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林 巧; 中村 博文; 磯部 兼嗣; 小林 和容; 小柳津 誠; 山西 敏彦; 大矢 恭久*; 奥野 健二*
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1333 - 1337, 2012/08
被引用回数:8 パーセンタイル:51.26(Nuclear Science & Technology)科学研究費補助金:基盤研究(B)の補助を受け、金属水界面での水素同位体移行挙動を調べるために、純鉄,ニッケル,ステンレス鋼(SS304)及び純鉄に10mの金メッキを施した試料配管などを高温耐圧水(重水)容器内に設置し、重水側からこれら配管内側へ透過してくる重水素の挙動を、573K-15MPaにて調べた。実験中、金メッキ試料配管以外は金属水界面が酸化し、それに伴って重水素が発生した。この重水素が配管内側へ透過してくる挙動を四重極質量分析計にて連続的に監視した。結果、純鉄,ニッケル,ステンレス鋼(SS304)のいずれの金属配管についても、顕著な重水素の定常透過が観測できた。一方で、金メッキを施した純鉄配管では明確な重水素の透過は観測できなかった。本報告ではこれらの結果を整理するとともに、重水素の金属水界面での移行機構について議論する。
中田 隼矢; 谷川 博康
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.589 - 593, 2012/08
被引用回数:19 パーセンタイル:78.54(Nuclear Science & Technology)溶接接合部では、母材,溶接金属、そして数種類の熱影響部が層状に存在し、各々強度特性も大きく異なり、強度特性が劣化した熱影響部を起点として、早期に破壊に至るケースが多い。しかし、これらの極めて狭い領域の強度特性を定量的に評価することは難しく、接合部の損傷挙動を把握することは容易ではない。そのため、実機構造物に溶接部が含まれる場合は、強度低下を考慮して、一定の安全率を適用して運用される。そこで本研究では、画像解析法の一つであるデジタル画像相関法を用いて、核融合炉用構造材料である低放射化フェライト鋼F82Hの電子ビーム溶接接合材の疲労試験中の各局所領域の変形挙動を評価し、溶接接合材の疲労損傷挙動を評価した。その結果、溶融部と熱影響粗粒域については、変形はわずかしか生じないものの、熱影響細粒域及び焼戻熱影響部については、試験の進行に伴ってひずみが集中し、両者の境界付近で破断が生じた。溶接接合材の破断サイクルは母材の6割程度まで低下していた。これは、相対的に強度の低い熱影響部に負荷が集中することによって、早期のき裂発生を招き、疲労寿命を低下させたものと推察される。
大西 世紀*; 近藤 恵太郎*; 東 哲史*; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 高倉 耕祐; 村田 勲*; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.695 - 699, 2012/08
被引用回数:11 パーセンタイル:62.06(Nuclear Science & Technology)散乱断面積データの検証のために、DT中性子ビームを用いた新たな積分実験を開始した。最初に、コリメーターでDT中性子ビームを構築し、その特性を調べた。次に、このDT中性子ビームを用いて、SUS316体系を用いた新しい積分実験を行った。体系内中心軸上及び中心軸から15cm, 30cm離れた点でNb(n,2n)Nb反応の反応率を放射化箔法で測定し、モンテカルロコードMCNP及び核データライブラリJENDL-4.0, JENDL-3.3, ENDF/B-VI.8を用いた計算との比較を行った。実験値に対する計算値の比はどの核データを用いても中心軸から離れるにつれて1より小さくなった。0度よりも大きな角度に散乱する断面積に問題がある可能性を指摘した。
江里 幸一郎; 鈴木 哲; 関 洋治; 西 宏; 毛利 憲介; 榎枝 幹男
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1177 - 1180, 2012/08
被引用回数:9 パーセンタイル:55.57(Nuclear Science & Technology)ITER建設に向け、原子力機構ではITER用ダイバータ外側垂直ターゲット製作に向けた技術開発を進めている。本報では、実機長プロトタイプの製作に向けた炭素系材料(CFC)製モノブロックと銅合金CuCrZr製冷却管の接合技術開発及び加熱試験の結果に関して最近の成果を報告する。接合試験によりCFCモノブロック接合の欠陥発生要因を明らかにするともに、それを改善する方法として、従来のCFCとCuCrZrの間の緩衝材として採用されていた無酸素銅の代わりに、Cu-W材を使用することにより接合欠陥発生が抑制されることを示した。さらに、同材料を緩衝材として製作したダイバータ試験体に対する20MW/m・10秒の繰り返し加熱試験の結果、1,000サイクル後においても除熱性能の劣化は観察されなかった。これらの結果により、CFCタイルとCuCrZr管の接合成功率の向上には、Cu-W緩衝材の適用が有効であることを実証し、Cu-W緩衝層を使用した接合方法が正式にITER機構に認められた。
Pitcher, C. S.*; Barnsley, R.*; Feder, R.*; Hu, Q.*; Loesser, G. D.*; Lyublin, B.*; Padasalagi, S.*; Pak, S.*; Reichle, R.*; 佐藤 和義; et al.
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.667 - 674, 2012/08
被引用回数:12 パーセンタイル:65.44(Nuclear Science & Technology)The nuclear engineering infrastructure for port-based diagnostics on ITER is presented, including the equatorial and upper port plug generic designs, the adopted modular concept, the loads and associated load response and the remote handling.
近藤 浩夫; 古川 智弘; 平川 康; 井内 宏志; 金村 卓治; 井田 瑞穂; 渡辺 一慶; 堀池 寛*; 山岡 信夫*; 松下 出*; et al.
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.418 - 422, 2012/08
被引用回数:28 パーセンタイル:87.36(Nuclear Science & Technology)核融合原型炉の早期実現に向けた幅広いアプローチ(BA)活動の1つである、IFMIF/EVEDA(核融合炉材料照射施設の工学実証・工学設計活動)の枠組みで開発が進められているEVEDAリチウム試験ループは建設を成功裏に終え、総量2.5トンのリチウムの充填を完了した。その建設は、現地工事が2009年11月より開始され、2010年11月に関係官庁(消防)の検査に合格し、完成となった。引き続き行われたリチウムの充填では、グローブボックスを使って、空気の混入を防ぐなど雰囲気を厳密に管理した。リチウム充填中に採取したサンプルを分析したところリチウム中の窒素濃度は127wppmであった。これにより試験運転(機能確証試験)の実施が可能になった。
星野 毅; 中道 勝
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.486 - 492, 2012/08
被引用回数:41 パーセンタイル:93.19(Nuclear Science & Technology)日本と欧州で核融合エネルギー開発の早期実現を図ることを目的として行う研究開発である幅広いアプローチ(BA)活動の一環として、核融合炉の燃料となるトリチウム製造に必要な先進トリチウム増殖材料の、エマルジョン法による微小球の試作試験を行った。先進トリチウム増殖材料としては、Liの核的燃焼及び高温でのLi蒸発に対する結晶構造安定性の向上を図ったLi添加型LiTiOの粉末を用い、微小球の試作を行ったところ、直径0.95mmの真球に近い微小球の試作に成功した。さらに、トリチウムは中性子とLiとの核反応により製造するため、中性子を得るために必要なベリリウム金属間化合物(ベリライド)の試作試験も行った。BeとTiの粉末を用いベリライドの試作を行ったところ、高温にて水蒸気との反応性が低い等の利点を有するBeTiの合成に成功した。
野澤 貴史; 小沢 和巳; Choi, Y.-B.*; 香山 晃*; 谷川 博康
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.803 - 807, 2012/08
被引用回数:32 パーセンタイル:89.38(Nuclear Science & Technology)SiC/SiC複合材料は核融合DEMO炉の候補材料である。さまざまな織物構造からなる複合材料に固有の異方性を検討することは、さまざまな破損モードによる主軸及び非主軸機械的特性を正確に予測するうえで必要不可欠である。本研究はさまざまな破損モード試験における複合材料のき裂進展挙動を明らかにし、強度異方性マップを獲得し、その予測手法を検討した。得られた強度異方性マップより、複合材料は混合破壊モードであることが明らかになり、また、面内剪断に加え、軸異方性のため主軸/非主軸の引張及び圧縮による、独立した計5つのパラメータに依存していることが明らかとなった。また本研究では、Tsai-Wuモデルにより、強度異方性がよく記述できることを示した。
岩井 保則; 佐藤 克美; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.946 - 950, 2012/08
被引用回数:7 パーセンタイル:47.22(Nuclear Science & Technology)核融合プラントにおける安全性確保のため、異常事象発生時においてもトリチウムを酸化する触媒の性能は維持する必要がある。火災時には電気ケーブル等から有機ガスが発生し、トリチウム酸化触媒の性能を阻害する可能性が指摘されてきた。これを踏まえて、白金アルミナ触媒及び原子力機構が企業と共同開発した疎水性白金触媒H1Pの二種につき、火災時の触媒の活性度変化を実験的に検証した。火災模擬試験から、火災時に発生する主要有機ガスはエチレン,メタン,ベンゼンであることを明らかとした。触媒温度423Kでは試験した二種の触媒とも火災による活性度低下は見られなかった。293Kでは火災初期に有機ガスの燃焼により、触媒の水素酸化反応速度の向上が見られた。H1Pは水分影響で反応速度が一時的に低下するものの、最終的にはもとの反応速度に戻り、火災により不可逆的な触媒性能の低下は生じないことを明らかとした。
染谷 洋二; 飛田 健次; 宇藤 裕康; 朝倉 伸幸
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1282 - 1285, 2012/08
被引用回数:2 パーセンタイル:17.27(Nuclear Science & Technology)核融合炉から発生する放射性廃棄物に関して、これまで提案されてきた管理の基本的考え方は、廃棄物を50100年間管理貯蔵して表面線量率及び放射性核種濃度の減衰を待ち、廃棄物の取扱いや廃棄物区分における便益を高めるというものであった。しかしながら、廃棄物の管理は、炉内機器の定期交換のために炉を停止した時点から始まっているのであり、本研究では、保守時の炉本体室での廃棄物の取り扱い、搬送、ホットセルでの管理などにも焦点を当てた廃棄物管理シナリオの初期検討結果を示す。保守時における炉内機器の表面線量率は最大で310mSv/h、崩壊熱は最大30W/cmと見積もられ、保守機器には高い耐放射線性が求められる。また、炉内機器交換のために炉を開放した場合の漏洩線対策のため、保守ポート寸法の低減、ブランケット及びブランケットの遮蔽対策が重要である。ブランケットとダイバータは崩壊熱除去のため数年間冷却を続ける必要がある。この冷却方式は保守機器やホットセルの設計に影響を与えると考えられる。炉内機器構造材からの脱トリチウム処理に崩壊熱を活用できる可能性もある。
中村 誠; Kemp, R.*; 宇藤 裕康; Ward, D. J.*; 飛田 健次; 日渡 良爾*; Federici, G.*
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.864 - 867, 2012/08
被引用回数:20 パーセンタイル:79.81(Nuclear Science & Technology)ITERやポストITER時代での電力生産に向けた核融合研究のため、原型炉へ向けた開発目標を明確にする必要がある。具体的にはプラズマパラメータや工学要件(磁場コイルやダイバータ熱負荷)等の目標設定である。一般に炉設計の第一段階として、工学的制約を踏まえた運転領域の評価のためにシステム解析が行われる。そのため、既存のシステムコードの評価あるいは開発が炉設計の基本として重要となる。本論文では、BA原型炉のためのシステムコード開発に向けた最近の活動のうち、これまでに日本と欧州が独自に開発したシステムコードのベンチマーク試験について報告する。ブートストラップ電流がさほど大きくない中程度のベータ値の領域では、両者のコードの計算結果はよく一致した。
正木 圭; 芝間 祐介; 櫻井 真治; 柴沼 清; 逆井 章
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.742 - 746, 2012/08
被引用回数:25 パーセンタイル:83.00(Nuclear Science & Technology)JT-60SA真空容器は、D型ポロイダル断面、かつトロイダル方向に10ごとの多角形形状で構成されている。また、高い一周抵抗を確保し、かつ運転時の電磁力に耐える強度を得るために二重壁構造を採用している。材料は、放射化低減のため、低コバルトSUS316L(Co0.05wt%)を使用している。運転時には、外部に設置される超伝導コイルの核発熱を低減させるために、二重壁間にホウ酸水(最大50C)を流す。また、真空容器ベーキング時には200Cの高温窒素ガスに切り替えて流す設計である。製作においては、要素試験及び20上半の試作体の製作をあらかじめ行い、製作手順を確立した後、2009年の11月に実機の製作を開始した。また、真空容器の位置調整や40セクター接続を含む現地組立方法を検討し、真空容器の全体組立手順を確立させた。
谷川 尚; 油谷 篤志; 重松 宗一郎; 武田 信和; 角舘 聡; 森 清治*; Jokinen, T.*; Merola, M.*
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.999 - 1003, 2012/08
被引用回数:16 パーセンタイル:73.99(Nuclear Science & Technology)本論文では、ITERブランケットの冷却配管へ適用するために開発したレーザー及びTIG溶接ツールを比較検討する。対象とする配管は外径が48.26mmで肉厚が2.77mmである。再溶接性を考慮して、フィーラー材なしの単パス溶接が要求されている。レーザー溶接では、許容ミスアライメントを大きくするために、スポット径を拡大した。TIG溶接では、トーチの溶着を防ぐと同時に許容ミスアライメントを大きくするために、AVC機構を採り入れた。これらの工夫を施したツールについて、実機への施工で予想される全姿勢溶接の条件を最適化した。溶接入熱,許容ミスアライメント,ツールの寿命,スパッタもしくはヒュームの生成量などについて比較検討した。
重松 宗一郎; 谷川 尚; 油谷 篤志; 武田 信和; 角舘 聡; 森 清治*; 中平 昌隆*; Raffray, R.*; Merola, M.*
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1218 - 1223, 2012/08
被引用回数:8 パーセンタイル:51.26(Nuclear Science & Technology)ITERの保守交換技術の1つである冷却配管の切断技術では、切断面が良質であることと、切断紛の発生がゼロであることが要求される。このため、これら2つの要求条件を満足する切断方式として、2つの機械式切断方法を選定し、要求条件を満足する以下の切断性能を有することを確認した。(1)ディスクカッタ型切断方式: 配管内部からアクセスし、42mm内径(厚み3mm)の冷却配管切断を可能にするために、切り込み力と切断回転力を支持する機構部分をコンパクトにするために「くさび」型の機構を採用した。この支持機構により切断力の均等化と伝達効率を高めることが可能になり、切り粉の発生がない極めて良好な切断面を得ることができた。(2)ホールソー切断方式: 従来、ホールソーによる切断は外側に切り粉を拡散させる方式であるため、切り粉を集塵するカバーが必要となり、切削機構部が大型化することが技術課題であった。この課題を解決するために、内側に切り粉を集めるように、切削刃チップの配置とこのチップの形状を選定した。この結果、切り粉のホールソー内側への高い流動性と、99%以上の集塵効率、200回以上の耐久性を有することを確認できた。
北澤 真一; 岡山 克己*; 閨谷 譲; Sagot, F.*; Van Houtte, D.*; Abadie, L.*; 米川 出*; Wallander, A.*; Klotz, W.-D.*
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1510 - 1513, 2012/08
被引用回数:8 パーセンタイル:51.26(Nuclear Science & Technology)ITERプロジェクトでは、機器の設計と運転及び保守の準備の指針となる技術的リスク管理に、信頼性・可用性・保守性・検査性(RAMI)手法が用いられている。プラント制御システムであるITER CODACシステムの概念設計の段階でのRAMI解析を行った。ボトムアップ手法を用いた機能分析により、5つの主要機能と下位機能に分析した。次に、リスクの緩和対策を行うために、故障モード・影響及び致命度解析を行った。また、致命度マトリックスを用いた解析により、故障の発生頻度と可用性に与える影響からさまざまな故障モードのリスクの評価を行った。ここで特に影響が大きいと分析されたリスクは、データ保存用ハードウェアや制御用ソフトウェアであった。さらに、与えられた運転条件の下でそれぞれの機能の信頼性と可用性を行うために信頼性ブロック図を作成した。計算により、是正を行った後のプラズマ実験に必要不可欠な機能の固有の可用性は、プロジェクト要求値98.8%より高い99.2%と計算された。さらなるリスクレベルの低減のために、設計・試験・操作手順・保守要件の事項を提案した。
中道 勝; 金 宰煥; 若井 大介; 米原 和男
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.896 - 899, 2012/08
被引用回数:10 パーセンタイル:55.57(Nuclear Science & Technology)DEMO reactors require advanced blanket functional materials of neutron multiplier that have higher stability at high temperature. Development of advanced neutron multiplier has been started between Japan and the EU in the DEMO R&D of the International Fusion Energy Research Centre (IFERC) project as a part of the Broader Approach activities. Development of beryllides as advanced neutron multiplier has been started. In this study, it reports on the trial synthesis results of beryllides by a plasma sintering method and a high-frequency heating method. The plasma sintering method, one of the sintering process, results in starting powder particle surface activation that enhances powder particle sinterability and reduces high temperature exposure. Plasma sintering is a non-conventional consolidation process and has some advantage such as easy process and low impurity level compared with existing HIP method. From the result of the sintering test, it is assumed that the beryllides could be directly synthesized by the plasma sintering method from mixed powder particles of Be and Ti at a lower temperature than melting point. In this report, trial synthetic results of beryllides by a melting process using high-frequency heating method will be also present.
宇藤 裕康; 飛田 健次; 染谷 洋二; 高瀬 治彦
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1409 - 1413, 2012/08
被引用回数:9 パーセンタイル:55.57(Nuclear Science & Technology)BA原型炉設計活動において、DEMO原型炉に向けたさまざまな保守方式の検討が進められている。原型炉における保守方式は、原型炉全体の設計に影響し、炉の稼働率に直結するため、非常に重要な検討項目の一つとして位置付けられている。原子力機構での原型炉設計例SlimCSでは、稼働率を考慮してセクター水平一括引き抜き方式を採用してきた。原型炉の最も有効な保守方式を決定するためには、さまざまな保守方式を検討し、評価する必要がある。そのため、本研究ではセクター垂直一括引き抜き方式について概念検討を行った。セクター方式は、炉内機器の電磁力支持が容易であり、保守時間に直結する配管の切断・再溶接箇所を最小限に抑えることが可能である。本セクター垂直一括引き抜き方式では、ブランケット及び高温遮蔽体を含むセクターをトロイダル方向に10度ずつに分割し、1つ置きに設けられた上部メンテナンスポートより搬入・搬出する。水平一括引き抜き方式に比べ、TFコイルの転倒力支持として十分なinter-coil structureを設けることができるなど、炉本体設計への利点が明らかになった。
佐藤 聡; 西谷 健夫; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.680 - 683, 2012/08
被引用回数:8 パーセンタイル:51.26(Nuclear Science & Technology)核融合DEMO炉のブランケットにおいて、トリチウム増殖材であるリチウムは核反応(トリチウム生成反応)により燃焼し、減少する。SlimCSブランケット設計を対象に、1次元Sn計算コードANISNを用いて、リチウム燃焼度を考慮しながらトリチウム増殖比(TBR)を計算した。1年運転ごとに、リチウム燃焼度によりリチウム原子個数密度を変化させ、TBRを計算した。SlimCSブランケット設計では、トリチウム増殖材層は厚さ方向に10層あり、10年連続運転後のLiの燃焼度は最大で約80%に達した。TBRは、各層によりTBRの増減が大きく異なり、最もTBRが減少する層では約40%減少したが、TBRが増加する層もあり、ブランケット全体では、TBRの減少は約4%にとどまった。リチウム燃焼度によるTBRの影響は大きくないことがわかった。
榎枝 幹男; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 鈴木 哲; 落合 謙太郎; 今野 力; 河村 繕範; 山西 敏彦; 星野 毅; 中道 勝; et al.
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1363 - 1369, 2012/08
被引用回数:36 パーセンタイル:91.83(Nuclear Science & Technology)核融合ブランケットの開発においては、ITERの核融合環境を用いて、モジュール規模で増殖ブランケットの試験を行う、ITERテストブランケット・モジュール(TBM)試験は、原型炉へ向けた重要なマイルストンである。我が国は、水冷却固体増殖TBMを主案として試験を実施するためにその製作技術開発を進めている。我が国は、これまでに開発した接合技術を用いて、実規模のモジュールの第一壁,側壁,増殖材充填容器、の製作に成功するとともに、第一壁と側壁の組合せ試験にも成功した。さらに、厚さ90mmの後壁の製作技術についても、模擬材料を用いたモックアップの製作を終了した。モジュール製作技術をほぼ見通した。また、トリチウム生産のために必要な技術として、先進増殖・増倍材ペブル製作技術の開発や、核融合中性子を用いたトリチウム生成回収試験による、トリチウム生産技術開発についても進展した。本報告ではこれらのTBM開発の最新の成果を報告する。
鈴木 哲; 江里 幸一郎; 関 洋治; 毛利 憲介; 横山 堅二; 榎枝 幹男
Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.845 - 852, 2012/08
被引用回数:18 パーセンタイル:77.37(Nuclear Science & Technology)ITERダイバータ調達に関するプリクォリフィケーション活動を成功裏に完了し、日本国内機関(JADA)とITER機構(IO)は2009年6月、ダイバータ外側ターゲットの調達に関する調達取り決めを締結した。本調達取り決めに基づき、JADAはダイバータ外側垂直ターゲット実規模プロトタイプの製作に着手し、ITER用実機外側ターゲットのシリーズ製作開始に向け、合理的な製作方法を確立するために、技術的及び品質的な課題の抽出とその解決に取り組んでいる。本稿では、JADAの外側垂直ターゲット調達活動を概説するとともに、今後の調達スケジュールに関して報告する。