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中川 直樹*; 藤本 望*; Ho, H. Q.; 濱本 真平; 長住 達; 石塚 悦男
no journal, ,
臨界集合体であるVHTRCを対象炉として、中性子輸送モンテカルロコードを用いて核特性評価精度の検証を行った。この結果、燃料領域については実測値と解析値の差異は平均で約0.75%に収まり、燃料温度,燃料濃縮度に依らず高精度な予測が可能であることが明らかになった。
池田 礼治*; Ho, H. Q.; 藤本 望*; 濱本 真平; 長住 達; 石塚 悦男
no journal, ,
モンテカルロ法を用いて炉内温度分布を考慮したHTTR炉心の燃焼計算をはじめて実施した結果、温度分布による反応度への影響が確認された。この結果から炉心の核特性を高精度に評価するには温度分布も考慮する必要があることが明らかとなった。
佐藤 和之; 遠藤 佑哉; 前田 剛; 植頭 康裕; Lochard, J.*; Clement, C.*; 藤田 博喜*; 安東 量子*
no journal, ,
日本原子力研究開発機構(JAEA)は、福島の環境回復及び福島第一原子力発電所の廃止措置に係る研究開発を通し、福島の早期復興への貢献を目指している。JAEAは、地元住民とのコミュニケーションを通じてニーズの把握と研究の方向性を確認することを目的に、国際放射線防護委員会(ICRP)と共同で平成30年12月、令和元年8月にダイアログミーティングを開催した。また、令和元年12月にも開催する予定である。なお、実施に当たり福島ダイアログに運営協力をお願いした。本ミーティングにおいては、専門機関, 地元の企業, 住民等のこれまでの経験や取り組みに係る発表や意見交換を行うとともに、JAEAのこれまでの研究成果を発表してきた。令和元年12月のミーティングで、ICRP及びJAEAが協力するのは最後となり運営を福島ダイアログに引き継ぐため、これまでのミーティングから学んだ内容について報告する。
嘉成 由紀子; 植頭 康裕
no journal, ,
東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所発電所の事故から、間もなく10年が経過する中で、福島県内の復興は少しずつ進んでいるが、一方で課題も多く残っている。このような状況の中、地元福島県の高校生が福島の復興を自分の目で確かめ、どうして欲しいのか、将来自分たちが何をしなければいけないのか等を自分たちの言葉で話すことは大変重要なことである。そこで、日本原子力研究開発機構(JAEA)は、福島県内の高校生を対象に、県内の施設見学を通して知見を広げるとともに、科学的アプローチによる問題解決能力の向上を目的に、放射線リスクコミュニケーション相談員支援センターの協力を得て、「福島原子力事故からの復興に対する高校生による意見交換会」を開催した。本発表では、意見交換会を通じて高校生が何を学び、どう考えたかを報告するとともに我々が高校生の発表を通じて考えていくべきことについて報告する。
遠藤 駿典; 木村 敦; 中村 詔司; 岩本 修; 岩本 信之; 藤 暢輔; 瀬川 麻里子; 前田 亮; 常山 正幸*
no journal, ,
ニオブはステンレス鋼の添加物であり、原子炉等でも広く利用されている。しかしながら過去の測定では導出された共鳴パラメータに差異が見られる。そこで断面積の高精度化を目指し、J-PARC MLF ANNRIに設置されたリチウムガラス検出器を用いて、ニオブ-93の中性子全断面積の測定を行った。測定の過程で中性子の回折の効果が確認されたため、モデルを仮定し評価を試みた。本講演では断面積測定の現状と、試料による回折の影響評価について報告する。
細川 知敬*; 藤原 英城*; 鴨志田 修一*; 安齋 喜代志*; 中野 政尚; 小池 優子; 山田 椋平; 永岡 美佳
no journal, ,
MOX燃料加工施設より発生する分析済液(硝酸酸性)からPu・Uを回収するために中和沈殿処理を実施する際に中和剤として水酸化ナトリウムを用いる。Pu・U回収後の分析済液を全放射能濃度分析する際、中和塩(硝酸ナトリウム)の分析影響を緩和させるべく、固相抽出剤及び硝酸を用いた脱塩処理試験を実施した。本発表では、本試験の検討経緯、本試験の概要及び前処理方法の実用化について報告を行う。
中野 政尚; 小池 優子; 山田 椋平; 永岡 美佳; 細川 知敬*; 藤原 英城*; 鴨志田 修一*; 安齋 喜代志*
no journal, ,
日本原燃が検討を行った、全放射能濃度分析のための脱塩処理方法について、日本原子力研究開発機構にて検証試験を実施した。硝酸ナトリウムを含む分析サンプルから固相抽出剤及び硝酸を用いて、脱塩効率及び核種の回収率について確認した。塩酸を使用せずに効率的に脱塩でき、かつ核種の回収率も安定していることから、耐塩酸腐食性能のない環境において十分に実用性のある方法であることが本試験により確認された。本発表では、試験内容及び試験結果について報告を行う。
渡辺 奈央; 菅原 隆徳; 西原 健司
no journal, ,
加速器駆動核変換システム(ADS)の設計において、加速器と未臨界炉心の境界をなすビーム窓は重要な構造物の一つである。今回、原子力機構では、ビーム窓と周囲の鉛ビスマス(LBE)流動場の3次元体系を作成し、その熱流動・構造連成解析システムをANSYS Workbench上に構築した。本システムでは、モンテカルロ計算コードPHITSから得られた陽子ビーム照射による発熱分布を読み込み、冷却材であるLBEの定常熱流動解析をFluentで行った後、得られた温度・圧力分布からビーム窓の静的応力評価および固有値座屈評価を行う。3次元解析により非軸対称性を考慮できるようになったが、これに伴い低次の座屈モードではダクト部の半径方向に大きくひずんだ形状が示された。
多田 健一; 池原 正; 小野 道隆*; 東條 匡志*
no journal, ,
原子力機構が開発・提供している核データ処理コードFRENDYを用いることで、核データ処理コード間の比較が可能となった。本発表では、FRENDYとNJOYの処理手法の違いと処理手法の違いが粒子輸送計算に与える影響の予測と、類似研究について説明する。
小野 道隆*; 東條 匡志*; 多田 健一; 池原 正
no journal, ,
核データ処理に内在する不確かさ評価を試みた。国産核データ処理コードFRENDYの公開により、デファクトスタンダードと言えるNJOYとの独立検証が可能となった。本発表では、核データ処理の違いが核計算に与える影響について評価した。
岩元 洋介
no journal, ,
原子炉施設の構造材の照射損傷量の指標として、従来モデル(NRT)で導出される原子あたりのはじき出し数(以下、NRT-dpa)が用いられている。一方、2018年にNordlund等から、分子動力学計算により導出された格子間原子と空孔からなる欠陥における非熱的な再結合補正(arc)が報告された。本研究では、粒子・重イオン輸送計算コードPHITS及び材料研究で使用されるSRIMコードを用いて、これまでarcモデルの適用について十分に検討されていない原子炉材料の照射研究で使用されるMeV程度のエネルギーを持つイオン照射に着目し、材料中の各モデルによるdpa(arc-dpa及びNRT-dpa)の深さ分布を計算した。その結果、10MeVの鉄を鉄に照射した場合、材料表面から2.5mのフルストップ領域において、損傷エネルギー範囲が2-20keVであり、arc-dpaはNRT-dpaの0.3-0.4倍であり、他のイオン照射も同様の傾向であること等がわかった。また、PHITSとSRIMの計算値の比較において、本ケースは概ね一致したが、両コードにおける荷電粒子の阻止能、材料中の輸送粒子のエネルギー分散や角度分散等のモデルが異なるため、両者の計算値に差異が生じるケースがあることがわかった。
Liu, J.; 中島 邦久; 三輪 周平; 逢坂 正彦
no journal, ,
核燃料からのルテニウム(Ru)放出モデルを改良するため、熱天秤を利用する新しい手法で、Ru-ロジウム(Pd)合金中のRu活量を測定した。得られた実験値は、既存の熱力学データから推定された値とよく一致し、本測定手法の信頼性を確認した。
永沼 正行; 亀井 美帆; 前田 宏治
no journal, ,
軽水炉の高燃焼度燃料では、「リム組織」と呼ばれる特異な組織が形成され健全性に影響することが知られている。このリム組織について、高速実験炉「常陽」で高燃焼度まで照射された高速炉燃料においても観測されている。そこで、その照射後試験の結果について燃料挙動解析コードを用いた解析を行い、高速炉燃料のリム組織形成条件に関する評価を行った。結果として、高速炉と軽水炉の照射時の燃料のふるまいの違いに基づき、形成条件に相違があることが分かった。また、リム組織形成による高速炉燃料の健全性への影響について検討し、影響は軽微となることを確認した。
Do, V. K.; 古瀬 貴広; 村上 絵理奈; 相田 玲奈; 太田 祐貴; 富塚 知博; 佐野 友一; 秋元 友寿*; 遠藤 翼*; 片山 淳; et al.
no journal, ,
本報では、ICP-MS/MS(Agilent 8900)を用いたZrとMoの定量において妨害となる隣接ピークのテーリング及び同重体(Nb)の影響除去に関する検討結果について報告する。アンモニアガスをリアクションガスとし、ガスと各元素の反応性の違いを利用することで、ZrとMoはそれぞれの同重体から分離することが可能となる。本発表ではこの性質を利用した福島第一原子力発電所から採取した環境試料中ZrとMoの分析手法について提案する
前川 恵輔; 永井 俊尚; 小野 清
no journal, ,
2005年10月の原子力二法人の統合によって発足してから今年で15年目を迎えた原子力機構は、将来にわたって社会に貢献し続けていくために、何を目指し、そのために何をすべきか、という原子力機構の将来の姿を、将来ビジョン「JAEA 2050 +」として取りまとめ、公表した(2019年10月31日)。本報告では、若い世代に向けて策定したこの将来ビジョン「JAEA 2050 +」で示した、将来の気候変動問題の解決や、安全性を向上させたエネルギーシステムによるエネルギーの安定確保および、わが国が目指すべき未来社会(Society5.0)の実現に貢献していくことを目指して、原子力のポテンシャルを最大限活用した原子力科学技術による取組の概要を紹介する。
長家 康展
no journal, ,
臨界リスク基礎データベースの作成に資するため、燃料デブリ体系を取り扱うことができる新規モンテカルロ計算ソルバーSolomonを開発している。熱炉体系へ適用範囲を拡張するため、熱中性子散乱モデルをSolomonに実装し、簡単な体系に対する実効増倍率をモンテカルロコード間で比較することにより実装を検証した。
石井 大翔*; 大石 佑治*; 牟田 浩明*; 鈴木 恵理子; 中島 邦久; 三輪 周平; 逢坂 正彦; 宇埜 正美*; 黒崎 健*
no journal, ,
原子炉構造材として使用されているステンレス鋼(SUS316)表面における液体ヨウ化セシウムの濡れ挙動を静滴法で評価した。その結果、液体ヨウ化セシウムは良く濡れ広がり、ヨウ化セシウムの酸化に伴ってヨウ素のみが再蒸発することが分かった。
高見澤 悠; 西山 裕孝
no journal, ,
原子炉圧力容器の構造健全性評価においては、中性子照射前後のシャルピー衝撃試験で得られる延性脆性遷移温度(DBTT)の不確かさを考慮する必要がある。本研究では、原子力機構がこれまでに取得した原子炉圧力容器鋼の未照射材・中性子照射材データに対して、ベイズ統計を用いて試験片の採取位置のばらつき、試験片の数、試験温度がDBTTの標準偏差に及ぼす影響を評価した。その結果、試験片採取位置のばらつきのDBTTの標準偏差への影響は照射前後で変化しないこと等を明らかにした。
鈴木 恵理子; 中島 邦久; 三輪 周平; 逢坂 正彦; 橋本 直幸*; 磯部 繁人*
no journal, ,
軽水炉シビアアクシデント時にステンレス鋼構造材へ化学吸着したセシウム(Cs)の再蒸発挙動評価に資するために、化学吸着生成物の化学形とその分布を微視的分析手法を用いて調査した。化学吸着温度及び構造材表面からの深さによって化学吸着生成物の化学形やその結晶性が異なり、再蒸発速度や放出される蒸気種に影響を及ぼす可能性があることが分かった。
中山 梓介; 岩本 修; 渡辺 幸信*; 緒方 一介*
no journal, ,
核融合炉材料の照射試験や医療用RIの製造に使用する大強度中性子源として、重陽子加速器を用いたものが提案されている。こうした中性子源の設計研究に資するため、軽核(Li-6,7, Be-9, C-12,13)に対する重陽子核反応データファイルJENDL/DEU-2020を開発した。また、本ファイルをPHITS等のコードで読み込んでシミュレーションを行い、その精度を検証した。その結果、JENDL/DEU-2020に基づいたシミュレーション結果はPHITS内の核反応モデルを用いたものよりも、厚い標的からの中性子収量の実測値を良く再現した。