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Z.A.Kadir*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 石垣 功
Radiation Physics and Chemistry, 39(6), p.535 - 539, 1992/00
ポリプロピレンには、透明性と剛性を上げるために各種造核剤が添加されている。この造核剤によるポリプロピレンの耐放射線性について調べた。照射による酸化劣化は、造核剤により促進される。通常良く使われるポリプロピレン(MFI=15~20)では、滅菌線量の25kGy照射で耐放射線性の指標である伸びがほとんどなくなる。この造核剤添加ポリプロピレンは球晶サイズの小さい微結晶から成る。したがって、結晶の界面で劣化するポリプロピレンは、照射により結晶内に生成したラジカルが短時間のうちに界面に移るために劣化しやすくなるものと考えられる。
Z.A.Kadir*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 石垣 功
Angewandte Makromolekulare Chemie, 174(2905), p.131 - 140, 1990/00
被引用回数:6 パーセンタイル:36.93(Polymer Science)前報に引続きエチレン鎖を6%含むランダムおよびブロック共重合プロピレン(CPP)の酸化劣化への造核剤の影響を調べた。プロピレン単独重合体と異なりCPPでは造核剤を添加しても透明性は向上しないが、結晶化速度が増大した。耐放射線性はプロピレン単独重合体と同様に造核剤の添加により低下した。球晶の大きさは造核剤添加により著しく小さくなり、形も円形とは異なったものであった。さらに造核剤添加試料は、粘弾性やパルスNMR測定から分子全体がリジットになっていることも分かった。
S.H.Aziz*; Z.A.Kadir*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 石垣 功
Angewandte Makromolekulare Chemie, 182(3104), p.187 - 191, 1990/00
被引用回数:1 パーセンタイル:10.78(Polymer Science)ポリプロピレン(PP)樹脂を用いた医療用具は、製品の透明性と成形サイクルを上げるために造核剤(NA)を添加するが、そのNAの照射PPの融解挙動と分子量への影響について調べた。分子量は線量とともに著しく低下するが、造核剤の共存する系ではNAのない系に比べ低下しやすい。最初の融解(1st run)の結晶融点(Tm)は、NAの添加により分子切断が起きやすいために著しく低下する。さらに1st run後、温度を下げ結晶化し測定した(2nd run)Tmは、1st runと異なりNA添加の方が高い。これはNAが共存すると分解しやすくなって分子鎖が短くなるために結晶化の時に分子鎖の再配列が起きやすくなるためと考えられる。
Z.A.Kadir*; 吉井 文男; 細井 文雄; 幕内 恵三; 石垣 功
Journal of Applied Polymer Science, 40, p.799 - 810, 1990/00
被引用回数:3 パーセンタイル:23.21(Polymer Science)放射線加硫した天然ゴムラテックスから放射線汚染防護用ゴム手袋を試作したが、これを手術用ゴム手袋として使用する場合を考え、線と電子線で滅菌したときの照射効果を市販品のゴム手袋2種類と比較した。放射線加硫ゴム手袋(RD)は、通常の滅菌線量25kGyとの倍線量照射した場合強度の低下は起こるが、低下の程度は市販品とほぼ同じであった。いずれのゴム手袋も引張強度よりも引裂き強度の方が照射による低下が大きい。照射後の保存中の劣化はいずれの手袋も小さかった。この場合、劣化は化学発光分析の結果から酸化により起こることも分かった。
Z.A.Kadir*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 石垣 功
Polymer, 30, p.1425 - 1432, 1989/00
被引用回数:22 パーセンタイル:72.34(Polymer Science)医療用具素材のポリプロピレン(PP)は、成形の際に試料の透明性を上げることと成形サイクルの短縮をはかるために造核剤(パラターシャリブチル安息香酸アルミ、0.1%)を添加するが、これによるPPの照射に対する安定性を調べた。PPの照射の間および照射後の保存中の2つの劣化が造核剤の添加により増大する。劣化への造核剤の影響はPPの分子量により異なり分子量が低いほど劣化しやすい。この劣化挙動を明らかにするためにPPのモルホロジーについて調べた。