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妹尾 仁嗣; 吉岡 英生*; 大塚 雄一*
Journal of Physics; Conference Series, 132, p.012018_1 - 012018_6, 2008/00
分子性導体のうち二つの分子種の組成比が互いに非整合なもの、すなわち非整合分子性導体において、モット絶縁体状態の可能性を理論的に調べた。これらの物質ではバンド充填率が無理数となり金属状態が期待されるにもかかわらず、価電子間のオンサイトクーロン斥力とキャリアを供給する閉殻イオンからのポテンシャルによって、元にある格子とは周期が非整合にキャリアが局在する「非整合モット絶縁体」が実現しうることを示す。
吉岡 英生*; 土射津 昌久*; 妹尾 仁嗣
Journal of the Physical Society of Japan, 76(10), p.103701_1 - 103701_4, 2007/10
被引用回数:25 パーセンタイル:73.41(Physics, Multidisciplinary)1/4充填の擬1次元電子系の有限温度における電荷秩序とモット絶縁状態の競合を理論的に調べるため、鎖間クーロン相互作用を含めた2量体化した拡張ハバードモデルを調べた。1次元揺らぎを適切に取り扱うためボゾン化法を鎖間平均場近似によって得られた有効モデルに適用した。その結果格子の特に臨界領域において2量体化、及び鎖間クーロン相互作用のフラストレーションは電荷秩序転移温度を抑制しダイマーモット絶縁体相を広げることがわかった。また、電荷秩序相でのナイトシフトの一般的な公式を求め、実験との比較を行った。
吉岡 尚也; 杉原 弘造; 木梨 秀雄*; 畑 浩二*; 丸山 誠*
材料, 42(474), p.324 - 328, 1993/03
岩盤内に空洞を掘削すると空洞周辺の岩盤内応力は再配分されて新たな応力場が形成される。したがって、掘削に伴う応力再配分の形成過程を把握しておくと空洞の力学的な安定性の評価や支保設計等に関して有益な情報を与えてくれる。そこで、直径6m・深さ150mの規模を有した立坑を堆積岩地山に掘削する時に多軸岩盤ひずみ計を先行埋設し、岩盤内に生じるひずみの変化を計測した。併せて、FEMによる軸対象弾性解析を実施した。その結果、以下のことがわかった。(1)立坑掘削によるひずみの変化は、空洞壁面を空洞の中心に引きずり込む掘削外力の作用によって生じている。(2)既存のFEMを用いた解析結果とひずみの計測結果はほぼ調和的であった。
妹尾 仁嗣; 吉岡 英生*
no journal, ,
不整合な組成を持つ2次元分子性導体-ETHg(=Br,Cl)は、1/2-filledモット転移系-ETに対して10-20%ホールドープされた物質として注目されている。高圧域で絶縁体相が現れるが、その起源に関してはわれわれが以前提唱した、「不整合モット絶縁体」の可能性が議論されている。本研究では、アニオンによる不整合ポテンシャルの元での型ハバードモデルを考慮し、平均場近似により基底状態を調べた。その結果、アニオンポテンシャルとオンサイトクーロン斥力が大きい領域で不整合な電荷・スピン秩序を持つ絶縁体状態が存在することを見いだした。