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論文

Angular distribution of $$gamma$$ rays from a neutron-induced $$p$$-wave resonance of $$^{132}$$Xe

奥平 琢也*; 谷 結以花*; 遠藤 駿典; Doskow, J.*; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 亀田 健斗*; 木村 敦; 北口 雅暁*; Luxnat, M.*; et al.

Physical Review C, 107(5), p.054602_1 - 054602_7, 2023/05

 被引用回数:4 パーセンタイル:82.97(Physics, Nuclear)

$$s$$波共鳴と$$p$$波共鳴の混合に起因するParity violationの増幅が観測されている$$^{131}$$Xe+nにおける3.2eV共鳴からのガンマ線の中性子エネルギーに依存する角度分布を測定した。$$p$$波共鳴からのガンマ線の遷移を同定し、1807keVの終状態に遷移する7132keVガンマ線の角度分布を評価した。この角度分布は$$s$$波共鳴と$$p$$波共鳴の干渉による結果と考えられており、複合核におけるParity violationの増幅メカニズムの理解に役立つ。

論文

Thermally altered subsurface material of asteroid (162173) Ryugu

北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.

Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03

 被引用回数:49 パーセンタイル:96.63(Astronomy & Astrophysics)

2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300$$^{circ}$$Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200$$^{circ}$$Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。

報告書

使用済燃料直接処分の臨界安全評価; 燃焼度クレジット評価のためのデータの整備(受託研究)

山本 健土*; 秋江 拓志; 須山 賢也; 細山田 龍二*

JAEA-Technology 2015-019, 110 Pages, 2015/10

JAEA-Technology-2015-019.pdf:3.67MB

使用済燃料の直接処分においては、使用済燃料が核分裂性物質を一定量含むことから臨界安全性が重要となる。近年の高濃縮度燃料の導入によって、燃焼度クレジットの採用により得られる利益が高まっている。本報では、PWR燃料の処分容器体系を対象として、燃焼度クレジットを採用した臨界安全評価で重要となる、燃焼計算コードの不確かさ、照射履歴、及び、軸方向ならびに径方向の燃焼度分布の考慮の有無による使用済燃料の反応度への影響について評価した。それぞれの因子の影響評価においては、既往の文献調査結果をふまえ、最新のデータならびに評価手法を採用した。本検討の評価手法を適用することで、PWR使用済燃料の反応度について適切な安全裕度を設定することができる。

論文

A Study on the criticality safety for the direct disposal of used nuclear fuel in Japan; Application of burnup credit to the criticality safety evaluation for the disposal canister

山本 健土; 秋江 拓志; 須山 賢也

Proceedings of International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2015) (DVD-ROM), p.228 - 237, 2015/09

日本では使用済燃料の処分に関する技術基盤を整備することを目的として、直接処分の技術開発に着手している。使用済燃料には一定量の核分裂性物質が含まれるため、直接処分時には臨界安全性が重要となる。本論文では、使用済燃料直接処分における臨界安全性に関する課題、ならびにこれに関連する日本の研究を挙げ、その中でも処分容器体系における燃焼度クレジットを採用した臨界安全評価の結果を報告する。評価においては、燃焼計算コードの予測誤差による実効増倍率の不確かさや、軸方向の燃焼度分布ならびに水平方向の燃焼度勾配による実効増倍率への影響についても検討した。代表的な条件のPWR使用済燃料を対象とした評価の結果、燃料集合体及び処分容器が健全な状態である場合については、種々の不確かさや保守性を考慮しても、実効増倍率が0.95を下回ることが示された。

論文

Sensitivity analyses of initial compositions and cross sections for activation products of in-core structure materials

山本 健土; 奥村 啓介; 小嶋 健介; 岡本 力

Nuclear Back-end and Transmutation Technology for Waste Disposal, p.233 - 249, 2015/00

バックエンド分野において、放射化生成物の生成量の予測精度を向上させるために、その生成起源となる初期組成元素及び生成経路上の核反応を正確に把握しておくことは重要である。このため、放射化生成物の主要な生成経路の定量的決定の優先度を評価するため、感度解析を実施した。本検討では、ORIGEN2.2コード及びJENDL-4.0に基づく1群断面積ライブラリセットORLIBJ40を使用し、燃料集合体やチャンネルボックスの材料であるジルコニウム合金、SUS304ステンレス鋼及びニッケル-クロム合金を解析対象とした。感度解析の結果より、主要な生成経路を構成する初期組成元素及び核反応が定量的に明らかとなった。また、複雑な生成経路を有する核種に対しても、主要な生成経路が明らかとなった。本検討で得られた結果は、不純物測定の分野や核データ分野において利用されることが期待される。

論文

A Study of the generation of $$^{232}$$U in UO$$_{2}$$ and MOX fuels

山本 健土; 奥村 啓介

Journal of Nuclear Science and Technology, 51(4), p.568 - 573, 2014/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:22.94(Nuclear Science & Technology)

核燃料サイクルにおける種々の線量評価において、高エネルギー$$gamma$$線放出核種を生成する$$^{232}$$Uの生成量を正確に予測することは重要であり、その生成経路を明らかにするため、UO$$_{2}$$燃料及びMOX燃料に対し、燃焼度45GWd/tにおける$$^{232}$$Uの生成量を生成経路ごとに評価した。UO$$_{2}$$燃料とMOX燃料における$$^{232}$$Uの生成量の違いは、主に$$^{234}$$U, $$^{235}$$U, $$^{236}$$Uの初期組成の違いによって生じており、MOX燃料中のプルトニウム及びアメリシウム同位体の初期組成による$$^{232}$$Uの生成量への寄与は、ウラン同位体のそれに比べて小さいことがわかった。また、$$^{232}$$Uの生成量の予測においては、$$^{230}$$Th, $$^{231}$$Pa, $$^{235}$$U, $$^{236}$$Uの捕獲反応断面積と、$$^{237}$$Np, $$^{238}$$Uの(n,2n)反応断面積の精度が重要であることが示された。また、照射前及び照射後の冷却時間が$$^{232}$$Uの生成量に大きく影響することも明らかとなった。

報告書

炉内構造物の放射化核種の主要な生成経路(共同研究)

山本 健土; 奥村 啓介; 小嶋 健介; 岡本 力

JAEA-Research 2013-038, 88 Pages, 2014/02

JAEA-Research-2013-038.pdf:3.15MB

放射化生成物の生成量の予測精度を向上させるためには、その生成起源となる初期組成元素及び生成経路上の核反応を正確に把握しておくことが重要である。本検討では、ORIGEN2コード及びJENDL-4.0に基づく断面積ライブラリセットORLIBJ40を使用し、炉内構造物の材料であるジルカロイ, SUS304, インコネル718を対象として、初期組成元素の感度解析及び断面積の感度解析を行うことにより、放射化生成物の生成量に影響を与える初期組成元素及び核反応を定量的に明らかにした。感度解析の結果を用いて、炉内構造物の放射化評価において重要な核種について、主要な生成経路をまとめた。

口頭

軽水炉廃止措置における放射性核種インベントリに対する感度解析

奥村 啓介; 羽倉 洋行; 小嶋 健介; 山本 健土; 田中 健一*

no journal, , 

軽水炉プラントの廃止措置等で発生する廃棄物中に存在する放射性核種のインベントリ評価の最適化に資するため、放射化感度解析手法を開発した。本手法をBWRプラントに適用し、放射性廃棄物の処理・処分において重要となる約50の放射性核種に対して、それらの生成に寄与する不純物核種や核反応を明らかにした。

口頭

UVSOR-IIIにおけるガンマ線誘起陽電子寿命; 運動量相関測定法の開発

山本 涼平*; 平 義隆*; 杉田 健人*; 平出 哲也; 高嶋 圭史*; 加藤 政博*

no journal, , 

陽電子消滅分光法は、結晶の単原子空孔型欠陥や絶縁材料中の微小空隙の測定を行える強力な分析手法である。分子科学研究所UVSOR-IIIでは、超短パルスガンマ線を用いたガンマ線誘起陽電子消滅分光法(Gamma-ray induced positron annihilation spectroscopy: GiPAS)の開発を行っている。具体的な測定手法として陽電子寿命測定と寿命運動量相関測定に成功しており、今回、ひずみを入れた鉄鋼材料の寿命運動量相関測定において、欠陥捕獲される過程の検出に成功した。

口頭

Development of gamma-ray induced positron age-momentum correlation measurements at UVSOR-III

山本 涼平*; 杉田 健人*; 平 義隆*; 平出 哲也

no journal, , 

Age-Momentum Correlation(AMOC)は時間分解した陽電子消滅ガンマ線のドップラー広がりを捉えることができる。陽電子の状態によって異なる消滅率から陽電子が試料中の構造欠陥に捕獲されていることを知ることができ、その結果、欠陥周辺の不純物について時間分解したドップラー広がりから知ることができる。放射性同位体を陽電子源とした場合、厚さ数cmのバルク材料の深部の測定は不可能である。また、高圧や高温下での測定は難しい。そこで、UVSOR-IIIにおいて逆トムソン散乱ガンマ線を利用し、試料中で陽電子を生成する測定法であるGiAMOC(Gamma-ray induced AMOC)システムの開発を行った。また、開発した計測システムを利用し、陽電子寿命測定用標準物質の測定を行った。

口頭

使用済PWR燃料直接処分時の臨界安全に関する検討,2; SiO$$_2$$の反射体効果に関する国際ベンチマーク

須山 賢也; 秋江 拓志; 片岡 理治*; 山本 健土*

no journal, , 

軽水炉使用済燃料直接処分等の地層処分代替技術に関する資源エネルギー庁公募事業の一部として、直接処分燃料の臨界安全性にかかわる検討を実施している。その検討に資するためSiO$$_{2}$$の反射体効果に関する国際ベンチマークを実施してきたので、結果の概要を報告する。

口頭

UVSOR-IIIにおけるガンマ線誘起陽電子消滅分光法の開発

平 義隆*; 杉田 健人*; 山本 涼平*; 岡野 泰彬*; 平出 哲也

no journal, , 

UVSOR-IIIにおいて、ガンマ線誘起陽電子消滅分光法を開発している。本手法では、従来の陽電子線源を用いた方法では測定が困難であった厚さ数cmのバルク試料全体の欠陥分析が可能となる。現在、陽電子寿命測定法のユーザー利用を展開し、それと並行して同時計数ドップラー拡がり法,寿命運動量相関測定法,スピン偏極陽電子分光法の開発を行っている。本討論会ではそれらの開発状況について述べる。

口頭

ガンマ線誘起陽電子消滅分光法の開発

平 義隆*; 杉田 健人*; 山本 涼平*; 岡野 泰彬*; 平出 哲也

no journal, , 

陽電子消滅分光法は、結晶の単原子空孔型欠陥や絶縁材料中の微小空隙の測定を行える強力な分析手法である。分子科学研究所UVSOR-IIIでは、超短パルスガンマ線を用いたガンマ線誘起陽電子消滅分光法(Gamma-ray induced positron annihilation spectroscopy: GiPAS)の開発とユーザー利用を推進している。GiPASは、物質に対する透過力の高いガンマ線を用いて対生成によって物質内部で陽電子を発生するため、厚さ数cmのバルク材料の陽電子消滅実験を非破壊で行うことができる。また、外部からガンマ線を試料に照射するために高温,高圧,液浸などの環境下での測定も行える。超短パルスガンマ線の発生、および、具体的な測定手法として陽電子寿命測定と寿命運動量相関測定の開発状況について報告する。

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