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米田 安宏; Kim, S.*; 森 茂生*; 和田 智志*
Japanese Journal of Applied Physics, 61(SN), p.SN1022_1 - SN1022_10, 2022/11
被引用回数:1 パーセンタイル:17.38(Physics, Applied)(1-)BiFeO-BaTiO固溶体の局所構造解析を放射光高エネルギーX線回折実験で得られたデータをPDF解析することによって行った。まず、XAFS実験を行いサンプルスクリーニングを行ったところ、BiFeOリッチな組成での構造揺らぎが大きいことがわかった。そこでBiFeOリッチな組成のサンプルのPDF解析を行った。その結果、平均構造は立方晶構造であるものの局所構造は菱面体晶構造で再現でき、さらに揺らぎの大きな組成では菱面体晶の対称性を破る変位があることがわかった。
吉井 賢資; 池田 直*; 福山 諒太*; 永田 知子*; 神戸 高志*; 米田 安宏; 福田 竜生; 森 茂生*
Solid State Communications, 173, p.34 - 37, 2013/11
被引用回数:4 パーセンタイル:20.56(Physics, Condensed Matter)RFeO(R=YbおよびLu)の磁性を調べた。これらの物質は、マルチフェロイック電子強誘電体RFeOの関連物質である。磁気転移温度は270Kであり、RFeOの転移温度230-250Kより明らかに高かった。また、RFeOでも報告されている、スピングラスおよび交換バイアス現象を観測した。これらは、磁気的な乱雑性の存在を示しており、磁気熱量効果のブロードなピークと一致する結果であった。また、磁気熱量効果より得られた、室温に近い磁気冷却温度は、この物質群が応用に適していることを示す。
吉井 賢資; 池田 直*; 道内 尊正*; 横田 祐輔*; 岡島 由佳; 米田 安宏; 松尾 祥史*; 堀部 陽一*; 森 茂生*
Journal of Solid State Chemistry, 182(7), p.1611 - 1618, 2009/06
被引用回数:15 パーセンタイル:51.45(Chemistry, Inorganic & Nuclear)YbFeMnOの磁性と誘電性を調べた(0x1)。この系は、筆者らが発見した新しいマルチフェロイック物質RFeO (R=Y, Ho-Lu)のFeサイト置換系である。粉末X線回折測定を行ったところ、xが0から1の間で混晶となっていることを観測した。放射光吸収分光からは、Mnの価数は2+であることがわかった。この結果から、xとともに低温磁化が小さくなるという、磁化測定の結果を定性的に説明した。また、磁気転移温度及び誘電率は、xを増加するとともに減少した。この結果を、Feサイトの電子移動の減少によって説明した。すなわち、筆者らのこれまでの関連系の実験結果から、RFeOと同構造系の磁性と誘電性は電子移動によって支配されており、イオン変位が重要である通常の誘電体とは異なることを提言した。また、RFeOでのMn置換に関する応用可能性についても簡単に言及した。
早川 弘毅*; 森本 昌規*; 池田 直*; 米田 安宏; 小原 真司*; 吉井 賢資; 松尾 祥史*; 道内 尊正*; 森 茂生*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 34(1), p.51 - 54, 2009/05
最近われわれは、LuFeOが、鉄3d電子の局在化により強誘電性を示す新規なタイプの強誘電体であると報告したが、この物質の詳細な性質はいまだわかっていないことが多い。このことを鑑み、本研究では、LuFeOに対し高エネルギー放射光X線を用いた局所構造解析を行った。Pair-distribution functionに対するフィッティングの結果、強誘電相における局所構造は、これまで報告されている結晶構造とは異なり、ルテチウム原子が変位した構造を持っていることがわかった。このことは、この物質の結晶構造を再検討する必要性を示す。また、局所構造解析の結果を誘電率測定・磁化測定や電子線回折などから得られた結果とあわせて議論し、LuFeOの性質を明らかにすることを試みる。
吉井 賢資; 米田 安宏; 真栄田 大介*; 横田 祐輔*; 道内 尊正*; 小松 拓磨*; 池田 直*; 松尾 祥史*; 森 茂生*
Japanese Journal of Applied Physics, 47(9), p.7599 - 7602, 2008/09
被引用回数:8 パーセンタイル:33.28(Physics, Applied)新規強誘電体RFeO(R=Y,Ho-Lu)の性質を明らかにするため、標記酸化物の物性を調べた。RFeOのうち、物性の報告例のないHoFeOを合成し、磁性と誘電性を調べた。誘電率は室温で1000程度であり、ほかのRFeOと類似であるが、誘電応答における系の乱れと磁気転移温度は明瞭な違いが見られた。この違いは、酸素量の違いに由来すると推測される。また、希土類サイトの置換を行い、物性を調べた。最もイオン半径の異なるYとLuの間で混晶が作成でき、その物性が非混晶系と類似であることから、R=Y,Ho-Luの間で混晶が作成でき、物性も非混晶系と本質的に同じと推測された。さらに、LuFeOのLuの一部を、希土類の中で最も小さいScに置換した。X線回折からは、20%ほどのSc置換が上限であることがわかった。誘電性はLuFeOと類似であったが、磁気転移温度はSc置換により、250Kから200Kへと大幅に下がった。このことは、希土類サイトの置換により、物性コントロールが可能なことを示唆する。
米田 安宏; 吉井 賢資; 小原 真司*; 喜多川 修二*; 森 茂生*
Japanese Journal of Applied Physics, 47(9), p.7590 - 7594, 2008/09
被引用回数:24 パーセンタイル:64.31(Physics, Applied)BiFeOとBaTiOを固溶させた(1-)BiFeO-BaTiOに関しては、Kumarによって室温での構造が=0.33近傍でcubic構造となり、誘電率が増加することが報告されている。また、この混晶の電子顕微鏡観察が森らによって行われており、=0.33の試料では電子回折パターンに散漫散乱が現れ、暗視野像においてツイードパターンが観察されることが報告された。平均構造がcubicであるにもかかわらず、何だかの強誘電的ドメインが観察されるということは、長距離構造には現れないローカルな強誘電性発現機構が存在することを示している。そこで、高エネルギーX線回折で得たデータを元にpair-distribution function解析を行うことで、(1-)BiFeO-BaTiOの局所構造を明らかにし、強誘電的性質とのかかわりを示すことを試みた。その結果、BiOポリヘドロンはBiのlone-pair電子のために歪んだ構造をしており、この局所的な歪みが分極発現機構となっていることがわかった。
吉井 賢資; 池田 直*; 岡島 由佳; 米田 安宏; 松尾 祥史*; 堀部 陽一*; 森 茂生*
Inorganic Chemistry, 47(14), p.6493 - 6501, 2008/07
被引用回数:28 パーセンタイル:73.55(Chemistry, Inorganic & Nuclear)InFeO, InFeCuO及びInGaCuOの磁性と誘電性について調べた。これらは、鉄電荷の秩序化で強誘電性を発現する、新規強誘電体RFeO(R:希土類)と同じ構造を持つ酸化物である。放射光吸収分光からは、インジウムの原子価は3+であり、構成イオンの価数は対応する希土類系と同様である。物性測定からも、対応する希土類系と類似の性質が見いだされた。特徴的な結果として、磁気転移温度と誘電率が、InFeO, InFeCuO及びInGaCuOの順に低下することが見いだされた。この結果を交流電気抵抗率と照らし合わせ、RFeO構造を持つ物質の誘電性が電子の移動と関係していることを提案する。これは、通常の誘電体のように、イオンの変位によって誘電性を発現する機構とは異なるものである。
吉井 賢資; 池田 直*; 森 茂生*; 米田 安宏; 水牧 仁一朗*; 谷田 肇*; 河村 直己*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 32(1), p.51 - 54, 2007/03
ルテニウムを含むダブルペロブスカイト酸化物RuO (=La, Pr, Nd, =Co, Ni, Zn, Mg)の磁性と誘電性について調べた。粉末X線構造解析から、結晶構造はイオンとRuイオンが結晶額的に整列する構造を取っていることがわかった。磁化測定からは、がCoとNiイオンのときのみ、20-30Kに反強磁性転移が起こるが、これは磁性イオンとRuイオンの磁気相互作用によるものである。イオンがMgイオン及びZnイオンの非磁性の場合には、磁気転移は起こらなかった。誘電率測定からは、イオンがCo及びNiの場合のみ、5000程度の大きな誘電率が観測された。結晶構造及び磁化測定の結果から、この誘電率は、磁性あるいは電子移動による短距離の誘電領域が形成されたことによると考えられる。=Niに対する放射光を使った吸収分光から、Ruイオンは4+、Niイオンは2+に近い状態で、過去の論文に提案されているようなバンド形成による電荷状態のずれは観測されなかった。
米田 茂夫*; 久保田 裕史*; 石川 政憲*
PNC TJ7308 97-001, 156 Pages, 1997/03
我が国における地質環境の長期安定性の把握には、様々な天然事象の影響を評価する必要がある。特に、断層活動は考慮すべき重要な天然事象の一つであり、それを把握するには、断層の地表から地下深部の形態、活動の可能性や規模等が重要な要素となる。本調査は、活断層の地域特性に関する調査の一環として、我が国において完新世に活動した可能性の高い断層を対象に、空中写真による活断層トレース判読、断層破砕帯分布図、断層のタイプ別分類図及び活断層帯の幅に関する一覧表の作成を行った。活断層トレース判読では、根尾谷断層を対象としてストリップマップの作成を行った。断層破砕帯分布図の作成では、中央構造線活断層系、阿寺断層系、糸井川-静岡構造線活断層系、柳ヶ瀬-養老断層系について、地質調査所発刊の活断層ストリップマップに、文献から抽出した断層破砕帯の幅を書き加え図面を作成した。断層のタイプ別分類図の作成では、活動度、確実度、断層のタイプ等の分類を基に、活断層の分類を行った。活断層帯の幅に関する一覧表の作成では、「断層活動の場の移動に関するデータの解析調査」で調査した35の活断層を含む54の活断層(帯)についてとりまとめた。
伊勢 明広*; 米田 茂夫*
PNC TJ7308 96-001, 847 Pages, 1996/03
気候・海水準変動は、地質学的・水理学的環境に直接・間接に影響を及ぼすと考えられる。このような影響を適切に予測するためには、気候および海水準の変動様式を把握する必要がある。本件調査では、科学雑誌などに掲載された文献(100編)より、第四紀(最近100万年間)における日本列島周辺の気温、降水量および海水準に関するデータを取りまとめた。その結果、最近8万年間の日本海側における気温の最大値および最小値は、それぞれ現在比+2+3、-8以下であったことが推定された。8万年前以前の気温、および降水量に関しては、定量的な推定を行った研究が極めて少ないことが分かった。一方、海水準に関しては、日本列島周辺だけでなく汎世界的な解析を行った結果、特に最近30万年間の変動を明らかにすることができた。最近約70万年間の海水準は、約10万年周期で変動し、最高値および最低値はそれぞれ現在比約+6m、約-130m以下であることが推定された。また、高(低)海水準継続機関は、唯一研究されている最終間氷期最盛期について、1万数千年程度と推測される。
米田 茂夫*; 古澤 明*
PNC TJ7308 96-002, 77 Pages, 1996/01
将来の火山活動の再開の可能性、再開した場合の活動の規模・様式を予測する上で、過去の活動の履歴(火山活動史)は重要な情報源となるため、過去のイベントを精度よく捉え、詳細な火山活動史を編纂することが必要となる。本調査は、平成6年度に実施した別府湾におけるピストンコアの火山灰分析結果を用いて、別府湾周辺の火山を対象に、アカホヤ火山灰堆積以降(6,300年前)の活動史の編纂、及びピストンコア試料を用いた火山活動史編纂手法の適用条件・編纂精度の検討を目的に実施した。調査の内容は、由布・鶴見岳、九重山周辺、阿蘇山周辺を対象とした火山灰調査と、その際採取した100試料の火山灰の火山灰分析及び屈折率測定である。調査の結果では、別府湾のG-5、G-6火山灰は阿蘇山起源の火山灰に、M-3火山灰は由布岳起源の火山灰に、G-4及びB-1火山灰は久重連山起源の火山灰に対比できる可能性が高いことが判明した。このことは、ピストンコア試料中の火山灰分析が、ピストンコア採取地点周辺の火山活動を検討する上で、有効な手法であることを示すものであり、火山が存在する近傍に水域がある場合には、火山活動史編纂の一手法として、ピストンコアの火山灰分析は極めて有効であるといえる。
米田 茂夫*; 古澤 明*
PNC TJ7308 95-002, 80 Pages, 1995/03
近年の活断層研究では、主に完新世以降の連続した堆積物が保存されており、活断層の変位の累積性に関する極めて詳細な解析ができるため、水域の堆積物について調査が実施されている。本調査は、活断層の変位量を見積もるための変位基準の検討を目的として、水域堆積物の火山灰分析による火山灰層序の確立と、火山灰層序の変位基準としての適用性の検討を行った。火山灰分析の試料は、別府湾の亀川沖西断層を挟んで実施した2本のピストンコアリング(サイト0、サイトP)で採取したコアを用いた。別府湾の試料を選定した理由は、別府湾が活断層の活動性に関する研究の進んだ地域であるためである。火山灰分析は、10cm間隔で300試料について実施し、火山ガラス屈折率測定は、20cm間隔で150試料について実施した。火山灰分析の結果では、火山灰はサイト0、サイトP共に12枚が認められたこと、両サイトの対比では、対比される層準に変位が認められること、深度が深いほど層準の変位量が大きくなることが判明した。層準の変位は、活断層の活動を、変位量の違いは、活断層の複数回の活動を示すものと考えられる。また、アカホヤ火山灰(約6300年前に噴出)にも変位が認められるため、この活断層は6300年前以降にも活動したと想定される。
米田 茂夫*
PNC TJ7308 95-001, 256 Pages, 1995/01
本調査は、断層活動の場の移動を検討するために必要な活断層の諸性質のうち、活動年代と変位量に関する調査の進め方と、調査手法の適用条件、信頼性、精度などの整理、及び調査手法の最適な組み合わせを、文献調査により検討したものである。また、事例調査として水域での音波探査を実施し、その適用性についても検討した。文献調査では、1980年以降に発表された1120編の活断層関連の文献から、調査研究に関わりが深い500編を抽出し、調査手法に関連した内容について整理すると共に、文献要旨を作成した。また、文献要旨については、データベースを作成した。事例研究では、対象海域を大阪湾の神戸沖に設定して、海上音波探査及びピストンコアリングを実施し、放射性炭素年代測定及び火山灰分析を行った。調査の結果では、各調査手法は、活断層調査で重要な活動性の評価を行う上で、かなり有効な手法であるといえる。以上の結果を踏まえ、活断層の調査手法として、文献調査、地形調査、地表地質調査、物理探査、地化学調査、地殻変動調査、ボーリング調査(孔内検層を含む)、ピストンコアリング、トレンチ調査、室内試験を選定し、活断層調査のフローチャートを作成した。また、各調査法についても調査の流れを示した。
米田 茂夫*
PNC TJ7308 94-007, 81 Pages, 1994/03
本調査は、水理地質構造モデル構築の一環として、地下水流動の規制要因と考えられる断層・破砕帯等の位置や規模、及び不整合面(堆積岩と花崗岩との不整合面)深度や形状を把握するために、東濃鉱山周辺地域を対象に、屈折法弾性波探査及び測線上の現地地質調査を実施したものである。探査の測線長は1,700m、受振点間隔は10m、起振点間隔は70160mである。現地調査の結果、測線0845m間及び1,1601,700m間は、基質の花崗岩マサ中にチャート・花崗岩の円礫を含む砂礫層で、鮮新統の土岐砂礫層に相当する。また、測線845m1,160m間は青灰色の細粒中粒凝灰質砂岩で、中新統の瑞浪層群明世累層に相当する。弾性波探査の結果、調査地の地盤は速度分布の違いにより4つの速度層に区分される。第1速度層は、0.30.8km/secの速度値を示し、現地形に沿うような形で113mの層厚で分布する。第2速度層は、0.81.4km/secの速度値を示し、上位の第1速度層に沿うような形で319mの層厚で分布する。第3速度層は、1.82.2km/secの速度値を示し、26108mの層厚で分布する。第4速度層は、調査地の基盤速度層で4.06.0km/secの速度値を示す。また、本探査側線において3箇所の低速度帯が認められるが、これらはいずれも第四速度層の速度値の1/2以下の速度値である。現地調査及び既存試錐孔データから、第1速度層は表土・崖錐堆積物及び土岐砂礫層・瑞浪層群の強風化部、第2速度層は、土岐砂礫層・瑞浪層群の風化部、第3速度層は土岐砂礫層及び瑞浪層群の新鮮部及び土岐花崗岩の風化部、第4速度層は土岐花崗岩新鮮部に相当すると考えられる。また、519m568m間の低速度帯は、月吉断層及びそれに伴う破砕帯に相当するものと考えられる。
米田 茂夫*; 石川 正憲*
PNC TJ7308 94-005, 82 Pages, 1994/03
本調査は、昨年度、日本における断層活動の時間的・空間的変化の解析のために収集した338文献をもとに、活動の場の移動した可能性のある断層の地域特性、形態特性に関する情報をデータファイル化し、断層の場の移動特性について検討を行ったものである。本調査では、断層の走行・傾斜、長さ、変位量、破砕幅、活動年代、移動量や地質などの項目について、35断層群の338文献から753件のデータを抽出し、データファイルを作成した。ただし、収集した文献のうち、断層活動の場の移動に関する観点での研究事例は数件に限られていたため、抽出したデータに基づく移動特性の解析は充分に行うことができなかった。しかしながら、収集データに基づき断層の活動パターンに5つのタイプに判別し、それぞれのタイプについて断層活動の場の移動の観点から検討することができた。また、抽出データ数の比較的多い断層群(中央構造線、阿寺断層系、一志断層系)について、移動特性と地域特性・形態特性の関係の解析を試みた結果、移動特性と形態特性の間に相関のある可能性が考えられた。以上の調査結果を踏まえ、今後の調査では、データの多い断層群を対象に、必要なデータを集中的に収集し、断層の場の移動の観点から検討することを提案した。
not registered; 米田 茂夫*; 小屋開地 稔*
PNC TJ7308 93-005, 292 Pages, 1993/03
性能評価研究の一環として進めている、広域の地下水理・水文機構の解明に関する研究の基礎資料を得るため、日本全国の地表から深度1000m付近までの地盤の透水性に関する文献調査を平成3年度より実施している。本調査では、664件の透水性データ(主として原位置試験データ)を収集し、昨年度のデータと併せた1517件のデータを用い、日本の地盤の透水特性について検討すると共に、東農地方についても試験データを用いて透水特性を検討した。その結果では、日本の地盤の透水特性としては、岩種間の透水係数分布に大差がないこと、亀裂性地盤では透水係数が深度依存性をややかなり有すること、多孔質地盤では堆積物の粒度組成が透水性に大きく影響することが明らかになった。また、東農地域の透水係数は日本全国のそれに比べ、10-2オーダ低いことを示している。しかし、今回収集したデータは土木工事に関連するものが多いため、深部地盤や透水係数が低い地盤のデータがほとんどなく、日本の地盤の地下1000mまでの透水特性については充分に検討できなかった。今後は、これらのデータを得るために現位置での詳細な調査・研究を行い、本調査結果と併せて日本の地盤の透水特性を把握していく必要がある。
米田 茂夫*
PNC TJ7308 93-003, 129 Pages, 1993/03
新層活動による地質環境の長期安定性への影響を評価するためには、断層活動に関する既存データを収集・解析し、その発生の可能性及び変動の規模、活動の時間的・空間的変化などの特性を把握することが重要である。本調査では、日本における断層活動の時間的・空間的変化の解析のためのデータを得るために、断層活動の場が移動した可能性のある34断層(中央構造線を赤石・紀伊半島と四国に区分)について文献の収集を実施した。さらに、これらの断層毎に文献リストを作成するとともに、基本的特性の整理を行った。文献の収集・リストの作成及び基本的特性の整理は、「{新編}日本の活断層分布図と資料」(活断層研究会編、1991)に基づき実施したが、文献の収集については容易に入手できる公表文献とした。調査の結果では、各断層毎の文献数の合計は743件であるが、複数の断層を記載した文献があるため、実際の収集文献数は338件である。収集文献については別冊の文献集に、文献リスト及び断層の基本的特性については報告書の巻末にそれぞれとりまとめた。
米田 茂夫*; 小屋開地 稔*; 桜本 勇治*
PNC TJ7308 91-001VOL1, 119 Pages, 1991/03
地層処分に関連した調査研究の一環として,地質環境の適性評価や処分システムの性能評価に資することを目的とし,我が国の地下水の地球化学的性質に関する既存データの収集・解析を実施した。収集したデータ数は約15,000である。貯留母岩別の平均的な地下水の水質は,石灰岩や第四紀堆積層などでCa(Na)-HC03型,花崗岩類,玄武岩類及び新第三紀堆積岩などでNa-Cl型を示す。また,温鉱泉・化石海水及び海水の影響を排除する条件で抽出した約5000データを用いて,地下水の水質と貯留母岩の岩種等の関係を検討し,以下に示す知見を得た。・ CO2に対してある程度開放的な環境下の地下水は,貯留母岩との反応が進行すれば,その岩種にかかわらず,pH及びNa+・HCO3-濃度が高くなる。・ CO2に対して比較的閉鎖的な環境下の地下水は,貯留母岩との反応が進行すれば,その岩種にかかわらず,pHが高くなるが,さほどNa+・HCO3-濃度が高くならない。
吉井 賢資; 池田 直*; 岡島 由佳; 米田 安宏; 松尾 祥史*; 堀部 陽一*; 森 茂生*
no journal, ,
鉄電荷の実空間秩序によって強誘電性を示す新規強誘電体RFeOにつき(R:希土類)、その鉄サイト置換物質及び、希土類サイトをインジウムに置換した物質に関して磁性と誘電性を調べた。実験の結果、磁気転移温度と誘電率の値が抵抗率と相関を持って変化をすることがわかった。RFeOの誘電性の発現機構から考え、この結果は、この系の磁性も誘電性も、電子の移動に由来することを示唆する。