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杉原 健太; 小野寺 直幸*; 井戸村 泰宏; Sitompul, Y.; 山下 晋
Journal of Computational Physics, 547, p.114534_1 - 114534_25, 2026/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Computer Science, Interdisciplinary Applications)We propose a new gas-liquid two-phase fluid calculation method that improves computational efficiency compared with the conventional incompressible method (Incompressible). The methods are called the semi-implicit compressible method (SI-C) and the semi-implicit weakly compressible method (SI-WC). SI-C improves the convergence of the iterative solver by computing the pressure Poisson-type equation derived from the compressible fluid equation. In SI-WC, the number of iterations can be further reduced by computing a weakly compressible Poisson-type equation that uses an artificial sound speed controlled by the Mach number. The validity of the proposed method was verified by dam breaking problems and bubbly flow analysis, and comparative verification showed that compared to Incompressible, SI-C and SI-WC accelerate the pressure Poisson-type equation solver by a factor of two and four, respectively, while achieving almost the same solutions.
福田 貴斉; 山下 晋; 吉田 啓之
Journal of Computational Physics, 545, p.114485_1 - 114485_32, 2026/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Computer Science, Interdisciplinary Applications)本論文では、界面捕獲法の形状再現性と界面のシャープさを別々に定量的に評価する新しいアプローチを提案する。この新しい評価により、既存の界面捕獲法であるTHINC法とTHINC/WLIC法の間の形状再現性と界面のシャープさのトレードオフ関係が明らかになった。このトレードオフ関係の原因を解明し解決することで、THINC法やTHINC/WLIC法と同程度に簡潔なアルゴリズムを採用しながらも、形状再現性と界面のシャープさの両方において高い性能を発揮する新しいTHINC法ベースのスキームを開発した。THINC/Advanced WLIC (THINC/AWLIC)法と名付けられたこの新しいスキームは、先行するTHINC/WLIC法の重み関数を、1次風上フラックスの寄与を調整できるように再定義することによって開発された。2次元と3次元の複数のベンチマークテストの結果、THINC/AWLIC法は形状再現性と界面のシャープさの両方の観点で既存のTHINC/WLIC法より優れている。さらに、THINC/AWLIC法のアルゴリズムはTHINC/WLIC法と同様に非常で簡潔であるにもかかわらず、その形状誤差はアルゴリズムが複雑な既存の幾何学的スキームの誤差と同等程度である。
山下 晋; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 19 Pages, 2026/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)本研究では、過酷事故時における原子炉炉心内の三次元溶融物移動現象に対する機構論的CFDコードJUPITERの適用性について検討した。対象として、XR2-1 BWR金属溶融物移動実験を、非活性雰囲気下での溶融物移動挙動のみに着目した総合効果試験として解析した。燃料集合体、制御ブレード、および炉心下部支持構造を含むXR2-1試験部の詳細な三次元モデルを構築し、実験に基づく熱条件の下でSS/B4Cおよびジルカロイ溶融物の時間依存注入を模擬した。解析結果は、溶融物の移動経路の定性的比較および試験部主要領域における移動物質体積の定量的比較によって評価した。その結果、制御ブレードガイドチューブ、ノーズピースおよび入口ノズル、ならびにチャンネルボックス領域に沿った、実験で観測された3つの溶融物移動経路を、内部閉塞を形成することなく再現することに成功した。また、定量比較では、ほとんどの評価領域において試験後のX線断層撮影結果と良好な一致を示した。これらの結果は、JUPITERが複雑な炉心形状における三次元溶融物移動挙動を現実的に再現できることを示し、過酷事故における溶融物移動現象の評価において、大規模実験を補完する有用なツールとなる可能性を示唆している。一方で本研究では、現行のJUPITERコードを用いた燃料集合体内の溶融物移動挙動解析における主な課題として、輻射熱伝達計算に伴う過大な計算コスト、計算格子解像度の不足、ならびに流体-構造連成(FSI)モデルの未整備が挙げられた。
福田 貴斉; 山下 晋; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 62(12), p.1264 - 1278, 2025/12
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)この研究では、VOF法に基づく多相流シミュレーションの3つの界面捕捉スキーム(PLIC法、オリジナルTHINC法、THINC/WLIC法)を、気泡体積の保存に焦点を当てて比較検討した。単一気泡流と単孔連続気泡流の解析の結果により、THINC/WLIC法は著しいVOF拡散を示し総気泡体積を過小評価したのに対し、オリジナルTHINC法とPLIC法は気泡の体積を保存することがわかった。また、新しい視覚化アプローチに基づく分析により、THINC/WLIC法ではVOF値の一部が界面周辺のせん断力によって「引き剥がされ」てしまうことが明らかになり、同法は沸騰水型原子炉等での正確なボイド率の予測には適していないことを示した。一方、オリジナルTHINC法は、気泡体積保存の観点では、高い精度で知られるPLIC法の実装が困難である際の代替手法として有効であることが示された。
山下 晋
日本原子力学会誌ATOMO
, 67(10), p.579 - 582, 2025/10
原子力熱流動分野において数値流体力学(CFD)技術は、原子炉の最適設計、事故進展時における炉心および格納容器内の熱流動場予測など多方面で活用されている。本報告では、原子力機構が開発している機構論的CFD技術を、過酷事故時の溶融物の機構論的挙動予測、定常運転時の燃料集合体内部における気泡流挙動の機構論的予測といった原子炉熱流動現象に適用した事例について紹介する。事例紹介を通じて、機構論的CFD技術の現状とそれを原子炉熱流動現象に適用する際の課題と今後の展開について述べる。
福田 貴斉; 上澤 伸一郎; 山下 晋
Proceedings of 2025 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2025) (Internet), 12 Pages, 2025/09
BWR炉心を想定したロッドバンドル体系における気液二相流を、異なる界面捕獲スキーム(ICS)を用いたVOF法により解析し、その結果を比較評価した。シミュレーション結果は、高速度カメラとワイヤーメッシュセンサー測定による実験データとの間で定性的及び定量的に比較評価された。その結果、すべてのICSは実験データとある程度の一致を示したものの、THINC/WLICではVOF値が体系内で拡散する課題が改めて確認された。一方、著者らにより開発されたTHINC/AWLICはTHINC/WLICのVOF拡散を改善し、より理論解に近いICSであるPLICのボイド率予測を概ね再現することがわかった。ただし、シミュレーションにおける気泡間の非物理的結合は、いずれのICSを用いても依然として課題であり、特に、実際には気泡結合がほとんど発生しない低気相流量下においては、手法の抜本的な検討が必要である。
山下 晋
JAEA-Data/Code 2025-003, 262 Pages, 2025/07
原子炉内における定常時および過酷事故時の熱流動挙動を機構論的に解析できる多相多成分詳細熱流動解析コードJAEA Utility Program for Interdisciplinary Thermal-hydraulics Engineering and Research (JUPITER)を開発した。JUPITERは、流動に関わる経験式や実験相関式などを極力用いることなく、気泡流や溶融物流れといった複雑に変形する自由界面を有する熱流動熱流動を支配方程式に基づき忠実に再現できる。加えて、過酷事故時において重要な現象である異種金属接触面での共晶反応や水蒸気とジルコニウム合金の酸化反応現象を解析することができる。また、微粒子中の流動現象に対し良く用いられる多孔質体流れにも対応することができる。本報告では、JUPITERを構成する支配方程式および物理モデルとそれらの数値計算手法について概説し、付録としてJUPITERの入力マニュアルを示す。
山下 晋
JAEA-Data/Code 2025-002, 243 Pages, 2025/07
原子炉内における定常時および過酷事故時の熱流動挙動を機構論的に解析できる多相多成分詳細熱流動解析コードJAEA Utility Program for Interdisciplinary Thermal-hydraulics Engineering and Research (JUPITER)を開発した。JUPITERは、流動に関わる経験式や実験相関式などを極力用いることなく、気泡流や溶融物流れといった複雑に変形する自由界面を有する熱流動熱流動を支配方程式に基づき忠実に再現できる。加えて、過酷事故時において重要な現象である異種金属接触面での共晶反応や水蒸気とジルコニウム合金の酸化反応現象を解析することができる。また、微粒子中の流動現象に対し良く用いられる多孔質体流れにも対応することができる。本報告では、JUPITERを構成する支配方程式および物理モデルとそれらの数値計算手法について概説し、付録としてJUPITER の入力マニュアルを示す。
上澤 伸一郎; 山下 晋; 佐野 吉彦*; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 62(6), p.523 - 541, 2025/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)東京電力福島第一原子力発電所(1F)の廃炉における汚染水対策として、日本原子力研究開発機構(JAEA)では、燃料デブリの位置や発熱、空隙率の影響を含む、空冷時の熱挙動を計算するため、ポーラスモデルを用いたJUPITERコードによる数値解析手法の開発を進めている。本研究では、ポーラスモデルを用いたJUPITERの妥当性確認を行うため、多孔質体を用いた自然対流熱伝達実験とその数値シミュレーションを実施した。実験とシミュレーションの温度と速度の分布を比較すると、多孔質体の上面付近の温度を除き、シミュレーションの温度分布は実験の温度分布と良く一致した。また、速度分布も実験結果と定性的に一致した。妥当性確認に加えて、本研究では、多孔質体の内部構造に基づく有効熱伝導率が自然対流熱伝達に及ぼす影響について検討するために、様々な有効熱伝導率モデルを用いた数値シミュレーションも実施した。その結果、多孔質媒体内の温度分布や自然対流の速度分布はモデルごとに大きく異なることがわかり、燃料デブリの有効熱伝導率は1Fの熱挙動解析における重要なパラメータの一つであることがわかった。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 永武 拓; 山下 晋; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 62(5), p.432 - 456, 2025/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)ワイヤメッシュセンサ(WMS)の精度を明らかにするため、単一の球形気泡と気泡流に対してWMSの静電場シミュレーションを実施した。単一気泡の静電場シミュレーションでは、様々な気泡位置における電流密度分布と、送信ワイヤから受信ワイヤまでの電流経路を示した。その結果、WMS周囲の不均一な電流密度分布に基づく系統的誤差があることを明らかにした。また、数値流体解析コードJAEA Utility Program for Interdisciplinary Thermal-hydraulics Engineering and Research (JUPITER)で得られた気泡流結果に対して静電場シミュレーションを実施したところ、線形近似やMaxwellの式などの、WMS信号からボイド率への既存の変換方法では0と1の間の瞬間ボイド率の中間値を定量的に推定できなかった。また、WMS信号に対してボイド率
0.2という大きなばらつきがあり、瞬間ボイド率を定量的に計測することが困難であることがわかった。一方で、時間平均ボイド率においては、流路の中心付近のボイド率は線形近似を使用して推定でき、流路壁面近くのボイド率はMaxwellの式を使用して推定できることがわかった。
Zhou, W.*; 三輪 修一郎*; 山下 晋; 岡本 孝司*
Progress in Nuclear Energy, 177, p.105441_1 - 105441_17, 2024/12
被引用回数:2 パーセンタイル:38.41(Nuclear Science & Technology)原子力工学や水力工学の分野では、噴流によって引き起こされる空気の巻き込み現象を理解することが重要である。空気巻込みは、原子力システムの重要な安全設計パラメータの1つである。しかしながら、既存研究のほとんどは、気泡の侵入深さを推定するための経験的相関式やカーブフィッティングモデルに依存しており、様々なジェット条件に対する合意された計算原理は存在しない。この問題に対処するため、本研究では、2つの先進的なAIアプローチを開発した。すなわち、空気巻き込みをセグメント化するための改良型YOLOv5と、気泡侵入深さを予測するためのNSGA-III-BPNN法である。改良型YOLOv5は、多様な条件下での空気巻き込み運動とダイナミクスのリアルタイムなセグメンテーションと抽出を可能にし、高いスケーラビリティとロバスト性を実証した。改良型YOLOv5を用いて推定された侵入深度は、従来の経験的相関と比較して高い精度を示し、動的な空気巻き込みパターンに基づく形状レジームを分類するための従来の画像後処理技術よりも効率的である。一般的にビデオや画像データに依存する物体セグメンテーションの限界を克服するために、NSGA-III-BPNN法はYOLOv5よりも高い精度で最大侵入深度を予測する。YOLOv5よりも高い精度で最大侵入深度を予測し、空気巻き込み侵入深度のより効果的な予測モデルを提供する。高度なAI技術を活用することで、この研究は、数値流体力学(CFD)モデリングを改良するための貴重なセグメンテーションデータを提供するだけでなく、原子力工学と水力工学の両分野における重要な進歩への道を開くものである。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 山下 晋; 吉田 啓之
Proceedings of 13th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS13) (Internet), 7 Pages, 2024/11
電極間の気相と液相の導電率の違いを利用したコンダクタンス型ワイヤメッシュセンサ(WMS)は、流路断面ボイド率分布を測定する有効な手法の一つである。本研究では、WMSの計測誤差を明らかにするために、単一球形気泡と気泡流についてWMS周りにおける数値流体力学(CFD)解析と静電場解析を実施した。単一気泡における解析結果より、WMS周囲の不均一な電流密度分布に基づく計測誤差があることが明らかにされた。ボイド率の瞬時値とWMS信号の関係は、同じ気泡であっても、WMSを通過する気泡の位置に対して一意に決まらず、従来用いられてきたWMS信号からボイド率への変換方法である線形近似やマクスウェルの式とも一致しないことが確認された。気泡流における解析結果より、瞬時ボイド率の定量的な計測は、ボイド率の偏差が
0.2程度と大きく、難しいことがわかった。一方、WMS信号を時間平均するとその偏差は減少することが確認された。このように、既存の変換方法を使用したWMSでは時間平均ボイド率を計測できるものの、瞬時ボイド率を定量的に計測することは困難であることがわかった。
杉原 健太; 小野寺 直幸; Sitompul, Y.; 井戸村 泰宏; 山下 晋
EPJ Web of Conferences, 302, p.03002_1 - 03002_10, 2024/10
被引用回数:3 パーセンタイル:98.19(Computer Science, Interdisciplinary Applications)従来の界面捕捉法を用いた気液二相流のシミュレーションでは、気泡が互いに反発することを示す実験的証拠にもかかわらず、気泡が互いに近づくと数値的には合体する傾向があることが観察された。逐次的な数値合体が流動様式に与える影響が大きいことを考慮すると、近接した気泡の合体挙動を制御する必要がある。この問題に対処するため、各気泡に独立した流体率を適用することで気泡合体を抑制するMulti-Phase Field(MPF)法を導入した。本研究では、3重点における表面相互作用に関連する数値誤差を最小化するために、N-phaseモデルに基づくMPFを採用した。さらに、Ordered Active Parameter Tracking法を実装し、数百の流体率を効率的に格納した。MPF法を検証するために、円管内気泡流の解析を実施し、Colinらの実験データと比較した。検証結果は、気泡分布と流速分布に関して妥当な一致を示した。
町田 昌彦; 山田 進; Kim, M.; 田中 伶詞*; 飛田 康弘*; 岩田 亜矢子*; 青木 勇斗; 青木 和久; 柳澤 憲一*; 山口 隆司; et al.
RIST News, (70), p.3 - 22, 2024/09
福島第一原子力発電所(1F)建屋内には、原子炉内から漏洩した放射性物質の汚染により高い放射線量を示す地点が多数存在し、廃炉作業を円滑に進める上での大きな障害となっている。日本原子力研究開発機構(JAEA)は、この課題解決に貢献するため、経済産業省の廃炉・汚染水対策事業費補助金「原子炉建屋内の環境改善のための技術開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の高機能化開発)」を受託し、令和(R)5年度4月より、廃炉屋内の放射線環境改善に係るデジタル技術の研究開発事業を進めている。本事業では、前期事業(R3
4年度実施)にて開発した3 D-ADRES-Indoor(プロトタイプ)を発展させ、現場で活用可能な高速デジタルツイン技術より成るFrontEnd、1F新事務本館等の居室で詳細解析を行うPro、そして、収集したデータ及び解析したデータを集中管理するデータベースの役割を果たすBackEndの3つの連携システムの開発を目標としている。本報告では、この3つの連携システムの中でも現場で活用するシステムとして、点群測定後、迅速に3Dメッシュモデルを作成し、線量率の計測結果から線源を逆推定し、その推定線源の位置や強度を更に高精度化する計算技術(再観測指示と再逆推定)を有するFrontEndを中心に、その開発状況について報告し、その検証結果として5号機での試験結果を示す。また、簡単に当該事業の今後の研究開発の計画も報告する。
福田 貴斉; 山下 晋; 吉田 啓之
Proceedings of 14th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics, Operation, and Safety (NUTHOS-14) (Internet), 12 Pages, 2024/08
VOF法は移流界面を含む混相流解析に最も広く適用されているCFDの一種であり、高精度なVOF値の移流のために数多くの「界面捕獲スキーム」が開発されている。しかし、これらのスキームの性能は典型的に、空間的に規則的な速度場が時間固定された限られた数値問題に対してのみ評価されており、原子炉内の気液二相流などのより現実的で複雑な条件に対してこれらのスキームの性能を評価する研究はほとんど実施されていない。そこで本研究では、比較的近年開発されたTHINCおよびTHINC/WLICという界面捕捉スキームを用いて気泡流の3次元解析を実施し、その結果を、炉内ボイド率分布に影響するような気泡の数、体積、軌跡といったより工学的な指標を用いて評価する。これらの比較の結果は、界面捕獲スキームの選択によってはVOF値が著しく拡散し、気泡が数値的に分裂・消散する可能性を示した。
小野 綾子; 坂下 弘人*; 山下 晋; 鈴木 貴行*; 吉田 啓之
Mechanical Engineering Journal (Internet), 11(4), p.24-00188_1 - 24-00188_12, 2024/07
原子力機構では、VOF法に基づく詳細二相流解析手法による炉内二相流評価手法の開発を行っており、燃料集合体を対象とした大規模二相流解析に適合する簡易沸騰モデルを開発着手した。簡易沸騰モデルでは、気泡の径や離脱までの時間を知るために、シミュレーションのグリッドサイズ以下となる気泡成長および運動の方程式を解く。一方で、JUPITERは、マイクロメートルオーダー以上の気泡挙動を計算する。本研究では、垂直面での強制対流沸騰が開発した簡易沸騰モデルを用いて解析される。実験データとの比較により、蒸気泡通過時間の流速依存性や熱流束依存性について実験データの傾向をよく説明できる結果となった。
山下 晋; 近藤 奈央; 菅原 隆徳; 文字 秀明*; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(6), p.740 - 761, 2024/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)本稿では、ANSYS FluentのRANS (Reynolds-Averaged Navier-Stokes)モデルに基づくADS (Accelerator-Driven System)のビーム窓(BW)周りの熱流動設計ツールの有効性を確認するために、詳細熱流動コードJUPITER (JAEA Utility Program for Interdisciplinary Thermal-hydraulics Engineering and Research)を用いたベンチマークシミュレーションコードの構築を行った。まず、JUPITERの妥当性を確認するために、水中の模擬BWを用いた実験結果とJUPITERの結果を比較した。その結果、数値計算結果は実験結果とよく一致することが確認され、JUPITERはベンチマークコードとしての有効性を有することが示された。また、検証済みのJUPITERを用いたRANS計算のベンチマークシミュレーションを実施し、BW周辺の流速分布や水平方向の平均値などが互いに一致することを確認した。故に、JUPITERは熱流動設計ツールの流体力学ソルバーとしての検証において良好な性能を示すことが確認された。また、FluentはADSの熱流動設計ツールとして十分な精度を有していることが確認された。
杉原 健太; 小野寺 直幸; Sitompul, Y.; 井戸村 泰宏; 山下 晋
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 29, 6 Pages, 2024/06
多数の気泡を含む流れを計算する場合、従来の界面捕獲法を用いた気液二相流解析では、接近した気泡同士が数値的に合体するため、実験で観察される気泡同士の反発のような流れを再現することが困難である。本研究では、Multi-Phase Field法を用いて、各気泡を独立した流体率で表現することにより、数値的な気泡合体を抑制する。提案手法の適用性を気泡流解析と実験結果の比較により検証する。
佐野 成人; 山下 直輝; 渡邊 勝哉; 塚田 学*; 星野 一豊*; 平井 功希; 池上 雄太*; 田代 信介; 吉田 涼一朗; 畠山 祐一; et al.
JAEA-Technology 2023-029, 36 Pages, 2024/03
廃棄物安全試験施設(WASTEF)においては、令和元年度に原子力科学研究所内の第4研究棟よりガンマ線照射装置「ガンマセル220」を移設し、ガンマ線照射利用が開始された。当初は本装置の所有者である安全研究センター燃料サイクル安全研究ディビジョン サイクル安全研究グループがメインユーザーとして試験を実施していたが、令和4年度以降、日本原子力研究開発機構外部も含む他のユーザーの利用も開始された。ガンマ線照射装置「ガンマセル220」は、カナダNordion International Inc.製であり、平成元年度に購入してから、内蔵される
Co線源の線源更新を1回実施し、核燃料サイクル等に係る安全研究の目的で、今日まで利用されている。本報告書は、ガンマ線照射装置「ガンマセル220」設備概要、WASTEFにおける許認可、利用状況、保守点検及び今後の展望についてまとめたものである。
山下 直輝; 青山 高士; 加藤 千明; 佐野 成人; 田上 進
JAEA-Technology 2023-028, 22 Pages, 2024/03
現在廃止措置過程にある福島第一原子力発電所(1F)では、
Srや
Csをはじめとする放射線核種が構造物の健全性に及ぼす影響への関心が高まっている。特に1F内で多くの箇所に用いられている炭素鋼は、溶液中の金属カチオンによって腐食挙動が変化することが知られているが、
Srや
Csが腐食に及ぼす影響については未解明である。また、腐食挙動を理解するうえでは錆層中の
Sr及び
Csの分布を調査することが重要であるが、その手法は未だ確立されていない。本研究ではグローブボックス内で
Sr及び
Csを含むNaCl中で炭素鋼の腐食試験を行えるよう、グローブボックスの整備を行った。加えて、溶液中に金属カチオンとして存在する
Srや
Csが炭素鋼の腐食挙動に及ぼす影響を明らかにするため、イメージングプレートを用いた錆層中放射線核種の検出手法の確立を試みた。