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Zhang, H.*; 梅原 裕太郎*; 堀口 直樹; 吉田 啓之; 江藤 淳朗*; 森 昌司*
Energy, 335, p.138090_1 - 138090_18, 2025/10
原子力発電は、カーボンニュートラルな未来を実現するための重要な低炭素エネルギー源である。沸騰水型原子炉(BWR)では、燃料棒周囲における蒸気と水の環状流が原子炉の安全性にとって極めて重要であるが、その高温高圧条件(285
C、7MPa)により、直接計測が困難である。この問題に対処するため、我々はHFC134a-エタノール系を低温定圧条件(40
C、0.7MPa)で用いることで、BWRの液膜流の模擬実験を実施した。高速度カメラと定電流法を用いて、液膜特性、波速度および周波数を分析した。また表面張力と界面せん断応力の影響を調査した。さらに基底液膜厚さについて新たな相関関係を提案した。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 吉田 啓之
画像ラボ, p.1 - 5, 2025/08
本稿では、原子炉燃料集合体のような複雑な流路内における気泡の3次元分布を可視化するための新たな計測技術について紹介する。気泡流は多くの工学分野で重要であり、特に原子力工学においては気泡挙動が原子炉の性能や安全性に大きく影響するため、その詳細な把握が求められている。従来のルールベース画像認識では、視線方向に重なった気泡の識別が困難であったが、本研究では深層学習(Mask R-CNNとSwin Transformer)を用いることで、少ない学習データでも高精度な気泡検出を実現した。さらに、ByteTrackを用いたトラッキング技術により、複雑な運動をする多数の気泡の追跡も可能となった。2台のハイスピードカメラを用いて異なる視点から撮影した画像を組み合わせ、楕円体近似により気泡の3次元形状を再構成することで、気泡の位置、直径、速度などの3次元的な瞬時局所情報を取得できる。また、流路内の構造物による視界の遮蔽や屈折の影響を排除するため、水と同程度の屈折率を持つ透明材料(PFAチューブ)を用いて模擬燃料棒を製作し、複雑な構造を持つ流路でも歪みのない撮影と計測を可能にした。これにより、従来困難であった複雑流路内の気泡挙動の3次元可視化が実現された。本技術は、少ないカメラ台数と学習量で高精度な3次元可視化を可能であることから、気泡以外の対象物への応用も期待されている。
神谷 朋宏; 永武 拓; 小野 綾子; 多田 健一; 近藤 諒一; 長家 康展; 吉田 啓之
Mechanical Engineering Journal (Internet), 12(4), p.24-00461_1 - 24-00461_9, 2025/08
原子力機構では、高忠実な核熱連成シミュレーションを実現するためにJAEA Advanced Multi-Physics Analysis platform for Nuclear systems (JAMPAN)の開発を行っている。今回は、JAMPANを用いたMVP/JUPITER連成シミュレーションの実現可能性を確認するため、単一のBWR燃料集合体に対する核熱連成シミュレーションを実施した。核熱連成シミュレーションの結果、ボイド率とそれに対応する燃料棒の発熱量分布について定性的に妥当であることを確認した。
結城 光平*; 堀口 直樹; 吉田 啓之; 結城 和久*
Mechanical Engineering Journal (Internet), 12(4), p.24-00451_1 - 24-00451_8, 2025/08
福島第一原子力発電所の燃料デブリは通常、浸漬状態で冷却される。しかし、予期せぬ水位低下が発生した場合、冷却水が多孔質構造を持つ高温の燃料デブリに接触する。このような場合、燃料デブリを早急に冷やす必要があるが、固液接触時の毛細管現象といった熱挙動は十分に理解されていない。本論文では、1mm以下の小孔を有する金属多孔体に接触した液滴の蒸発特性を評価した基礎研究について述べる。孔径1, 40, 100
mのブロンズまたはステンレス多孔体を用いた実験を行い、液滴のライフタイム曲線を推定した。結果として、発生した蒸気が小孔から排出されることで、多孔質体表面ではライデンフロスト現象が抑制されることがわかった。さらに、ブロンズ多孔質体では多孔質体の温度が上昇すると微細構造を持つ酸化膜が毛細管現象を促進した。一方、ステンレス多孔体では濡れ性が低いことで毛細管現象が抑制され、孔内への液滴の吸収および分散が抑制される。したがって、燃料デブリには毛細管力が作用しないと仮定して冷却システムを構築すべきである。
上澤 伸一郎; 山下 晋; 佐野 吉彦*; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 62(6), p.523 - 541, 2025/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)東京電力福島第一原子力発電所(1F)の廃炉における汚染水対策として、日本原子力研究開発機構(JAEA)では、燃料デブリの位置や発熱、空隙率の影響を含む、空冷時の熱挙動を計算するため、ポーラスモデルを用いたJUPITERコードによる数値解析手法の開発を進めている。本研究では、ポーラスモデルを用いたJUPITERの妥当性確認を行うため、多孔質体を用いた自然対流熱伝達実験とその数値シミュレーションを実施した。実験とシミュレーションの温度と速度の分布を比較すると、多孔質体の上面付近の温度を除き、シミュレーションの温度分布は実験の温度分布と良く一致した。また、速度分布も実験結果と定性的に一致した。妥当性確認に加えて、本研究では、多孔質体の内部構造に基づく有効熱伝導率が自然対流熱伝達に及ぼす影響について検討するために、様々な有効熱伝導率モデルを用いた数値シミュレーションも実施した。その結果、多孔質媒体内の温度分布や自然対流の速度分布はモデルごとに大きく異なることがわかり、燃料デブリの有効熱伝導率は1Fの熱挙動解析における重要なパラメータの一つであることがわかった。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 永武 拓; 山下 晋; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 62(5), p.432 - 456, 2025/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)ワイヤメッシュセンサ(WMS)の精度を明らかにするため、単一の球形気泡と気泡流に対してWMSの静電場シミュレーションを実施した。単一気泡の静電場シミュレーションでは、様々な気泡位置における電流密度分布と、送信ワイヤから受信ワイヤまでの電流経路を示した。その結果、WMS周囲の不均一な電流密度分布に基づく系統的誤差があることを明らかにした。また、数値流体解析コードJAEA Utility Program for Interdisciplinary Thermal-hydraulics Engineering and Research (JUPITER)で得られた気泡流結果に対して静電場シミュレーションを実施したところ、線形近似やMaxwellの式などの、WMS信号からボイド率への既存の変換方法では0と1の間の瞬間ボイド率の中間値を定量的に推定できなかった。また、WMS信号に対してボイド率
0.2という大きなばらつきがあり、瞬間ボイド率を定量的に計測することが困難であることがわかった。一方で、時間平均ボイド率においては、流路の中心付近のボイド率は線形近似を使用して推定でき、流路壁面近くのボイド率はMaxwellの式を使用して推定できることがわかった。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 吉田 啓之
混相流, 39(1), p.61 - 71, 2025/03
高速度ビデオカメラを用いた気泡可視化は、気泡径や気泡速度の計測技術として用いられてきた。しかし、ボイド率が高い条件下では、ボイド率の増加とともにカメラの視線方向に対する気泡の重なりが増加するため、気泡の検出が困難であった。また、ロッドバンドル流路のような障害物がある体系では可視化がさらに困難になる。本研究では、Shifted Window Transformerを用いたディープラーニングに基づく気泡検出技術を2方向から撮影した気泡画像に適用し、ロッドバンドル流路内の気泡サイズ、気泡の3次元位置、3次元軌跡を求めた。さらに、水とほぼ同じ反射率のパーフルオロアルコキシアルカンチューブを流路に用い、流路全体の気泡流を可視化した。その結果、気泡の重なりやロッド後方の気泡など、個々の気泡を識別して検出できることを確認した。さらに検出結果を用いて、各気泡の直径と流速ならびに断面ボイド率を求めた。
堀口 直樹; 吉田 啓之; 金子 暁子*; 阿部 豊*
Physics of Fluids, 37(3), p.033333_1 - 033333_20, 2025/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Mechanics)シビアアクシデントにおいて溶融燃料は浅い冷却材プール中で壁面衝突噴流として振る舞って微粒化し、デブリとして堆積することが想定されるため、壁面衝突噴流の微粒化機構の解明が重要である。本研究は、浅水プール中の壁面衝突噴流の渦状流れにおける微粒化機構の解明を目的とし、微粒化の素過程として液滴形成に着目した。液液系において屈折率を一致させた3D-LIF法を用いた実験によって得られた三次元界面形状データに対して定量化手法を適用することで機構を定量的に調査した。液滴と渦状流れの拡がり挙動の詳細な観察およびこれら挙動の定量評価によって、渦状流れが液滴の支配的な発生源であることを見出した。次に渦状流れに働く力を分析し、この渦状流れの形成・崩壊プロセスを見出した。この渦状流れに働く法線力の加速度は遠心力の見かけの加速度および重力加速度で代表できる。次に微粒化の素過程である液滴形成に着目して分析し、渦状流れにおいて二つの液滴形成パターンを見出した。一つ目は液膜自体から液滴が形成する液膜破断パターンであり、二つ目は液膜上の界面波から液滴が形成するサーフィンパターンである。無次元数を用いて液滴データを整理し、異なる液滴形成機構を表した理論線と比較した。この比較により、渦状流れにおける液滴形成機構を明らかにした。
中村 聡志; 石井 翔*; 加藤 仁*; 伴 康俊; 蛭田 健太; 吉田 拓矢; 上原 寛之; 小畑 裕希; 木村 康彦; 高野 公秀
Journal of Nuclear Science and Technology, 62(1), p.56 - 64, 2025/01
被引用回数:1 パーセンタイル:37.73(Nuclear Science & Technology)過酸化ナトリウム(Na
O
)融解処理法を用いた燃料デブリの元素組成分析法を検討した。融解処理条件として、2種類の模擬デブリ試料((Zr,RE)O
の固溶体及び溶融炉心-コンクリート相互作用生成物(MCCI)など)を用いて融解処理温度及びるつぼ材について検討した。検討の結果、るつぼ材にNiを用いて、923Kで融解処理を行うことが最適な処理条件であることが示唆された。これを受けて、TMI-2デブリを用いたコンクリートセルでの実証試験に適用し、燃料デブリの完全溶解を確認した。得られたTMI-2デブリ溶解液の元素組成は再現性に優れ、SEM/WDX及びXRDによる分析結果と良好な一致を示し、妥当性を確認した。したがって、本手法は燃料デブリの元素組成分析において、有効であると考えられる。
上澤 伸一郎; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(11), p.1438 - 1452, 2024/11
被引用回数:2 パーセンタイル:62.28(Nuclear Science & Technology)本研究では、重なり合う気泡の中から個々の気泡を検出・分割するために、Shifted window Transformer (Swin Transformer)を用いた深層学習ベースの気泡検出器を開発した。検出器の性能を検証するため、学習画像数を変えて平均適合率(AP)を計算した。APは、訓練画像の数が50枚以下の場合は、トレーニング画像の数の増加とともに増加したが、50枚を超える場合は一定であった。50枚以上ではSwin Transformerと一般的なCNNであるResNetのAPはほぼ同じであったが、学習画像が少ない場合はSwin TransformerのAPがResNetのAPを上回った。また、ボイド率が増加すると、Swin TransformerのAPはResNetの場合と同様の減少を示したものの、学習画像が少ない場合はSwin TransformerのAPが全てのボイド率においてResNetのAPを上回った。さらに、合成気泡画像で学習した検出器で、気泡流可視化実験の重なった気泡や変形気泡の検出が可能であることを確認した。このように、Swin Transformerを用いた新しい気泡検出器は、ResNetを用いた検出器よりも少ない学習画像で高いAPを得られることが確認された。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 山下 晋; 吉田 啓之
Proceedings of 13th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS13) (Internet), 7 Pages, 2024/11
電極間の気相と液相の導電率の違いを利用したコンダクタンス型ワイヤメッシュセンサ(WMS)は、流路断面ボイド率分布を測定する有効な手法の一つである。本研究では、WMSの計測誤差を明らかにするために、単一球形気泡と気泡流についてWMS周りにおける数値流体力学(CFD)解析と静電場解析を実施した。単一気泡における解析結果より、WMS周囲の不均一な電流密度分布に基づく計測誤差があることが明らかにされた。ボイド率の瞬時値とWMS信号の関係は、同じ気泡であっても、WMSを通過する気泡の位置に対して一意に決まらず、従来用いられてきたWMS信号からボイド率への変換方法である線形近似やマクスウェルの式とも一致しないことが確認された。気泡流における解析結果より、瞬時ボイド率の定量的な計測は、ボイド率の偏差が
0.2程度と大きく、難しいことがわかった。一方、WMS信号を時間平均するとその偏差は減少することが確認された。このように、既存の変換方法を使用したWMSでは時間平均ボイド率を計測できるものの、瞬時ボイド率を定量的に計測することは困難であることがわかった。
結城 光平*; 堀口 直樹; 吉田 啓之; 結城 和久*
Proceedings of 31st International Conference on Nuclear Engineering (ICONE31) (Internet), 4 Pages, 2024/11
福島第一原子力発電所の燃料デブリは浸漬状態で冷却されている。しかし、予期せぬ水位低下が発生した場合、冷却水が多孔質構造を持つ高温の燃料デブリに接触する。このような場合、燃料デブリを早急に冷やす必要があるが、固液接触時の毛細管現象といった熱挙動は不明である。本論文では、基礎研究として、1mm以下の小孔を有する金属多孔体に接触した後の液滴蒸発特性を評価した。実験では、液滴のライフタイム曲線を得るために、孔径1, 40, 100umのブロンズまたはステンレス多孔体を用いた。実験結果から、発生した蒸気が小孔から排出されることで、多孔質体表面ではライデンフロスト現象が抑制されることがわかった。さらに、ブロンズ多孔質体では多孔質体の温度上昇と共に毛細管現象が観察され、これは微細な構造を持つ酸化膜が生成されたためであった。一方、ステンレス多孔体では低い濡れ性のため、毛細管現象は起こらず、液滴が小孔に吸い込まれて広がることはなかった。このことから、燃料デブリがステンレス多孔体と同じ特性を持つ場合には、毛細管現象による急冷を期待できないことが示された。
神谷 朋宏; 永武 拓; 小野 綾子; 多田 健一; 近藤 諒一; 長家 康展; 吉田 啓之
Proceedings of 31st International Conference on Nuclear Engineering (ICONE31) (Internet), 7 Pages, 2024/11
忠実な核熱連成シミュレーションを実現するためにJAEA Advances Multi-Physics Analysis platform for Nuclear systems (JAMPAN)の開発を行ってきた。今回は、JAMPANを用いたMVP/JUPITER連成シミュレーションの実現可能性を確認するため、BWR条件下での単一燃料集合体に対する核熱連成シミュレーションを実施する。発表では、MVP/JUPITER間のデータの授受方法およびシミュレーション結果について説明する。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 吉田 啓之
混相流シンポジウム2024講演論文集(インターネット), 2 Pages, 2024/09
分散気泡流における気泡径や界面積濃度、ボイド率の計測技術として、ハイスピードビデオカメラによる気泡可視化計測手法が用いられてきた。しかしながら、ボイド率の増加と共にカメラの視線方向に対して重なり合う気泡が増加することから、高ボイド率での気泡検出は困難であった。本研究では、その課題を克服するために、Shifted window Transformer (Swin Transformer)を用いた深層学習ベースの気泡検出技術を開発した。その性能を検証するため、Generative Adversarial Networks (GAN)で取得した気泡の画像を用いて、教師画像数に対する平均適合率(AP)を計算したところ、教師画像の数が50枚で十分なAPとなった。このことから少ない画像数でも気泡検出が可能であることがわかった。また、配管やバンドル流路体系における気泡可視化実験で取得した画像に対しても、重なり合う気泡の中から個々の気泡を検出できることを確認した。その結果を用いて、界面積濃度とボイド率を算出し、既存の関係式と比較したところ、良く一致することが確認された。このことから、本検出技術が気泡径だけでなく、界面積濃度やボイド率の計測も可能であることが示された。
福田 貴斉; 山下 晋; 吉田 啓之
Proceedings of 14th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics, Operation, and Safety (NTHOS-14) (Internet), 12 Pages, 2024/08
VOF法は移流界面を含む混相流解析に最も広く適用されているCFDの一種であり、高精度なVOF値の移流のために数多くの「界面捕獲スキーム」が開発されている。しかし、これらのスキームの性能は典型的に、空間的に規則的な速度場が時間固定された限られた数値問題に対してのみ評価されており、原子炉内の気液二相流などのより現実的で複雑な条件に対してこれらのスキームの性能を評価する研究はほとんど実施されていない。そこで本研究では、比較的近年開発されたTHINCおよびTHINC/WLICという界面捕捉スキームを用いて気泡流の3次元解析を実施し、その結果を、炉内ボイド率分布に影響するような気泡の数、体積、軌跡といったより工学的な指標を用いて評価する。これらの比較の結果は、界面捕獲スキームの選択によってはVOF値が著しく拡散し、気泡が数値的に分裂・消散する可能性を示した。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 吉田 啓之
第52回可視化情報シンポジウム講演論文集(インターネット), 2 Pages, 2024/07
気泡の3次元挙動を得るため、複数台のハイスピードビデオカメラにより気泡の3次元位置を同定する可視化計測技術が用いられている。しかしながら、ボイド率の増加と共にカメラの視線方向に対して重なり合う気泡が増加することから、高ボイド率条件への適用が困難であった。原子力機構では、気泡の重なりに対する課題を克服するため、Shifted window Transformer (Swin Transformer)を用いた深層学習ベースの気泡検出技術の開発を進めている。本報では、その気泡検出技術を主流方向以外の二方向から撮影した分散気泡群の画像に適用し、分散気泡の3次元挙動可視化計測を実施した。その結果、各画像に対して、視線方向に対して重なり合う気泡群から個々の気泡を検出でき、気泡径やアスペクト比を取得できることを確認した。また、両画像の主流方向に対する気泡位置を紐付けることにより、個々の気泡の3次元位置ならびに3次元の気泡速度計測が可能であることを確認した。
小野 綾子; 坂下 弘人*; 山下 晋; 鈴木 貴行*; 吉田 啓之
Mechanical Engineering Journal (Internet), 11(4), p.24-00188_1 - 24-00188_12, 2024/07
原子力機構では、VOF法に基づく詳細二相流解析手法による炉内二相流評価手法の開発を行っており、燃料集合体を対象とした大規模二相流解析に適合する簡易沸騰モデルを開発着手した。簡易沸騰モデルでは、気泡の径や離脱までの時間を知るために、シミュレーションのグリッドサイズ以下となる気泡成長および運動の方程式を解く。一方で、JUPITERは、マイクロメートルオーダー以上の気泡挙動を計算する。本研究では、垂直面での強制対流沸騰が開発した簡易沸騰モデルを用いて解析される。実験データとの比較により、蒸気泡通過時間の流速依存性や熱流束依存性について実験データの傾向をよく説明できる結果となった。
山下 晋; 近藤 奈央; 菅原 隆徳; 文字 秀明*; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(6), p.740 - 761, 2024/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)本稿では、ANSYS FluentのRANS (Reynolds-Averaged Navier-Stokes)モデルに基づくADS (Accelerator-Driven System)のビーム窓(BW)周りの熱流動設計ツールの有効性を確認するために、詳細熱流動コードJUPITER (JAEA Utility Program for Interdisciplinary Thermal-hydraulics Engineering and Research)を用いたベンチマークシミュレーションコードの構築を行った。まず、JUPITERの妥当性を確認するために、水中の模擬BWを用いた実験結果とJUPITERの結果を比較した。その結果、数値計算結果は実験結果とよく一致することが確認され、JUPITERはベンチマークコードとしての有効性を有することが示された。また、検証済みのJUPITERを用いたRANS計算のベンチマークシミュレーションを実施し、BW周辺の流速分布や水平方向の平均値などが互いに一致することを確認した。故に、JUPITERは熱流動設計ツールの流体力学ソルバーとしての検証において良好な性能を示すことが確認された。また、FluentはADSの熱流動設計ツールとして十分な精度を有していることが確認された。
小野 綾子; 岡本 薫*; 牧野 泰*; 細川 茂雄*; 吉田 啓之
Proceedings of Specialist Workshop on Advanced Instrumentation and Measurement Techniques for Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics and Severe Accidents (SWINTH-2024) (USB Flash Drive), 13 Pages, 2024/06
原子力機構では、先進的な核熱連成解析コードの開発を進めている。連成解析コードでは、界面捕捉法に基づく詳細熱流動解析コード(JUPITER又はTPFIT)を採用し、燃料バンドル内の熱流動解析を行う。JUPITER/TPFITの妥当性確認のためには、燃料バンドル内の二相流に関する実験データや知見が必要である。本研究では、レーザードップラー流速計とフォトダイオードを組合せた気泡流計測手法を開発し、計測の妥当性については導電プローブを用いた計測により確認した。そして、模擬燃料集合体サブチャンネルなどの狭隘流路における気泡流計測に適用し、燃料バンドル内の気泡挙動および流速データを取得した。
4 simulated fuel bundle for validation of thermal-hydraulics simulation codes小野 綾子; 永武 拓; 上澤 伸一郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之
Proceedings of Specialist Workshop on Advanced Instrumentation and Measurement Techniques for Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics and Severe Accidents (SWINTH-2024) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2024/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)では、軽水炉における核熱連成解析コードの開発を行っている。核熱連成コードに適用される熱流動解析コードには、中性子輸送計算に必要なボイド率分布を運転条件下で計算することが期待されているため、計算結果については高温高圧条件下でのボイド率分布データを用いて妥当性確認をする必要がある。そこで、原子力機構の高圧二相流実験ループに設置した4
4模擬燃料集合体内のボイド率分布について開発したワイヤメッシュセンサを用いて計測し、コード検証のためのデータを取得した。