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堅田 元喜*; Grote, R.*; Mauder, M.*; Zeeman, M. J.*; 太田 雅和
Biogeosciences, 17(4), p.1071 - 1085, 2020/02
被引用回数:8 パーセンタイル:42.26(Ecology)山間部の管理された草原では、冬季の寒冷な気候によって生産性が低下する。そのため、将来予想される気温上昇および雪面の変化は、草原の生産性に大きく影響する可能性がある。これを調べるため、陸面モデルSOLVEGに積雪,凍結・解氷および草の成長過程を導入し、このモデルを記録的な暖冬下における草原での熱輸送・炭素交換に適用した。モデル計算は、3年間のシミュレーション期間中に観測された熱フラックス,地温,積雪深度を再現した。計算結果から、暖冬下では高められた植物生理活動によって100g-C mのCO固定が起きたこと、更に、この固定された炭素の多くが春先の植物成長に利用されることなく地下部の根バイオマスへと供給されたことが示された。この暖冬の影響下で起きた地下部への炭素供給は、将来の温暖化環境においては土壌への炭素蓄積量および土壌からのCO放出量が増加するという可能性を示唆しており、既存の全球陸域生態系モデルが本過程を厳密に考慮する必要があることを示すものである。
Desai, A. R.*; Wohlfahrt, G.*; Zeeman, M. J.*; 堅田 元喜; Eugster, W.*; Montagnani, L.*; Gianelle, D.*; Mauder, M.*; Schmid, H. P.*
Environmental Research Letters, 11(2), p.024013_1 - 024013_9, 2016/02
被引用回数:22 パーセンタイル:57.00(Environmental Sciences)植物生産力とそれに付随する生物地球化学循環は、局地的な気象現象の主要な駆動力として働く大気大循環における季節から10年スケールの変動パターンに強く依存する。将来の気候変動に対して、地域スケールの生態系生産力と植物季節がどのように応答するかを理解するには、大気循環と上層大気圧パターンの予測の不確実性が、平均気温または降水量の予測の不確実性を上回ることから、上記の短期・中期的な駆動力を統合した解釈が必要である。本研究では、地上気象・植物季節・フラックスタワー・衛星データ等と数値シミュレーションを用いて、大西洋上の2種類の対流圏気圧場のパターンがヨーロッパのフェーン(南風)の流れとどのように相互作用し、冬季の天候に影響するかを明らかにする。これらの効果は、北部・中央アルプスでの初期植物生育期間の応答に対する冬季の降雪と土壌温度の強い影響によって、春季の生態系生産力と植物季節に重要な影響をおよぼす。大気循環の将来変化予測の改善は、気候変動に対する生態系の影響のより良い評価と気候的避難所の描写のために重要である。
堅田 元喜; Grote, R.*; Zeeman, M. J.*; Mauder, M.*; 太田 雅和; Lu, H.*; Kiese, R.*
no journal, ,
アルプスの生態系は、土壌呼吸が純光合成量を上回る寒冷期には炭素の発生源となることがわかっているが、積雪の役割と気候温暖化に伴う積雪期間の短縮化へのこれらの生態系の応答は明らかではない。本研究では、無積雪期間の草地動態を調べるために、多層大気-土壌-植生モデル(SOLVEG)に詳細な雪物理スキーム、植物生長スキーム、および土壌微生物スキームを結合した。このモデルを、降雪量が極めて少なかった年のドイツの準アルプス草地の観測サイトに適用した。改良したモデルは、地表面熱収支やCOフラックス、土壌温度・含水量、および地上部バイオマスの時間変化を再現した。シミュレーションおよび観測結果では、低標高では草本が冬眠することなく光合成活動を続けていることが示された。同時に、霜害による枯死が進むために、結果的には無積雪期間の光合成による積算炭素同化量は土壌呼吸とほぼ同等であった。しかしながら、温暖化環境では霜害を避けられるために、冬から春にかけて草地がCOの強い吸収源となることがわかった。将来の気候変動によって、世界に分布する山岳草地での冬季の炭素吸収量の重要性が増す可能性がある。