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冨澤 宏光*; 佐藤 尭洋*; 小川 奏*; 渡川 和晃*; 田中 隆次*; 原 徹*; 矢橋 牧名*; 田中 均*; 石川 哲也*; 富樫 格*; et al.
High Power Laser Science and Engineering, 3, p.e14_1 - e14_10, 2015/04
被引用回数:6 パーセンタイル:34.58(Optics)自由電子レーザー(FEL)は、共振器を使用しない自己増幅自発放射(SASE)方式を用いている。この方式では、自然放射光を種光としてレーザー発振・増幅するため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のないフルコヒーレント化された極端紫外領域(波長61.2nm)のシードFEL光の発生に成功した。しかしながら、外部からのコヒーレント光をシード光として用いる場合、電子バンチとシード光のタイミングドリフトにより、シードFEL光の出力ゆらぎが大きくなり、発生頻度も減少する問題がある。この問題点を解決するために、電気光学(Electro-Optic: EO)効果を利用したタイミングモニターを開発し、FEL装置の診断セクションに導入した。これにより、シードFEL光(波長61.2nm)の発生頻度が約0.3%から約25%に向上し、最大出力20Jが得られた。また、検討中の水の窓領域でのシードFELについても報告する。
佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 大和田 成起*; 山内 薫*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; 富樫 格*; 深見 健司*; et al.
Journal of Physics B; Atomic, Molecular and Optical Physics, 46(16), p.164006_1 - 164006_6, 2013/08
被引用回数:3 パーセンタイル:19.12(Optics)自由電子レーザー(FEL)は、自己増幅自発放射方式を用いているため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のない極端紫外領域のシード型FELの研究開発を進めている。高次高調波を発生させるドライブレーザーである高出力フェムト秒・チタンサファイアCPAレーザーシステムは、これまで原子力機構で培ったレーザー技術を設計に活かし、レーザーシステムの構築を行った。そして、このドライブレーザーをXeガス中に集光して得られる13次高調波(波長61.7nm)、15次高調波(波長53.4nm)をシード光としてFELへインジェクションし、極端紫外領域でシード型FEL(波長61.2nm)の発振に世界で初めて成功した。また、シードFEL光のコントラスト比についても検討した。この結果について発表する。
小川 奏*; 佐藤 尭洋*; 松原 伸一*; 岡安 雄一*; 富樫 格*; 渡部 貴宏*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; et al.
Proceedings of 10th Conference on Lasers and Electro-Optics Pacific Rim and 18th OptoElectronics and Communications Conference and Photonics in Switching 2013 (CLEO-PR & OECC/PS 2013) (USB Flash Drive), 2 Pages, 2013/06
自由電子レーザー(FEL)は、共振器を使用しない自己増幅自発放射(SASE)方式を用いている。この方式では、自然放射光を種光としてレーザー発振・増幅するため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のないフルコヒーレント化された極端紫外領域(波長61.5nm)のシードFEL光の発生に成功した。しかしながら、外部からのコヒーレント光をシード光として用いる場合、電子バンチとシード光のタイミングドリフトにより、シードFEL光の出力ゆらぎが大きくなり、発生頻度も減少する問題がある。この問題点を解決するために、電気光学(Electro-Optic: EO)効果を利用したタイミングモニターを開発し、FEL装置の診断セクションに導入した。これにより、シードFEL光(波長61.2nm)の発生頻度が約0.3%から約24%に向上し、最大出力20Jが得られた。この結果について発表する。
富樫 格*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; 佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 大和田 成起*; 山内 薫*; 原 徹*; et al.
Proceedings of Ultrafast Optics IX (CD-ROM), 2 Pages, 2013/03
自由電子レーザー(FEL)は、共振器を使用しない自己増幅自発放射(SASE)方式を用いている。この方式では、自然放射光を種光としてレーザー発振・増幅するため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のないフルコヒーレント化された極端紫外領域のシード型自由電子レーザーの研究開発を進めている。高次高調波を発生させるドライブレーザーである高出力フェムト秒・チタンサファイアCPAレーザーシステムは、これまで原子力機構で培ったレーザー技術を設計に活かし、レーザーシステムの構築を行った。そして、このドライブレーザーをXeガス中に集光して得られる13次高調波(波長61.2nm)をシード光としてFELへインジェクションし、極端紫外領域でシード型FEL(波長61.2nm)の発振に世界で初めて成功した。高次高調波のシーディングによりSASE方式特有のスパイク構造がなくなり、スムーズなスペクトルが得られた。
岩崎 純史*; 佐藤 尭洋*; 大和田 成起*; 富樫 格*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; 神成 文彦*; 柳下 明*; et al.
レーザー研究, 40(9), p.687 - 690, 2012/09
極端紫外(EUV)域における原子・分子の多光子イオン化などの非線形光学過程の観測は高次高調波を用いて行われてきた。しかし、高次高調波では光強度が低いため、高次の非線形光学過程を観測することが困難であった。近年、高輝度光源であるEUV域の自由電子レーザー(FEL)が登場し、高次の非線形光学過程を観測することが可能になってきた。われわれはEUV域のFELを使用し、Heの2光子イオン化断面積の絶対値を計測するのに成功した。実験ではHeの共鳴遷移である波長58.4nmと、共鳴波長から離れている波長61.4nm, 56.0nmのFEL光を使用して断面積の絶対値を計測した。共鳴波長ではFEL光の集光強度に断面積が依存するが、共鳴波長から離れた領域では集光強度に依存しないことが観測された。実験で使用したFELは自己増幅自発放射のため、波長プロファイルがパルスごとに揺らぐ問題があり、実験精度を低下させている。このため、EUV域の高次高調波をFELにインジェクションし、フルコヒーレント化されたシード型FELの研究開発に取り組み、EUV域でシード型FEL(波長61.2nm)の発振に世界で初めて成功した。
岩崎 純史*; 佐藤 尭洋*; 大和田 成起*; 富樫 格*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; 松原 伸一*; 岡安 雄一*; et al.
Proceedings of International Conference on Ultrafast Phenomena 2012 (UP 2012) (Internet), 3 Pages, 2012/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.03自由電子レーザー(FEL)は、共振器を使用しない自己増幅自発放射(SASE)方式を用いている。この方式では、自然放射光を種光としてレーザー発振・増幅するため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のないフルコヒーレント化された極端紫外領域のシード型自由電子レーザーの研究開発を進めている。高次高調波を発生させるドライブレーザーである高出力フェムト秒・チタンサファイアCPAレーザーシステムは、これまで原子力機構で培ったレーザー技術を設計に活かし、レーザーシステムの構築を行った。そして、このドライブレーザーをXeガス中に集光して得られる13次高調波(波長61.2nm)をシード光としてFELへインジェクションし、極端紫外領域でシード型FEL(波長61.2nm)の発振に世界で初めて成功した。さらに、シード光と電子バンチの同期精度についても検討を行った。
富樫 格*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; 佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 大和田 成起*; 山内 薫*; 原 徹*; et al.
Proceedings of 11th International School and Symposium on Synchrotron Radiation in Natural Science (ISSRNS 2012), p.1 - 21, 2012/05
自由電子レーザー(FEL)は、共振器を使用しない自己増幅自発放射(SASE)方式を用いている。この方式では、自然放射光を種光としてレーザー発振・増幅するため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のないフルコヒーレント化された極端紫外領域のシード型自由電子レーザーの研究開発を進めている。高次高調波を発生させるドライブレーザーである高出力フェムト秒・チタンサファイアCPAレーザーシステムは、これまで原子力機構で培ったレーザー技術を設計に活かし、レーザーシステムの構築を行った。そして、このドライブレーザーをXeガス中に集光して得られる13次高調波(波長61.2nm)をシード光としてFELへインジェクションし、極端紫外領域でシード型FEL(波長61.2nm)の発振に世界で初めて成功した。高次高調波のシーディングによりSASE方式特有のスパイク構造がなくなり、スムーズなスペクトルが得られた。
富樫 格*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; 佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 沖野 友哉*; 山内 薫*; 原 徹*; et al.
Proceedings of 2011 Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO 2011) (CD-ROM), p.1527 - 1528, 2011/05
波長61nmのシード型自由電子レーザーの発振に成功した。高強度Ti:SapphireレーザーをXeガスセルに集光して得られる13次高調波(61nm)をアンジュレータに入射することで実現している。極端紫外領域では、世界初のシード型FELである。
高橋 栄治*; 富樫 格*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; 佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 大和田 成起*; 山内 薫*; 原 徹*; et al.
Proceedings of European Conference on Lasers and Electro-Optics and the 12th European Quantum Electronics Conference (CLEO/Europe-EQEC 2011) (CD-ROM), 1 Pages, 2011/05
波長61nmのシード型自由電子レーザーの発振に成功した。高強度Ti:SapphireレーザーをXeガスセルに集光して得られる13次高調波(61nm)をアンジュレータに入射することで実現している。極端紫外領域では、世界初のシード型FELである。
高橋 栄治*; 富樫 格*; 青山 誠; 山川 考一; 佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 大和田 成起*; 山内 薫*; 原 徹*; 松原 伸一*; et al.
Proceedings of International Quantum Electronics Conference and the Pacific Rim Conference on Lasers and Electro-Optics (IQEC/CLEO Pacific Rim 2011) (CD-ROM), p.199 - 200, 2011/05
波長61nmのシード型自由電子レーザーの発振に成功した。高強度Ti:SapphireレーザーをXeガスセルに集光して得られる13次高調波(61nm)をアンジュレータに入射することで実現している。極端紫外領域では、世界初のシード型FELである。
富樫 格*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; 佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 大和田 成起*; 沖野 友哉*; 山内 薫*; et al.
Optics Express (Internet), 19(1), p.317 - 324, 2011/01
被引用回数:93 パーセンタイル:96.48(Optics)自由電子レーザー(FEL)は、共振器を使用しない自己増幅自発放射(SASE)方式を用いている。この方式では、自然放射光を種光としてレーザー発振・増幅するため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のないフルコヒーレント化された極端紫外領域のシード型自由電子レーザーの研究開発を進めている。高次高調波を発生させるドライブレーザーである高出力フェムト秒・チタンサファイアCPAレーザーシステムは、これまで原子力機構で培ったレーザー技術を設計に活かし、レーザーシステムの構築を行った。そして、このドライブレーザーをXeガス中に集光して得られる13次高調波(波長61.2nm)をシード光としてFELへインジェクションし、極端紫外領域でシード型FEL(波長61.2nm)の発振に世界で初めて成功した。高次高調波のシーディングによりSASE方式特有のスパイク構造がなくなり、スムーズなスペクトルが得られた。
小川 奏; 末田 敬一*; 赤羽 温; 青山 誠; 辻 公一; 藤岡 加奈*; 金邉 忠*; 山川 考一; 宮永 憲明*
Optics Express (Internet), 17(10), p.7744 - 7749, 2009/05
被引用回数:13 パーセンタイル:54.3(Optics)アト秒パルス発生を可能とする数サイクルマルチテラワットレーザーシステムのための要素技術として、部分置換DKDP結晶を用いた光パラメトリックチャープパルス増幅を行った。置換率13%のDKDP結晶を用いた実験では、中心波長1050nmにおいて250nm以上の増幅帯域を得ることができた。また、置換率を変えることで位相整合条件を変化させ、異なる波長を中心とした広帯域増幅が可能になることを数値計算によって示した。DKDP結晶を用いた光パラメトリック増幅を行う場合、これまではDKDP結晶の増幅帯域にあわせた特別な種光源が必要であったが、置換率を最適化した部分置換DKDP結晶であれば一般的な広帯域種光源を広帯域増幅することが可能となる。
山川 正; 武田 聖司; 木村 英雄; 兵頭 浩*
JAEA-Research 2007-040, 21 Pages, 2007/03
放射性廃棄物の地層処分では、人間社会への核種移行を評価することが安全性を評価するうえで重要である。本研究では日本列島における第四紀火山地域以外の地域(非火山地域)の変動の一つとして地温を取り上げ、その空間的な特徴を調査した。比較的データの豊富な第四紀火山地域の火山影響範囲の特定とその地温特徴を確認後、日本列島全域より第四紀火山地域を除外し、非火山地域での地温特徴の空間分布を整理した。その結果、第四紀火山地域の火山影響範囲は火山中心より約24kmまでと判断でき、それ以遠の地域、すなわち非火山地域における温泉の泉温と深度の関係が明らかとなった。これよると、非火山地域の一般的な地温勾配は約16C/kmであり、従来の非火山地域における平均的な地温勾配といわれる20C/kmより有意に低い値を示した。地温勾配の頻度分布から判断すると、日本列島の地温勾配異常域は10地域に限られ、これらの地域を別にすると、地温勾配に含まれる標準偏差は温度の不確実性を内包することがわかる。
山川 正; 宗像 雅広; 木村 英雄; 兵頭 浩*
JAEA-Research 2007-039, 26 Pages, 2007/03
放射性廃棄物の地層処分では、人間社会への核種移行を評価することが安全性を評価するうえで重要である。本研究では既往データを利用して、広域地下水流動の及ぶ範囲いわゆる広域地下水流動範囲を設定する方法について検討することを目的とした。対象地区は、広域地下水流動に及ぼす複雑な要因の少ない阿武隈山地都路地区を選定した。地理情報システムを利用して、おもに地表関連データから推定できる広域地下水流動範囲の設定を行った。その結果、都路村水盆における広域地下水流動範囲は、従来それを取り囲む尾根によって境されるとされてきたが、ポテンシャル流や断裂の存在を考慮すると、大滝根山及び常葉町水盆北部を含む地域に拡張されると理解すべきであることがわかった。
山川 正*; 柴田 芳彰*
JNC TJ7420 2004-002, 63 Pages, 1988/01
高レベル放射性廃棄物地層処分のための地質環境データの収集に資することを目的として、航空写真およびランドサット画像の判読・解析を実施した。対象地域は愛媛県のほぼ全域と高知県西部から成る面積約8,200km2の範囲である。本資料は、PNC ZJ4257 88-001Vol.2の一部(個人情報)をマスキングしたものである。
山川 正*; 松葉 久; 宗像 雅広; 木村 英雄
no journal, ,
広域地下水流動における解析範囲の設定方法として、地形,地質,水文などのおもに地表情報に関連する既往データを利用し、GISを活用する方法について検討した。対象地域には、広域地下水流動に影響を及ぼす要因が少ない地域として、結晶質岩が広域に分布し地質構造が単純な、そして、集水盆の形態が地形的に明瞭な地域を選んだ。検討の結果、この検討では広域的なポテンシャル流や周辺に存在する断裂の存在を考慮したことにより、同地域の広域地下水流動の範囲は、当該地域の最高峰及び隣接水盆を含む地域まで及んでおり、従来の地形をもとにした範囲より広い地域まで及んでいる可能性が指摘できた。
小川 奏; 末田 敬一*; 赤羽 温; 青山 誠; 辻 公一; 藤岡 加奈*; 金邉 忠*; 山川 考一; 宮永 憲明*
no journal, ,
アト秒パルス発生を可能とする数サイクルマルチテラワットレーザーシステムのための要素技術として、部分置換KDP結晶を用いた光パラメトリックチャープパルス増幅を行った。置換率13%のDKDP結晶を用いた実験で、中心波長1050nmにおいて250nm以上の増幅帯域を得ることができた。また、置換率を変えることで位相整合条件を変化させ、異なる波長を中心とした広帯域増幅が可能になることを数値計算によって示した。DKDP結晶を用いた光パラメトリック増幅を行う場合、これまではDKDP結晶の増幅帯域に合わせた特別な種光源が必要であったが、置換率を最適化した部分置換KDP結晶であれば一般的な広帯域種光源を広帯域増幅することが可能となる。
小川 奏; 末田 敬一*; 赤羽 温; 青山 誠; 辻 公一; 藤岡 加奈*; 金邉 忠*; 宮永 憲明*; 山川 考一
no journal, ,
光パラメトリックチャープパルス増幅(OPCPA)法は、高強度光パルスや超広帯域光パルスを得るための手法として広く利用されている。特にKDPあるいはDKDP結晶を用いた場合は、増幅利得が小さいものの、大型の結晶を短期間で作成しやすいといった特性から、高いパルスエネルギーを得るための主増幅器に広く用いられている。しかし既存の短パルスレーザーに主増幅器としてKDPあるいはDKDP結晶を追加する場合には、増幅帯域や増幅の中心波長の不一致から、得られる増幅パルス幅は100fs程度に制限される。そこでわれわれはDKDPの置換率を変えることによって屈折率のパラメータが調整可能であることに着目し、増幅帯域や中心波長を最適化するという手法を提案し、実験を行った。実験では13%部分置換DKDP結晶を用いて、Yb:YLFレーザーの2倍波である波長510nmで励起を行い、増幅帯域270nmの広帯域増幅に成功した。また、置換率を変えることで位相整合条件を変化させ、異なる波長を中心とした広帯域増幅が可能になることを数値計算によって示した。
小川 奏; 末田 敬一*; 赤羽 温; 青山 誠; 辻 公一; 藤岡 加奈*; 金邉 忠*; 宮永 憲明*; 山川 考一
no journal, ,
アト秒パルス発生を可能とする数サイクルマルチテラワットレーザーシステムのための要素技術として、部分置換DKDP結晶を用いた光パラメトリックチャープパルス増幅を行った。置換率13%のDKDP結晶を用いた実験で、中心波長1050nmにおいて250nm以上の増幅帯域を得ることができた。また、置換率を変えることで位相整合条件を変化させ、異なる波長を中心とした広帯域増幅が可能になることを数値計算によって示した。DKDP結晶を用いた光パラメトリック増幅を行う場合、これまではDKDP結晶の増幅帯域にあわせた特別な種光源が必要であったが、置換率を最適化した部分置換DKDP結晶であれば一般的な広帯域種光源を広帯域増幅することが可能となる。
松原 伸一*; 富樫 格*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; 佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 大和田 成起*; 山内 薫*; et al.
no journal, ,
自由電子レーザー(FEL)は、共振器を使用しない自己増幅自発放射(SASE)方式を用いている。この方式では、自然放射光を種光としてレーザー発振・増幅するため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のないフルコヒーレント化された極端紫外領域(波長61.2nm)のシードFEL光の発生に成功した。しかしながら、外部からのコヒーレント光をシード光として用いる場合、電子バンチとシード光のタイミングドリフトにより、シードFEL光の出力ゆらぎが大きくなり、発生頻度も減少する問題がある。この問題点を解決するために、電気光学(Electro-Optic: EO)効果を利用したタイミングモニターを開発し、FEL装置の診断セクションに導入した。これにより、シードFEL光(波長61.2nm)の発生頻度が約0.3%から約25%に向上し、最大出力20Jが得られた。この結果について発表する。