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山口 瑛子; 栗原 雄一*; 永田 光知郎*; 田中 万也; 桧垣 正吾*; 小林 徹; 谷田 肇; 小原 義之*; 横山 啓一; 矢板 毅; et al.
Journal of Colloid and Interface Science, 661, p.317 - 332, 2024/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)ラジウム(Ra)は放射性元素であり、放射性廃棄物処理やウラン鉱山周辺の環境問題で重要なため、環境中Ra挙動の解明は急務である。しかし、Raは安定同位体が存在しないため分子レベルの実験が難しく、環境中で重要と考えられる粘土鉱物への吸着反応についても詳細なデータは得られていない。本研究では、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法によりRaの分子レベルの情報を得る手法を確立し、さらに第一原理計算を利用することでRaの粘土鉱物への吸着構造を明らかにした。また、同族元素との比較を行い、粘土鉱物への吸着反応の系統的な理解に資する結果を得た。
松田 晶平; 横山 啓一
レーザー・クロス, (414), P. 4, 2024/04
アクチノイドの新しい機能を創出するための基礎研究として、円偏光ルミネッセンスに着目している。その評価に必要となる計測システムを現在構築中である。ここでは円偏光ルミネッセンスの一般的な研究動向と我々の開発状況について簡単に紹介する。
松田 晶平; 横山 啓一
Isotope News, (786), p.6 - 9, 2023/04
高レベル放射性廃液に含まれるアクチノイドやランタノイドは化学的な性質(イオン半径)がほぼ同じため、通常の化学的な手法で分別するのは難しい。一方、各元素は吸収する光の波長が異なるため、光吸収により元素を選んでエネルギーを付与できる。この特徴が分別に役立つと考えられたが、単純な光吸収ではエネルギーが足りないため化学反応を誘起できず分別の原理としては不完全であった。我々は、エネルギーを補うための別の光吸収を同時に起こすことで、アメリシウムの光誘起反応の観測に世界で初めて成功した。また、この原理を使い、ランタノイドが共存する溶液中から光反応したアメリシウムだけ回収できることを実証した。放射性廃棄物分別工程の簡素化や希少金属の超高純度精錬への貢献が期待される。
松田 晶平; 中島 信昭*; 横山 啓一; 谷口 誠治*; Chosrowjan, H.*; 染川 智弘*; 八ッ橋 知幸*
Chemical Physics Letters, 802, p.139759_1 - 139759_6, 2022/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)ブロック元素の-遷移波長での共鳴多光子励起によって標的元素の酸化数のみを選択的に制御する技術は、希少金属の高純度な精製方法への応用が期待できる。この共鳴多光子過程を経る酸化還元の効率については、一光子目と二光子目それぞれの量子収率と吸収断面積が重要な因子である。そこで本研究では三価ユウロピウム(Eu)から二価ユウロピウム(Eu)への還元効率のレーザーフルエンス依存性を精密に調べることでそれらを評価した。その結果、励起波長394nmでのEuの二光子吸収過程における一光子目の量子収率の値、二光子目の量子収率と吸収断面積の積の値を見積もることができた。また、従来よりも広いフルエンス領域を調べたことで飽和が観測され、必要なレーザー出力の上限が推定できた。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 小林 恵太; 田中 万也; 小林 徹; 谷田 肇; 下条 晃司郎; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.
iScience (Internet), 25(8), p.104763_1 - 104763_12, 2022/08
被引用回数:9 パーセンタイル:68.02(Multidisciplinary Sciences)ラジウム(Ra)は環境汚染やがん治療の観点から注目を集めている元素である。しかし、安定同位体が存在せず扱いが難しいことから、物理化学的に重要な水和構造さえも原子レベルでの観測が行われていない。本研究では、世界で初めて、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法を用いたRa水和構造の解明を行った。また、第一原理計算による水和構造解明も実施し、実験ではわからない水分子のダイナミクスの解明を行った。両者の比較も行ったところ、実験と計算の結果はよく一致し、Raの第一水和圏における配位数や酸素との距離を解明した他、アナログ元素であるバリウムに比べて水分子の配位が弱いことがわかった。これらはRaの環境挙動解明やがん治療開発等に資する結果である。
下条 晃司郎; 藤原 伊織*; 大島 達也*; 横山 啓一; 矢板 毅
Analytical Sciences, 38(7), p.1003 - 1006, 2022/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)ジオクチルチオジグリコールアミド酸(DOTDGAA)はチオエーテル鎖によってアミド基とカルボキシ基を結合した硫黄ドナー配位子である。このDOTDGAAを新規に合成し、ランタノイドの溶媒抽出を行った。DOTDGAAのランタノイドに対する抽出能および選択性について、類似化合物である酸素ドナー配位子ジオクチルジグリコールアミド酸(DODGAA)と比較し、ランタノイド分離におけるソフト・ハードドナーの影響について調査した。その結果DOTDGAAは全てのランタノイドを定量的に抽出し、特に軽ランタノイド、中ランタノイドに対して選択性を示した。一方、DODGAAは重ランタノイドに対して選択性を示した、スロープ解析の結果から、DOTDGAAはプロトン交換反応によりランタノイドを抽出し、1:3錯体を形成していることを証明した。また、抽出されたランタノイドは酸性溶液によって簡便に逆抽出できることが明らかとなった。
関口 哲弘; 横山 啓一; 矢板 毅
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 20(3), p.186 - 195, 2022/07
Cs-135を含む長寿命核種の同位体分離に関する技術開発は放射性廃棄物の減容化および中性子照射による長寿命核種の核変換消滅の要素技術として重要である。THzレーザー光をヨウ化セシウム分子Cs(-133/-135)Iに照射することにより同位体選択的な解離反応を引き起こすことができる。しかし問題として、選択的に生成するCs-135原子は安定同位体から成るCs(-133)I分子との衝突により、同位体交換を起こす。よって我々はCs原子のみを選択的に吸蔵材料に回収し、衝突を回避する試みを検討している。Cs原子は炭素(C)吸蔵材料内の数100オングストロームの深部まで侵入する。それに対しCsI分子は材料内に浸透しない。しかし室温ではCsI分子が堆積する問題が残された。本研究では加熱によりCsI堆積を防ぐことを検討した。X線光電子分光(XPS)測定を行い、材料の組成,深さ濃度分布,膜厚を評価した。Cs蒸着後の加熱アニーリング効果およびCs蒸着中の加熱効果を調べた。CsI分子が表面に残らず、Csが炭素材料に残存する可能性について検討した。
松田 晶平; 横山 啓一; 矢板 毅; 小林 徹; 金田 結依; Simonnet, M.; 関口 哲弘; 本田 充紀; 下条 晃司郎; 土井 玲祐; et al.
Science Advances (Internet), 8(20), p.eabn1991_1 - eabn1991_11, 2022/05
被引用回数:6 パーセンタイル:53.32(Multidisciplinary Sciences)fブロック元素は化学的性質が類似している。一方、それらの電子スペクトルではf電子準位間の光学遷移が明瞭に異なる。このf-f遷移波長での共鳴励起によって元素の酸化状態を制御することができれば、化学的な分離が難しいfブロック元素の精密分離技術が生まれる可能性がある。これまでに3つのランタノイド元素で共鳴多光子還元が観測されているが、アクチノイドでの共鳴多光子反応は報告例はなかった。本研究では硝酸水溶液においてアクチノイドの一つである三価アメリシウムの共鳴多光子電荷移動による光酸化を観測した。また、硝酸錯体が一次過程に寄与することが示唆された。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.
放射化学, (45), p.28 - 30, 2022/03
ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていない。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を分子レベルで解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合した。粘土鉱物において、Raは内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。本稿では特に水和構造の結果について詳細に述べる。
Simonnet, M.; 小林 徹; 下条 晃司郎; 横山 啓一; 矢板 毅
Inorganic Chemistry, 60(17), p.13409 - 13418, 2021/09
被引用回数:17 パーセンタイル:90.08(Chemistry, Inorganic & Nuclear)Phenanthroline carboxamide compounds are promising for lanthanide intra-series separation. This paper presents a study on the effect of structure modification of phenanthroline carboxamides onto the extraction of the whole lanthanide series. The study consists in theoretical calculations, extraction experiments of the 14 stable lanthanides and EXAFS analyses of Nd and Dy complexes. The comparison of the tridentate monocarboxamides and the tetradentate dicarboxamides shows different trend in the series extraction, although both preferentially extract the light lanthanides. The amide substituents, although not directly coordinating the metal ions, were also found to impact the distribution ratio, most probably due to a modification in the internal polarity of the molecules. This latter effect, if extrapolated to other nitrogen-based ligands such as pyridines or triazines, can be used to further fine-tune extractants for a process improvement.
郷 慎太郎*; 井手口 栄治*; 横山 輪*; 青井 考*; Azaiez, F.*; 古高 和禎; 初川 雄一; 木村 敦; 木佐森 慶一*; 小林 幹*; et al.
Physical Review C, 103(3), p.034327_1 - 034327_8, 2021/03
被引用回数:4 パーセンタイル:54.40(Physics, Nuclear)Excited states in S were investigated by in-beam -ray spectroscopy using the Mg(O, 21) fusion-evaporation reaction. The de-exciting -rays were measured with germanium detector arrays along with the measurement of evaporated charged particles in a segmented Si detector array. The level scheme was extended up to 12470 keV. The obtained level structure is compared with the large-scale shell-model calculations. The possibility of isoscalar-pair excited states is discussed for states with comparison between the experimental and theoretical results.
下条 晃司郎; 鈴木 英哉; 横山 啓一; 矢板 毅; 池田 篤史
Analytical Sciences, 36(12), p.1435 - 1437, 2020/12
被引用回数:14 パーセンタイル:65.87(Chemistry, Analytical)ヘキサオクチルニトリロトリアセトアミド(HONTA)は三級アミンと3つのアミド基からなる三脚型抽出剤である。このHONTAを用いてテクネチウム(TcO)とレニウム(ReO)を除去するために溶媒抽出法を検討した。HONTAを用いた抽出挙動は他の抽出剤アルキルジアミドアミン(ADAAM(Oct)およびADAAM(EH)),市販のアミン型抽出剤トリオクチルアミン(TOA)を用いた場合と比較した。HONTAはpH1.0から2.5でTcOとReOを定量的に抽出し、そのメカニズムはプロトン共抽出であることを明らかにした。抽出剤の抽出能力はHONTA ADAAM(Oct) ADAAM(EH) TOAであった。また、有機相に抽出されたTcOとReOは回収水相として中性水溶液を用いることにより逆抽出を行うことが可能であり、正抽出と逆抽出を5回繰り返してもHONTAの抽出能力は維持されることを明らかにした。
中島 信昭*; 八ッ橋 知幸*; 迫田 憲治*; 岩倉 いずみ*; 橋本 征奈*; 横山 啓一; 松田 晶平
Chemical Physics Letters, 752, p.137570_1 - 137570_5, 2020/08
被引用回数:1 パーセンタイル:4.74(Chemistry, Physical)溶液中のユウロピウムイオンにレーザー光を照射することによりEuとEuとの間の光酸化還元反応を調べた。3種類のレーザーを用いてその反応効率、波長依存性、レーザーパワー依存性などを観察した。波長308nmのナノ秒レーザーでは1光子過程が起こり酸化・還元とも量子収率0.5前後の高い値が得られた。394nm、5mJのナノ秒レーザーパルスでは2光子過程が起こり還元の量子収率は0.015程度になった。308nmの結果よりも1桁以上低い値ではあるが、容易に光還元を起こすことができることを明らかにした。パルスエネルギーを増やすことにより効率をもっと上げることができると考えられる。
Tang, T. L.*; 上坂 友洋*; 川瀬 頌一郎; Beaumel, D.*; 堂園 昌伯*; 藤井 俊彦*; 福田 直樹*; 福永 拓*; Galindo-Uribarri, A.*; Hwang, S. H.*; et al.
Physical Review Letters, 124(21), p.212502_1 - 212502_6, 2020/05
被引用回数:14 パーセンタイル:72.90(Physics, Multidisciplinary)中性子過剰核Fの構造が()反応で調査した。軌道の分光学的因子は1.00.3と大きいが、一方で残留核であるOが基底状態である割合は約35%,励起状態は約0.65%であることが明らかになった。この結果は、Fのコア核Oは基底状態とは大きく異なり、Oの軌道に陽子がひとつ加わることでOとFの中性子軌道が相当に変化していると推測される。これは酸素同位体ドリップライン異常のメカニズムである可能性がある。
Simonnet, M.; 鈴木 伸一; 宮崎 有史*; 小林 徹; 横山 啓一; 矢板 毅
Solvent Extraction and Ion Exchange, 38(4), p.430 - 440, 2020/00
被引用回数:18 パーセンタイル:68.40(Chemistry, Multidisciplinary)Separation of lanthanides is especially challenging because of their chemical similarities. Therefore, improving the separation process is essential. In this work, we present the effect of the counterion nature on the lanthanide extraction by a 1,10-phenanthroline derivative, the -octyl--tolyl-1,10-phenanthroline-2-carboxamide. Modification of the counterion yields a drastic change in selectivity, with a shift in the maximum of extraction from the light lanthanides (Pr, Nd, Sm) in nitrate system to the heavy lanthanides (Dy, Ho) in perchlorate system. Other salts (NaCl, NaNO) showed a gradual increase in extraction along the whole lanthanide series, or no effect (NaSO). The difference was explained by different coordination in the organic phase. The reversed behaviour depending on the anion is especially interesting because a cycling extraction/back-extraction of light lanthanides in nitrate/chloride media or a cycling extraction/back-extraction of heavy lanthanides in perchlorate/nitrate media can enhance the separation factors of respectively Nd and Dy/Ho.
横山 啓一; 松岡 雷士*
量子ウォークの新展開; 数理構造の深化と応用, p.228 - 242, 2019/08
拡散現象の数理モデルである古典的ランダムウォークの量子力学版として量子ウォークが数理統計分野で注目されている。この量子ウォークを光と物質の相互作用に応用することにより全く新しい同位体分離のスキームが可能になることを示す。また、その革新性と課題を紹介する。
黒崎 譲*; 横山 啓一
Universe (Internet), 5(5), p.109_1 - 109_15, 2019/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Astronomy & Astrophysics)二原子ハロゲン化アルカリ分子の振動回転励起に関して、最適制御理論に基づいて最適レーザー電場波形を計算した。今回は2光子過程の効果を計算に取り入れるために分子と電場の相互作用ハミルトニアンに分極率の項を追加した。その結果、弱い電場強度では従来と同じ1光子過程のみが関与する最適波形が得られた。一方、比較的強い電場強度では2光子過程と1光子過程が同時に寄与する電場波形が得られた。これらの結果は2光子過程の効果を最適制御計算にうまく取り込めていることを示唆している。これにより、より現実的な計算が可能になった。
小林 孝徳*; 松岡 雷士*; 横山 啓一
Computational and Theoretical Chemistry, 1150, p.40 - 48, 2019/02
被引用回数:1 パーセンタイル:1.96(Chemistry, Physical)セシウムの同位体分離法の開発に関連して、ヨウ化セシウム分子とセシウム原子の衝突によるセシウム交換反応の反応速度定数を量子化学計算及び擬古典トラジェクトリー計算により評価した。その結果、3.610cm/molecule/sという大きな値が得られた。また、わずかながら正の温度依存性を持つことが示され、長距離相互作用による引力ポテンシャルと解離プロセスの影響がその原因と考えられた。
関口 哲弘; 横山 啓一; 魚住 雄輝*; 矢野 雅大; 朝岡 秀人; 鈴木 伸一; 矢板 毅
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.161 - 164, 2018/11
長寿命放射性核種であるセシウム-135(Cs)の除去に向け、Cs元素の同位体分離技術の確立を目指す。同位体選択的レーザー光分解によりCs原子が選択的に生成される。Cs原子(Cs)とヨウ化セシウム分子(CsI)との衝突による同位体交換を防ぐ目的で、Cs原子だけを選択的に捕集し、CsI分子を吸蔵しないような炭素材料の開発を行う。今回、吸蔵剤候補としてフラーレンC分子を用い、Csの深さ方向の濃度分布を評価する実験を行った。角度分解X線光電子分光法およびArイオンスパッター法を行い、室温におけるC固体へCs原子およびCsI分子がどの程度材料深部へ吸蔵されるかを調べた。CsI分子がC固体表面の浅い領域に堆積するのに対し、Cs原子はC固体深くに浸透するという実験結果を得た。Cs同位体分離のための選択吸蔵材料としてフラーレン固体が有望であることを示す結果である。
小林 孝徳*; 松岡 雷士*; 横山 啓一
日本エネルギー学会誌, 96(10), p.441 - 444, 2017/10
セシウム交換反応CsI (v=0, j=0) + Cs Cs + ICsの反応断面積を調べるため、ab initio分子軌道法計算により作成したポテンシャルエネルギー面を用いた準古典的トラジェクトリー計算を行った。ポテンシャルエネルギー面から反応中間体CsIの生成に入口障壁がないこと、2つのCsI結合が等価であることが明らかになった。トラジェクトリー計算により反応断面積は衝突エネルギーの増加と共に単調増加することが分かった。CsI分子の初期内部状態がv=0, j=0の場合の反応速度定数は500-1200Kの温度範囲で310cm molecules程度と見積もられ、わずかながら負の温度依存性が見られた。