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竹内 末広
KEK Proceedings 2000-23, p.16 - 20, 2001/02
原研東海研のタンデム加速器の後段加速器としての超伝導ブースターは1994年4月に完成以来重大な故障やトラブルなく順調に稼働を続けており、重イオンビームを使った核物理・物質科学の研究に貢献してきている。超伝導空洞の現在の性能を中心に、稼働状況、各部の性能、これまであったトラブル等の現状報告をする。また近年行っているECR(電子サイクロトロン共鳴)放電による超伝導空洞の表面処理の研究について最近の結果を報告する。
大内 伸夫; 原研/KEKリニアック設計チーム
KEK Proceedings 2000-23, p.39 - 43, 2001/02
原研では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)と共同で陽子加速器用超伝導空胴の開発を進めている。平成11年度には、単セル空胴(=0.886,2個)の処理・試験、5セル空胴(=0.5及び=0.886)の処理・試験、及びパルス運転時のダイナミックローレンツデチューニングの測定を行った。単セル空胴では、最大表面電界45~51MV/mを達成し、良好な性能を得たが、5セル空胴では、18~20MV/mとなっており、単セル空胴ほどの性能は得られていない。また、パルス運転時のダイナミックローレンツデチューニングの測定では、モデル計算と良好な一致を示し、モデル計算の妥当性が実証された。
千代 悦司; 築島 千尋*; 大内 伸夫; 椋木 健*; 長谷川 和男; 水本 元治
KEK Proceedings 2000-23, p.34 - 38, 2001/02
超伝導リニアックにおいて空胴内にRF電圧を印加するとローレンツ応力により空胴壁面が変形する。パルス運転を行うと、このくり返し応力により空胴壁面が振動し共振周期数変動が起こる。この周波数変動を低く抑えるためには、RFを連続ないし長パルスで空胴に印加することが望ましいが、一方、消費電力の低減のためには、パルス長を極力低く抑えたい。そこで大強度陽子加速器計画で検討されている972MHz空胴の定常パルス運転における共振周波数変動をシミュレーションし、パルス幅が短くかつ周波数変動が起こりにくいRFパルス構造を導いた。
長谷川 和男; 大内 伸夫; 椋木 健*
KEK Proceedings 2000-23, p.31 - 33, 2001/02
原研とKEKの大強度陽子加速器計画に使用する超伝導リニアックのシステム設計を行った。超伝導空洞では、加速電場勾配を決めるのは空洞内の最大電場による放電ではなく、マルチパクタリングによる発熱であるとの仮説を採用し、従来からの設計基準の変更を行った。また、ビームダクト径の見直しにより、ローレンツストリッピングを避けるQ磁石長の再評価や、エミッタンス増加を抑えるEquipartitioning条件の見直しを行った。400~600MeVの範囲で、従来の長さ109m,モジュール数21台の超伝導リニアックが、今回の設計で、それぞれ69m,15台と長さ,代数ともに大幅に削減される結果を得た。また、200~400MeVの範囲では、長さ95m、モジュール数23台であり、結合空洞型リニアックと同等規模のシステムとなることが示された。
椋木 健*; 村井 隆*; 来島 裕子*; 大内 伸夫; 草野 譲一; 水本 元治
KEK Proceedings 2000-23, p.55 - 56, 2001/02
原研とKEKは大強度陽子加速器を核とした、基礎科学研究や原子力工学研究を行うための統合計画を推進している。加速器として超伝導リニアックを第1のオプションとして検討しており、この場合の超伝導空胴と液体ヘリウムジャケットとの接合はHIP(熱間静水圧プレス法)を検討している。本報告では、上記のHIPにより継手を製作した場合の極低温冷却時熱応力について構造解析を行い、検討した結果を報告する。
水本 元治
KEK Proceedings 2000-23, p.1 - 3, 2001/02
原研とKEKは、大強度陽子加速器計画を共同で推進している。本計画は、加速器によって発生させられる、陽子ビーム及び2次的な中性子、中間子ビーム等を用いて、生命・物質科学,素粒子・原子核物理,放射性廃棄物の核変換技術等の研究・開発を行う。本報告では、加速器施設のうち、本計画の特徴の一つである超伝導リニアックの開発の現状を示すとともに、開発の考え方を述べる。また、超伝導リニアックがここ数年世界的にも大きな関心を呼び起こしていることから、米国SNS(核破砕中性子源)計画における超伝導リニアックの概要を中心に世界の現状についても紹介する。