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井田 瑞穂; 中村 博雄; 千田 輝夫; 荒 邦章; 杉本 昌義
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IFMIFターゲットアセンブリには、液体リチウムを装荷する際にリチウム固化を防止する保温構造及び中性子発生時に核発熱による熱応力と変形を抑制する構造が必要である。また、長期間運転中にリチウムループ内に蓄積されるベリリウム-7等の放射性核種による作業員被曝の制限も必要である。これらの要求を満たすために実施したアセンブリの熱解析,背面壁の熱応力解析,リチウムループ周りの線量評価に関し発表する。
春日井 敦; 南 龍太郎; 高橋 幸司; 小林 則幸; 坂本 慶司
no journal, ,
原子力機構では、ITER用170GHzジャイロトロンの開発を精力的に継続している。長パルス化を阻害する要因として、発振に重要な役割を果たす電子ビーム電流が、動作中に徐々に減少し、それに伴い出力が減少するあるいは他の不要モードを誘起し目的の発振モードを維持できないという課題が指摘されていた。そこでこの課題を解決し、ジャイロトロンの長パルス動作を実証するために、カソードヒータの制御にプレプログラミング制御を導入し、ビーム電流を維持することを試みた。プレプログラミング制御の結果、安定なビーム電流制御に成功し、初期結果として出力200kWで、ITERで必要とされる1000秒間の安定な発振を実現するとともに、プレプログラミング制御の有効性を実証した。また、300kWの出力では500秒間の発振にも成功しており、ジャイロトロン内部の発熱/除熱は定常に達していることが確認でき、管内真空度も安定であった。今回達成した成果は出力エネルギーとしては、機構が開発したジャイロトロンの中では最大である。一方で、パルス幅はジャイロトロンの出力をダミーロードまで導くための伝送系内部の発熱により制限されたが、ジャイロトロンに搭載されているモード変換器のモード変換効率を向上させることで、伝送系内部の高周波損失も抑制することができ、1MW出力時の長パルス動作に見通しを得ている。
高橋 幸司; 小林 則幸; 春日井 敦; 鈴木 哲; 横山 堅二; 坂本 慶司
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ITER ECアンテナの要素機器開発を行っている。可動ミラーや高周波伝送系,真空窓等の高周波機器とフロントシールドや内部遮蔽体といった放射線シールドから構成される。例えば、可動ミラーは8ビーム(1MW/1ライン,定常伝送)の反射とトロイダル方向に2045度の可変性といった性能が要求されており、最重要機器の位置づけで開発を行っている。最近では、ミラーモックアップの熱負荷実験やスパイラル型冷却水供給用配管の耐久試験,磁場環境下で使用可能な可動ミラーの耐放射性駆動機構の開発等を実施している。これまでに電子ビームによる1500ショットの実負荷を与え健全性を確認した。スパイラル配管は、応力をより抑えた形状に対して、実環境相当の温度(100度)下で2万回の繰り返し応力負荷試験を実施し健全性を実証した。講演ではこのほかに、アンテナ設計の最新成果やフロントシールドの電磁力解析などについて報告する。
渡邊 和弘
no journal, ,
原子力機構では、JT-60中性粒子入射装置(NBI)やITER NBIの開発を通して、水素(重水素)正,負イオン源の大出力化開発を行ってきた。現在、ITER用中性粒子入射装置に向けて、セシウム添加型負イオン源の高性能化研究を進めている。負イオンの大面積生成での課題となっている負イオンの一様生成について検討がなされ、プラズマ源における高速電子の挙動と負イオン生成の相関を明らかにし、高速電子の制御により大面積で一様な負イオン生成の見通しが得られた。MeV級加速技術の開発では、5段の静電加速方式でかつ加速器全体が真空中に設置されるITER用真空絶縁型の加速器で、電界の緩和や加速器内外の真空圧力の制御による高耐圧化により、ITER加速器での目標の約70%である146A/m(836keV)の高密度負イオン加速に成功している。1MV級のイオン源用電源技術開発では、加速器で発生する放電短絡を高速に遮断制御の可能な高周波インバータ方式の電源について設計を進めるとともに、イオン源保護のためのサージ抑制と電源からイオン源まで1MVを安定に送電する伝送系の絶縁技術を確立させた。これらイオン源及びイオンビーム技術の高性能化、すなわち、一様な負イオン生成を目指したソースプラズマにおける電子温度制御,大面積プラズマ生成技術,真空超高電圧絶縁技術,イオン源用電源でのサージ抑制技術等は、直接的あるいは間接的に産業用イオンビーム装置や高エネルギー物理研究用加速器等の開発にも貢献している。これら負イオンビーム技術開発と波及,応用について述べる。
大森 順次; 榎枝 幹男; 杉原 正芳; 伊尾木 公裕
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ITERの遮蔽ブランケットは、電磁力として、プラズマディスラプション時の渦電流によるモーメントと、ハロー電流による並進力を受ける。支持キーは真空容器に溶接されており、ブランケットにかかる電磁力を支持する。キーの負荷面はセラミックをコーティングしたパッドを設けて、キーとブランケット間を絶縁し、かつ、ブランケットの取付け位置の調整を行う。支持キーの健全性を評価するため、極限解析と弾塑性解析を行って、支持キーが負荷荷重と絶縁特性について健全であることを示した。
柳生 純一; 木津 要; 石本 祐樹*; 芦川 直子*; 西村 清彦*; 吉河 朗*; 宮 直之; 奥野 健二*; 相良 明男*; 大矢 恭久*
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本研究は、次期核融合試験装置の壁材料・壁温度において有効な表面処理法の基礎データを取得することを目的としている。その一環として、ボロナイゼーションを行った実機の第一壁に対するグロー放電洗浄の影響を評価するため、グロー放電洗浄前後におけるボロン化膜の膜厚変化と軽水素蓄積の変化を調査した。静岡大学のボロン化装置を用いて作製したボロン化膜試料をLHDに取付け、その後、He-GDCに6時間と12時間晒した試料をSIMSで分析したところ、12時間照射した場合にのみボロン化膜は24nm損耗することを確認した。これに対し、Ar-GDCに6.5時間と13時間晒したボロン化膜試料は、6.5時間の照射で平均150nm,13時間では平均190nmのボロン化膜が損耗した。Ar-GDCを13時間行うことでLHDのボロナイゼーションで生成する膜厚とほぼ同程度の厚さが損耗してしまうことは、装置の運用上極めて重要な知見である。また、軽水素の蓄積変化については、ガス種に関係なく、GDCに晒すことによってすべてのボロン化膜試料で最表面のみ水素が増加し、膜中においては顕著な変化が見られなかった。なお、最表面の水素挙動は、GDCによって周囲の壁材料から叩き出された軽水素が不純物である鉄と結合して再堆積したものと考えられる。
玉井 広史; 藤田 隆明; 栗田 源一; 土屋 勝彦; 松川 誠
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JT-60SAはITERのサテライトトカマクとして位置づけられ、原型炉に向けた定常高ベータプラズマの研究に加えて、運転シナリオの最適化等を通じたITER支援研究を遂行することが重要な使命となっている。このため、ポロイダル磁場コイル系の設計を見直し、アスペクト比と断面形状がITERとほぼ一致する配位を可能とした。また、高性能プラズマの運転領域の拡張に必要な加熱入力を増強し、41MW-100秒入射を定格仕様とした。達成可能なプラズマ性能の予測を、平衡解析及び輸送解析コードを用いて行い、加熱入力の増強に伴う電子温度の増加,ビーム駆動電流・自発電流の増加により、ITER相似形状の高密度領域において高いプラズマ電流の維持が可能であることを明らかにした。
近藤 恵太郎; 高木 智史*; 四間 公章*; 志度 彰一*; 村田 勲*; 宮丸 広幸*; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 西谷 健夫
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14MeV中性子入射による放出粒子の二重微分断面積は中性子輸送計算に不可欠であり、核発熱やトリチウム生成量,材料損傷の評価を行うために正確なデータが必要である。しかし現状では、依然として整備が不十分で精度に問題のあるデータが存在し、その主な原因は測定が困難なことに由来する実験データの不足にあった。われわれは従来の等方中性子源を用いた測定の困難性を打開するため、ペンシルビーム状にコリメートした中性子を利用した2つの新しい測定手法を開発した。1つは(n,2n)反応によって放出される2つの中性子を直接2台のNE213検出器で同時測定し、そのエネルギースペクトルと二粒子の角度相関を得る手法である。これまでに核融合炉において極めて重要であるベリリウムの測定を完了し、後方の放出角度において評価済核データの過小評価を示唆する結果が得られた。現在は評価済み断面積に問題があることがわかっているジルコニウムの測定を進行中である。もう1つは(n,p), (n,)反応等によって放出される荷電粒子を半導体検出器を用いて測定し、そのエネルギースペクトルと放出角度分布を得る手法である。これまでに核融合炉において第一壁やブランケットの候補材料であるベリリウム,炭素,フッ素についてのデータを取得した。これらの測定結果から、いずれの元素についても評価済み核データとの不一致が大きい,データが格納されていないなど、問題点が多いことが明らかになった。
松川 誠; 助川 篤彦; 正木 圭; 栗田 源一; 櫻井 真治; 玉井 広史
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本発表では、JT-60SAにおける真空容器内コイルの設計の現状と課題について述べる。JT-60SAでは、重水素を用いた実験を行うため中性子等の放射線が発生する。このため、真空容器内コイルの設計にあたっては対放射線ダメージの観点から、絶縁物に何を用いるかが重要となる。そこで絶縁物の吸収線量を評価し、ITERのコイル絶縁材と比較しても同程度かそれ以下との結論が得られたので、有機絶縁材料を用いることとした。コイルの起磁力は高い方が運転の余裕が増すが、空間的な制約を考慮して起磁力を設定した。真空容器内には4ブロックのポロイダル磁場コイルを設置し、水平及び垂直磁場コイルとして使用するように外部で結線する方式を主案とした。フィーダやコイル構造などについても、講演で詳しく述べる。
高津 英幸
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ITER研究と将来展望というタイトルでのパネル討論において、炉工学の観点からの将来展望を紹介し、討論のスタートポイントの一つとする。現在、ITERの建設サイト等の決定,日欧での幅広いアプローチ計画(BA)実施の合意等を受け、日本をはじめ世界の核融合計画は、ITERとBAを中心として、原型炉に向けた新展開を図る時期を迎えつつある。そのような状況の下、本講演では、原子力委員会が決定を行った「今後の核融合研究開発の推進方策について」に沿って、トカマク型原型炉に向けた炉工学研究開発のポルトフォリオとロードマップを紹介する。その中で、今後実施すべき課題を、ITER建設段階における課題,ITERのシステム調整・運転・保守段階でに課題,ITER利用計画に向けた課題,BA計画で実施すべき課題(国際核融合材料照射施設計画や国際核融合エネルギー研究センターにおける活動等)に分けて整理し、その技術目標とスケジュールを議論する。
西谷 健夫
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ITERの建設サイトが決定し、核燃焼プラズマ実験やテストブランケットモジュール試験等の炉工学研究の本格的な実施を控え、国際核融合材料照射施設(IFMIF)を含む核融合研究に必要な核データについて、現状と課題を紹介する。核融合炉核設計では、14MeV熱中性子の核データが必要であるが、JENDL等の汎用評価済核データは20MeV熱中性子をカバーしているためほぼそのまま核融合炉核設計に適用することができる。ただし、核融合炉では核分裂炉より中性子のエネルギーが高く、散乱中性子の非等方性の取り扱いが重要であり、反応後の放出中性子の角度ごとのエネルギースペクトルを表す二重微分断面積が必要である。2002年に公開されたJENDLの最新版であるJENDL-3.3は核融合に関連する60核種について二重微分断面積を取り入れており、汎用核データではあるが核融合炉の核設計に最も適した評価済核データの一つである。IFMIFではLi(d, xn)反応により中性子を発生するが、そのスペクトルは14MeV付近にピークを持ち、テイルは約55MeVまで続く。したがってIFMIFの遮蔽設計・放射化評価さらには照射試料の損傷やヘリウム・水素生成評価では、約55MeVまでの精度の高い核データが必要であるが、20MeV以上の核データは極めて乏しい。またD入射によるIFMIF加速器構成核種の放射化断面積も必要となる。そこで原子力機構ではTIARA AVFサイクロトンを用いて、2040MeVのD入射による放射化断面積の測定も進めている。得られたデータをTALYSコードによる計算値と比較すると、数倍の差があるものもあり、実験データの充実と計算モデルの改良が課題である。
久保田 直義; 落合 謙太郎; 近藤 恵太郎; 西谷 健夫
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核融合炉材料中の水素同位体深さ分布分析を目的として、DT中性子ビームを用いた弾性反跳粒子検出法(NERDA)の開発を行った。厚さ50,500mのポリエチレン及び100mの重水素化ポリエチレン試料を標準試料とした分析によって原理を検証し、粒子輸送コードSRIM2000を用いてエネルギースペクトルから深さ分布を導出する方法を確立した。また、NERDAの応用として、JT-60Uプラズマ対向壁の内側と外側両バッフル板の分析を行った。その結果、従来の方法では困難であった、深さ800mまでの軽水素深さ分布を得ることができた。軽水素は10/m程度の密度で表面から分布しており、表面と600m付近で保持量が多いことがわかった。
栗原 研一
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核融合エネルギーの研究開発は、JT-60をはじめ世界の核融合装置での実験がこの20数年大きく進展し、短時間ながら等価的なエネルギー入出力が等しくなるプラズマ状態を実現しており、これを踏まえていよいよ次の国際熱核融合実験炉ITER段階へと一歩前進する状況となってきた。このような時期に開催される連合講演会で行われる本公開講演では、まず身近な核融合炉である太陽から考える。次に、それと同様な核融合反応を地上で実現するための方法を探究してきた歴史を、プラズマ磁場閉じ込め方式を例に説明する。続いて、これまでの実験から、核融合炉の運転シナリオを示した後、炉心プラズマ制御の興味ある課題を紹介する。最後に、約8-10年後から始まり20年以上実験が続けられる2大装置、ITERと我が国の超伝導化したJT-60SAを紹介して、核融合エネルギー研究開発の未来予想を行う。
藤本 加代子; 仲野 友英; 久保 博孝; 清水 勝宏; 朝倉 伸幸
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ダイバータ板への熱負荷軽減には非接触ダイバータプラズマが有効である。非接触ダイバータプラズマでは電離プラズマ及び再結合プラズマが隣接して複雑な空間分布を形成するため、原子分子過程やエネルギー損失過程の研究にはこれらの2次元空間分布計測が必要である。本研究では両過程の解明を目的にJT-60U非接触ダイバータプラズマの水素原子の2次元分布を導出した。電離及び再結合プラズマの診断には重水素バルマー系列線(365656nm)を同時観測する必要があるため、観測波長領域が350800nmの広帯域可視分光器を使用した。またダイバータプラズマの物理はcm単位の空間分解能で変化するため、ダイバータ部を92チャンネル(縦60チャンネル,横32チャンネル)を用いて約1cmの空間分解能で計測した。得られた水素原子の空間分布をトモグラフィー手法により2次元分布に再構成し、初めて再結合プラズマの2次元空間分布を取得した。
神谷 健作; 浦野 創; 大山 直幸; 鎌田 裕
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垂直NBIによる高速イオンのリップル損失は、接線NBIによる外部からの運動量入射(電流方向,バランス及び反電流方向)と同様に径方向の力のつり合いを通して境界プラズマにおける径電場,回転及び圧力勾配に影響を及ぼすことが知られている。最近のJT-60におけるHモード研究では、ペデスタル性能(幅と高さ)及び大振幅の周辺部での局在化モード(Type-I ELMs)を決定する重要なパラメータとして、トロイダル磁場リップルによる高速イオンの損失とプラズマ回転に着目した実験研究が実施されている。磁場配位と接線NBIの運動量入射方向及び垂直NBIの加熱入力を系統的に変化させる実験を行ったところ、高速イオンの損失に伴うと考えられるプラズマ回転,ペデスタル性能及びELMsの変化が観測された。トロイダル磁場リップルの小さい配位ほどペデスタル部における閉じ込め性能(ポロイダル磁場で規格化したペデスタル圧力で評価)は改善する一方で、運動量入射方向に対する大きな依存性は観測されていない。JT-60真空容器内部へのフェライト鋼製タイル設置によるトロイダル磁場リップル低減後に実施した初期的実験結果についても報告する。
鈴木 隆博; 藤田 隆明; 大山 直幸; 諌山 明彦; 松永 剛; 及川 聡洋
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JT-60Uでは中性粒子加熱ビームを利用したモーショナルシュタルク効果(MSE)偏光計により炉心プラズマ中の磁場分布を小半径の1/10程度の空間分解能で測定してきた。本研究ではMSE偏光計をビームエミッション光のモノクロメータとして使用することで可能になった高速揺動分布計測について報告する。空間的に局在化した不安定性による電子密度揺動分布やHモードプラズマのELMクラッシュでの粒子の吐き出しが観測されている。
平石 剛大*; 岡本 征晃*; 梶田 信*; 長谷部 優*; 大野 哲靖*; 高村 秀一*; 仲野 友英
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He I線強度比を用いて電子温度・密度を高速で計測する方法を開発した。その手法を初めてJT-60トカマクプラズマに対して適用した結果を報告する。主プラズマ周辺部で発生したモードによる熱・粒子の吐き出しに伴い、ダイバータプラズマの電子温度が減少し、少し遅れて密度が増加する様子が観測された。この電子温度と密度の波形は、ダイバータ板に熱・粒子パルスが到達し、中性粒子が放出され、それが電離される際にプラズマがエネルギーを失い、また電離によってプラズマ密度が上昇した、と解釈される。
坂本 慶司
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国際熱核融合実験炉(ITER)用電子サイクロトロン共鳴加熱電流駆動(ECH/ECCD)装置の大電力マイクロ波源として、発振周波数170GHzの1MWジャイロトロンの開発が行われている。現在短パルスでの発振電力は1.6MWに達し、0.9MWで9秒、長パルス化として0.6MWで600秒などのデータが得られ、さらに1MWに向けその大電力化実証実験が行われている。併せて原型炉を想定した周波数可変型の定常ジャイロトロンの研究も始まっている。一方、ミリ波領域から遠赤外にかけての周波数領域は、これまで開発が遅れた谷間の周波数帯であったが、最近のジャイロトロン研究の進展に伴い、大電力ミリ波・サブミリ波を用いた新しい応用への展開が見え始めている。ジャイロトロンの最近の進展とともに、最近の大電力ミリ波技術の応用研究について紹介する。
鎌田 裕; 大山 直幸; 諌山 明彦; 鈴木 隆博; 井手 俊介; 竹永 秀信; 久保 博孝; 三浦 幸俊
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真空容器内部にフェライト鋼製第一壁タイルを設置したJT-60Uにおいて、高い規格化ベータ値(N)と高い閉じ込め改善度(H98)を合わせ持つELMyHモードの長時間維持に成功した。閉じ込め改善度が1程度でNが2.3以上の放電をq953.2において23.1秒間(電流拡散時間の12倍程度)維持した。この放電のNH98は2.2以上であり、ITERの標準運転シナリオでの値1.8を上回っている。現在のJT-60Uの中性粒子ビーム加熱時間(30秒)の制限の下で、長時間維持した最大のN及びNH98は各々2.3, 2.0で28.6秒間である。以前と比較し高い閉じ込め性能が得られているが、同じ密度領域において少ない加熱パワーで同程度のNが維持できており、蓄積エネルギーにおける熱化成分が多いことが特徴である。また、規格化半径0.6以下の中心領域での閉じ込め改善が顕著であり、加熱分布はフェライト鋼設置前と同様であるにもかかわらず、以前よりピークした圧力分布と大きなプラズマ電流方向のトロイダル回転が得られている。
宮 直之; 渡辺 大輔*; 坂和 洋一*; 柴原 孝宏*; 杉山 一慶*; 庄司 多津男*; 山崎 耕造*; 正木 圭; 田辺 哲朗*
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磁場核融合炉におけるプラズマ対向材の候補の1つであるグラファイトは、トリチウムを蓄積するという問題点を持つ。トリチウムを除去する手法の1つとしてパルスレーザーによるアブレーションを検討している。本研究は、水素放電に曝されて水素を蓄積したJT-60グラファイト製オープンダイバータタイルに対してパルスレーザーアブレーションを行い、水素除去特性を明らかにすることを目的としている。実験では、Nd:YAGレーザー(パルス幅20ps)の基本波(波長1064nm)と4倍高調波(波長266nm)を用いて、レーザー強度を変えながら、脱離ガスと放出イオンの質量スペクトル,脱離水素密度,可視光発光スペクトル、等の時間変化と、レーザー照射終了後のアブレーション深さとアブレーション面積を計測し、水素除去特性における波長・レーザー強度依存性を求めた。