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北村 里美*; 茅根 俊平*; 徳弘 晃二*; 中坪 弘一*; 野澤 樹; 長谷 純宏; 鳴海 一成
JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 64, 2011/01
カネコ種苗育成のデルフィニウム"ももか"は、濃いピンク色の花色を有する品種である。イオンビームを照射して得られた9系統の花色変異体について、主茎の腋芽から培養増殖を行い、変異の安定性について調査した。その結果、花色が増殖後も安定して発現した系統は6系統であった。花色が変化した3系統では、薄ピンクから赤味の強いピンク,黄色がかったピンクから薄ピンクなどに変化していた。以上のことから、イオンビーム照射によって獲得した変異体の花色変異の安定性についての調査は不可欠であると考えられた。今後、黄色がかったピンク色を呈する系統を有望な系統として、再度培養増殖し、規模を拡大して変異の安定性を確認する予定である。
竹内 真司; 乳根 達矢*; Mebruck, N.*; 渡辺 邦夫*
水工学論文集(CD-ROM), 54, p.409 - 414, 2010/02
亀裂性岩盤でのトンネルや立坑掘削はサイト周辺の水圧変化を発生させる。高透水性の水みちが存在する場合、その影響は場所により異なることが予想される。そのため水圧変動をリアルタイムで予測し、異常の兆候を捉え、これに対処することにより地下水状態を適切に維持することは、周辺環境への影響を低減するうえで非常に重要である。これは、地層処分のサイト調査における環境影響評価の有効な手法の1つと考えられる。本論では、原子力機構が開発した、人工知能技術(遺伝的アルゴリズム及びニューラルネットワーク)による水圧変動の予測解析システムを用いて、瑞浪超深地層研究所及び周辺のボーリング孔で取得した観測データに適用した結果について論述する。その結果、当地域の水圧変動は4つのパターンに分類可能であることを確認した。また、同じ変動パターンを有するデータ群を用いることで、任意地点の水圧変動を予測可能であることが明らかとなった。
茅根 俊平*; 徳弘 晃二*; 中坪 弘一*; 長谷 純宏; 鳴海 一成
JAEA-Review 2009-041, JAEA Takasaki Annual Report 2008, P. 74, 2009/12
カネコ種苗育成のデルフィニウム「ももか」は、濃いピンク色の花色を有する品種である。本研究では、淡ピンク色や黄色などの花色変異体の獲得を目的にイオンビーム照射を行った。2007年に照射した174個体、2008年に照射した188個体の開花検定を行ったところ、花色や花型,花穂の形状,草丈の変異が認められた。花色変異は薄いピンク色から黄色がかったピンク色,赤みの強いピンク色などが見られた。その他の変異として、小花が密に着生する個体や花弁数が増加する個体などが認められた。
茅根 俊平*; 徳弘 晃二*; 中坪 弘一*; 長谷 純宏; 鳴海 一成
JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 68, 2008/11
本研究ではデルフィニウム及びスターチスシヌアータの花色などにおいて特徴のある変異体獲得を目的としてイオンビーム照射を行った。カネコ種苗育成のデルフィニウム「7P」の培養体の葉身、及びスターチスシヌアータ「P08」の花穂の節をシャーレに置床し、約1週間後に炭素イオンビームを照射した。デルフィニウムでは、シュートの分化数が照射区で減少した。適正線量は0.51.0Gyと推測された。スターチスシヌアータでは、線量による生存率の差は小さかったが、線量が強くなるにつれ水浸状化及びシュートの分化がみられない節が多くみられた。適正線量は1.0Gy付近であると推測された。デルフィニウムでは再分化した174個体をポットへ移植し、また、スターチスシヌアータでは441個体を順化し、花色等の特性について調査する予定である。
茅根 俊平*; 石澤 明登*; 徳弘 晃二*; 中坪 弘一*; 天野 正之*; 長谷 純宏; 鳴海 一成; 田中 淳
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 83, 2008/03
種間交雑によって育成されたハイブリッドスターチスは、おもに添え花として利用されている。本研究ではオリエンタルハイブリッド系ユリの花色,雄性不稔,八重化及び草姿などにおいて特徴のある変異体獲得を目的とし、カネコ種苗育成のオリエンタルハイブリッド系ユリ「LC96-005-11」の小球根のりん片に、炭素イオンあるいはヘリウムイオンを照射した。照射後、新しい小球根形成培地に移植し、12か月後に生存率や小球根形成数などについて調査した。炭素イオンでの適正線量は0.2から0.4Gy付近、ヘリウムイオンでの適正線量は1.5から2Gy付近であると推察された。炭素イオンを照射した817個体、ヘリウムイオンを照射した641個体を定植したところ、クロロフィルが完全に又は部分的に欠損している個体が観察された。今後は球根養成を行い花色・花型や雄性不稔等の特性について調査する予定である。
茅根 俊平*; 花岡 泰*; 徳弘 晃二*; 中坪 弘一*; 天野 正之*; 長谷 純宏; 田中 淳; 鳴海 一成
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 90, 2007/02
種間交雑によって育成されたハイブリッドスターチスは、おもに添え花として利用されている。本研究では、花が紫色のリモニウム系ハイブリッドスターチス「ムーンライト」の花色の幅を広げることを目的とした。無菌的に培養した「ムーンライト」の多芽体に、炭素イオンあるいはヘリウムイオンを照射した。照射後、新しい発根培地に移植し、移植1か月後に調査を行った。発根している培養体の順化を行い、順化2か月後にパイプハウスに定植し、開花検定を行った。炭素イオンでの適正線量は4Gy付近、ヘリウムイオンでの適正線量は10Gy付近であると推察されたが、花色や生育特性に関する変異個体は、現在のところ認められていない。供試個体数を増やし、供試試料の大きさや照射条件などを再検討することが必要と考えられた。
技術展開部技術協力課*
JNC TN1340 2005-002, 146 Pages, 2005/09
「技術概説」「技術報告」「研究報告」「ショートノート」「会議報告」「概況報告」「国際協力」「活動報告」「お知らせ」
和田 雄作; 大久保 利行; 宮崎 仁; 細田 博; 堂野前 寧
JNC TN9410 2005-007, 94 Pages, 2005/03
核燃料サイクル開発機構大洗工学センターではFBRサイクルの確立を目指し、高速炉燃料・材料開発としての照射後試験を進めており、これに伴いTRU核種に汚染された高線量の廃棄物が多く発生し、日本原子力研究所大洗研究所の廃棄物管理施設において保管している。しかし、その施設の貯蔵裕度が逼迫しており、今後の照射後試験を支障なく実施していくためには減容処理施設を用意する必要がある。このため、いくつかの対策案の中から、将来の処分を目指した減容・安定化が可能な廃棄物処理施設の建設が有効との結論を得て計画を進めている。一方、本計画における処理対象廃棄物は、TRU核種で汚染された廃棄物でRI・研究所等廃棄物に区分されるものであり、現伏、処分に向けた技術要件(基準)等は国レベルで整備されていない。そのため、施設設計を進める上では、処分に関する国の技術要件等が将来整備されても、リコンディショニング(手戻り)を行わずそのまま処分できる固化体を作製できることが重要である。このことから、国内外の処理処分に関する技術要件等の調査を実施し、機構内レビューを行いながら極力、手戻りが無いように固化体製作上の管理項目などを設定して施設設計を進めてきた。そこで、設計内容や廃棄体要件設定の考え方等に関して、社内・外の処分に係る有識者、専門家の評価と意見を伺う目的で、大洗工学センター所長の委嘱により「照射後試験等廃棄物処理処分検討秀員会」を平成15年12月平成17年3月の期間で設置した。委員会は、大洗工学センターから処理対象廃棄物性状、プロセス選定、処分対応、品質管理方法などの考え方を説明し、それに対して各委員から意見等を頂く手法で実施した。その結果、廃棄体基準、品質管理、核種分析、処分性能評価等に関して各委員から数々の意見、提言などを頂いた。これらの意見、提言に関しては、今後の施設設計や処理処分計画の立案に反映すべき内容を整理し、それら対する対応方針(案)をまとめた。今後はこれらのフォローを行う必要かおるが、一方では貯蔵施設の裕度も漸減し、上流側での高速炉開発に対して支障を来たす逼迫した状況にある。したがって、今後時間の許される範囲内で処分の全体システムを考慮した処理のあり方について検討を重ね、その結果に可能なかぎり柔軟に対応できるような形で本計画を可及的速やかに進めることが重要と考える。
「常陽」2次系配管肉厚管理状況調査専門部会
JNC TN9410 2004-019, 26 Pages, 2005/01
関西電力美浜発電所3号機の2次系配管の破損事故(2004年8月9日)を踏まえ、原子炉等安全審査委員長(大洗工学センター内)より高速実験炉「常陽」2次系配管の肉厚の管理状況に関する調査方針が示され、本調査のための「「常陽」2次系配管肉厚管理状況調査専門部会」が2004年8月17日に設置された。環境方針に従い、当専門部会は実験炉部に記録の提示及び説明を求め下記の項目について調査した。 1)2次系配管の肉厚の管理状況 2)2次系配管の肉厚の管理状況及び点検検査結果 「常陽」の2次系の冷却材は水ではなくナトリウムであることから、美浜発電所の配管のように酸化物形成、成長と剥離の繰り返しによる配管内面の減肉の進行は発生し難い。これに対し2次系配管で最も腐食減肉が大きくなるのは、外面が流動を伴う空気と接触する主冷却器伝熱管と想定されることから、当該部位の肉厚管理方法を重点的に調査し、定期検査毎に自主検査が行われ、その肉厚は製作仕様の最小肉厚を上回っていることを確認した。実施した調査結果に基づいて、専門部会は、1)2次系配管の肉厚の管理方法は適切であり、また 2)管理状況及び点検検査結果は良好であったことを確認し原子炉等安全審査委員会に報告した。
国際・核物質管理部*
JNC TN1200 2003-006, 224 Pages, 2003/12
本報告書は2003年10月17日にテクノ交流館リコッティで開催された第4回国際特別研究員研究概況報告会の内容をとりまとめた。2003年10月現在、サイクル機構に在籍中の国際特別研究員9名の研究概況報告を別表の通り収録している。
鈴木 淳市; 門脇 和男; 畑 慶明*; 岡安 悟; 西尾 太一郎; 掛谷 一弘*; 小田原 成計*; 永田 篤士*; 中山 哲*; 茅根 一夫*
低温工学, 38(9), p.485 - 492, 2003/09
最近、微小超伝導体に拘束された量子化磁束が特異な空間秩序を示すことが理論的に明らかとなり、注目を集めている。このような秩序化は、高い空間分解能を有する磁気顕微鏡により観測が可能である。われわれは、微細加工技術を利用した磁気検出コイルサイズの微小化とスタンドオフの縮小により、磁気顕微鏡の高空間分解能化に成功した。そして、この高空間分解能磁気顕微鏡を利用して、Nb、及び、YBaCuO微小超伝導体の量子化磁束配列を観測することにより、量子化磁束配列の変化に対応した磁化の量子振動を明らかにすることができた。
技術協力課*
JNC TN1400 2003-009, 196 Pages, 2003/08
機構では、博士号の学位をもった若手研究者に研究環境を提供し、人材育成を図るため、平成9年度から博士研究員制度を導入し、平成14年度で6年目を迎えた。同制度は、機構の先導的、基礎・基盤的な研究業務に関連して、独創性に富んだ若手研究者が23年間の期間に機構の承認した自らの研究テーマを自主的に遂行し、研究者としての業務を得るとともに、機構の研究業務を効率的に推進することを目的としている。本報告書は、平成14年度に実施した博士研究員による16件の研究テーマの実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、16件の研究テーマのうち、4件の研究テーマが平成14年度で終了した。
技術協力課*
JNC TN1400 2003-008, 216 Pages, 2003/08
機構では、大学及び研究機関(以下「大学等」という。)との研究協力の推進を図るため、平成11年度から核燃料サイクル公募型研究推進制度を発足させ、平成14年度で4年目を迎えた。同制度は、機構が取り組む核燃料サイクル分野の研究開発においで、大学等の研究者から、広く先見的、独創的でかつ原則として機構の施設及び設備を利用する基礎・基盤的研究テーマを公募する。応募者には研究に主体的に取り組んで頂き、機構の研究者と外部の研究者との交流、情報交換、成果の公表等により、機構の研究環境の活性化を図り、もって基礎・基盤的研究開発を効率的に推進することを目的とする。大学等の研究者から提案して頂いた研究テーマは、外部の専門家を中心とする選考委員会で選考している。本報告書は、平成14年度に実施した高速増殖炉関係、核燃料サイクル関係、放射線安全関係及び地層処分・地層科学関係の核燃料サイクル公募型研究に関する20件の研究テーマの実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、20件の研究テーマのうち、高速増殖炉関係の3件、核燃料サイクル関係の2件、及び地層処分・地層科学関係の3件の合計8件については平成14年度で終了した。
技術協力課*
JNC TN1400 2003-007, 289 Pages, 2003/08
機構では、大学及び研究機関(以下「大学等」という。)との研究協力の推進を図るため、平成7年度から先行基礎工学研究協力制度を発足させ、平成14年度で8年目を迎えた。同制度は、機構の施設及び設備を主に利用し、機構が取り組む研究開発プロジェクトに先行した基礎・基盤的研究を大学等との研究協力により推進することを目的とする。同制度では、機構が設定した研究協力テーマに対して、大学等から研究目的を達成する上で必要な手法、アイディア等を研究協力課題として提案して頂き、外部の専門家を中心とする選考委員会で研究協力課題を選考している。研究協力形態としては、大学等との共同研究の実施または客員研究員として受け入れる形態を採用している。なお、共同研究または客員研究員に大学院博士課程の学生を研究生として加えることも可能としている。本報告書は、平成14年度に実施した高速増殖炉関係、核燃料サイクル関係、放射線安全関係及び地層処分・地層科学関係の先行基礎工学研究に関する42件の研究協力課題の実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、42件の研究協力課題のうち、高速増殖炉関係の5件、核燃料サイクル関係の3件、放射線安全関係の1件及び地層処分・地層科学関係の3件の合計12件については平成14年度で終了した。
Circone, S.*; Stern, L. A.*; Kirby, S. H.*; Durham, W. B.*; Chakoumakos, B. C.*; Rawn, C. J.*; Rondinone, A. J.*; 石井 慶信
Journal of Physical Chemistry B, 107(23), p.5529 - 5539, 2003/06
被引用回数:154 パーセンタイル:95.09(Chemistry, Physical)本報告は、二酸化炭素ガスを内包した水化物の合成法,組成,構造及び振る舞いを調べ、その結果をメタン水化物のそれと対比したものである。二酸化炭素ガス包摂水化物結晶の格子定数の温度依存性はJRR-3に設置された高分解能中性子粉末回折装置(HRPD)における測定から決定した。得られたパターンをリートベルト解析した結果、格子定数及びその温度依存性が他の研究者の値と非常に良い一致がみられた。このことは本二酸化炭素包摂水化物が上手に合成されていることを示している。また、この良質な合成試料のTEM観察や二酸化炭素ガスの分解などについて調べ、新たな成果を得たので発表する。
Rondinone, A. J.*; Chakoumakos, B. C.*; Rawn, C. J.*; 石井 慶信
Journal of Physical Chemistry B, 107(25), p.6046 - 6050, 2003/06
被引用回数:21 パーセンタイル:49.35(Chemistry, Physical)本研究は、重化したトリメチレン包摂水化物からの回折強度をJRR-3炉室に設置されている高分解能中性子粉末回折装置(HRPD)を用いて広い温度範囲(10Kから250K)に渡って測定し、トリメチレン包摂水化物のI及びII型構造のトリメチレン包摂水化物における小さな篭の体積膨張は10Kから160Kの温度範囲で著しく増加し、160Kから220Kの範囲において逆に減少することがわかった。一方、大きな篭の体積膨張は温度の上昇に伴って単調に増加した。また、II型構造の体積膨張はI型における大きな篭のそれとほぼ同じ傾向を持つことがわかった。このことから、I型構造の小さな篭に内包するトリメチレン包摂水化物の中性子回折実験から、上記の新たな成果を得たので発表する。
畑 慶明; 鈴木 淳市; 掛谷 一弘*; 門脇 和男*; 小田原 成計*; 永田 篤士*; 中山 哲*; 茅根 一夫*
Physica C, 388-389(1-4), p.719 - 720, 2003/05
近年、微細加工技術の発展とともに、微小領域(マイクロメーターからナノメーターオーダー)に束縛された超伝導体の磁束状態に興味が持たれている。通常の超伝導体では、磁束はに量子化されて超伝導体中に分布する。しかし、微小な超伝導体では超伝導体の大きさや形状に依存した磁束の配列が実現することが理論的に示されている。例えば、微小超伝導Diskでは外形の対称性を維持するために中央に外部磁場に対応して、量子磁束の整数倍の磁束強度を持つ巨大磁束が安定である。しかし、このような超伝導体の磁束観察に関する研究の報告はほとんど存在しない。そこで、走査型SQUID顕微鏡を用いてYBCO-Diskの磁束配列の観察を試みた。試料はFIB(Forcused Ion Beam)加工を用いて作成し、直径はである。走査型SQUID顕微鏡による磁束観察の結果、Disk中の磁束は外部磁場の増大に伴い個数が増加した。全ての磁束は量子化されており、巨大磁束は存在しなかった。
無藤 克己; 小圷 正之; 中澤 修; 須黒 寿康; 加藤 浩
サイクル機構技報, (21), P. 126, 2003/00
サイクル技報第21号に、平成15年度第2四半期の「業務概況」として以下の事項を報告する。・高速増殖炉燃料製造技術開発の現状・高速増殖炉燃料の再処理技術開発の現状・環境保全対策の現状
畑 慶明; 鈴木 淳市; 掛谷 一弘*; 門脇 和男*; 中山 哲*; 永田 篤*; 小田原 成計*; 茅根 一夫*
Physica C, 378-381(Part1), p.420 - 423, 2002/10
第二種超伝導体では、ある一定以上の磁場の下で超伝導体内部に量子化された磁束が侵入する。走査型SQUID顕微鏡を用いると、この量子化された磁束の振る舞いを直接観察することができる。磁性超伝導体では、磁性イオンを含まない超伝導体とは違い、この量子磁束に内部構造が見られることが理論的に示されている。しかし、その直接観察の例はこれまでにほとんど報告されていない。そこで、走査型SQUID顕微鏡を用いて磁性超伝導体の量子磁束観察を行った。磁性超伝導体系は低温での磁気的性質は磁性を担う希土類イオンの種類により大きく異なる。ではクラスター状に分布した量子化された磁束量子が観測され、印加磁場の増大にともなう磁束量子の密度の増加がみられた。磁性イオンを持たないYBCOの観察結果と比較的類似した結果が得られた。これに対してでは量子磁束の数倍の強度を持つ大きな磁束とその周辺に逆向きの磁束分布が観測された。これは試料の持つ磁気モーメントと超伝導体中に侵入した磁束の和が量子化条件を満足するために見られる現象で、このような現象を直接観察したのはこれが初めてである。
Chakoumakos, B. C.*; Rawn, C. J.*; Rondinone, A. J.*; Marshall, S. L.*; Stern, L. A.*; Circone, S.*; Kirby, S. H.*; Jones, C. Y.*; Toby, B. H.*; 石井 慶信
Proceedings of 4th International Conference on Gas Hydrates (ICGH-4), p.655 - 658, 2002/05
メチレン・エチレン混合ガスから作った水化物の中性子回折実験を広い温度領域で行い、回折パターンを観測した。測定は主にJRR-3Mに設置してある高分解能中性子粉末回折装置(HRPD)を使用して行い、補助的に米国NISTのHRPDも用いた。観測データをリートベルト法に従って解析し、ガス水化物結晶パラメーターの精密化を行った。この結果、構成原子の配置位置及び熱振動パラメーターを精度良く決定できた。混合ガス組成を持つ水化物の基本的物理量を決定したことは非常に有意義であることから、横浜で開催の第4回ガス水化物国際会議で発表する。