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飯本 武志*; 木下 哲一*; 坂口 綾*; 杉原 真司*; 高宮 幸一*; 田上 恵子*; 長尾 誠也*; 別所 光太郎*; 松村 宏*; 三浦 太一*; et al.
KEK Report 2016-3, 134 Pages, 2017/03
本報告書は、東電福島第一原子力発電所事故の後、高エネルギー加速器研究開発機構で開催された第13回(2012年)第17回(2016年)「環境放射能」研究会で報告された同事故に関連する取り組みを中心に、事故後5年間の関連する環境放射能研究をとりまとめたものである。
加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 刀祢 重信*; 篠原 邦夫*
AIP Conference Proceedings 1696, p.020019_1 - 020019_4, 2016/01
被引用回数:4 パーセンタイル:90.41(Microscopy)軟X線顕微鏡は生きている細胞の細胞内小器官を観察するための非常に強力なツールであり、これまで細胞の内部構造を観察するための多くの研究開発が行われてきた。しかし、細胞内構造は非常に複雑で、軟X線顕微鏡で取得した細胞の軟X線顕微鏡像において細胞内小器官を特定することは困難であった。我々は、同一細胞を軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡により同時に観察するハイブリッドイメージング法を提案した。細胞にあらかじめ蛍光標識を施すことにより蛍光顕微鏡により細胞内小器官の位置を正確に特定することができ、蛍光顕微鏡によって得られた細胞内小器官の位置情報を用いて軟X線顕微鏡で取得した細胞の軟X線顕微鏡像において細胞内構造を正確に特定可能となる。軟X線顕微鏡は蛍光顕微鏡よりはるかに高い空間分解能を持つため、正確に特定された細胞内小器官の詳細な構造の解析が可能である。ハイブリッドイメージング法により生きている細胞の観察を行った。その結果、生きている細胞内のミトコンドリアの詳細な構造が確認できた。
三宅 景子*; 安田 智成*; 加藤 正史*; 市村 正也*; 畑山 智亮*; 大島 武
Materials Science Forum, 778-780, p.503 - 506, 2014/02
Photolytic hydrogen generation using sunlight is regarded as energy production technology for the next generation. One of the key of issues for this technology is a selection of materials for the photolysis. Silicon carbide (SiC) is expected as one of the candidate materials for this application. In this study, we measured carrier lifetimes in SiC by the microwave photoconductivity decay (PCD) method. In order to control carrier lifetime in SiC, some samples were irradiated with 160 keV-electrons with fluences between 1
10
and 1
10
/cm
. The values of carrier lifetime in SiC were compared to photocurrents in electrolytes which directly relate to the conversion efficiency of photolytic hydrogen generation. As a result, photocurrents depend on the sum of the depletion layer width and the diffusion length which was estimated from carrier lifetimes.
加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 篠原 邦夫*
Journal of Physics; Conference Series, 463, p.012056_1 - 012056_4, 2013/10
被引用回数:14 パーセンタイル:96.64(Microscopy)高輝度レーザープラズマ軟X線源と密着型顕微法を組合せたレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発し、細胞内小器官のその場観察を実施した。高強度で高品質なレーザーを金と窒化シリコンの二層構造極薄膜ターゲットに照射することにより高効率なプラズマの加熱を実現し、生きている細胞の瞬時観察に必要とされる一立体角辺り1.310
個の軟X線フォトンを発生することに成功した。光学顕微鏡による明視野観察を可能とするために透明ガラス基板上に成膜したPMMAフォトレジスト上に細胞を直接培養した。光学顕微鏡と軟X線顕微鏡の両方の顕微鏡による撮像を行うことにより、取得した細胞の軟X線顕微鏡像と蛍光顕微鏡像の直接比較を実現した。その結果、軟X線顕微鏡で取得したミトコンドリアや細胞骨格等の細胞内小器官を正確に特定することが可能となり、これらの細胞内小器官の詳細な構造の解析に成功した。
加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*
Proceedings of SPIE, Vol.8849, p.88490C_1 - 88490C_7, 2013/09
被引用回数:1 パーセンタイル:54.74(Optics)これまでに、高輝度レーザープラズマ軟X線源と密着型顕微法を組合せたレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発し、生きている細胞の細胞内構造を100nm以下の高い空間分解能でその場観察することに成功している。さらに、同一の細胞を軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡により同時に観察し、直接比較することにより、軟X線顕微鏡によって取得した細胞内構造を正確に特定する手法を提案した。細胞をあらかじめ、マイトトラッカー,ファロイジン, DAPI等の蛍光色素によって蛍光標識を施し、蛍光顕微鏡で観察することにより、ミトコンドリア,アクチンフィラメント,クロマチン等の位置を正確に把握することが可能である。蛍光顕微鏡の空間分解能は数100nm程度に制限されるが、軟X線顕微鏡は100nm以下の高い空間分解能を持つため、蛍光顕微鏡で位置を把握した細胞内小器官の詳細な構造の観察が可能となった。特に、ミトコンドリアの観察では、蛍光顕微鏡では解像しきれなかったミトコンドリアのかたまりが軟X線顕微鏡では十分解像され、個々のミトコンドリアの構造も観察できることがわかった。
加道 雅孝; 岸本 牧; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 篠原 邦夫*
AIP Conference Proceedings 1465, p.246 - 250, 2012/07
被引用回数:5 パーセンタイル:83.58(Physics, Applied)生体の主要な構成要素である炭素に吸収されやすく、周囲の水にはほとんど吸収されないという特徴を持つ高輝度軟X線源と組合せた密着型軟X線顕微鏡は、自然環境下にある水を含んだ生物試料を無染色で直接観察することが可能である。しかし、反面、軟X線顕微鏡はこれまで観察できなかった生きた細胞内の構造を観察できるという新しい観察技術であるため、学術的な応用のためにはX線像で取得された構造を正確に特定することが非常に重要である。われわれは、同一の細胞のX線顕微鏡像と蛍光顕微鏡像を直接比較し、蛍光顕微鏡で観察された構造をもとにX線顕微鏡で得られた構造を特定するという新しい手法を提案した。その結果、X線顕微鏡によりミトコンドリアの構造の観察に成功した。
岸本 牧; 加道 雅孝; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 篠原 邦夫*
AIP Conference Proceedings 1465, p.43 - 47, 2012/07
被引用回数:9 パーセンタイル:93.79(Physics, Applied)水中の生きた生体細胞内ナノメートルスケール構造を観測するためのピコ秒シングルショット接触型X線顕微鏡システムの開発を行っている。この顕微システムは、プラズマ軟X線源用の大強度赤外ポンプレーザーシステムとX線顕微鏡チャンバより構成されている。ポンプレーザーは、光パラメトリック法を採用して非常にコントラストの良いレーザーパルスを発生することが可能であり、高効率で水の窓軟X線を発生することができる。X線顕微鏡チャンバは、真空チャンバ,集光レンズ,薄膜ターゲットとその駆動系,真空対応試料ホルダーより構成される。ポンプレーザーパルスは集光レンズによって薄膜ターゲット上に集光され、レーザー誘起プラズマが生成する。プラズマで発生した水の窓軟X線は、試料ホルダーにセットされたPMMAフォトレジスト基板上の生物試料を照射する。軟X線照射後にフォトレジスト基板は現像処理され、フォトレジスト上に記録された生体細胞のX線透過イメージをAFMを用いて読み出す。われわれは開発した軟X線顕微鏡を用いて水中のマウスのライディッヒ細胞のX線像を取得し、この顕微鏡システムが約100nmの空間分解能を持つことを実証した。
加道 雅孝; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 岸本 牧; 錦野 将元; 金城 康人*; 篠原 邦夫*
AIP Conference Proceedings 1365, p.391 - 394, 2011/09
被引用回数:8 パーセンタイル:91.02(Microscopy)密着型軟X線顕微鏡によりウェットな状態の生きた細胞のシングルショット撮像を実施し、これまでに明らかにされなかった免疫細胞の触手構造の撮像に成功している。軟X線顕微鏡は、これまでに可視化されなかった構造を観察することができるが、実用化のためには軟X線顕微鏡像の中の構造を具体的に特定することが必要である。われわれは、共焦点レーザー顕微鏡と軟X線顕微鏡で同一の細胞の撮像を実施した。共焦点レーザー顕微鏡によって得られた細胞内器官の蛍光顕微鏡像と軟X線顕微鏡によって得られた軟X線顕微鏡像を直接比較することにより、軟X線顕微鏡像の中のアクチンフィラメント等の細胞内器官の特定に成功した。さらに、軟X線顕微鏡の特長を活かすことにより、細胞内器官のより詳細な構造の観察に成功した。
加道 雅孝; 石野 雅彦; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 金城 康人*; 篠原 邦夫*
Proceedings of SPIE Europe Optics + Optoelectronics 2011, Vol.8139, p.81390O_1 - 81390O_7, 2011/09
レーザープラズマ軟X線源は、高輝度で短パルスという特徴を持ち、軟X線顕微鏡の生物応用に適している。軟X線顕微鏡は生きたままの生物試料の撮像が可能で、これまでに幾つかの実験結果が報告されている。しかし、それらの研究では細胞表面構造の撮像は実現されているが、高輝度軟X線源が必要とされる生きた細胞の細胞内器官の詳細構造の撮像に成功した例はない。われわれは、高輝度軟X線源と密着型軟X線顕微鏡を組合せることにより生きた細胞の細胞内器官の詳細構造の撮像に成功した。軟X線顕微鏡で得られた細胞内器官を同定するために同一細胞を蛍光顕微鏡と軟X線顕微鏡で観察し、直接比較することを考案した。軟X線顕微鏡像と蛍光顕微鏡像を比較することにより、軟X線像の中のアクチンフィラメントやミトコンドリアなどの細胞内器官を正確に特定し、それらの詳細な構造を観察することを可能とした。
石野 雅彦; 加道 雅孝; 篠原 邦夫*; 山本 容正*; 平井 到*; 岸本 牧; 錦野 将元; 長谷川 登; 保 智己*; 安田 恵子*; et al.
Proceedings of SPIE Europe Optics + Optoelectronics 2011, Vol.8139, p.81390R_1 - 81390R_8, 2011/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Optics)金の極薄膜ターゲットは強力な「水の窓」領域の軟X線を発生することから、軟X線顕微鏡のプラズマX線光源として適している。薄膜ターゲット背面からの発光を用いることにより、光源と試料間の距離を短縮することが可能となり、結果として試料を照射する光量を増加させることができる。光源と試料ホルダを組合せることにより、簡便な顕微鏡を設計することも可能となる。また、試料ホルダと光源以外のいかなる光学素子も必要としないので、光量減少の原因となる要素を排除することもできる。われわれは金薄膜ターゲットを組み込んだ細胞用試料ホルダの開発を行い、これを用いて生きた細胞のX線像を撮影することに成功した。本研究で開発した光源一体型試料ホルダは、実験室サイズのコンパクト軟X線顕微鏡を開発するうえで、中心要素となると期待されている。
加道 雅孝; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 岸本 牧; 錦野 将元; 金城 康人*; 篠原 邦夫*
電気学会論文誌,C, 130(10), p.1774 - 1778, 2010/10
レーザープラズマ軟X線源を用いた密着型軟X線顕微鏡によりネズミの精巣ライディッヒ細胞のアクチンフィラメントが観察された。ライディッヒ細胞は、パラホルムアルデヒドで固定し、ファロイジンで染色した後、軟X線顕微鏡による観察の前に共焦点レーザー顕微鏡で観察を行った。共焦点レーザー顕微鏡と軟X線顕微鏡で得られた像を直接比較した結果、アクチンフィラメントの位置だけでなく、形においても良い一致が見られた。その結果、実績のある共焦点レーザー顕微鏡像との比較により、軟X線顕微鏡像の中のアクチンフィラメントが明瞭に同定されるとともに、共焦点レーザー顕微鏡に比べてより詳細な構造情報を得ることに成功した。
石野 雅彦; 加道 雅孝; 錦野 将元; 篠原 邦夫*; 保 智己*; 安田 恵子*; 長谷川 登; 岸本 牧; 大場 俊幸; 河内 哲哉
Proceedings of SPIE, Vol.7589, p.75891B_1 - 75891B_8, 2010/02
被引用回数:2 パーセンタイル:71.93(Engineering, Biomedical)酸素と炭素のK殻吸収端に挟まれた「水の窓」と呼ばれる軟X線を利用する軟X線顕微鏡は、水溶液中の生きた細胞を高い空間分解能で観察する技術であり、細胞構造や構造変化に伴う機能発現の解明に役立つ手段として期待されている。生きた細胞を100nm以下の空間分解能で観察するためには、試料上で10個/
m
を越える光量のX線が必要となることから、短パルスX線光源には非常に高強度のレーザープラズマX線源が求められる。そのため、レーザー光からX線への変換効率が高い光源の開発やX線光源を試料に近づけるなどの工夫が必要となる。高強度短パルスX線光源の開発を目的として、極薄膜ターゲットを用いたレーザープラズマX線源の特性評価を行った。ターゲットとして窒化シリコン膜上に数十nmから数百nmの膜厚を持つ金を成膜した薄膜ターゲットを用意し、Nd:glassレーザーを金の薄膜に集光照射することにより発生する軟X線を裏面から計測した。その結果、発光強度とスペクトル分布に膜厚依存性が確認できた。測定から、金薄膜により入射レーザーのエネルギーが消費され、レーザーが高い効率で軟X線に変換されていることを示唆する結果が得られた。
加道 雅孝; 岸本 牧; 刀祢 重信*; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*
no journal, ,
レーザープラズマ軟X線源を光源とした"レーザープラズマ軟X線顕微鏡"は、100nm以下の高い空間分解能と1ns以下の高い時間分解能を持ち、生きている細胞の内部構造をそのまま観察することが可能である。我々は、開発したレーザープラズマ軟X線顕微鏡をこれまで様々な生命現象、特にプログラムされた細胞死であるアポトーシスの観察に活用してきた。正常な細胞におけるクロマチンは細胞核内に折りたたまれた状態で存在するが、細胞がアポトーシスを起こすと、核周辺へのクロマチンの凝縮が起こり、リング形状、ネックレス形状を経て、最終的に核崩壊にいたることがこれまでの透過型電子顕微鏡と蛍光顕微鏡を用いた研究でわかっている。しかし、それぞれのステージにおける細胞核の構造変化の詳細な機構についてはまだまだ不明な点が多い。我々は、その中でも特にアポトーシスの機構を理解する上で重要なリング形状からネックレス形状への構造変化を詳細に調べた結果について報告を行うとともに、細胞核の崩壊の機構について議論を行う。
加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*
no journal, ,
高輝度レーザープラズマ軟X線源と密着型軟X線顕微鏡を組み合わせたレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発し、生きている細胞の細胞内小器官の詳細な構造の観察に成功した。レーザープラズマ軟X線源は、非常に高輝度で短パルスという特徴を持つことから、細胞への放射線影響や細胞の運動による解像度の低下を招くことなく生きている細胞の観察を可能とする。また、細胞をX線感光材上に直接培養することにより、培養中の細胞をその場で観察することを可能とした。さらに、軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡を組み合わせたハイブリッド顕微鏡を考案することにより軟X線顕微鏡による細胞内小器官を正確に特定することを実現した。ネズミの精巣ライディッヒ細胞を観察した結果、生きている細胞中の個々のミトコンドリアの撮像に初めて成功し、さらにその詳細な構造の観察に成功した。
加道 雅孝; 岸本 牧; 刀祢 重信*; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*
no journal, ,
レーザープラズマ軟X線は高い輝度と短パルス性を有するため、半導体や医療等の様々な分野で利用が進められている。その中でも、レーザープラズマ軟X線を光源とした軟X線顕微鏡(レーザープラズマ軟X線顕微鏡)は、培養中の生きている細胞の内部の詳細な構造の観察が可能で、生命科学分野の発展への貢献が期待されている。高輝度で単パルスという特徴を持つレーザープラズマ軟X線源とX線感光材上に細胞を直接培養する密着型軟X線顕微鏡を組み合わせたレーザープラズマ軟X線顕微鏡を開発した。レーザープラズマ軟X線顕微鏡は、80nmの高い空間分解能と600psの超高速瞬時撮像という性能により、生きている細胞の細胞内構造を詳細に観察することが可能である。さらに、蛍光顕微鏡と組み合わせたハイブリッド顕微法は、これまで軟X線顕微鏡の課題とされていた細胞内構造の正確な特定を可能とし、生命現象の観察への活用を実現した。アポトーシスを起こした細胞核の観察に利用した結果、アポトーシスによる細胞核の構造変化の詳細を明らかにした。
加道 雅孝; 岸本 牧; 石野 雅彦; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 刀祢 重信*; 篠原 邦夫*
no journal, ,
高出力レーザーによって生成されたレーザープラズマ軟X線源は極めて明るいため、細胞への損傷をふせぐために瞬間露光が必要とされる生きている細胞の撮像を目的とした生物X線顕微鏡に最適である。我々は、ガラスレーザーシステムによって生成された高輝度レーザーパルスを金の薄膜ターゲットに照射することにより高輝度軟X線源を開発した。ターゲットの厚さが400nmの時に最大のX線輝度として1.310
photon/srが得られた。このときの試料上におけるX線光量は4.4
10
photons/
m
と見積もられ、この値は約80nmの空間分解能に相当する。高輝度軟X線源を密着型軟X線顕微鏡と組み合わせ、レーザープラズマ軟X線顕微鏡として装置化を行った。細胞内小器官を選択的に標識可能な蛍光色素によりあらかじめ標識を施した生きている細胞をレーザープラズマ軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡で同時に観察を行った。得られた軟X線顕微鏡像と蛍光顕微鏡像を直接比較することにより細胞内小器官の詳細な構造の観察に初めて成功した。
加道 雅孝; 石野 雅彦; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 篠原 邦夫*
no journal, ,
高輝度X線は生きている生物試料を観察するためのX線顕微鏡の光源として非常に有用である。特に、水の窓と呼ばれる波長2.3nm-4.4nmの領域においてX線光量を向上することはX線顕微鏡用の光源として利用するために重要な課題である。我々は、ターゲットによって吸収されたレーザーのエネルギーがターゲット内部に拡散することによるエネルギーの損失を抑え、効率的にターゲットを加熱できる極薄膜ターゲットを考案した。厚さ10nm-50mの様々な厚さの金薄膜ターゲットを波長1.053
m、パルス幅600ps、出力20JのNd:glassレーザーによって照射し、発生した軟X線を軟X線分光器と軟X線プラズマカメラにより計測した。その結果、ターゲットの厚さが薄くなるほどX線強度が増加し、ターゲットの厚さが20nmの時に最大の強度が得られることがわかった。金の極薄膜ターゲットから発生した軟X線を用いて生きている細胞の観察を行った結果、細胞内の詳細な構造の観察に成功した。
加道 雅孝; 岸本 牧; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*
no journal, ,
密着型軟X線顕微鏡と高輝度レーザープラズマ軟X線源を組み合わせ、生きている細胞の瞬時撮像を実現した。高強度レーザーにより生成したレーザープラズマ軟X線源は非常に高輝度で短パルスという特徴を持ち、生きている細胞を瞬時に撮像することにより放射線による細胞への損傷を抑制することが可能である。我々は、蛍光顕微鏡を併用することにより軟X線顕微鏡によって撮像した細胞内器官を正確に特定する手法の開発にも成功した。この手法により、X線感光材上に直接培養した細胞を軟X線顕微鏡と蛍光顕微鏡により同時に撮像でき、取得した細胞の軟X線像と蛍光像を直接比較することによりミトコンドリアやアクチンフィラメント、クロマチンなどの細胞内器官を明確に特定可能である。軟X線顕微鏡は蛍光顕微鏡に比べて高い解像度を有する一方、撮像した細胞内構造の特定が困難であるという問題があったが、この手法の開発により、これまで不可能であった生きている細胞内の正確に特定された細胞内器官の構造をより詳細に観察可能となった。
加道 雅孝; 岸本 牧; 刀祢 重信*; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 篠原 邦夫*
no journal, ,
水の窓波長域の軟X線を光源とした軟X線顕微鏡は水溶液中の生きている細胞を高い空間分解能で観察できる画期的な技術として開発が進められている。しかし、細胞周辺の水の層の厚さが10mを超えると水による軟X線の吸収が無視できなくなるとともに、水の層の厚さが不均一な状況では高品質な軟X線像の取得ができないという問題が生じた。我々は、細胞の保持に使用する窒化シリコン窓の内側に高さ5
mのスペーサーと適切な溝パターンを構築することにより、PMMAフォトレジストと窒化シリコン窓の間に厚さ5
mのスペースを確保するとともに、余分な水分を外部に排出することにより試料周辺の水の層の厚さを正確に制御することに成功した。その結果、非常に高解像度な細胞の軟X線像の取得に成功した。
加道 雅孝; 岸本 牧; 江島 丈雄*; 保 智己*; 安田 恵子*; 青山 雅人*; 刀祢 重信*; 篠原 邦夫*
no journal, ,
軟X線顕微鏡の空間分解能は細胞に照射されるX線光量に強く依存するため、高い空間分解能を実現するためにはより高輝度な軟X線源が必要となる。これまで原子力機構関西研の保有する出力20Jの高強度レーザーを利用したレーザープラズマ軟X線顕微鏡の開発を行い、生きている細胞内のミトコンドリア等の詳細な構造の観察に成功した。さらなる高空間分解能の実現を目指し、大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの保有する出力120Jの大型レーザーを用いて実験を行った。レーザー波長の短波長化によるX線への変換効率の向上も考慮すると10倍以上のX線光量の増大が期待できる。X線感光材上に培養した含水細胞の観察を行った結果、空間分解能の向上により細胞周辺にこれまで同様の実験では確認されなかった極微細な繊毛らしき構造の観察に成功した。