Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
助川 篤彦; 飯田 浩正*; 糸賀 俊朗*; 奥村 啓介; 甲斐 哲也; 今野 力; 中島 宏; 中村 尚司*; 伴 秀一*; 八島 浩*; et al.
放射線遮蔽ハンドブック; 基礎編, p.299 - 356, 2015/03
日本原子力学会 「遮蔽ハンドブック」研究専門委員会により、放射線遮蔽に関する研究の最新知見を放射線遮蔽ハンドブック基礎編にまとめた。その中で、著者は、第8章放射化の執筆責任者として原子力施設・加速器施設の放射化のメカニズム、放射化計算コードの概要、低放射化のための考え方等について解説した。これと併せて、第9章遮蔽材については、線遮蔽材としてタングステン、中性子用遮蔽材としてポリエチレンと水素含有材料について解説した。
石川 正男; 近藤 貴; 大川 清文*; 藤田 恭一*; 山内 通則*; 早川 敦郎*; 西谷 健夫; 草間 義紀
Review of Scientific Instruments, 81(10), p.10D308_1 - 10D308_3, 2010/10
被引用回数:2 パーセンタイル:12.90(Instruments & Instrumentation)マイクロフィッションチェンバー(MFC)は、ITERにおいて核融合出力の評価を行う最も重要な計測装置の一つである。MFCの検出器は真空容器とブランケットモジュールの間に設置され、信号ケーブルは真空容器を通って上部ポートまで配線される。信号ケーブルはトカマク組立室で配線される予定であるが、ウランを使用している検出器はITERの運転を行うトカマクピットで設置される予定である。そのため、信号ケーブルの気密を保ったまま、検出器と信号ケーブルを真空容器内部で接続する必要がある。そこで、信号ケーブルと検出器の接続手法を開発し、接続部の性能試験では、信号ケーブルとしての健全性が確認され、ITERに適用できる見通しが立った。また、これまで原子炉において信号ケーブルは曲げ半径100cm程度で使用されてきたが、ITERでは真空容器内部に設置される他の機器との干渉を避けるために、1020cmという小さい曲げ半径で配線する必要がある。そのため、ケーブルを曲げた際の健全性を調べるために、ケーブル曲げ試験を実施した。その結果、10cmの曲げ半径で曲げた場合でも、信号ケーブルの真空性能,絶縁性能に影響がないことを確認した。
藤 健太郎; 四竈 樹男*; 且井 宏和*; 永田 晋二*; 土屋 文*; 山内 通則*; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.1027 - 1029, 2009/04
被引用回数:5 パーセンタイル:35.22(Materials Science, Multidisciplinary)長残光性蛍光体(蓄光体)は強い蛍光を示すだけでなく、長寿命の残光成分を有する蛍光体である。ここでは14MeV中性子照射下における2種類のアルミン酸ストロンチウム系蓄光体(SrAlO:Eu,Dy,SrAlO:Eu,Dy)の蛍光・蓄光特性に関する報告を行う。どちらの試料のおいてもEu及びDyに起因する発光が確認できた。Euに起因する発光は長残光特性を有しているが、Dyに起因する発光は即発成分のみ有することがわかった。また、SrAlO:Eu,Dy,Dy3+の発光は10 n/mの中性子照射後も発光強度がほとんど劣化しないということがわかった。中性子後の残光を測定した結果、中性子照射により残光特性が変化し、最も残光時間が長くなる中性子照射量が存在することがわかった。高速中性子と物質との相互作用は主として核的作用であることから、残光特性に大きく寄与するDyの配位に変化が生じたと考えられる。
浅井 啓輔*; 湯川 恭平*; 井口 哲夫*; 直井 紀拓*; 渡辺 賢一*; 河原林 順*; 山内 通則*; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1818 - 1821, 2008/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)DTプラズマ中のD/T比は、DD/DT反応によって発生するDD中性子(2.45MeV)とDT中性子(14.1MeV)の測定によりそれらの中性子強度比から求めることができ、測定にはDT中性子中の微量なDD中性子の検出が鍵となる。本研究では、TOF法をベースに、飛行時間を測定するシンチレータ対の前に中性子散乱体(水)を挿入した多重散乱飛行時間中性子スペクトロメータ(MS-TOF)の開発を行っている。本システムは、ビームライン上にアクティブな検出器を持たないことと中性子散乱体中の水素原子核がDT中性子よりもDD中性子に対して大きな弾性散乱断面積を有することを利用して、シンチレータ対に入射する中性子束のDD/DT中性子強度比を向上させることができ、微量DD中性子の検出に有利である。今回は、日本原子力研究開発機構核融合中性子源施設FNSの加速器DT中性子源を用いて、本システムによるDT中性子ビーム中の微量DD中性子検出を試みた。その結果、DT中性子ピークとともにDD中性子ピークも観測できた。また予備的ながら、使用した中性子ビーム中のDD/DT中性子強度比を評価し、妥当な結果を得た。
今野 力; 中川 庸雄; 落合 謙太郎; 佐藤 聡; 山内 通則
Proceedings of International Conference on Nuclear Data for Science and Technology (ND 2007), Vol.1, p.713 - 716, 2008/05
JENDL-3.3を用いてANISNとMCNP4Cで中心に等方分布の20MeV中性子点線源がある半径0.5mのニオブ球からの漏洩中性子スペクトルを計算したところ、100keV付近で非分離共鳴の自己遮蔽補正に起因する不自然な段差が生じた。この原因を解明するため、JENDL-3.3のNbの非分離共鳴の自己遮蔽補正ありとなしの(n,)反応断面積と弾性散乱断面積を調べた。その結果、弾性散乱断面積の自己遮蔽補正が非分離共鳴領域の上限エネルギー付近で大きすぎることがわかった。このようになった理由として、弾性散乱断面積の非分離共鳴の平均中性子幅が大きすぎること、あるいは、非分離共鳴領域の上限エネルギーが低すぎることが考えられる。同様の問題はJENDL-3.3、ENDF/B-VIの非分離共鳴データのある核種の半数以上で生じており、JENDL-3.3, ENDF/B-VIの次期バージョンでは自己遮蔽補正の影響を考慮して非分離共鳴データを改定する必要がある。
佐藤 聡; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 山内 通則; 飯田 浩正; 西谷 健夫; 今野 力
Proceedings of International Conference on Nuclear Data for Science and Technology (ND 2007), Vol.2, p.995 - 998, 2008/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)原子力機構FNSのDT中性子源を用いて、原子力機構が開発を進めているITERテストブランケットモジュールを模擬した以下の3つのモックアップを用いてブランケット中性子工学実験を行い、増殖材中のトリチウム生成率を測定した。(1)ベリリウムと濃縮増殖材ブランケットモックアップ(核融合炉を想定したSUSの反射体ありとなし)、(2)水パネル付きブランケットモックアップ(反射体なし)、(3)ペブルベッドモックアップ(反射体なし)。これらの実験に対し、MCNP-4C,FENDL-2.1,JENDL-3.3を用いて実験解析を行った。反射体なしの実験に対しては、いずれの実験でも、ほとんどの計算値は、7%の実験誤差内で実験値と一致した。反射体付の実験では、計算値の実験値からのずれが増大した。本会議において、詳細なトリチウム生成率予測精度を議論する。
山内 通則; 西谷 健夫; 西尾 敏; 堀 順一*; 川崎 弘光*
Fusion Science and Technology, 52(4), p.781 - 785, 2007/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)Demo炉では種々の低放射化材料が用いられるが、中性子と材料の核反応で大量に生成される荷電粒子と材料の2次的な反応(シーケンシャル反応)によって生じる放射化が問題となる可能性がある。そこで本研究では、Demo炉の候補材に対し、原子力機構で核融合炉用に開発したACT4コードを用いてこの放射化問題を検討した。材料としては、ブランケット構造材としてF82Hとバナジウム合金,遮蔽材として水素化バナジウム,液体増殖材としてFLiBe,リチウム鉛及び液体リチウムに着目し、Demo炉の想定照射条件で放射化量を計算した。その結果、中,長期の冷却でシーケンシャル反応による放射能からの線量率が問題になる場合が多々あり、取り出し後の機器の処分,保守作業,液体増殖材ループの遮蔽設計等で考慮が必要なことがわかった。
落合 謙太郎; 佐藤 聡; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則; 阿部 雄一; 西谷 健夫; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2794 - 2798, 2007/10
被引用回数:5 パーセンタイル:36.61(Nuclear Science & Technology)JAEA-FNSではITER/ITAタスク73-10に基づき、ITER計測ポート周辺のスリット領域を模擬した鉄体系によるDT中性子ストリーミング実験を行い、モンテカルロ計算コードMCNPによる計算結果と実験値との比較から中性子輸送計算精度の検証を行った。奥行き55cm,横幅100cm,縦幅30cmの鉄ブロック2つを用いて、スリット幅2cmのストリーミング体系を組み立て、FNS-DT中性子源(点線源)で照射した。U-238及びU-235マイクロフィッションチャンバーを用い、深さ方向に対するスリット中の核分裂率を測定した。輸送計算コードはMCNP-4cを用い、U-238, U-235による核分裂率を計算した。実験結果から以下のことが明らかとなった。(1)U-238フィッションチャンバーの結果から、距離の効果及び鉄遮蔽による減衰効果を反映し、高速中性子束は体系表面からスリット内深さ50cmで0.1%まで減衰することを明らかにした。(2)U-235フィッションチャンバーの結果から10keV以下の中性子束は深さ50cmで体系表面での10%程度であることを明らかにした。(3)計算結果と実験結果の比(C/E)はU-238の場合1.10-1.22, U-235の場合は1.10-1.23となり、わずかに過大評価する傾向を示した。
西谷 健夫; 山内 通則; 泉 幹雄*; 早川 敦郎*; 海老沢 克之*; 近藤 貴; 草間 義紀
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.1192 - 1197, 2007/10
被引用回数:5 パーセンタイル:36.61(Nuclear Science & Technology)ITERにおいてマイクロフィッションチェンバーは核融合出力を測定する重要な計測装置の一つである。マイクロフィッションチェンバーは真空容器内に取り付けられるため、高真空及び高温環境下で動作する必要がある。また核発熱とその除熱方法も考慮する必要がある。これまで、ITERの高出力運転用のマイクロフィッションチェンバーの設計開発を行ってきたが、今回は低出力運転用のマイクロフィッションチェンバーの設計を実施した。検出器は狭いギャップ内に取り付ける必要性から、全酸化ウラン量を0.75gになるようにマイクロフィッションチェンバーを並べて1つの検出器とする方式を提案した。径14mm,長さ400mmのマイクロフィッションチェンバーを基本要素とする、束型検出器を設計した。核発熱はMCNPコードによって評価した。有限要素法による熱輸送解析の結果、真空容器との熱伝達率を100W/mK以上確保できれば、検出器温度は250C以下にできることを明らかにした。
山内 通則; 堀 順一*; 佐藤 聡; 西谷 健夫; 今野 力; 川崎 弘光*
JAEA-Data/Code 2007-016, 58 Pages, 2007/09
日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)では、核融合炉及び関連施設における材料の核変換,残留放射能,崩壊熱,線源等の計算のためにACT4というコードが開発され、各種の設計評価や実験解析等が行われてきた。従来このコードは中性子と材料の1次核反応のみを対象としてきたが、低放射化材料を用いた核融合炉の設計ではこの1次核反応で生成された荷電粒子の2次的な反応(シーケンシャル反応)による放射化も無視できず、ACT4コードにこの反応による放射化計算機能を新たに追加してACT-XNコードとした。荷電粒子の反応断面積,放出スペクトル、及び阻止能としては、FISPACTコード用に整備されているデータファイルを追加ライブラリーとして認識できるようにした。コードの適用例として、FNS施設で照射したフッ化リチウム(LiF)試料中の残留放射能と、Demo炉にトリチウム増殖材としてFLiBeを用いた場合の残留放射能を計算し、実験値を十分な精度で再現することとDemo炉の設計でシーケンシャル反応による放射化が無視できない条件があることを検証してコードの有効性を確認した。
藤 健太郎*; 四竃 樹男*; 永田 晋二*; 土屋 文*; 山内 通則; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Materials, 367-370(2), p.1128 - 1132, 2007/08
被引用回数:6 パーセンタイル:41.81(Materials Science, Multidisciplinary)国際熱核融合実験炉(ITER)等の炉心近傍は放射線,電磁場等により非常に苛酷な環境にあり、この環境で作動する計測システムの開発は重要である。光学ファイバーや照射誘起発光材料は電磁力に不感であり照射誘起起電力等の電気的効果の影響がなく、上記のシステムに使用するために有利な条件を備えている。本研究ではその材料として数種類の市販のシンチレータと長寿命蛍光体(LLP)に着目し、高速中性子照射による発光特性を実験的に評価した。照射には日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)の核融合中性子源(FNS)を利用し、2.610n/cm/sの中性子フルエンスまで照射を実施した。その結果、試験したすべての材料に対して照射による発光現象を検知し、発光までの時間差が生じる仕組み,照射フルエンスや中性子エネルギーと発光現象との関係や発光現象に対する不純物の影響等を明らかにした。それにより、光学的計測材料としてはLLPが有力な候補材であることを確認した。
佐藤 聡; 落合 謙太郎; Verzilov, Y.*; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則; 西谷 健夫; 今野 力
Nuclear Fusion, 47(7), p.517 - 521, 2007/07
被引用回数:22 パーセンタイル:59.61(Physics, Fluids & Plasmas)水冷却ペブル充填ブランケットのトリチウム生成率の予測精度を明らかにするために、第一壁パネル,40%濃縮LiTiOブロック,ベリリウムブロック,隔壁パネルから成る多層構造モックアップ、及び酸化リチウムペブル充填層モックアップを構築し、FNSを用いてDT中性子照射核特性実験を行い、トリチウム生成率分布を測定した。トリチウム生成率検出器として、多層構造モックアップでは40%濃縮LiCOペレット、ペブル充填層モックアップではペブルそのものを適用し、詳細なトリチウム生成率分布の取得に成功した。実験解析はモンテカルロコードMCNP及び核データライブラリーFENDL-2.1, JENDL-3.3を用いて行い、計算結果と実験結果の比は、多層構造ブランケットモックアップでは0.891.10、ペブル充填層モックアップでは0.951.13であり、ほとんどの計算結果は、10%以内で実験結果と一致した。ベリリウム近傍では、計算結果と実験結果の比の1からのずれが増大している。このずれは、ベリリウムの後方散乱断面積データに起因する可能性が高く、今後、この核データの改善を行っていく。
佐藤 聡; Verzilov, Y.*; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則; 西谷 健夫; 今野 力
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
水冷却ペブル充填テストブランケットモジュールを模擬した2つの部分モックアップ体系を用いて、DT中性子照射による核特性実験を実施し、トリチウム生成率設計精度の基礎的な検証を行った。(1)多層構造核特性実験では、第一壁, 濃縮LiTiOブロック, Beブロック, 隔壁パネルから成るモックアップを構築し、濃縮LiCOペレットを用いて、トリチウム生成率の詳細な分布を測定した。最新の計算コード及び核データを用いて、トリチウム生成率を計算した。計算結果の実験結果に対する比(C/E)の平均値は、増殖材第一層で0.99、第二層で1.04であり、非常に高精度にトリチウム生成量を予測できることを明らかにした。(2)ペブル充填層核特性実験の解析は、均質化したモデルと、個々のペブルをモデル化した非均質モデルでモンテカルロ計算を行った。均質モデルでのC/Eの平均値は0.97、非均質モデルでは0.99であった。均質モデルによる計算では、非均質モデルと比較して、トリチウム生成率が有意に減少し、濃縮度が増加するとより減少することがわかった。核設計では、非均質モデルによる評価が必要であることを明らかした。
久保田 直義; 落合 謙太郎; 沓掛 忠三; 林 孝夫; 洲 亘; 近藤 恵太郎; Verzilov, Y.*; 佐藤 聡; 山内 通則; 西 正孝; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 7 Pages, 2007/03
核融合炉におけるプラズマ対向壁表面の粒子挙動は、プラズマ制御や燃料リサイクリングを考えるうえで重要であり、特にDT燃焼炉においてはトリチウムインベントリ評価のうえでも重要となる。本研究では、イオンビーム核反応分析法,イメージングプレート法,燃焼法及び放射化分析法を用いて、DT放電実験で使用したTFTRプラズマ対向壁に保持されている水素同位体,リチウム同位体及び不純物の定量分析結果について報告する。トリチウムと重水素では深さ分布が異なることがわかり、トリチウムの多くは表面に保持されていることがわかった。また、リチウムについてはリチウム-6が多く、これは、リチウムコンディショニングの際、リチウム-6濃縮ペレットも使用されているためであると考えられる。さらに、その他の不純物の分析を行ったが、有意な量は検出されなかった。これらの実機対向壁表面分析によって、プラズマ制御やインベントリー評価にとって重要な元素分布や保持量を明らかにすることができた。特に、トリチウムは対向材深部へ拡散せず、表面付近に保持されており、これはトリチウム除去の点でよい見通しを与えるものである。
中尾 誠*; 堀 順一*; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 佐藤 聡; 山内 通則; 石岡 典子; 須藤 広行*; 西谷 健夫
JAEA-Research 2006-071, 37 Pages, 2006/11
IFMIFでは加速器稼働率70%を目指しているが、重陽子による加速器構成材料の放射化によってメンテナンス作業が制限されることが、稼働率を低下させる要因となる。したがって、重陽子入射に対する精度の良い放射化断面積データベースを整備し、それをもとに低放射化材料を選択することが不可欠である。本研究では、加速器構成材料であるアルミニウム,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,ニッケル,銅,タンタル,タングステン及び金の放射化断面積を測定し、他の実測値,計算値と比較した。また、測定した放射化断面積の妥当性を総合的に判断するため、実際に加速器で使用されるSUS316, F82Hへの重陽子入射によって生成する核種の放射能の測定も行った。測定対象としたほぼすべての核種の放射能は、測定した断面積をもとに評価した放射能と誤差の範囲で一致することを示した。
林 孝夫; 飛田 健次; 西尾 敏; 佐藤 聡; 西谷 健夫; 山内 通則
Fusion Engineering and Design, 81(23-24), p.2779 - 2784, 2006/11
被引用回数:2 パーセンタイル:16.82(Nuclear Science & Technology)低アスペクト比トカマク炉において強磁場中のインボード側の構造を簡素化するために、アウトボード側のみのブランケットを用いたトリチウム増殖の可能性を検討した。インボード反射材として中性子増倍材である鉛やベリリウムを用いることによりアウトボードブランケットのトリチウム増殖比(TBR)が増加した。プラズマ対向壁に対する増殖材料の割合を0.78とすると、局所的なTBRは1.35より大きい必要がある。鉛のインボード反射材とアウトボードブランケットの組合せでは、アスペクト比が2.9より小さいときに局所TBRが1.35を上回った。この結果は低アスペクト比トカマク炉においては、アウトボード側ブランケットのみで核融合炉の運転継続に必要なトリチウムの増殖ができる可能性を示している。一方インボード及びアウトボードの両方にベリリウム(Be)及び酸化リシウム(LiO)を用いたペブル増殖ブランケットを設置した場合には局所TBRが1.5を超えた。化学的安全性はBeTi及びLiTiOを用いたブランケットの方が優れており、この組合せではアスペクト比が24の間で局所TBRがわずかに1.35を上回った。
中尾 誠*; 堀 順一*; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 佐藤 聡; 山内 通則*; 石岡 典子; 西谷 健夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 562(2), p.785 - 788, 2006/06
被引用回数:24 パーセンタイル:82.34(Instruments & Instrumentation)スタックフォイル法を用いてアルミ,鉄,銅,タンタル,タングステンの重陽子入射時の放射化断面積の測定を行った。TIARA施設のAVFサイクロトロンで加速された重陽子ビームをこれらの積層した箔に照射した。Al(d,x)Na, Fe(d,x)Co, Cu(d,x)Cu, Cu(d,x)Zn, Ta(d,x)Ta, W(d,x)Reの放射化断面積を2040MeV領域で測定した。これらの断面積を他の実験値及びALICE-Fコードの計算値であるACSELAMライブラリーの値と比較した。
藤 健太郎*; 四竃 樹男*; 永田 晋二*; 土屋 文*; 山内 通則; 西谷 健夫
Measurement Science and Technology, 17(5), p.955 - 959, 2006/05
被引用回数:7 パーセンタイル:43.12(Engineering, Multidisciplinary)光ファイバを放射線環境下で使用する場合、照射誘起損失と呼ばれる光透過率の減少(着色)が生じる。着色はカラーセンタと呼ばれる照射欠陥に起因するものであり、その生成は光ファイバの組成,放射線種,吸収線量率等によって複雑に変化する。したがって放射線環境下で光ファイバを利用するためには、照射誘起損失の挙動を正確に把握するとともに、その生成を抑制する必要がある。そこで本研究では、シリカコア光ファイバの照射誘起損失に対するフォトブリーチング効果(光消尽:光によるカラーセンタの抑制)の知見を得るため、高速中性子線及び線照射下でのフォトブリーチング効果に関する試験と評価を行った。その結果、可視光領域でのカラーセンタ、すなわちE'センタ及びNBOHC(Non-Bridging Oxygen Hole Centre)に起因する損失に関するフォトブリーチング効果を確認したところ、高速中性子線及び線照射下で生じる誘起損失を抑制することができることがわかった。
佐藤 聡; 山内 通則; 西谷 健夫; 伊尾木 公裕; 飯田 浩正; 片岡 良之
JAEA-Technology 2006-032, 91 Pages, 2006/03
国際熱核融合実験炉ITERでは、NBIダクトの構造及び熱水力設計のために、プラズマ近傍に設置されるNBIダクト内壁の熱負荷分布が重要である。その熱負荷は、NBIダクト壁中の核発熱とプラズマからの制動輻射やライン輻射によるNBIダクト内壁表面の表面熱流束からなり、MCNP-4CコードとFENDL-2ライブラリーを使用して3次元モンテカルロ輸送計算によりその分布を評価した。その結果、中性子及び線による核発熱率は、プラズマに面する壁,プラズマに面しない壁ともに最大で57MW/m、プラズマからの制動輻射及びライン輻射による表面熱流束は、プラズマに面する壁で0.170.18MW/m、プラズマに面しない壁で0.020.03MW/mとなった。一方、真空容器内圧力抑制系の真空境界として取り付けられている圧力逃し用破裂盤は、圧力抑制系の中性子ストリーミングにより放射化し、ITER停止時の保守作業を困難にする恐れがある。簡易ストリーミング計算と放射化計算によりその放射化レベルを評価した結果、圧力抑制系の構造を1辺1.2m以上の矩形断面とし、圧力抑制系の第1脚が3m以上、配管の屈曲数が1回以上あれば、保守作業時に破裂盤周辺の空間線量率を制限値である10Sv/hより低くできることがわかった。
中尾 誠; 堀 順一*; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 佐藤 聡; 山内 通則; 石岡 典子; 西谷 健夫
FAPIG, (172), p.3 - 7, 2006/03
IFMIF(International Fusion Material Irradiation Facility)は核融合材料照射試験を行うための強力中性子源として建設計画中の施設である。本施設では稼働率70%を目指しているが、重陽子による加速器構成材料の放射化によってメンテナンス作業が制限されることが稼働率を低下させる要因となるため、重陽子入射に対する低放射化材料の選択と放射化断面積の評価は重要な課題である。そこで、本件ではAl, Fe, Cu, Ta, Wについて、重陽子が入射したときに生成される主な放射性核種に対する放射化断面積の測定を行った。