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笹瀬 雅人*; 山本 博之
no journal, ,
イオン照射した表面は欠陥を多く含むことから、これを基板として用いることは高配向な薄膜を成長させるためには適当でないと考えられてきた。しかしながら、われわれはこれまで1keV程度のごく低エネルギーのイオンを照射したSi基板を用い、Feのスパッタ蒸着により界面の急峻で高配向な-FeSi薄膜が得られることを明らかにしてきた。この要因を明らかにするために、本研究では走査透過型電子顕微鏡を用い、この条件で作製した薄膜界面における構造及び化学状態変化を原子分解能で解析を行った。さらにより高いエネルギーで照射したSi基板により成膜した試料と比較し、界面近傍における化学状態の差異について議論した。
下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘; Uddin, M. N.*; 永野 正光*
no journal, ,
炭素材料にヘテロ原子をドーピングして形成されるさまざまな炭素アロイは触媒や半導体材料などの応用が期待されている。しかし、ドーパント原子がとりうるさまざまな化学結合状態により構造解析は困難でドーピングと機能性との関連は十分明らかになっていない。そこでわれわれはBN共ドーピングしたグラファイトに対して吸収端近傍X線吸収微細構造(NEXAFS)の偏光依存性を調べ、ドーパント周囲の立体配置を調べた。低フルエンスで得られた試料のNEXAFSスペクトル中にはグラファイト的な大きな偏光依存性を示す*ピークと、それよりも小さい偏光依存性を持つ成分が観測された。この結果は歪んだ平面構造の立体配置を持つ局所構造の存在を示唆する。われわれは分子軌道計算を用いたクラスターの構造安定性の考察に基づいてグラファイトへのBNドーピングが5員環形成を誘起することを示し、この局所構造が5員環と6員環から形成されるフラーレンライク(FL)構造に起因することを提案する。また、FL構造とグラファイト構造の電子状態の比較から、FL構造の持つ反応性についても報告する。
寺岡 有殿; Harries, J.; 戸出 真由美; 吉越 章隆
no journal, ,
本研究ではVCrTi合金の自然酸化膜,その熱安定性,重水素イオン注入による表面改質について軟X線放射光を用いた光電子分光で調べた。自然酸化膜の膜厚は600eVから1600eVの範囲の放射光エネルギー依存性から3nmと見積もられた。自然酸化膜の熱安定性は473Kから1173Kの範囲でフラッシュ加熱によって評価された。O1s, C1s, V2p, Cr2p, Ti2pの光電子スペクトルが373K以下に下がってから測定された。加熱前にはV, Cr, Tiの酸化成分が弱いバルク成分とともに1247eVの放射光で観察された。わずかに473Kの加熱で、金属ピークが増大し、O1sピークは減少した。同様な実験が2.810cmの重水素注入したVCrTi合金に対して行われた。イオン注入なしの試料と異なり、373K加熱後の光電子ピークは加熱前と変わらない。573Kまで加熱する間に重水素の脱離が質量分析器で観測された。自然酸化膜は重水素脱離の後で熱分解し始めると結論した。