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鈴木 元*; 石川 徹夫*; 大葉 隆*; 長谷川 有史*; 永井 晴康; 宮武 裕和*; 義澤 宣明*
Journal of Radiation Research (Internet), 63(6), p.796 - 804, 2022/11
被引用回数:2 パーセンタイル:27.14(Biology)2011年の福島第一原子力発電所事故による被ばく線量と甲状腺がんの関係を明らかにするために、小児の甲状腺等価線量(TED)を評価する必要がある。これまでに、行動調査データと大気拡散モデルにより構築した放射性物質の時空間分布データベースを組み合わせたTED再構築手法について報告した。本研究では、この手法をさらに精緻化し、原発周辺16市町村における3256人の行動調査データに基づき、小児のTEDを評価した。TED評価結果は、いわき市,川俣町,飯舘村,南相馬市の小児1080人の測定データと近い値であった。1歳児のTEDの平均値は伊達市の1.3mSvから南相馬市小高地区の14.9mSvの範囲であり、95パーセンタイル値は伊達市の2.3mSvから浪江町の28.8mSvの範囲であった。本研究成果は、今後の甲状腺がんの調査に有効活用される。
菅原 昌彦*; 草刈 英榮*; 吉沢 康和*; 井上 光*; 森川 恒安*; 静間 俊行; Srebrny, J.*
Physical Review C, 83(6), p.064308_1 - 064308_13, 2011/06
被引用回数:6 パーセンタイル:42.07(Physics, Nuclear)118MeVまで加速したSビームと225MeVまで加速したNiビームを用いて、Gdの多重クーロン励起実験を行った。その結果、基底状態回転バンド, ベータ振動バンド, 振動バンド, オクタポール振動バンドが、それぞれ、18, 14, 12, 15準位まで観測された。gosiaコードを用いて、実験データの分析を行い、E2遷移強度のスピン依存性を再現するように、強度関係式に含まれる行列要素を決定した。高スピン領域におけるE2行列要素の変化は、, 振動バンドの性質の変化によるものであることがわかった。
大葉 隆*; 石川 徹夫*; 宮武 裕和*; 永井 晴康; 長谷川 有史*; 義澤 宣明*; 鈴木 元*
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故に関する甲状腺等価線量推計として、体表面汚染測定値から大気中放射能濃度の算出を介した結果を報告した。しかし、このプロセスは多くの不確定要素を有している。本報告は、大気中放射性物質の算出プロセスにおける体表面への沈着速度に関する不確定要素の範囲を明らかにすることを目的としている。対象者は、南相馬市と浪江町(n=349)で2011年3月13日15日に体表面汚染測定を受けた避難者とし、同一個人における体表面汚染測定値と県民健康調査の行動記録を利用した。沈着速度は、体表面汚染測定値を、行動記録と大気拡散シミュレーションデータにより求めた積算大気中放射能濃度で割ることにより算出した。その結果、屋内退避係数を0.5と仮定した場合、大気中放射性物質の体表面(頭頚部)への沈着速度は、中央値が0.1-0.2cm/secであった。この値は過去の文献と比較して妥当な範囲であった。原子力災害時に我々の沈着速度を利用する場合、体表面汚染測定値による算出プロセスにおいて信頼のある甲状腺等価線量推計を提供できる可能性が示唆された。
鈴木 元*; 大葉 隆*; 石川 徹夫*; 長谷川 有史*; 永井 晴康; 義澤 宣明*; 宮武 裕和*
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故による甲状腺線量を評価するために、避難住民の行動記録と大気拡散シミュレーション結果の組合せによる評価手法を開発した。これまでに避難指示が出された7自治体の1歳児の甲状腺線量評価値を公表し、その結果は1080人の児童に対する甲状腺線量の直接測定値とよく一致した。しかし、いわき市,川俣町,広野町などの周辺自治体については、行動記録の解析を行うことができなかった。本研究では、16自治体の甲状腺線量評価結果を報告するとともに、直接測定値との比較により推定値の妥当性を確認する。また、UNSCEAR2020年レポートの推定値との比較結果について議論する。
宮武 裕和*; 義澤 宣明*; 鈴木 元*; 永井 晴康; 大葉 隆*; 長谷川 有史*; 石川 徹夫*; レガラド 真理子*
no journal, ,
本研究では、福島第一原子力発電所事故後の福島県内避難地域における水道水中のヨウ素131の経口摂取による内部被ばく線量の推定とその不確かさの検討を行った。まず、実測値と大気拡散シミュレーションにより算出されるヨウ素131の地表面沈着率を用いて、事故直後の水道水中のヨウ素131の放射能濃度を推定した。水道水中の放射能濃度変化は、新たに沈着した放射性物質による放射能濃度増加の効果と放射性物質の実効的な減衰で表すことができるとモデル化した。このモデルのパラメータは、実測値のデータを用いて決定した。それらのパラメータを用いて、実測値が無い地点においても水道水中の放射能濃度を推定した。避難経路に沿った水道水中の放射能濃度、水道水の摂取量、線量換算係数を乗じることにより、水道水の経口摂取による内部被ばく線量の推定を行った。また、各パラメータの不確かさに起因する線量推定の不確かさの検討を行った。