。これより光核反応によって生成される2成分の中性子スペクトルを測定した。このうちの1つ成分(A)は、4MeVまでのエネルギーであり蒸発に類似したスペクトル形状を示した。もう一方の成分(B)は、4MeV以上のエネルギーでありバンプに類似したスペクトル形状を示した。中性子の放出強度において、成分(A)は角度依存は見られなかったが、成分(B)は偏光と検出器方向を成す角度$$Theta$$の関数として、$$a+bcos(2Theta)$$の関係を示すことがわかった。

論文

Crack growth evaluation for cracked stainless and carbon steel pipes under large seismic cyclic loading

山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.; 鬼沢 邦雄

Journal of Pressure Vessel Technology, 142(2), p.021906_1 - 021906_11, 2020/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:34.12(Engineering, Mechanical)

Some Japanese nuclear power plants have experienced several large earthquakes beyond the design basis ground motion. In addition, cracks resulting from long-term operation have been detected in piping systems. Therefore, to assess the structure integrity of cracked pipes taking the occurrence of large earthquakes into account, it is very important to establish a crack growth evaluation method for cracked pipes that are subjected to large seismic cyclic response loading. In our previous study, we proposed an evaluation method for crack growth during large earthquakes through experimental study using small specimens and investigation using finite element analyses. In the present study, to confirm applicability of the proposed method, crack growth tests were conducted on both stainless and carbon steel pipe specimens with a circumferential through-wall crack, considering large seismic cyclic response loading with complex wave forms. The predicted crack growth values are in good agreement with the experimental results and the applicability of the proposed method was confirmed.

論文

A New probabilistic evaluation model for weld residual stress

真野 晃宏; 勝山 仁哉; 宮本 裕平*; 山口 義仁; Li, Y.

International Journal of Pressure Vessels and Piping, 179, p.103945_1 - 103945_6, 2020/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Multidisciplinary)

溶接残留応力(WRS)は、確率論的破壊力学(PFM)に基づく亀裂を有する配管溶接部の破損確率評価において最も重要な影響因子の一つであるとともに、大きな不確実さを有する。既存のPFM解析コードにおけるWRSの確率論的評価モデルでは、有限要素解析から得られる板厚内の複数の離散点におけるWRS値の不確実さが考慮されるが、板厚方向のWRSの分布形状が考慮されないため、板厚内におけるWRS値の相関関係や力のつり合いに関する複雑でユーザー依存の追加処理を行う必要がある。本研究では、より合理的なWRSの確率論的評価モデルとして、有限要素解析に基づくWRS解析結果をフーリエ余弦級数で表現し、WRS分布の不確実さをフーリエ余弦級数の係数の確率分布を用いて表現する確率論的評価モデルを提案した。フーリエ余弦級数の係数は、板厚内の特定位置におけるWRS値の大きさと板厚方向におけるWRSの分布形状の両方を同時に考慮して決定されるため、板厚内におけるWRS値の相関関係や力のつり合いが考慮されている。提案したWRS評価モデルは、解析コードのユーザー依存性がなく、簡単かつ合理的にWRSの不確実さを考慮できるため、PFM解析において有用であると結論した。

論文

Improvement of probabilistic fracture mechanics analysis code PASCAL-SP with regard to PWSCC

真野 晃宏; 山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.

Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 5(3), p.031505_1 - 031505_8, 2019/07

亀裂を有する原子力構造物の健全性評価には、決定論的な破壊力学に基づく手法が用いられている。一方で、影響因子の不確実性の考慮及び構造物の破損確率の定量評価が可能であるという理由から、確率論的破壊力学(PFM)に基づく手法の実用性が期待されている。原子力機構ではこれまでに、沸騰水型原子炉水質環境中における粒界型応力腐食割れや疲労等の経年事象を考慮した原子力配管の破損確率の評価を目的として、PFM解析コードPASCAL-SPの開発を進めてきた。近年国内では加圧水型原子炉一次系水質環境中応力腐食割れ(PWSCC)に起因する亀裂がニッケル合金溶接部において確認されていることを踏まえ、その構造健全性評価が重要となっている。本論文はPWSCCを考慮した一次系配管の評価を目的として、PASCAL-SPに整備した機能について示すものである。PWSCCに関連する確率論的評価モデルとして、亀裂の発生、進展、貫通亀裂からの漏えい量の評価及び非破壊検査による亀裂の検出等のモデルを整備した。また、解析コードによる応力拡大係数の計算精度の向上を図った。評価事例としてPWSCCに起因する周方向及び軸方向亀裂を有するニッケル合金溶接部を対象とした破損確率の評価を示した。加えて、非破壊検査及び漏えいの検知が破損確率に及ぼす影響を評価した。評価結果を踏まえて、改良したPASCAL-SPがPWSCCを考慮した一次系配管の破損確率評価に有用であると結論付けた。

論文

Expansion of high temperature creep test data for failure evaluation of BWR lower head in a severe accident

山口 義仁; 勝山 仁哉; 加治 芳行; 逢坂 正彦; Li, Y.

Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 7 Pages, 2019/05

福島第一原子力発電所の事故の後、原子力機構では、廃止措置等に資するため、圧力容器下部ヘッドの貫通部,スタブ管,溶接部等を含む詳細な3次元有限要素解析モデルを用いてクリープ損傷メカニズムに基づき破損時間や場所を予測する手法の開発を進めている。また、その解析に必要な、既存のデータベースや文献にない融点近傍の高温域における引張特性やクリープ特性の取得も進めている。本研究では、圧力容器下部ヘッドを構成する低合金鋼、ニッケル合金及びオーステナイト系ステンレス鋼に対する単軸引張及びクリープ試験を実施し、既存の材料特性データベースを拡張した。特に、高温かつ長時間のクリープ特性データを非接触型伸び測定機能を有する引張試験機を用いて取得した。また、拡張されたデータベースに基づき、クリープ構成則のパラメータを求め、重大事故時における破損評価の精度向上を図った。

論文

Crack growth prediction for cracked dissimilar metal weld joint in pipe under large seismic cyclic loading

山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.

Proceedings of 2018 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2018), 8 Pages, 2018/07

設計上の想定を超える地震荷重下における亀裂を有する配管の構造健全性を評価するためには、地震時の亀裂進展評価手法が必要である。本研究では、ニッケル合金の異材溶接部を対象として、まず、中央亀裂付平板試験片を用いた実験的及び解析的検討を通じて地震時亀裂進展評価手法を提案した。そして、ステンレス鋼管と炭素鋼管をニッケル合金で溶接した異材溶接配管試験体を製作し、この試験体に模擬地震応答荷重を負荷することによる亀裂進展試験を実施することで、試験と提案手法から得られた亀裂進展量を比較した。提案手法により予測された亀裂進展量は試験結果とよく一致し、提案手法の妥当性が確認された。

論文

Fatigue crack growth for ferritic steel under negative stress ratio

山口 義仁; 長谷川 邦夫; Li, Y.

Proceedings of 2018 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2018), 6 Pages, 2018/07

疲労亀裂進展中における亀裂の開閉口は、亀裂進展速度の評価において重要な現象である。ASME Code Section XIのAppendix A-4300は、負の応力比におけるフェライト鋼の疲労亀裂進展速度を算出する式について、負荷の大きさに応じて二つ提示している。一つは、負荷が小さい場合に、亀裂の閉口を考慮する式である。もう一つは、負荷が大きい場合に、亀裂の閉口を考慮しない式である。本研究では、フェライト鋼に対して、負荷の大きさを徐々に変えながら疲労亀裂進展試験を実施し、負荷の大きさが亀裂閉口に及ぼす影響を調査した。その結果、Appendix A-4300における疲労亀裂進展速度算出式を切り替える負荷の大きさと比較して、より小さい負荷で亀裂が閉口することを明らかにした。

論文

Creep deformation analysis of a pipe specimen based on creep damage evaluation method

勝山 仁哉; 山口 義仁; Li, Y.

Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 6 Pages, 2018/07

過酷な条件下における原子炉機器の破損挙動を評価するための手法の整備が重要となっている。我々は、有限要素法を用いて、高温下における機器のクリープ変形及び損傷挙動を評価するための手法の整備を進めている。本研究では、COSSALベンチマーク解析の一環として、我々が整備したクリープ損傷評価手法の検証を行うことを目的に、大型管状試験体に対する損傷評価を行った。その結果、材料の損傷を考慮したクリープ構成則が最も精度がよいことなどを示した。

論文

負荷履歴の影響を考慮した地震時亀裂進展評価手法の検討

山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.

溶接構造シンポジウム2017講演論文集, p.21 - 27, 2017/12

設計上の想定を超える地震動による応答荷重における亀裂進展を評価するためには、荷重条件が小規模降伏条件を超える可能性や、荷重振幅の大きさが不規則に変化することを考慮する必要がある。特に、大きな卓越荷重を受けた後の亀裂進展では、負荷履歴による亀裂前縁応力分布の変化や亀裂鈍化の影響を考慮することが重要である。本研究では、地震動による応答荷重を単純化した卓越荷重を含む繰返し荷重による亀裂進展試験や試験を模擬した有限要素解析を実施し、亀裂進展に及ぼすこれらの影響を評価した。また、これらの評価を踏まえ、亀裂前縁応力分布の変化や亀裂鈍化の影響を考慮した地震時亀裂進展評価手法を提案した。さらに、模擬地震応答荷重負荷による亀裂進展試験を実施し、測定した亀裂進展量と提案した手法によるその予測値を比較することで、提案した手法の妥当性を確認した。

論文

An Application of the probabilistic fracture mechanics code PASCAL-SP to risk informed in-service inspection for piping

真野 晃宏; 山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.

Proceedings of Asian Symposium on Risk Assessment and Management 2017 (ASRAM 2017) (USB Flash Drive), 12 Pages, 2017/11

米国等では原子力発電所の配管系を対象として、リスク情報を活用した供用期間中検査(RI-ISI)が広く実施されている。Westinghouse Owners Groupが開発したRI-ISI手法では、配管系をセグメントに区分し、非破壊試験を考慮した配管セグメントの漏えい頻度に基づいて、試験程度を決定する。配管セグメントの漏えい頻度の評価には、試験における亀裂の検出確率を亀裂寸法によらず一定値とみなす等の仮定に基づく統計モデルが用いられている。一方で、確率論的破壊力学(PFM)解析では、現実に即した亀裂検出確率評価モデルにより、詳細に漏えい頻度を評価可能である。原子力機構では、経年事象や非破壊試験等を考慮して配管セグメントの漏えい頻度を評価可能なPFM解析コードPASCAL-SPを開発している。本研究では、PASCAL-SPを用いて、試験チームの熟練度、試験時期及び補修範囲の考え方について異なる条件の下でセグメントの漏えい頻度及び試験程度を評価した。その結果、試験程度を現実に即して柔軟に評価できることから、PASCAL-SPはRI-ISIにおける有効なツールであると結論付けた。

論文

Creep damage evaluations for BWR lower head in severe accident

勝山 仁哉; 山口 義仁; 根本 義之; 加治 芳行; 逢坂 正彦

Transactions of 24th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-24) (USB Flash Drive), 11 Pages, 2017/08

東京電力福島第一原子力発電所のような沸騰水型原子炉(BWR)のRPV下部ヘッドは、形状が複雑で多数の制御棒案内管が存在するため、その破損挙動は複雑である。そこで我々は、重大事故時のBWR下部ヘッド破損について、クリープ損傷機構を考慮した熱流動構造連成解析に基づく評価手法を整備した。本研究では、事故シナリオの違いを想定し、溶融デブリの深さや発熱位置の違いが破損位置に及ぼす影響について評価した。その結果、BWR下部ヘッドの破損やデブリの流出は、貫通部における制御棒案内管やスタブ管で生じることを示した。

論文

Improvement of probabilistic fracture mechanics analysis code PASCAL-SP with regard to primary water stress corrosion cracking

真野 晃宏; 山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.

Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 7 Pages, 2017/07

亀裂を有する原子力構造物の健全性評価には、決定論的な破壊力学に基づく手法が用いられている。一方で、影響因子の不確実性の考慮及び構造物の破損確率の定量評価が可能であるという理由から、確率論的破壊力学(PFM)に基づく手法の実用性が期待されている。原子力機構ではこれまでに、沸騰水型原子炉水質環境中における粒界型応力腐食割れや疲労等の経年劣化事象を考慮した原子力配管系の破損確率の評価を目的として、PFM解析コードPASCAL-SPの開発を進めてきた。近年国内では加圧水型原子炉一次系水質環境中応力腐食割れ(PWSCC)に起因する亀裂がニッケル合金溶接部において確認されていることから、その構造健全性評価が重要となっている。本論文は、PWSCCを考慮した一次系配管の評価を目的としたPASCAL-SPの改良について示すものである。PWSCCに関連する確率論的評価モデルとして、亀裂の発生、進展及び非破壊検査による亀裂の検出等のモデルを整備した。また、応力拡大係数の計算精度の向上を図った。評価事例としてPWSCCに起因する周方向及び軸方向亀裂を有するニッケル合金溶接部を対象とした破損確率の評価を示した。加えて、非破壊検査が破損確率に及ぼす影響を評価した。評価結果を踏まえて、改良したPASCAL-SPがPWSCCを考慮した一次系配管の破損確率評価に有用であると結論付けた。

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