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角田 淳弥; 柴田 大受; 藤田 一郎*; 國本 英治*; 山地 雅俊*; 衛藤 基邦*; 小西 隆志*; 沢 和弘
Nuclear Engineering and Design, 271, p.314 - 317, 2014/05
被引用回数:13 パーセンタイル:68.22(Nuclear Science & Technology)本研究では、材料特性評価手法の開発及び重照射下でのIG-430の照射による特性変化を評価することを目的として、IG-430の弾性係数に及ぼす酸化及び緻密化の効果を調べた。また、X線CT画像に基づくIG-430の微細構造と材料特性の関係を調べた。その結果、緻密化した黒鉛の弾性係数は開気孔のみに依存すること及びX線CTを用いた材料特性評価が可能であることが分かった。しかし、高酸化度及び照射した材料を均質化法で評価する場合には、結晶粒中の閉気孔の数や形状を考慮する必要がある。
藤田 一郎*; 衛藤 基邦*; 大崎 弘貴; 柴田 大受; 角田 淳弥; 小西 隆志; 山地 雅俊; 國本 英治
JAEA-Research 2013-004, 20 Pages, 2013/07
高温ガス炉や第四世代の超高温ガス炉(VHTR)の炉心構造物には黒鉛が使用される。黒鉛は高温において炉内の冷却材ヘリウムガス中の不純物や空気侵入事故時の酸素ガス等により酸化する恐れがある。このため、黒鉛の酸化特性及びそれに伴う機械的特性の変化を評価しておくことが重要である。本研究では、高温ガス炉(VHTRを含む)用の材料であるIG-110及びIG-430黒鉛の520-900Cにおける空気酸化特性及び酸化に伴う圧縮強度の変化について調べ、以下の結論を得た。(1)IG-430の酸化速度はIG-110の半分以下であるが、活性化エネルギーはほぼ同じ176kJ/molである。(2)酸化による密度分布と圧縮強度の変化には相関があり、同一の酸化重量変化においては、均一酸化が生じる600C以下で強度が最も小さくなる。(3)酸化の進行過程においては、黒鉛試験片内のバインダー由来の結晶性の悪い部分から優先的に酸化が進行する。そのため、酸化消耗については、ガス化以外に、コークス粒子が脱離する影響も考慮する必要がある。
角田 淳弥; 柴田 大受; 藤田 一郎*; 國本 英治*; 山地 雅俊*; 衛藤 基邦*; 小西 隆志*; 沢 和弘
Proceedings of 6th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2012) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2012/10
本研究では、材料特性評価手法の開発及び重照射下でのIG-430の照射による特性変化を評価することを目的として、IG-430の弾性係数に及ぼす酸化及び緻密化の効果を調べた。また、X線CT画像に基づくIG-430の微細構造と材料特性の関係を調べた。その結果、緻密化した黒鉛の弾性係数は開気孔のみに依存すること及びX線CTを用いた材料特性評価が可能であることがわかった。しかし、高酸化度及び照射した材料を均質化法で評価する場合には、結晶粒中の閉気孔の数や形状を考慮する必要がある。
角田 淳弥; 柴田 大受; 國本 英治*; 山地 雅俊*; 小西 隆志*; 沢 和弘
IOP Conference Series; Materials Science and Engineering, 18(16), p.162012_1 - 162012_4, 2011/09
被引用回数:1 パーセンタイル:51.54(Materials Science, Ceramics)炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)は、その強度及び耐熱性が優れていることからVHTR制御棒要素の候補材の一つである。2次元C/Cコンポジットの特性評価モデルの開発は、C/Cコンポジット製制御棒の設計において最も重要な課題の一つである。2次元C/Cコンポジットの特性は、繊維/マトリックス等の微細構造に強く依存するので、その微細構造から特性を評価することが可能であると考えられる。本研究では、2次元C/Cコンポジットの微細構造をもとにした特性予測開発モデルを開発することを目的として、X線CT像を用いて気孔分布を調べ、微細構造に基づくモデルを開発した。また、圧縮強度を測定するとともにモデルを用いて評価した。その結果、X線CT像から2次元C/Cコンポジットの気孔分布を視覚的に確認し、その容積や形状を評価することができた。また、本モデルを用いて2次元C/Cコンポジットの応力分布傾向を摸擬することが有用であることを示した。しかしながら、正確に応力の大きさを評価するためには、2次元C/Cコンポジットの特性評価及び適切なメッシュの設定が必要である。
角田 淳弥; 柴田 大受; 國本 英治*; 山地 雅俊*; 小西 隆志*; 沢 和弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 47(4), p.411 - 420, 2010/04
被引用回数:4 パーセンタイル:29.83(Nuclear Science & Technology)2次元炭素繊維強化炭素複合材料(2D-C/Cコンポジット)は、高温下でも高い強度を維持するなど優れた機械的・熱的特性を有しており、超高温ガス炉(VHTR)の炉内構造物、例えば制御棒要素等の候補材の一つである。VHTRの炉内構造物として適用するうえで、2D-C/Cコンポジットの異方性がその特性に与える影響を明らかにしておくことが重要である。特に、2D-C/Cコンポジットの熱特性はその微細構造に強く依存するため、特性変化と微細構造変化の関係を明らかにするためには内部の微細構造を調べる必要がある。本研究では、X線トモグラフィーを用いて酸化した2D-C/Cコンポジットの層間ボイドやトランスバースクラックを明瞭に観察し、酸化した2D-C/Cコンポジットの熱伝導率変化及び熱膨張率変化と酸化率の関係が、繊維の向きごとに経験式を用いて表すことができることを明らかにして、異方性による特性の違いが黒鉛の結晶構造の向きと2D-C/Cコンポジットの微細構造の変化により説明できることを示した。
馬場 信一; 山地 雅俊*; 松井 義典; 石原 正博; 沢 和弘
JAEA-Technology 2007-012, 142 Pages, 2007/03
熱勾配下における円筒形状C/C複合材料の照射クリープを調べるために材料試験炉(JMTR)において照射試験を行った。本報告書は四項目から構成される。第一に、照射試験用キャプセルの設計/照射試験データの解析、第二に円筒形状C/C複合材料供試料の製作に起因する残留応力の照射前測定の結果を記述した。第三に照射後の円筒試料破断時非接触寸法測定手法の検討、最後にVIENUSコードによる熱勾配下照射クリープ評価手法について記述した。
石原 正博; 山地 雅俊*; 馬場 信一; 塙 悟史
Key Engineering Materials, 297-300, p.201 - 206, 2005/11
炭素繊維強化炭素複合材料(C/C複合材)は高温耐熱性に優れ、原子力分野でも高温ガス炉用材料や核融合炉材料としての利用が期待されている。C/C複合材料のうち、PAN系二次元C/C複合材料(2D-C/C複合材料)がその特性及びコストの観点から最も有望視されており、原子力分野への適用を念頭に各種強度特性データなども取得されはじめている。C/C複合材料の構造材への適用を考えた場合、座屈破壊の防止は重要な検討項目の一つであるが、C/C複合材料の座屈破壊に関する研究は皆無の状態である。そこで本研究では、試験片のアスペクト比を変えた2D-C/C複合材料の座屈試験を行うとともにSEMによる破面観察を行った。検討の結果、2D-C/C複合材料の座屈には三つのモードが存在することが明らかとなり、それらは等方性材料などに一般的に用いられるオイラーの理論では説明できないものであった。
柴田 大受; 角田 淳弥; 馬場 信一; 山地 雅俊*; 石原 正博; 伊与久 達夫; 辻 延昌*
Key Engineering Materials, 297-300, p.728 - 733, 2005/11
熱・機械的特性に優れるセラミックス材料は、高温ガス炉の炉内構造物への適用が期待されている。結晶粒径を微細化した3モル%イットリア含有正方晶ジルコニア多結晶体(3Y-TZP)セラミックスは、高温での超塑性現象を利用した圧延加工が可能であり有望な材料であるが、強度に関するデータは炉内構造物へ適用するために必要な設計基準を作るうえでは十分でない。本研究では、3Y-TZPセラミックスについて、室温で引張り,曲げ,圧縮試験を実施し、得られた強度データに基づき設計基準の概念検討を行った。その結果、平均の引張り強度は曲げ強度よりかなり小さく、応力条件下での正方晶から単斜晶への相変体機構を考慮することが重要であることを示した。また、得られた強度データをWeibull理論により確率論的に検討し、ジルコニア製構造物に対する設計基準の概念を提案した。
馬場 信一; 根本 誠*; 相沢 静男; 山地 雅俊*; 石原 正博; 沢 和弘
JAERI-Tech 2005-055, 157 Pages, 2005/09
高温工学試験研究炉(HTTR)を用いた高温工学に関する先端的基礎研究の課題の1つとして「耐熱セラミックス複合材料の照射損傷効果に関する研究」のため、材料試験炉を用いて一連の予備照射試験を進めている。本報告は、このうちの第2次及び第3次の照射試験について記載したものである。両試験の照射温度は973K-1173K及び1273K-1473K,高速中性子照射量110m( E1MeV)の照射条件のもとで行った試料について、直径寸法の基本統計値,寸法変化及び熱膨張率の結果について報告する。
馬場 信一; 山地 雅俊*; 柴田 大受; 石原 正博; 沢 和弘
JAERI-Tech 2005-002, 83 Pages, 2005/02
高温工学に関する材料系科学技術分野において、将来の技術革新の契機となる各種新技術の創製に大きな貢献が期待される先端的基礎研究について、高温工学試験研究炉(HTTR)を用いて行うことが重要と考えられる。HTTR利用検討委員会において選定された8つの研究課題について、先端的基礎研究用セラミックス材料の予備照射試験が、平成6年度以来JMTRにおいて実施されてきた。本報告はこれまでに実施してきた照射試験の内容についての照射実績(照射量,温度)及び装荷試料について記述するとともに、照射挙動を明らかにするために使用した試験装置等の仕様・性能についても記述した。
馬場 信一; 柴田 大受; 山地 雅俊*; 角田 淳弥; 石原 正博; 本橋 嘉信*; 沢 和弘
日本機械学会関東支部茨城講演会(2004)講演論文集(No.040-3), p.61 - 62, 2004/09
高温ガス炉への応用が期待されている超塑性セラミックスについて、3mol%イットリア含有正方晶ジルコニア多結晶体(3Y-TZP)を用いて、炉内構造物としての健全性を評価するうえで必要となる室温における曲げ及び圧縮強さを調べ、Weibull強度理論による強度特性を検討した結果、以下の結論を得た。(1)3点曲げ強さで得られた応力-ひずみ曲線はほぼ直線性を示し、弾性体の挙動が認められた。一方、圧縮試験で得られた応力-変位の関係には非線形性が認められた。(2)3点曲げ強さの支点間距離(スパン)依存性の実験結果は、Weibull強度理論による予測値とほぼ一致する。(3)曲げ弾性率と圧縮弾性率はほぼ一致する。また、スパン長さに比例して曲げ弾性率は低下する。(4)曲げ強度及び圧縮強度ともにWeibull確率分布によく適合し、Weibull係数mは曲げ及び圧縮でそれぞれ9.5及び26.5である。
柴田 大受; 馬場 信一; 山地 雅俊*; 角田 淳弥; 石原 正博
日本機械学会M&M2004材料力学カンファレンス講演論文集, p.407 - 408, 2004/00
高温ガス炉の炉内構造材として有望である2次元C/C複合材について、その健全性を評価する設計手法を確立するため、クリープの発現を含めた高温変形特性について調べ以下の結論を得た。(1)室温での引張り試験により、クリープ条件を調べるうえで基準とする室温引張り強さを160MPaと評価した。データの偏差は、炭素繊維の方向と試験片平行部の方向とのずれに関連することを示した。(2)800Cでの高温変形試験において、室温引張強さの80%の応力では300時間では有意な変形挙動は見られなかった。また、95%の応力では、一般的なクリープ変形に似た時間に伴うひずみの増加挙動を示し、約10時間後に破断した。室温で同じ応力を加えた試験では変形を生じていないことから、高温での変形は温度による効果で発現したと考えられる。(3)高温変形破断後の試験片断面の状態から、繊維の引き抜きを伴う擬似クリープが生じたと考えられた。また、破壊の起点の一つとして、C/C材の製造時にマトリックス部に生じる残留気孔が関与していると推測される。C/C複合材を用いた炉内構造物の製作にあたっては、残留気孔の影響に注意すべきである。
大島 武; 森下 憲雄; 神谷 富裕; 磯谷 順一*; 馬場 信一; 相原 純; 山地 雅俊*; 石原 正博
Proceedings of OECD/NEA 3rd Information Exchange Meeting on Basic Studies in the Field of High Temperature Engineering (OECD/NEA No.5309), p.197 - 202, 2004/00
炭化ケイ素(SiC)の高温中性子転換ドーピング技術の確立のために、JMTRにより1200Cで中性子線照射した六方晶SiCの電気特性をHall測定により調べた。試料は中性子照射後に1600から1800Cの範囲で熱処理を行った。その結果、1700Cまでの熱処理ではp型伝導であったのに対し、1800C熱処理後にはn型を示し、中性子転換ドーピングにより生成されたリンドナーが電気的に活性化することが明らかとなった。また、SiC中のリンの検出方法を確立するために電子スピン共鳴(ESR)によるリンドナーの探索を行った。Cの超微細相互作用を詳細に調べた結果、P, Pのリンドナーに起因する二つのシグナルの観察に成功した。
曽我部 敏明; 石原 正博; 馬場 信一; 橘 幸男; 山地 雅俊*; 伊与久 達夫; 星屋 泰二*
Materials Science Research International, 9(3), p.235 - 241, 2003/09
2D-C/C複合材料は、次期の高温ガス炉(HTGRs)の炉心材料として有力な候補材の一つである。2D-C/C複合材料の空気酸化が、熱拡散率に及ぼす影響について検討した。熱拡散率は、室温から1673Kまで測定した。本2D-C/C複合材料は、PAN系の炭素繊維の二次元クロスと黒鉛マトリックスからなる。熱拡散率測定用の試験片は、この材料を823Kの大気中で1から11パーセントの間で重量減少させて製作した。酸化消耗は、マトリックス部分とりわけ炭素繊維束に近い部分から優先的に起こった。11パーセントまでの酸化消耗による室温での熱拡散率の減少率は、クロスの積層方向に平行方向では1020パーセント、垂直方向では59パーセントであった。クロスの積層方向に平行方向では、酸化消耗が進むにしたがって熱拡散率が減少する傾向を示したが、垂直方向では酸化の初期に熱拡散率が低下しその後あまり変化しない傾向を示した。この違いについては、複合材料の構造と酸化挙動から検討した。熱伝導率も得られた熱拡散率の値から求めた。
曽我部 敏明; 石原 正博; 馬場 信一; 小嶋 崇夫; 橘 幸男; 伊与久 達夫; 星屋 泰二; 平岡 利治*; 山地 雅俊*
JAERI-Research 2002-026, 22 Pages, 2002/11
高温工学に関する先端的基礎研究のうち、高温ガス炉技術の高度化のための原子炉要素技術の研究開発として炭素繊維強化炭素複合材料(C/C複合材料)製制御棒被覆管の研究開発を進めている。また、実用化に反映可能となる物性予測,評価に関する基礎的な研究を「耐熱セラミックス複合材料の照射損傷機構に関する予備試験」の一環として進めている。本報告は、これまで行ってきたC/C複合材料に関する研究開発についてまとめたものである。開発に当たっては、材料特性,構造物の製作可能性,安定供給性,コストなどを考慮し、C/C複合材料の試作・検討により有望な材料を開発した。材料特性としては、引張強さや曲げ強さ等の機械的強度が高いこと、破断ひずみが大きくかつ靭性が高いこと、中性子照射に対して寸法変化が少なく安定性が高いこと等を考慮している。その結果、炭素繊維としてポリアクリロニトリル系の平織りクロス,マトリックス材としてピッチを用い、さらに耐照射損傷性を高めるための特別な熱処理及び原子炉級に不純物を除去する高純度化を施した2次元炭素繊維強化炭素複合材料(2D-C/C複合材料)を開発した。
角田 淳弥; 柴田 大受; 藤田 一郎; 山地 雅俊; 衛藤 基邦*; 小西 隆志; 沢 和弘
no journal, ,
超高温ガス炉(VHTR)は、高温のヘリウムガスを炉外に取り出すことができ、固有の安全性を有しており、第4世代原子力システムの有力な候補である。VHTRの制御棒要素には優れた耐熱性及び安定性が要求されるため、炭素繊維強化炭素複合材料(C/C複合材)は、金属材料に代わる候補材料である。しかし、C/C複合材製の制御棒は、原子炉の運転時に1次冷却材ヘリウムガス中の極微量の不純物により徐々に酸化の影響を受け、また、空気侵入事故には短時間で酸化するため、C/C複合材の材料特性に対する酸化効果を評価することが重要である。本研究では、2次元C/C複合材であるCX-270G(東洋炭素製)を対象とし、引張強度,曲げ強度,層間せん断強度及びヤング率に及ぼす酸化の影響を評価した。その結果、酸化によるCX-270Gの材料特性の変化は、酸化による重量減少率を用いて指数関数的に表せることを明らかとした。また、CX-270Gの取得したデータを用いてVHTR制御棒構造の応力解析を実施した結果、発生する熱応力の最大値は材料強度より十分小さく、強度の観点からC/C複合材製の制御棒の成立性に見通しを得た。
角田 淳弥; 柴田 大受; 藤田 一郎; 國本 英治; 山地 雅俊; 衛藤 基邦*; 小西 隆志; 沢 和弘
no journal, ,
高温のヘリウムガスを炉外に取り出すことができ、固有の安全性を有する超高温ガス炉(VHTR)は、第4世代原子力システムの有力な候補である。VHTRの炉内構造物には黒鉛が用いられるため、空気浸入事故においては黒鉛が十分な耐酸化性を有していることが重要である。HTTRで用いられているIG-110黒鉛と、新たなIG-430黒鉛は、高い強度と耐酸化性を有しており、VHTRの炉内黒鉛構造物に用いる有力な候補材である。X線CT法は、黒鉛の微細構造(結晶粒,気孔)を測定することができるため、黒鉛の酸化による微細構造の変化を調べることで、酸化損傷を評価することが可能である。本研究では、IG-110黒鉛及びIG-430黒鉛の酸化速度を測定し、酸化後の黒鉛についてX線CT法を用いて黒鉛の微細構造を観察するとともに、ヤング率,熱膨張係数データを取得した。その結果、IG-430黒鉛がより優れた耐酸化性を有することを示すとともに、X線CT法が黒鉛の材料特性の評価に有効であり今後照射特性を評価するうえで有効であることを明らかにした。
柴田 大受; 國本 英治; 角田 淳弥; 山地 雅俊*; 小西 隆志*; 沢 和弘
no journal, ,
第4世代原子力システムにおける超高温ガス炉(VHTR)は炉外に約950Cの高温のヘリウムガスを供給できる高温ガス炉である。日本の高温工学試験研究炉(HTTR)の炉内構造物には、微粒等方性のIG-110黒鉛(東洋炭素製)が使われており、高温ガス炉への応用が実証された黒鉛であり、VHTRの炉内黒鉛の主要な候補である。HTTRのための日本の黒鉛設計方針等ではIG-110黒鉛を炉内構造物に応用するうえでの基準が示されており、特性データ,酸化効果,照射効果等が含まれている。また、IG-110黒鉛の構造物試験の結果を反映している。したがって、IG-110黒鉛に対する黒鉛設計方針等は、必要な修正を行うことでVHTRの炉内黒鉛構造物へ適用可能であり、そのためにはVHTR条件におけるIG-110黒鉛の設計データの確立が重要な課題の一つである。VHTRの黒鉛構造物はHTTRよりも高照射量にさらされるため、高温・重照射における照射データの取得が重要であるが、照射データの内外挿方法の開発により、設計データの構築に役立てることが可能である。本研究は、IG-110黒鉛のVHTR炉内構造物への応用のための研究開発課題について取りまとめた結果を発表する。
角田 淳弥; 大崎 弘貴*; 國本 英治*; 山地 雅俊*; 小西 隆志*
no journal, ,
黒鉛材料は、黒鉛減速ヘリウムガス冷却高温ガス炉(HTGR)の炉内構造物使用される。高温ガス炉は、高温のヘリウムガスを取り出すことが可能で、固有の安全性を有する魅力的な原子炉である。高温ガス炉の炉心を支える炉心支持黒鉛構造物は、高温ガス炉で最も苛酷事象である空気(水)侵入事故において、高い安全性を確保する観点から、炉心の形状を維持し、炉心の冷却を可能にするため、耐酸化性が要求される。そのため、耐酸化性能に優れた黒鉛を開発することにより、高温ガス炉の安全性をさらに高めることが可能になる。ボロン添加黒鉛は、耐酸化性を向上させた黒鉛の候補材料であり、これまで酸化時にBCからBOに変化し、酸化の進行を防ぐことが報告されているが、ボロン添加黒鉛を炉心支持黒鉛構造物に使用するためには、その酸化メカニズムを理解する必要がある。本研究では、ボロン添加黒鉛(GB-210)について、酸化試験, 曲げ強度及び表面観察の結果から、酸化のメカニズムを定性的に評価した結果を報告する。
國本 英治*; 角田 淳弥; 大崎 貴士*; 大崎 弘貴*; 山地 雅俊*; 小西 隆志*
no journal, ,
黒鉛材料は黒鉛減速ヘリウムガス冷却炉である高温ガス炉(HTGR)の内部構造材として使用されている。高温ガス炉は、高温のヘリウムガスを取り出すことができ、また固有の安全特性を有することが大きな特徴である。そして、超高温ガス炉(VHTR)はGeneration-IV核原子炉システムとして最も有力な候補の一つである。IG-110黒鉛は、高強度で耐酸化特性に優れていることから、原子力機構のHTTR、中国のHTR-10で使用されている。さらに、IG-110黒鉛は高い品質安定性と長期にわたる安定的な供給が可能なことからもVHTRの内部構造材の主要な候補とされている。黒鉛構造部材の安全性を高めるためには、より高強度で耐酸化特性に優れた黒鉛が要求される。IG-430はIG-110よりも高強度で耐酸化特性に優れているため、次期候補材料と考えている。しかし、新材料であるIG-430は、原子炉設計に用いられる十分なデータベースが整っていない。そこで、設計に必要な機械的強度特性、熱特性、照射特性についてデータベースの整備を行っている。本研究では、IG-430の引張強度、圧縮強度及び疲労強度について統計的に評価を行い、高温ガス炉用黒鉛としての適性を検討した。さらに、IG-430の引張強度に対して、基準強度(Su値)を設定し、IG-430とIG-110のSu値と比較・検討することで、IG-430の優れた物理特性を明らかにした。