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成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 矢板 毅
no journal, ,
有機薄膜は将来に期待される新しい機能性材料の一つであるが、新規デバイス材料として利用するためには、無機基板と有機分子の界面の情報を知る必要がある。そこで本研究では、酸化物基板上にシリコンアルコキシド基を持つ有機分子を固定化することを試み、その化学状態をX線光電子分光法(XPS)及びX線吸収微細構造法(NEXAFS)を用いて観察した。酸化物表面にはサファイア単結晶、吸着分子にはアルキル基の末端にシリコンアルコキシド基を持つオクタデシルトリエトキシシラン分子(ODTS)を用いた。その結果、Si1sXPSスペクトルからは、単分子膜の場合に現れた化学シフトから、ODTS分子のシリコンアルコキシドがサファイア表面と化学結合を形成していることがわかった。また、単分子膜のSi K吸収端NEXAFSスペクトルの偏光依存性から、ODTS分子のSi-O結合が、表面に対して垂直に位置していることがわかった。
市原 晃; 黒崎 譲; 横山 啓一
no journal, ,
長寿命核分裂生成核Csの同位体分離に資する理論研究として、緊密結合及び波束法に基づく2種類の計算コードを作成し、レーザー場におけるCsI分子の振動・回転状態の励起過程を計算した。緊密結合の時間積分には4次のルンゲ-クッタ法を用い、波束の振動状態の計算には高速フーリエ変換、回転状態にはDVR法を適用した。そして、レーザー場上でCsIを選択的に振動励起させる際、回転励起により影響を受ける可能性を見いだした。さらに、光周波数コムによるCsIの内部状態の変化を計算し、CsIの回転状態を段階的に励起できることを確認した。この光周波数コムによって振動状態の励起は引き起こされず、振動状態が回転励起に与える影響は無視しうる結果を得た。
Koswattage, K.; 下山 巖; 関口 哲弘; 馬場 祐治; 中川 和道*
no journal, ,
ナノチューブを始めとした窒化ホウ素(BN)ナノ材料は炭素材料とともに水素吸蔵材料として注目されている。近年、原子状水素の化学吸着を用いた室温での水素吸蔵がカーボンナノチューブに対して提案されており、BNナノ材料についても有効な興味深いものであるが、試料合成の難しさからBNナノ材料と水素との相互作用に関する研究は十分に行われていない。そこで本研究ではナノチューブのモデル系として六方晶BN薄膜を用い、原子状重水素との相互作用をX線吸収(NEXAFS)分光法により調べた。800Cに加熱したNi(111)清浄表面にボラジンガスを曝露してBN薄膜を形成し、原子状重水素の吸着前後におけるNEXAFSスペクトルを測定した。その結果、B吸収端では重水素との反応後面直成分の軌道ベクトルを持つ準位に大きな変化が生じたのに対し、N吸収端ではほとんど変化を示さなかった。また、X線による水素の直接観測を行うため光刺激イオン脱離(PSID)分光法を用い、Bサイト励起においてD
イオンの脱離が促進されることを明らかにした。これらの結果によりわれわれはBN上で原子状重水素がBサイトに選択的に吸着していると結論した。
永石 隆二; 熊谷 友多
no journal, ,
高酸化状態の金属イオンの放射線誘起反応に関する研究では、電子捕捉剤であり後続の生成物も含めて金属イオンの酸化還元に関与する硝酸は水溶液としてほとんど用いられていない。一方、使用済核燃料の再処理では水相として硝酸が用いられているため、核分裂性核種や核分裂生成物の酸化還元には硝酸イオンが密接に関連している。本研究では、硝酸イオンと白金族元素イオンが共存した水溶液中で起こる放射線誘起反応を、定常線照射による生成物分析で研究した。添加物のない水溶液ではどちらもほとんど還元しないが、還元性ラジカルを生成するアルコールを添加した水溶液では硝酸イオンと白金族元素イオンが競争的に還元した。また、白金族元素イオンの還元は水溶液に固体酸化物を添加すると促進した。
佐伯 盛久; 田口 富嗣; 大場 弘則
no journal, ,
最近、われわれはランタノイド元素と貴金属元素が共存する水溶液系で、レーザー光還元による微粒子化効率の違いを利用して貴金属元素だけを選択的に微粒子化し、生成した貴金属微粒子をろ過により回収する手法を開発した。本研究では元素分離プロセスでの処理能力を高めるために、レーザー微粒子化分離法と溶媒抽出による回収法とを組合せた手法を考案し、貴金属元素の1つであるRhを対象にしてその原理実証実験を行った。そして、界面活性剤を含むRh3+水溶液と1-Octanol溶液で2相系を形成し、上方から紫外レーザー(266nm)を照射することにより、レーザー光還元により水相中で生成したRh微粒子を界面活性剤により安定化して有機相に抽出することに成功した。
下条 晃司郎; 三田村 久吉; 毛利 剛; 長縄 弘親
no journal, ,
本研究では、シラン部位を有するイオン液体[TMOSmim][Cl]を用いて、DNAを鋳型としたゾル-ゲル反応を行い、DNAの構造を転写したナノオーダーのシリカ構造体の合成を行った。中性条件でゾル-ゲル反応を行った場合、-DNAを鋳型にすることでworm-likeファイバーが形成し、プラスミドDNAを鋳型にすることでループ状ファイバーが得られた。興味深いことに、pHを酸・アルカリに変化させることで、[TMOSmim][Cl]がcondensing agentとして機能し、ロッド状やリング状のシリカゲルが得られた。また、オリゴDNAを自己組織化させることでDNAの二次元アレイを形成させ、これを鋳型として、ゾル-ゲル反応を行った結果、シリカナノシートを合成することに成功した。
熊谷 友多; 永石 隆二; 山田 禮司; 室屋 裕佐*; 勝村 庸介*
no journal, ,
水と固体酸化物との共存下での放射線誘起水素発生において、水和電子の反応により水素が発生する可能性が考えられている。そこで、パルスラジオリシス法を用いてシリカコロイド共存下での水和電子の反応挙動を調べた。その結果、シリカコロイドの共存により、水の放射線分解後の水和電子の減衰が遅くなる傾向が観測された。しかし、OHラジカルの捕捉試薬として-butanolを水溶液に添加し、水和電子とOHラジカルの反応を阻害した場合には、シリカコロイド共存の影響はほとんど観測されなかった。したがって、水和電子の減衰挙動に対するシリカコロイドの影響は、シリカコロイドによるOHラジカル捕捉反応によると考えられ、シリカコロイドの共存が水和電子から水素を発生させる効率的な反応を誘起するとは考えにくい。
佐藤 哲也; 塚田 和明; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 佐藤 望; Li, Z.; 菊池 貴宏; 金谷 佑亮*; 永目 諭一郎; Schdel, M.
no journal, ,
超アクチノイド元素ドブニウム(Db, Z=105)の化学的性質を明らかにするため、Db及び同族元素である5族元素Nb, Taの揮発性塩化物を対象としたオンライン気相化学分離装置の開発を進めた。Dbを模擬する目的でNb及びTaの短寿命核種を用い、本装置における5族元素Nb, Taの等温ガスクロマトグラフ挙動を調べるとともに、同一の条件下においてDbの揮発性化合物の生成・分離に成功した。
遠藤 仁
no journal, ,
ポリロタキサン(PR)とは、複数の環状分子が線状の高分子を軸としてビーズ状の連なった超分子構造をしている。われわれはコントラスト変調中性子散乱法を駆使して、PRの構造の詳細とその動的性質の詳細を研究した。中性子を散乱のプローブとして用いる場合、重水素と軽水素の散乱能が大きく異なることを利用した重水素標識法が適用可能である。われわれは部分重水素化した環状分子と軽水素化した軸高分子からなるPR(軸部分からの散乱が支配的)と軸のみを部分重水素化したPR(環状分子からの散乱が支配的)、さらに軸・環状分子とも軽水素からなるPRの散乱長の異なる3種のPRを合成し、コントラスト変調中性子散乱実験を行った。得られた散乱シグナルは、各成分からのシグナル(部分散乱関数)に分解され、この部分散乱関数を詳細に解析することにより、PR中における環状分子の分布や、軸分子の広がり具合、また各々の動的性質を定量的に評価することに成功した。
浅野 雅春; 越川 博; 八巻 徹也; 前川 康成; 山口 進*; 山本 和矢*; 朝澤 浩一郎*; 山田 浩次*; 田中 裕久*
no journal, ,
線グラフト重合を利用したアニオン交換型電解質膜の開発を目的に、モノマーの
線グラフト重合及びグラフト膜の四級化を検討するとともに、得られたアニオン交換型電解質膜のヒドラジンを燃料とした電池性能を調べた。エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体膜に
線照射後、クロロメチルスチレンをグラフト重合した。そのグラフト重合膜をトリメチルアミン水溶液により四級化した後、水酸化カリウム水溶液を用いてアニオン交換型電解質膜に変換した。四級化反応は、重量変化から85%進行したことがわかった。発電実験を、5%水加ヒドラジンと1M KOHの混合溶液を燃料に用い、セル温度80
Cの条件で行った結果、最大出力密度は460mW/cm
になることがわかった。
原賀 智子; 中野 裕太*; 渋川 雅美*; 齋藤 伸吾*; 亀尾 裕; 高橋 邦明
no journal, ,
放射性廃棄物試料中のアクチノイドを簡易かつ高感度に分析する方法を開発するため、キャピラリー電気泳動-レーザー励起蛍光検出法(CE-LIF)の適用性について検討した。本検討では、新規にさまざまな配位骨格を有する蛍光プローブを7種類合成し、ネプツニウム(Np)及びアメリシウム(
Am)を用いて、CE-LIFによる分離検出を試みた。その結果、非環状6座の配位骨格を有する蛍光プローブを用いることにより、Np及びAmの分離検出が可能となった。本検討により、これまでにアクチノイドに対する適用例のないCE-LIFを用いて、従来のCEの検出限界(ppmレベル)を大幅に改善したpptレベルの検出限界を達成できることを示せた。
Lin, M.; 勝村 庸介*; 室屋 裕佐*; Yan, Y.*; 熊谷 友多; 永石 隆二; Mostafavi, M.*
no journal, ,
溶液への放射線照射直後に分解生成物が発生する不均一な領域(スパー)で起こる反応の温度効果を解明するために、室温から300度までの水中及びメタノール中において、電子線パルス照射後の数十ピコ秒から数マイクロ秒までの時間領域で変動する溶媒和電子の収量を電子捕捉剤としてメチルビオローゲン又は4,4'-ビピリヂルを用いて測定した。この測定結果はピコ秒パルスラジオリシスで溶媒和電子を直接測定した結果と良い一致を示した。
濱川 翔太郎; 長谷川 伸; 前川 康成
no journal, ,
エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)などの耐熱性フッ素系高分子膜にポリスチレンスルホン酸(PSSA)グラフト鎖を導入した電解質膜(PSSA-g-ETFE)では、そのグラフト鎖が高温水中、スルホ基の熱的脱離やグラフト鎖の主鎖切断などなしに、基材から直接脱離することが報告されている。そこで、本研究では、基材から脱離したグラフト鎖の分子量測定を行うことで、フッ素系高分子膜へのスチレンの放射線グラフト重合の反応機構の解明を試みた。PSSA-g-ETFE膜を85Cの熱水中で処理することでグラフト鎖を脱離・単離した。脱離したグラフト鎖のスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、グラフト率6
68%の範囲においてグラフト率に依存せず、3500前後とほとんど一定の値であった。このことから、重合反応は、重合の開始と停止を次々に繰り返すことで一定分子量の高分子鎖が増加する重合機構であることが示唆された。