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宮下 敦巳; 大沼 敏治*; 岩沢 美佐子*; 土田 秀一*; 吉川 正人
no journal, ,
本研究では実際の界面に近い状態の原子構造を計算機上で生成し、その電子状態が界面電気特性に与える影響を理論的側面から追求している。実際のデバイス絶縁膜を模擬するために、加熱・急冷計算によりアモルファス界面構造を計算機上に構築し電子構造を決定した。計算はVASPコードを用いて行った。1017原子界面構造モデルに対して、4000Kで加熱後、-2000K/psで室温までの急冷を行い、生成した
層の動径分布関数を評価した所、Si-O結合距離は0.165nm、O-Si-O結合角は109
、Si-O-Si結合角は135
と得られた。冷却速度を-1000K/ps, -500K/psと変化させた所、室温冷却後の全エネルギーは-2000K/psの時を基準にして、それぞれ-7.2eV, -13.9eV低くなった。また、Si-O-Si結合角も135
から、それぞれ137
, 140
と広くなっており、よりシリカガラスでのSi-O-Siの結合角
に近くなった。これらの結果から、冷却速度が遅い方がより安定で実デバイスに近い界面構造を得られることがわかった。
大沼 敏治*; 宮下 敦巳; 岩沢 美佐子*; 吉川 正人; 土田 秀一*
no journal, ,
ワイドギャップ半導体であるSiCはSi同様熱酸化により絶縁膜を作製できるため次世代のMOS型パワーデバイスとして有望である。Si面と比較して酸化速度が10倍速い、チャネル移動度が大きいなど興味深い特徴を持つC面について、平面波基底のPAW法による第一原理分子動力学計算を行い、熱酸化過程の動的シミュレーションを行った。計算は地球シミュレーターで行った。界面モデルはスラブモデルを用い、界面の初期構造は加熱及び急冷法により作成した。界面モデルは急峻かつダングリングボンドのない綺麗な界面に酸化過程のきっかけとしてシリコン空孔を導入したものを用いた。酸化過程のシミュレーションは酸素分子を一つずつSiO層に追加することにより行った。酸素分子はSiO
層中及びSiC界面のSi原子と反応し解離し、SiC界面のSi原子が酸化されることによりSi原子とC原子との結合が切れてCダングリングボンドが生成された。界面の炭素原子は酸化されてCO及びCO
分子,C-C-O複合体が生成した。C面においてはSi面よりも生成したCO
分子がCダングリングボンドと反応しにくく、拡散しやすいことがわかった。
大島 武; 菱木 繁臣*; 岩本 直也; Reshanov, S. A.*; Pensl, G.*; 児島 一聡*; 河野 勝泰*
no journal, ,
耐放射線性炭化ケイ素(SiC)半導体素子作製を目的に、p型エピタキシャル六方晶(6H)-SiC上に金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタをさまざまなプロセスで作製した。特に、ソース・ドレイン形成のためのリン(P)イオン注入後の熱処理の際に、基板表面をカーボン膜で覆い保護したものと、保護しない二種類で作製したMOSFETを比較した。原子間力顕微鏡(AFM)で試料表面を観察し表面粗さ(RMS)を求めたところ、被覆有りが0.67nmであるのに対し、被覆なしでは1.36nmであった。さらに、未照射のチャンネル移動度の値を比較すると、カーボン被覆有りは55cm/Vsであるのに対し、被覆なしは45cm
/Vsと小さな値であることがわかった。これは、エピ膜表面荒れが原因で発生した界面準位によりカーボン被覆なし熱処理試料では有りに比べてチャンネル移動度が小さくなったためと考えられる。一方、
線照射後の振る舞いを比較すると、両者とも1MGyまでは変化は見られないが、カーボン被覆なしは、それ以上の照射によりチャンネル移動度が低下するのに対し、被覆有りで熱処理を行ったMOSFETでは、わずかではあるがチャンネル移動度が上昇することが見いだされ、3MGy照射後には65cm
/Vsとなることが明らかとなった。
岩本 直也; 大島 武; 小野田 忍; 菱木 繁臣*; 村上 允
no journal, ,
炭化ケイ素(SiC)半導体を用いた粒子検出器開発の一環として、六方晶(6H)-SiCエピタキシャル基板上にnpダイオードを作製した。作製した6H-SiC n
pダイオードに1MeV電子線を照射することで損傷を導入し、その後、酸素マイクロイオンビームを用いたイオンビーム誘起過渡電流(TIBIC)評価により電荷収集効率(CCE)の変化を調べた。その結果、1
10
/cm
までの電子線照射ではCCEに変化は見られないが、それより照射量が多くなるとCCEが減少し、6
10
/cm
照射後には68%まで低下することが見いだされた。また、収集電荷量のダイオードへの印加電圧依存性から少数キャリアである電子の拡散長の変化を見積もったところ、未照射では2
m以上であったものが1
10
/cm
照射後には0.6
mまで減少することが判明した。