Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
坂本 文徳; 大貫 敏彦; 香西 直文; 山崎 信哉; 吉田 善行*; 難波 謙二*
日本原子力学会和文論文誌, 12(4), p.257 - 266, 2013/12
福島第一原子力発電所事故により投下した放射性セシウムの植物中の局所的な分布をオートラジオグラフィー法で解析した。その結果、事故後1年程度では事故以前に生育した枝葉には粒子状の分布が得られたが、事故後に生育た枝葉には放射性Csはほとんど検出されなかった。一方、22ヶ月経過した試料では、事故後に生育した枝葉に検出された。このことは、放射性セシウムは年オーダーの速度で新しい枝葉に分布することを示している。
三枝 純; 操上 広志; 安田 良; 栗原 和男; 新井 栄揮; 黒木 良太; 松橋 信平; 小澤 隆志; 後藤 浩明; 高野 隆夫; et al.
Health Physics, 104(3), p.243 - 250, 2013/03
被引用回数:3 パーセンタイル:24.48(Environmental Sciences)2011年3月の原子力発電所事故を受け、福島県内の多くの学校プールでは、放射性セシウムを含んだ水が農地に放出されることへの懸念から、プール水が排水できないままにあった。原子力機構では、プール水を除染するための方法として、各種のセシウム吸着材を使った方法や凝集沈殿法について調査・検討を行った。この結果をもとに、福島県内の学校プールにおいて除染の実証試験を行い、手法の見直しや改良を進めることにより、プール水の除染方法を構築した。
永野 哲志; 三田村 久吉; 柳瀬 信之; 長縄 弘親; 安田 健一郎; 吉田 善行; 山口 裕顕*
日本放射線安全管理学会誌, 11(2), p.139 - 145, 2012/11
水試料中の放射性セシウム濃度を迅速・簡便に評価する方法として、セシウム吸着ディスクとGMサーベイメータを組合せたその場測定法を考案した。本測定法は、水試料の通水によりセシウム吸着ディスク上に捕集した放射性セシウムの濃度を、GMサーベイメータにより測定された線計数率と実用的な換算係数をもとに算出することを原理とする。本測定法を福島県伊達市富成小学校の屋外プールの除染により生じた水試料中の放射能濃度に応用し、本測定法が迅速さ,簡便さの点でその場分析法として有効であることを確認した。
坂本 文徳; 大貫 敏彦; 香西 直文; 五十嵐 翔祐*; 山崎 信哉; 吉田 善行; 田中 俊一*
日本原子力学会和文論文誌, 11(1), p.1 - 7, 2012/01
福島県内で採取した植物,土壌などをオートラジオグラフィ解析を行い、樹木については事故以前に生育した葉や枝にほとんどの放射性Csが存在すること、及び地表植物では根部ではなく茎と葉にほとんどの放射性Csが分布していることを明らかにした。これらの結果は、樹木や植物が放射性Csの移行を遅延する働きが顕著であったことを示している。
長縄 弘親; 熊沢 紀之*; 斉藤 浩*; 柳瀬 信之; 三田村 久吉; 永野 哲志; 鹿嶋 薫*; 福田 達也*; 吉田 善行; 田中 俊一*
日本原子力学会和文論文誌, 10(4), p.227 - 234, 2011/12
2011年3月15日に発生した東京電力福島第一原子力発電所2号機の水素爆発で放出された放射性物質によって汚染された、福島県相馬郡飯舘村長泥地区のビニールハウス用農地,水田,牧草地,家屋周辺等の土壌の除染を試みた。除染方法は、高分子陽イオンと高分子陰イオンが生成する固体状の高分子イオン複合体(ポリイオンコンプレックス: PIC)を用いて固定化した、土壌の表層部を剥離することを原理とする。2種類のPIC水溶液を用いて異なった特性の土壌を対象に除染試験を実施し、90%以上の高い除染率が得られること、及び同法が除染作業中の土壌の飛散の抑制に効果的であることを明らかにした。
北辻 章浩; 奥垣 智彦*; 糟野 潤*; 久保田 宏紀*; 前田 耕治*; 木村 貴海; 吉田 善行; 木原 壯林*
Journal of Chemical Thermodynamics, 43(6), p.844 - 851, 2011/06
被引用回数:8 パーセンタイル:29.14(Thermodynamics)液々分配法とイオン移動ボルタンメトリーにより、5価及び6価アクチニルイオンの水相/有機相間移動標準ギブスエネルギーを決定した。ニトロベンゼン, 1,2-ジクロロエタン,ベンゾニトリル,アセトフェノン、及び2-ニトロフェニルオクチルエーテルを有機溶媒として用いた。有機溶媒の種類によらず、U(VI), Np(VI), Pu(VI)のイオン移動ギブスエネルギーはほぼ一致し、Mg(II)よりも少し大きい値であった。Np(V)のイオン移動ギブスエネルギーは他の一価イオンに比べて非常に大きな値を示した。アクチニルイオンのイオン移動ギブズエネルギーの溶媒に対する依存性は、プロトンイオンやMg(II)のそれと類似していた。3価及び4価アクチノイドイオンについてもイオン移動ギブスエネルギーの検討を行った。
奥垣 智彦*; 北辻 章浩; 糟野 潤*; 吉住 明日香*; 久保田 宏紀*; 芝藤 弥生*; 前田 耕治*; 吉田 善行; 木原 壯林*
Journal of Electroanalytical Chemistry, 629(1-2), p.50 - 56, 2009/04
水相と有機相間に電位差を印加することによりイオンを水相から有機相へ移動させる反応に立脚した、高性能な電気化学溶媒抽出法を開発した。多孔質のテフロンチューブ,銀線及び白金線などから構成される電解セルを製作して用いた。電解によるイオンの移動は迅速であり、ビス-ジフェニルフォスフィニルエタンを含む1,2-ジクロロエタンを有機相に用いたとき、水相中のウラニルイオンの99%以上を電解セルの滞在時間である40秒で有機相に抽出できた。アクチノイドやランタノイド,Sr, Csイオンの電解抽出について詳細を調べた。アクチノイドイオンの酸化状態を調整するためにカラム電極によるフロー電解法を組合せ、アクチノイドの逐次分離を試みた。
吉田 善行; 渡部 和男; 伊藤 光雄; 上野 隆; 竹下 英文
JAEA-Review 2008-062, 34 Pages, 2009/01
近年、使用済燃料(SF)の分析法が急速に刷新されている。それは、アクチノイド(U, Np, Pu, Am, Cm)及び核分裂生成物の核種分析に用いられる誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)が著しく進歩したことによる。ICP-MSは基本的に、分析に必要な試料量、すなわち分析対象元素の絶対量及び試料溶液の容量のいずれもが極少量で済むため、強い放射能を有するSFの分析に多大な威力を発揮する。すなわちICP-MSを適用することによって、分析作業者の被ばく線量の低減化が可能になり、分析操作で生じる放射性廃液の量を大幅に削減することが可能となる。さらに、ICP-MSに先立って、同法による核種分析において妨害となる同重体を有する元素を分離しておく必要があるが、その分離法においても顕著な進歩がみられる。本総説では、このような目覚ましい進展がみられるSFの分離法,核種定量法に焦点を当て、50数編の論文に基づいてこの分野の最近の進歩をまとめ、あわせて今後の展望,課題などを明らかにする。
山田 禮司; 永石 隆二; 籏野 嘉彦; 吉田 善行
International Journal of Hydrogen Energy, 33(3), p.929 - 936, 2008/02
被引用回数:18 パーセンタイル:41.73(Chemistry, Physical)AlO
, SiO
, TiO
or ZrO
等の酸化物粉体を含む硫酸水溶液に
線を照射した際に発生する水素を測定した。最終生成物として発生する水素ガス量は、水溶液中の酸化物の添加量を増やすにしたがって増加し、酸化物の種類や硫酸濃度にも依存した。少量のメチルアルコールを硫酸水溶液に添加することで、最終生成物としての水素ガスの発生量は非常に効果的に増加した。これらの実験結果は、放射線分解における水溶液からの水素発生において、酸化物粉体を含まない均質系の水溶液よりも酸化物を含む非均質系の硫酸水溶液がより効果的であることを示している。
上原 章寛*; 糟野 潤*; 奥垣 智彦*; 北辻 章浩; 白井 理*; 吉田 善行; 木原 壯林*
Journal of Electroanalytical Chemistry, 604(2), p.115 - 124, 2007/06
キレート抽出における金属イオンの水溶液と有機溶液間の分配比を、イオンの液々界面イオン移動標準ギブズエネルギー,金属イオンとキレート試薬との錯生成定数,キレート試薬の酸解離定数といった物理化学的定数を用いて評価した。これらの定数は、液々界面イオン移動ボルタンメトリーや、水銀電極を用いるストリッピングボルタンメトリーなどの電気化学的な方法と酸塩基滴定により求めた。テノイルトリフルオロアセトンやピラゾロンなどのキレート試薬によるCuの1,2-ジクロロエタン溶媒への抽出について、理論的に導き出した金属イオンの分配比が、抽出実験により求めた分配比と一致することを確認した。これにより、キレート抽出における金属イオンの分配比をこれらの定数を用いて予測できることを示した。
永石 隆二; 吉田 善行; 山田 禮司; 籏野 嘉彦
Radiation Physics and Chemistry, 75(9), p.1051 - 1054, 2006/09
被引用回数:7 パーセンタイル:45.22(Chemistry, Physical)線照射下の中性あるいはアルカリ性水溶液中で6価クロムの還元がTiO
, Al
O
又はSiO
等の酸化物微粒子の溶液への添加によって促進した。ここで、酸化物微粒子は放射線照射下で働く触媒として機能して、6価クロムの還元量はその初期濃度に依存することなく放射線の線量の増加とともに増加した。さらに、6価クロムの還元で最終的に生成する不溶な3価クロムの酸化物も触媒として機能することを確認した。
有阪 真; 木村 貴海; 永石 隆二; 吉田 善行
Journal of Alloys and Compounds, 408-412, p.1307 - 1311, 2006/02
被引用回数:6 パーセンタイル:41.83(Chemistry, Physical)時間分解レーザー誘起発光分光法を適用し、高濃度塩化リチウム(LiCl)水溶液中の3価キュリウムの化学種と配位状態を調べた。3価キュリウムの発光寿命及び発光スペクトルから、その第1配位圏中の水分子数()と化学種の分布をそれぞれ決定した。さらに、化学種の分布に基づき、第1配位圏中の塩化物イオン数(
)を算出し、配位数(
+
)を評価した。LiCl濃度が6M以下の領域では、3価キュリウムの第1配位圏は水分子のみによって占められており、配位数は一定であることを明らかにした。6M以上の領域では、3価キュリウムが塩化物イオンと内圏錯体を生成していることを明らかにし、特に、10M以上の領域では、トリクロロ錯体及びテトラクロロ錯体が生成していることを見いだした。また、その配位数は6Mから10Mの領域では一定であったが、10M以上の領域ではLiCl濃度の増加に伴い減少することを見いだした。高濃度LiCl水溶液中におけるこのような配位数の減少はランタノイドでは見いだされておらず、アクチノイド特有の現象と考えられる。
吉田 善行; Johnson, S. G.*; 木村 貴海; Krsul, J. R.*
Chemistry of the Actinide and Transactinide Elements, Vol.2, p.699 - 812, 2006/00
1957年に初版、1986年に第2版が出版された"The Chemistry of the Actinide Elements"の第3版として、"The Chemistry of the Actinide and Transactinide Elements"が出版される。全31章から構成される本書の第6章ネプツニウムを担当した。核的性質,同位体の製造,分離・精製,金属と化合物,溶液化学,錯体化学,分析化学,分光技術などについて詳述した。
吉住 明日香*; 上原 章寛*; 糟野 潤*; 北辻 章浩; 吉田 善行; 木原 壯林*
Journal of Electroanalytical Chemistry, 581(2), p.275 - 283, 2005/08
電位を印加した水相と有機相界面でのイオンの移動を、迅速かつ定量的に行うための流液系電解セルを開発した。このセルは、目的イオンを含む水溶液をチューブ状の流路内に流しながら電解を行うことにより、チューブ外側の有機相にイオンを移動させる。水と1,2-ジクロロエタン界面でのカリウムイオンの電解移動の効率は99%以上であった。流液速度から計算すると、目的イオンを完全に電解移動させるには、40秒の滞在時間しか必要とせず、迅速な界面移動を達成できた。水溶液中のカリウムの電量分析に適用したところ、0.2から2mMの濃度範囲では1%の精度が得られた。開発した電解セルはMg
やCa
にも適用でき、水溶液中では酸化還元しないためにこれまで電量分析を行うことができなかったアルカリ金属やアルカリ土類金属の電量分析を可能にした。
青柳 寿夫*; 北辻 章浩; 吉田 善行; 木原 壯林*
Analytica Chimica Acta, 538(1-2), p.283 - 289, 2005/05
被引用回数:15 パーセンタイル:40.95(Chemistry, Analytical)過塩素酸,硝酸及び硫酸溶液中の3, 4, 5及び6価ネプツニウムイオンの酸化還元挙動を、カラム電極を多段階に接続したフロー電解システムを用いて調べた。繊維状のグラッシーカーボンを作用極とするカラム電極を用いると、Np(III)/(IV)あるいはNp(V)/(VI)イオンの可逆な酸化還元のみならず、従来グラッシーカーボン電極や白金電極では観測できなかったNp(V)/(IV)あるいはNp(V)/(III)イオンの非可逆な酸化還元過程についても、電流-電位関係曲線を観測できることがわかった。カラム電極電解法によると、完全非可逆な酸化還元においてもクーロメトリックな電解を達成でき、溶液中のイオン濃度の定量が可能となる。取得したネプツニウムイオンのカラム電極電解データに基づき、種々の原子価のネプツニウムイオンを迅速に調製する方法を開発した。また、多段階フロー電解システムを用いた電量分析により、ネプツニウムイオンの原子価ごとの定量が可能であることを明らかにし、硝酸溶液中のネプツニウムイオンの定量分析に適用した。
桐島 陽; 木村 貴海; 杤山 修*; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 92(12), p.889 - 896, 2005/01
被引用回数:24 パーセンタイル:80.45(Chemistry, Inorganic & Nuclear)放射性廃棄物の処分が計画されている地下環境では、地下水の温度が80C程度になることがある。このため地中でのアクチノイド元素の移行挙動評価には、このような高温,高圧環境での錯生成の評価が必要となる。しかし、実験の難しさからこのような条件での研究報告は非常に少ない。そこで本研究では錯生成や加水分解の挙動解明や熱力学モデルの検証などを目的とし、20-150
C, 0.1-40MPaの条件でU(VI)のリン酸錯体及びフッ化物錯体の反応挙動を時間分解レーザー誘起蛍光分光法を用いて検討した。実験結果から各錯体種の蛍光寿命の温度依存性を整理し、高温・高圧状態においても常温・常圧状態の場合と同様に、蛍光スペクトルや蛍光寿命によるスペシエーションが可能であることを明らかにした。
Lis, S.*; 木村 貴海; 吉田 善行; But, S.*
Journal of Alloys and Compounds, 380(1-2), p.173 - 176, 2004/10
被引用回数:6 パーセンタイル:40.38(Chemistry, Physical)時間分解レーザー誘起蛍光分光法と蛍光光度法を用いて、アジ化物イオン(N)を含む非水溶媒中のランタノイド(III)イオン、Ln
(Ln=Eu, Gd, Tb)の発光寿命と発光強度を測定し、Ln
に対するN
の消光効果を検討した。N
共存下でのEu
の発光特性をジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,メチルホルムアミド,ホルムアミド、及びメタノール中で測定した。Ln
の発光強度または発光減衰定数と溶液中のN
濃度の関係から、Ln
の発光準位と基底状態間のエネルギー差の順序はGd
Tb
Euであるが、N
の消光効果はGd
Eu
Tbの順であることを明らかにした。Eu
にみられる消光パターンの不規則性は、エネルギー移動による消光に加え、Eu
への還元が起きているためである。種々の溶媒中で測定したEu
の消光速度定数は溶媒のアクセプター数が大きいときほど小さくなることを見いだした。
Tian, G.*; 木村 貴海; 吉田 善行; Zhu, Y.*; Rao, L.*
Radiochimica Acta, 92(8), p.495 - 499, 2004/08
被引用回数:17 パーセンタイル:71.38(Chemistry, Inorganic & Nuclear)精製したCyanex301, Cyanex302及びCyanex272により抽出されたランタノイド、Ln(III)(Ln=Sm, Eu, Tb, Dy)とCm(III)の水和数を時間分解レーザー誘起蛍光分光(TRLFS)と赤外吸収分光(FT-IR)を用いて調べた。Cyanex302またはCyanex272で抽出されたLn(III)とCm(III)の水和数と錯体組成に違いはみられなかった。Cyanex302で抽出されたLn(III)とCm(III)の錯体はML(HL)
nH
O(n=3-5)であった。Cyanex272で抽出されたLn(III)とCm(III)の錯体の第1配位圏に水はなく、M(HL
)
であった。これらに反して、Cyanex301で抽出されたLn(III)とCm(III)の錯体組成は異なった。Ln(III)のCyanex301錯体は1-2個の水分子を含み、LnL
2H
OまたはHLnL
H
Oであった。Cm(III)のCyanex301錯体は水分子を含まずHCmL
であった。
桐島 陽; 木村 貴海; 杤山 修*; 吉田 善行
Journal of Alloys and Compounds, 374(1-2), p.277 - 282, 2004/07
被引用回数:28 パーセンタイル:75.49(Chemistry, Physical)放射性廃棄物の処分が計画されている地下環境では、地下水の温度が80C程度になることがある。このため地中でのアクチノイド元素の移行挙動評価には、このような高温,高圧環境での加水分解の評価が必要となる。しかし、実験の難しさからこのような条件での研究報告は非常に少ない。そこで本研究では加水分解の挙動解明や熱力学モデルの検証などを目的とし、20-100
C,0.1-40MPaの条件でU(VI)の加水分解の反応挙動を時間分解レーザー誘起蛍光分光法を用いて検討した。実験結果から各錯体種の蛍光寿命の温度依存性を整理し、高温・高圧状態においても常温・常圧状態の場合と同様に、蛍光スペクトルや蛍光寿命によるスペシエーションが可能であることを明らかにした。
吉田 善行; 木原 壯林*; 藤永 太一郎*
分析化学, 53(4), p.195 - 205, 2004/04
被引用回数:1 パーセンタイル:0.80(Chemistry, Analytical)カラム電極に試料溶液を流しながら電解すると、溶液中の目的成分はカラム内に滞在する短時間内に迅速かつ完全に電解され尽くす。また、溶液が電極表面近傍に滞在する間に繰り返し電解されるので、遅い電極反応であっても定量的な電解が達成できる。さらに、カラム電極を用いる電解法は、自動化や遠隔化に適している。カラム電極電解法はこのような特長のために、流液試料中の目的成分のクーロメトリー定量法として、あるいはクロマトグラフィーの検出器として、さらに不安定化学種を含むような複雑な反応機構の解析手段として、幅広く活用され進歩し続けている。本総説では、カラム電極電解法による電解クロマトグラフィー及び電量-電位測定法の基礎的性能を述べるとともに、フローインジェクション分析への利用や、アクチノイドイオンや生体関連物質の酸化還元反応などの解析法としての応用に関する最近の成果を例示し、他法が及ばない優れた特徴を解説する。