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山川 紘一郎
しょうとつ, 17(5), p.86 - 101, 2020/09
低温分子性固体の内部における、分子単量体の回転・核スピン転換とクラスター中の分子間振動の研究を解説する。前者については、凝縮系における単量体の核スピン転換と回転緩和の機構について説明し、それに基づいて、HOの転換速度の温度依存性とCH
の2種及び3種異性体間の転換を議論する。後者については、Arマトリックス中に分離したD
Oクラスターの系を対象とする。テラヘルツ・赤外吸収スペクトルの解析と、マトリックス効果を取り入れた量子化学計算の結果から、(D
O)
の分子間振動モードを決定する。
山川 紘一郎; 石橋 篤季*; 波吉 敏信*; 東 優一*; 荒川 一郎*
Physical Review B, 102(4), p.041401_1 - 041401_5, 2020/07
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Materials Science, Multidisciplinary)The clear evidence for the nuclear spin conversion of matrix-isolated H is presented. We trapped H
in a CO
film at 5.4 K and detected the induced infrared-absorption band including both the components of ortho and para H
. By analyzing its time-evolution, the conversion rate was determined to be 9.4
10
s
. We confirmed that this fast conversion was induced just by the CO
film with the uniquely unstable structure. We also identified H
at another kind of trapping sites, accompanied by higher anisotropy of the confining potential, and estimated its conversion rate to be 6
10
s
.
山川 紘一郎; 那須 裕一*; 清水 元希*
分光研究, 69(3), p.105 - 106, 2020/06
分子クラスターの構造や分子間振動モードの解明には、テラヘルツ域と赤外域の同時分光測定が有力である。本稿では、超高真空下で60-7000cmの波数域における吸収分光測定を行う装置について解説した。
山川 紘一郎; 那須 裕一*; 鈴木 菜摘*; 清水 元希*; 荒川 一郎*
Journal of Chemical Physics, 152(17), p.174310_1 - 174310_13, 2020/05
超高真空下テラヘルツ・赤外吸収分光装置を開発し、この装置を用いてAr固体中に分離したDOクラスターの吸収スペクトルを測定した。2, 3, 4量体によるテラヘルツ吸収ピークを帰属するため、スペクトルの温度依存性とD
O希釈率依存性を分析した。帰属の妥当性は、ONIOM法を用いた第一原理計算を用いて検証した。これにより、2量体の全ての分子間振動モード、3量体と4量体の赤外吸収強度が大きい分子間振動モードを同定することができた。Ar固体中にD
Oクラスターを分離後、Arのみを昇華してD
O氷を生成した。昇華温度と希釈率を変えてD
O氷を生成し、テラヘルツスペクトルから結晶度を定量的に評価することで、結晶化にはD
O単量体の拡散が決定的なプロセスであることを明らかにした。
中塚 亨; 岡 芳明*; 石渡 祐樹*; 奥村 啓介; 長崎 晋也*; 手塚 健一*; 森 英夫*; 江里 幸一郎; 赤坂 尚昭; 中園 祥央*; et al.
no journal, ,
圧力容器型の超臨界圧水冷却炉は、1989年より東京大学で研究開発が進められてきており、現在、第4世代炉の一つとして、日本,欧州及び他の国で実用化に向けた研究が行われている。東京大学の概念は、熱中性子炉は「スーパー軽水炉」,高速炉は「スーパー高速炉」と呼ばれている。高速炉は、熱中性子炉と同じプラントシステムで実現可能と期待されている。経済的な高速炉体系を開発することを目的として、「スーパー高速炉」の研究プロジェクトが2005年12月から2010年3月まで東京大学を代表機関として進められ、九州大学,原子力機構,東京電力がこのプロジェクトに参加した。このプロジェクトは、(1)スーパー高速炉の概念の構築,(2)伝熱流動実験,(3)材料開発の3つからなる。本論文では、このプロジェクトで得られた成果の概要を紹介する。具体的には、(1)では東京大学による炉心核熱結合解析やシステム解析等の結果、(2)では九州大学による模擬流体を用いた熱流動実験、原子力機構による超臨界圧水を用いた熱流動実験と3次元解析コード開発の結果、また、(3)では東京大学・原子力機構によるクリープ試験,腐食試験等の材料基礎研究の結果について報告する。
山川 紘一郎; 波吉 敏信*; 石橋 篤季*; 荒川 一郎*
no journal, ,
固体CO中で分極したH
の微弱な赤外吸収を検出し、固体中の電場強度を評価した。また、赤外スペクトルの時間変化を解析することで、水素の核スピン転換率を決定し、電場が転換に与える効果を吟味した。
山川 紘一郎; 那須 裕一*; 荒川 一郎*
no journal, ,
水分子が形成するナノクラスターは、最も身近かつ単純な水素結合系として知られており、水や氷の特異な物性を特徴づける「水素結合」の性質を解き明かす目的で、分光学的手法を用いて精力的に研究されてきた。本研究では、Arマトリックス中に分離したDOクラスターのTHz・IR分光を測定した。Ar/D
O希釈率とアニール温度を系統的に変え、帰属が確立しているIR域のスペクトル変化と比較することで、THz吸収ピークの帰属を行った。さらに、マトリックス効果を取り入れた量子化学計算を行うことで、帰属の妥当性を検証した希釈率Ar/D
O=800の試料について、THz・IRスペクトルのアニール温度依存性を調べた。アニール温度の上昇に伴って、マトリックス中でのD
Oの拡散が誘起され、クラスター成長が起きた。帰属が確立している、赤外域における2-6量体の吸収ピークの積分強度をアニール温度に対してプロットし、これと比較することで、THz域の吸収ピークの帰属を決定した。また、希釈率を変えて試料を形成し、THz・IRスペクトルの希釈率依存性を比較することにより、上記の帰属の妥当性を評価した。本発表では、このようにして決定した帰属を、マトリックス効果を取り入れた量子化学計算の結果と共に提示する。特に、3量体については、陽子のトンネル効果を正しく考慮することで従来の帰属を刷新することに成功した。
山川 紘一郎; 清水 元希*; 鈴木 菜摘*; 那須 裕一*; 坪井 嶺*; 倉橋 裕之*; 荒川 一郎*
no journal, ,
分子クラスター,生体高分子,分子性固体を支配する、水素結合やファンデアワールス力といった分子間相互作用の詳細な理解には、第一原理計算とテラヘルツ(THz)域の分光実験の両方が不可欠である。特に実験においては、試料の純度を高く保つことが求められるため、真空中でのその場測定が有力となる。本研究では、超高真空環境下でTHz吸収分光を行う装置を新たに開発した。また、この装置を用いて、真空蒸着DO氷のTHz吸収スペクトルの温度依存性を測定し、構造変化を調べた。