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論文

Quasifree neutron knockout reaction reveals a small $$s$$-Orbital component in the Borromean nucleus $$^{17}$$B

Yang, Z. H.*; 久保田 悠樹*; Corsi, A.*; 吉田 数貴; Sun, X.-X.*; Li, J. G.*; 木村 真明*; Michel, N.*; 緒方 一介*; Yuan, C. X.*; et al.

Physical Review Letters, 126(8), p.082501_1 - 082501_8, 2021/02

AA2020-0819.pdf:1.29MB

 被引用回数:52 パーセンタイル:96.37(Physics, Multidisciplinary)

ボロミアン核であり中性子ハロー構造が期待される$$^{17}$$Bに対する($$p$$,$$pn$$)反応実験を行った。断面積の運動量分布を分析することで、$$1s_{1/2}$$$$0d_{5/2}$$軌道の分光学的因子を決定した。驚くべきことに、$$1s_{1/2}$$の分光学的因子は9(2)%と小さいことが明らかになった。この結果は、連続状態を含むdeformed relativistic Hartree-Bogoliubov理論によってよく説明された。本研究の結果によると、現在知られているハロー構造を持つとされる原子核の中で$$^{17}$$Bは$$s$$および$$p$$軌道の成分が最も小さく、$$s$$または$$p$$軌道成分が支配的であることが必ずしもハロー構造の前提条件ではない可能性を示唆している。

報告書

JPDR保管廃棄物試料に対する放射化学分析,4

大森 弘幸; 根橋 宏治; 島田 亜佐子; 田中 究; 安田 麻里; 星 亜紀子; 辻 智之; 石森 健一郎; 亀尾 裕

JAEA-Data/Code 2014-029, 31 Pages, 2015/03

JAEA-Data-Code-2014-029.pdf:1.51MB

日本原子力研究開発機構の研究施設から発生する研究施設等廃棄物については、将来的に浅地中埋設処分される予定であり、埋設処分を開始するまでに、簡便に廃棄体の放射能濃度を評価する方法を構築する必要がある。そこで、原子力科学研究所バックエンド技術部では、原子炉施設から発生する放射性廃棄物を対象とする放射能濃度評価方法の検討に資するために、原子力科学研究所内で保管されているJPDR施設の解体廃棄物から分析用試料を採取し、放射化学分析を実施してきた。本報告は、平成26年度に実施した放射化学分析($$^{93}$$Mo, $$^{137}$$Cs)の結果について報告するとともに、これまでに取得した放射能濃度データについて整理し、JPDR保管廃棄物に対する放射能濃度評価方法の検討のための基礎資料としてまとめたものである。

報告書

JPDR保管廃棄物試料に対する放射化学分析,3

安田 麻里; 田中 究; 渡辺 幸一; 星 亜紀子; 辻 智之; 亀尾 裕

JAEA-Data/Code 2014-011, 59 Pages, 2014/08

JAEA-Data-Code-2014-011.pdf:16.84MB

日本原子力研究開発機構の研究施設から発生する放射性廃棄物については、近い将来に浅地中埋設処分の実施が予定されており、簡便かつ迅速に放射能濃度を評価する合理的方法を構築する必要がある。そこで、原子力科学研究所バックエンド技術部では、原子炉施設から発生した雑固体廃棄物に対する放射能濃度評価方法を検討することを目的として、廃棄物の保管数量が比較的多い動力試験炉(JPDR)の解体に伴って発生した雑固体廃棄物から分析用試料を採取し、放射化学分析を行っている。本報告では、これまでに取得した15核種($$^{3}$$H, $$^{14}$$C, $$^{36}$$Cl, $$^{60}$$Co, $$^{59}$$Ni, $$^{63}$$Ni, $$^{90}$$Sr, $$^{94}$$Nb, $$^{99}$$Tc, $$^{108m}$$Ag, $$^{137}$$Cs, $$^{152}$$Eu, $$^{154}$$Eu, $$^{166m}$$Ho, 全$$alpha$$)について、有意な362点の放射能濃度データを整理し、原子炉施設から発生した雑固体廃棄物に対する放射能濃度評価方法の検討のための基礎資料としてまとめた。

論文

Radiochemical analysis of rubble and trees collected from Fukushima Daiichi Nuclear Power Station

田中 究; 島田 亜佐子; 星 亜紀子; 安田 麻里; 小澤 麻由美; 亀尾 裕

Journal of Nuclear Science and Technology, 51(7-8), p.1032 - 1043, 2014/07

 被引用回数:34 パーセンタイル:92.31(Nuclear Science & Technology)

To characterize the rubble and trees contaminated by radionuclides released by the recent accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station, the radiochemical analysis protocols were modified using those developed by the Japan Atomic Energy Agency for the waste generated by radionuclide-treating laboratories and research reactors. The radioactivity concentrations of $$gamma$$-ray-emitting nuclides $$^{60}$$Co, $$^{94}$$Nb, $$^{152}$$Eu, and $$^{154}$$Eu, and $$beta$$-ray-emitting nuclides $$^{14}$$C, $$^{129}$$I, $$^{36}$$Cl, $$^{79}$$Se, and $$^{99}$$Tc were successfully measured by the modified analytical method. This analysis successfully clarified the characteristics of the radioactivity concentrations of the rubble and trees and identified issues that should be considered to obtain a deeper understanding of these characteristics.

論文

液体シンチレーションカウンタを用いる$$beta$$線計測法による福島第一原子力発電所の滞留水中の$$^{113m}$$Cd分析法の検討

安田 麻里; 根橋 宏治*; 米川 直樹; 安松 拓洋*; 亀尾 裕

分析化学, 63(4), p.345 - 350, 2014/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)

東京電力福島第一原子力発電所の多核種除去設備(ALPS)から発生する処理水を対象とする、簡易な$$^{113m}$$Cdの分析法について検討を行った。処理水中に含まれる海塩成分からのCdの分離には陰イオン交換法を適用し、2mol L$$^{-1}$$の塩酸溶液に調整した試料溶液から吸着させたCdは、約1mol L$$^{-1}$$の硝酸溶液により、97%以上を回収することができた。一般に$$^{113m}$$Cdの放射能標準溶液は入手困難であるが、比較的入手が容易な$$^{99}$$Tcおよび$$^{14}$$Cの標準溶液を用いて、液体シンチレーション測定における効率校正が行えることを示した。ALPS処理水を想定した高塩濃度の試料に対して本法を適用し、目標検出下限である0.004Bq mL$$^{-1}$$を満たすことを確認した。本法は、ALPS処理水の簡易な$$^{113m}$$Cd分析法として有用であると考えられる。

報告書

JPDR保管廃棄物試料に対する放射化学分析,2

田中 究; 安田 麻里; 渡辺 幸一; 星 亜紀子; 辻 智之; 樋口 秀和

JAEA-Data/Code 2013-008, 16 Pages, 2013/11

JAEA-Data-Code-2013-008.pdf:2.41MB

日本原子力研究開発機構の研究施設から発生する研究施設等廃棄物については、将来的に浅地中埋設処分の実施が予定されており、簡便に廃棄体の放射能濃度を評価する方法を構築する必要がある。そこで、原子炉施設から発生する放射性廃棄物を対象とする放射能濃度評価方法の検討に資するために、原子力科学研究所バックエンド技術部ではJPDR施設の解体に伴って発生し原子力科学研究所内で保管されている放射性廃棄物から分析用試料を採取し、放射化学分析を実施した。本報告は、平成21年度から平成23年度に実施した放射化学分析の結果について整理し、放射能濃度評価方法の検討のための基礎資料としてまとめたものである。

報告書

JPDR保管廃棄物試料に対する放射化学分析

星 亜紀子; 辻 智之; 田中 究; 安田 麻里; 渡辺 幸一; 坂井 章浩; 亀尾 裕; 木暮 広人; 樋口 秀和; 高橋 邦明

JAEA-Data/Code 2011-011, 31 Pages, 2011/10

JAEA-Data-Code-2011-011.pdf:1.7MB

日本原子力研究開発機構の研究施設から発生する放射性廃棄物については、近い将来に浅地中埋設処分の実施が予定されており、簡便かつ迅速に放射能濃度を評価する合理的方法を構築する必要がある。そこで、原子力科学研究所バックエンド技術部では、原子炉施設から発生した雑固体廃棄物に対する放射能濃度評価方法を検討することを目的として、廃棄物の保管数量が比較的多い動力試験炉の解体に伴って発生した雑固体廃棄物から分析用試料を採取し、放射化学分析を行っている。本報告では、これまでに取得した7核種($$^{3}$$H, $$^{14}$$C, $$^{60}$$Co, $$^{59}$$Ni, $$^{63}$$Ni, $$^{90}$$Sr, $$^{137}$$Cs)について、有意な262点の放射能濃度データを整理し、原子炉施設から発生した雑固体廃棄物に対する放射能濃度評価方法の検討のための基礎資料としてまとめた。

口頭

福島第一原子力発電所構内で採取した立木に対する放射化学分析

田中 究; 上野 隆; 安田 麻里; 島田 亜佐子; 星 亜紀子; 亀尾 裕

no journal, , 

福島第一原子力発電所の事故では、発電所構内において、放射性核種が付着した瓦礫・伐採木等などが大量に発生した。これらを処理・処分方策を検討するためには、その中に含まれる放射性核種の種類と放射能濃度を詳細に把握することが必要となる。原子力機構では、発電所構内において瓦礫等の採取を行うとともに、原子力科学研究所の分析施設に輸送し、詳細な放射化学分析を実施している。これまでに分析を行った伐採木は、発生場所が特定できなかったため、発電所構内における放射能分布に関する情報が得られていなかった。そこで本報告では、位置情報が明確な立木を採取するとともに放射化学分析を行い、発電所構内の立木に対する放射能分布を調べた。

口頭

Development of multi pinhole aperture for improving spatial resolution with wide imaging area

林田 洋寿; 瀬川 麻里子; 安田 良; 飯倉 寛; 酒井 卓郎; 松林 政仁

no journal, , 

中性子ラジオグラフィにおいて、得られる画像の鮮明度を表すパラメータにコリメーター比(L/D, L: コリメーター$$sim$$試料間距離, D:スリットの開口径)がある。より鮮明な画像を得るためにはコリメーター比を大きくする必要があり、コリメーター比1000を目指している。原子力機構JRR-3Mに設置されているThermal Neutron Radiography Facility(TNRF)では、L=2000mmに制限されるため、L/D=1000を担保するにはD=2mmが必要となる。しかしこの条件下での試料位置における撮像領域は20mm$$times$$20mmに制限され、十分な撮像領域が確保されなくなってしまう。われわれのターゲットサンプルである燃料電池を撮像するには最低50mm$$times$$50mmの撮像領域が必要となる。そこでわれわれはL/D=1000を担保しつつ50mm$$times$$50mmの撮像領域を満たすためにマルチピンホールコリメーターの開発を行った。

口頭

Pulse neutron imaging experiments in the first year of J-PARC

甲斐 哲也; 原田 正英; 及川 健一; 酒井 健二; 前川 藤夫; 大井 元貴; 篠原 武尚; 相澤 一也; 高田 慎一; 新井 正敏; et al.

no journal, , 

J-PARCに設置された中性子源特性試験装置(NOBORU)を用いたパルス中性子によるイメージング技術の開発が2008年12月より始まった。最初の3か月における結果,将来の研究計画、及びJ-PARCでの新しいイメージング装置についての議論を紹介する。

口頭

福島第一原子力発電所の滞留水に対する放射化学分析,2; Se-79, Sr-90, Tc-99分析

安田 麻里; 渡辺 幸一; 星 亜紀子; 田中 究; 亀尾 裕; 片山 淳; 樋口 秀和

no journal, , 

原子力機構では、福島第一原子力発電所事故で発生した放射性核種を含むたまり水(滞留水)の処理によって発生するスラッジ等の二次廃棄物の処理・処分方策の検討に資することを目的として、滞留水及びその処理水(滞留水等)の放射能データの取得を進めている。滞留水等は研究施設等廃棄物と異なり、比較的半減期の短い核種の放射能比が高いことから、これまで原子力機構が研究施設等廃棄物を対象として確立した分析フロー(従来法))をそのまま適用することができない。そこで、本検討では、試料に含まれる妨害核種となりうる$$gamma$$線及び$$beta$$線放出核種を沈殿分離により除去するなど、対象元素をより精密に分離するための操作を加えた新たな分析フローを構築し、滞留水等への適用性を確認した。

口頭

福島第一原子力発電所の滞留水試料に対する分析フローの検討と適用

田中 究; 安田 麻里; 渡辺 幸一; 星 亜紀子; 片山 淳; 樋口 秀和; 亀尾 裕

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故では、放射性核種を含むたまり水(滞留水)が大量に発生し、その処理が進められている中で、それらの放射能分析が求められている。本検討では、これまでに研究施設等廃棄物を対象に確立した簡易・迅速分析法をもとに、Ni-59, Ni-63, Se-79, Sr-90, Tc-99及び$$alpha$$線核種の分析フローを構築し、滞留水等への適用性を確認した。Ni-59, Ni-63の分析操作においては、測定試料にY-90やSb-125が混入することがわかり、これら核種を除去するため、新たに水酸化鉄共沈分離操作を追加した。その他の核種においては、構築した分析フローで精製した測定試料には、妨害核種が十分に除去されていることが確認できた。得られた滞留水等の分析値は、Ni-63が4.4$$times$$10$$^{-1}$$$$sim$$1.5$$times$$10$$^{0}$$Bq/ml, Se-79が7.8$$times$$10$$^{-1}$$$$sim$$1.6$$times$$10$$^{1}$$Bq/ml、Sr-90が3.5$$times$$10$$^{-1}$$$$sim$$2.9$$times$$10$$^{5}$$Bq/mlとなり、Ni-59, Tc-99及び$$alpha$$線核種は検出限界以下であった。

口頭

Present status of a new pulsed neutron imaging instrument at J-PARC

瀬川 麻里子; 篠原 武尚; 甲斐 哲也; 飯倉 寛; 大井 元貴; 及川 健一; 原田 正英; 酒井 健二; 曽山 和彦; 相澤 一也; et al.

no journal, , 

We are now constructing a pulsed imaging instrument at beam line 22 in MLF (Materials and Life Science Experimental Facility) of J-PARC (Japan Proton Accelerator Research Complex). This is the world first instrument dedicated to the pulsed neutron imaging, which enable us to make two dimensional image of the crystalline structure and nuclide composition and magnetic fields using the features of the pulsed neutron. This instrument also has capability to give the high-resolution images using a higher L/D option compared with other facilities in Japan. In this presentation, we introduce the current status of the instrument development and the prospective practical researches.

口頭

福島第一原子力発電所事故により発生したガレキ,伐採木等の処理処分に向けた特性把握のための放射能分析

亀尾 裕; 田中 究; 安田 麻里; 島田 亜佐子; 上野 隆; 星 亜紀子

no journal, , 

東京電力福島第一原子力発電所の事故では、原子炉施設の損壊により放射性核種を含む汚染水(滞留水)やガレキ,伐採木等が多量に発生した。これらの廃棄物に対する処理・処分方策を検討するためには、まず対象となる廃棄物の放射能性状を把握することが必須となる。このため、これまでに原子力機構で開発を行ってきた、研究施設等廃棄物を対象とする放射性廃棄物分析法に基づき、福島事故廃棄物の分析を実施した。研究施設等廃棄物に比較し、事故廃棄物には核分裂生成核種(FP核種)が多量に付着していたため、妨害核種の混入や検出限界値の上昇等の課題が生じたが、FP核種を効率的に除去するステップを分析フローに追加した結果、迅速かつ信頼性を有した事故廃棄物の放射能分析が可能となった。本報告では、(1)アクチニドやFP核種を対象とする放射能分析法の概要、(2)福島第一発電所構内における試料採取の状況、(3)これまでに把握した事故廃棄物の放射能性状、について述べる。

口頭

原子炉施設から発生した金属廃棄物試料中の$$^{94}$$Nb分析

田中 究; 安田 麻里; 原賀 智子; 星 亜紀子; 木暮 広人

no journal, , 

原子力機構では、放射性廃棄物の埋設処分に向けて、スケーリングファクタ法などの統計的手法による廃棄体放射能確認手法の確立を目的とし、廃棄物試料の放射能分析を実施している。金属廃棄物試料において、分析対象核種(処分安全評価上重要な核種)の一つである$$^{94}$$Nbは、主要核種である$$^{60}$$Coに対する放射能比が小さく($$^{94}$$Nb/$$^{60}$$Co=10$$^{-6}$$程度)、かつ放出する$$gamma$$線のエネルギーが$$^{60}$$Coより低いことから、定量するためには$$^{60}$$Coと分離する必要がある。そこで本報では、金属廃棄物試料に対する$$^{94}$$Nbの分離フローを検討し、原子炉から発生した金属廃棄物試料の分析を行った。

口頭

多孔式ピンホールコリメーターの開発

林田 洋寿; 瀬川 麻里子; 安田 良; 飯倉 寛; 酒井 卓郎; 松林 政仁

no journal, , 

中性子ラジオグラフィにおいて、得られる画像の鮮明度を表すパラメータにコリメーター比(L/D, L:コリメーター$$sim$$試料間距離、D:スリットの開口径)がある。より鮮明な画像を得るためにはコリメーター比を大きくする必要があり、われわれはコリメーター比1000を目指している。原子力機構、改造3号炉に設置されているThermal Neutron Radiography Facility(TNRF)ではL=2000mmと制限されるため、L/D=1000を担保するにはD=2mmが必要となる。しかしこの条件下での試料位置における撮像領域は20mm$$times$$20mmに制限され、十分な撮像領域が確保されなくなってしまう。われわれのターゲットサンプルである燃料電池を撮像するには最低50mm$$times$$50mmの撮像領域が必要となる。そこでわれわれはL/D=1000を担保しつつ50mm$$times$$50mmの撮像領域を満たすために多孔式コリメーターの開発を行った。

口頭

J-PARC MLFに建設する新しいパルス中性子イメージング装置「物質情報3次元可視化装置」の概要と現状

篠原 武尚; 甲斐 哲也; 瀬川 麻里子; 大井 元貴; 及川 健一; 原田 正英; 中谷 健; 酒井 健二; 飯倉 寛; 相澤 一也; et al.

no journal, , 

現在、われわれは世界初のパルス中性子イメージング専用ビームライン「物質情報3次元可視化装置」をJ-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)に建設すべく設計を進めている。本装置は共用促進法に基づいて建設される共用装置の一つであり、平成24年度に予算化され、3か年をかけてMLFのBL22に建設される。この装置には2つの特徴がある。一つは、パルス中性子の特徴を活かした高効率かつ高精度の本格的なエネルギー分析型中性子イメージングが可能となることである。これにより、観測対象内部の形状のみならず構成核種や結晶組織、磁場等の物理的な情報を定量的に解析し画像化することができる。もう一つは、国内の既存の中性子ラジオグラフィ装置と比較して高いL/D比を実現し、世界最高レベルの高精細なラジオグラフィ像が取得可能となることである。発表では、本装置の概要とデザイン、機器開発の現状と、期待される応用研究について報告する。

口頭

福島第一原子力発電所事故により発生したガレキ,汚染水に対する放射化学分析,2; Se-79, Tc-99, I-129, $$alpha$$線核種の分析

星 亜紀子; 安田 麻里; 米川 直樹; 梶尾 政利; 新山 拓也; 矢吹 光史; 島田 亜佐子; 亀尾 裕

no journal, , 

福島第一原子力発電所の事故では、原子炉施設の損壊により放射性核種を含む汚染水やガレキ等が放射性廃棄物として多量に発生した。これらの廃棄物に対する処理・処分方策を検討するためには、その中に含まれる放射性核種の種類と放射能濃度を詳細に把握することが必要となるため、発電所敷地内において試料採取を行うとともに、原子力科学研究所の分析施設に試料を輸送し、詳細な放射能分析を実施している。これらの廃棄物試料には、Cs-137等の核分裂生成物(FP核種)が高濃度で含まれているため、その中に微量含まれるSe-79やTc-99などの検出は極めて難しい。本検討では、FP核種の効率的な除去方法を組合せた分析フローを構築し、ガレキ,滞留水等への適用性を確認するとともに、処理処分方策の検討に必要となる放射能データを取得した。

口頭

中性子ラジオグラフィ用マルチピンホールコリメーターの開発

林田 洋寿; 瀬川 麻里子; 安田 良; 飯倉 寛; 酒井 卓郎; 松林 政仁

no journal, , 

中性子ラジオグラフィにおいて、得られる画像の鮮明度を表すパラメータにコリメーター比(L/D, L:コリメーター試料間距離,D:スリットの開口径)がある。より鮮明な画像を得るためにはコリメーター比を大きくする必要があり、われわれはコリメーター比1000を目指している。原子力機構JRR-3Mに設置されていThermal Neutron Radiography Facility(TNRF)では、L=2000mmに制限されるため、L/D=1000を担保するにはD=2mmが必要となる。しかしこの条件下での試料位置における撮像領域は20mm$$times$$20mmに制限される。しかしわれわれのターゲットサンプルである燃料電池を撮像するには50mm$$times$$50mmの撮像領域が必要となる。そこでわれわれはL/D=1000を担保しつつ50mm$$times$$50mmの撮像領域を満たすためにマルチピンホールコリメーターの開発を行った。現在基礎データの取得が終わり、マルチピンホールコリメーターの各スリット部分を外部から全自動で制御できるシステムを製作している。これらのスペックについても発表を行う。

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