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井田 瑞穂; 千田 輝夫; 古谷 一幸*; 若井 栄一; 中村 博雄; 杉本 昌義
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.987 - 990, 2009/04
被引用回数:6 パーセンタイル:40.17(Materials Science, Multidisciplinary)IFMIF加速器運転中の核発熱による熱応力及び変形が許容できるターゲット背面壁の構造及び材料を明らかにするため、ABAQUSコード及び中性子,2次線核発熱データを用いて熱応力解析を実施した。背面壁材料としては、316L鋼のみの場合、周辺部が316L鋼で中心部がF82H鋼の場合について評価した。厚さ2-8mmの応力緩和部の効果についても評価した。加速器ビーム条件としては10-100%負荷を選択した。結果として、後者の材料の背面壁(316L鋼,F82H鋼)では、応力緩和部厚さが5mm以上であれば、熱応力は許容値(316L鋼:328MPa,F82H鋼:455MPa)以下であった。一方、316L鋼のみの背面壁では許容値を満たさなかった。異材(316L-F82H)溶接試験片に対する予備的な引張試験では、316L鋼母材部で破断したので、本異材溶接はIFMIF背面壁用として有望である。
星野 毅; 佐々木 一哉*; 土谷 邦彦; 林 君夫; 鈴木 晶大*; 橋本 拓也*; 寺井 隆幸*
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.1098 - 1101, 2009/04
水素により還元されにくく、Liの核的燃焼に対する耐久性,トリチウム増殖比が向上した先進トリチウム増殖材の開発を目指し、LiTiO
よりLi添加量の大きい(Li
O/TiO
比が1.0より大きい)チタン酸リチウムの合成法の探索を行った。リチウムエトキシド(LiO-C
H
)又はリチウムプロポキシド(LiO-i-C
H
)とテトラチタンプロポキシド(Ti(O-i-C
H
)
)をLi
O/TiO
比が2.0になるようにアルコール溶媒にて混合した後、加水分解を行い、得られたゲルを5%H
-He雰囲気中にて、800
C・6時間の条件にて焼成を行ったところ、水素により還元されず、Liの核的燃焼に対する耐久性が高いと考えられる試料の合成に成功したことを、熱天秤等を利用した材料特性評価により確認した。
中道 勝; 中村 博文; 林 君夫; 高木 郁二*
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.692 - 695, 2009/04
被引用回数:10 パーセンタイル:55.61(Materials Science, Multidisciplinary)国際熱核融合実験炉(ITER)の日本のテストブランケットモジュール(TBM)開発においては、トリチウム透過バリアとしての皮膜技術開発が必要であり、原子力機構では、このために化学緻密化法によるセラミックスの成膜技術を開発した。本皮膜は、ガラス化材を添加することにより皮膜内の貫通欠陥である開気孔を減少することに成功したものである。また、炉外における特性試験の結果から、皮膜中の重水素の拡散係数は非常に小さいことが明らかになった。これら皮膜の成膜技術開発から特性評価、そして、日本設計のTBMにおけるトリチウムの透過挙動評価の結果について報告する。本成膜技術は、ITER-TBMのみならず、核融合原型炉の発電ブランケットにおけるトリチウム透過低減対策への適用も可能である。
洲 亘; 河裾 厚男; 山西 敏彦
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.356 - 359, 2009/04
被引用回数:47 パーセンタイル:93.55(Materials Science, Multidisciplinary)高フルエンス重水素プラズマ照射によるタングステンでのブリスタリング挙動と滞留挙動の解明が炉心プラズマへの不純物制御やトリチウム滞留量の制御にとって重要である。本研究では、高フラックス・低エネルギーの重水素プラズマ照射によるタングステンのブリスタリングと重水素滞留を調べ、新しい知見を得た。まず、ドーム高さと外径との比率が従来報告値の一桁以上であるという高ドームブリスタが観測された。また、その内部が空洞ではないブリスタも発見された。次に陽電子消滅測定で重水素プラズマ照射による原子空孔濃度の増加が見られた。さらにブリスタリング挙動と滞留挙動は、顕著な温度依存性,マイクロ組織依存性,フルエンス依存性などを示している。これは、ブリスタリングと水素滞留を制御・抑制できることを示唆するものである。
安堂 正己; 谷川 博康; 若井 栄一; Stoller, R. E.*
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.315 - 318, 2009/04
被引用回数:18 パーセンタイル:73.67(Materials Science, Multidisciplinary)573K付近の照射で生じる低放射化フェライト鋼の照射硬化挙動を明らかにするために、熱処理条件を変化させたF82H鋼を準備し、中性子照射・イオン照射によって生じた照射硬化についての比較を行った。その結果、573Kで照射されたF82H鋼ではすべての材料について照射硬化を生じたが、焼き戻し温度が高めの条件のF82H鋼では、照射前後の硬さ値が最も低い結果となった。中性子照射材の引張試験の結果では、同様に降伏応力が最も低くなるのに加えて、硬化量(YS)も低減する傾向にあることがわかった。これらの結果から、熱処理条件によって照射硬化量が低減できる可能性があることが明らかとなった。
谷川 博康; Klueh, R. L.*; 橋本 直幸*; Sokolov, M. A.*
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.231 - 235, 2009/04
被引用回数:32 パーセンタイル:87.76(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は、573K 5dpaの照射によって、さまざまな照射硬化・照射脆化を示すが、これらの現象は従来考えられてきたような、照射による転位組織発達のみで説明できないことがわかっている。本論文では、F82H, ORNL9Cr、及びJLF-1といった代表的な低放射化フェライト鋼を対象に、詳細な微細組織解析を実施し、その現象解明を試みた。その結果、転位組織変化に加え、主要析出物分布の変化が明らかになったほか、析出物のアモルファス化、及びナノ析出物の生成が明らかになり、これらの現象が、573K熱平衡状態に達しようとする過渡現象として解釈しうる可能性が示された。
皆藤 威二; 大塚 智史; 井上 賢紀; 浅山 泰; 上羽 智之; 水田 俊治; 鵜飼 重治*; 古川 智弘; 伊藤 主税; 籠田 栄一; et al.
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.294 - 298, 2009/04
被引用回数:32 パーセンタイル:87.76(Materials Science, Multidisciplinary)ODS鋼被覆管のクリープ破断強度に及ぼす中性子照射の影響を調査するために、「常陽」MARICO-2を用いて炉内クリープ破断試験を実施した。MARICO-2では14試料の炉内クリープ破断を検知するとともに、RIMSによりこれまでに6試料の炉内クリープ破断時間を特定することができた。この結果、MARICO-2の照射条件範囲では、ODS鋼被覆管のクリープ破断強度の低下は認められなかった。
三輪 幸夫; 實川 資朗; 塚田 隆
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.703 - 707, 2009/04
被引用回数:13 パーセンタイル:63.72(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化マルテンサイト鋼F82Hの応力腐食割れ感受性を調べるため、さまざまな試験温度条件かつ溶存酸素及び溶存水素を添加した条件で、低ひずみ速度試験を行った。F82H鋼の試験片にもまた、さまざまな温度での熱処理,異なるレベルの冷間加工,応力集中のためのノッチ、及び中性子照射による弾き出し損傷を与えた。中性子照射は220Cで3.4dpaまで行った。試験の結果から、非照射材では粒界型応力腐食割れが焼きならしまま材に生じること、粒内型応力腐食割れが23%以上の冷間加工を与えさらにノッチを与えた試験片で生じることがわかった。また、通常の焼きならし焼き戻し材ではSCCが起こらないことがわかった。中性子照射材では、平滑試験片に粒内型応力腐食割れが水素添加環境中(300
C,溶存水素濃度1ppm)で起こることと、粒内型応力腐食割れが酸素添加環境中(300
C,溶存酸素濃度10ppm)でノッチ付き試験片のノッチの背面に生じることがわかった。
永田 晋二*; 且井 宏和*; 土屋 文*; 井上 愛知; 山本 春也; 藤 健太郎; 四竈 樹男*
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.1045 - 1048, 2009/04
被引用回数:14 パーセンタイル:65.88(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉において、炉心プラズマから生成されるMeVエネルギーの軽イオンによるイオンビーム誘起発光は、プラズマ燃焼状態をその場観測する手段となるため、診断システムへの応用が期待されている。今回は、MeV領域のH及びHeイオン照射によるSiOガラスのイオンビーム誘起発光(460nm)の発光効率に及ぼす照射エネルギー,照射量,入射速密度及び試料温度の影響を調べた。Hイオン照射によって付与される電子励起エネルギーを20
150eV/nmの範囲で増加させると波長460nmの発光効率は増加するが、Heイオンによるエネルギーを200
370eV/nmの範囲で増加させると発光効率が低下する傾向が明らかになった。また、試料温度を増加させることで発光効率は低下した。一方、入射イオンの核的衝突によって形成された発光中心の80%は600Kの熱処理によって回復した。このことから、電子励起付与エネルギーの違いによる発光効率の変化は局所的な加熱効果に大きく依存することが明らかになった。
大久保 成彰; 三輪 幸夫; 近藤 啓悦; 加治 芳行
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.290 - 293, 2009/04
被引用回数:4 パーセンタイル:29.73(Materials Science, Multidisciplinary)高温で重照射を受けるなど厳しい環境でステンレス鋼を長時間使用すると照射誘起応力腐食割れ(IASCC)が生じる懸念がある。これは、水冷却で高い損傷量までの照射を受ける機器で重要である。IASCCはおもに溶接部などで生じると考えられるが、種々の照射効果(照射硬化や照射誘起応力緩和及びスウェリング等)に影響されるために、IASCCの予測は困難である。ここでは、照射硬化に与える残留応力の影響について調べた結果を報告する。オーステナイト鋼に数%の塑性変形を曲げ変形により与え、変形なしの試料と同時にNiイオンを照射した。照射前後の残留応力測定により、照射による応力緩和を評価し、また、微小硬さ測定により照射硬化を評価した。その結果、曲げ変形の有無により、照射硬化に顕著な違いがみられた。曲げ変形した場合、約330C及び400
Cと比較的低温の照射において、照射硬化が抑制された。また、熱時効では500
C付近の比較的高温でも応力緩和しない一方、イオン照射の場合、照射温度の範囲で顕著な応力緩和が生じた。以上から、照射誘起応力緩和に伴い照射硬化が抑制される場合があることが明らかになった。
中野 純一; 根本 義之; 三輪 幸夫; 宇佐美 浩二; 塚田 隆; 秀 耕一郎*
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.281 - 285, 2009/04
被引用回数:5 パーセンタイル:35.16(Materials Science, Multidisciplinary)照射誘起応力腐食割れにおけるき裂発生及び進展過程を酸素添加した561Kの高温水中での低ひずみ速度試験により調べた。同時に試験片表面のその場観察を行った。304ステンレス鋼の試験片に固溶体化,熱鋭敏化及び冷間加工を施し、材料試験炉(JMTR)の323Kの炉水中で1.010
n/m
(E
1MeV)まで照射した。照射量1.0
10
n/m
の冷間加工材では最大応力到達直後に割れの発生が見られたが、照射量1.0
10
n/m
の冷間加工材では最大応力に到達する前に割れの発生が観察された。破面観察では、熱鋭敏化材ではほぼ全面で粒界型応力腐食割れを示し、固溶体化材及び冷間加工材では粒内型応力腐食割れと延性を示すディンプルの混在する破面が認められた。
高木 郁二*; 小林 卓志*; 上山 裕*; 森山 裕丈*; 中道 勝; 中村 博文; 林 君夫
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.682 - 684, 2009/04
被引用回数:8 パーセンタイル:48.41(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉ブランケットにおいては、トリチウム増殖材から生成したトリチウムが構造材を透過して冷却材中へ漏洩しないようにするため、ブランケット容器構造材上に緻密なセラミック皮膜を成膜し、トリチウムの透過を低減することが考えられている。トリチウム透過低減皮膜の物性評価のため、核反応法(NRA法)を用いて皮膜の重水素拡散係数の測定を実施した。その結果、300Cで7
10
m
s
と、鋼材(SS304)と比較して5桁程度低く、本皮膜が十分な透過低減能を有していることが明らかになった。
古谷 一幸*; 井田 瑞穂; 宮下 誠; 中村 博雄
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.963 - 966, 2009/04
被引用回数:19 パーセンタイル:75.20(Materials Science, Multidisciplinary)日本におけるIFMIF背面壁の現在の設計では、その材料は316Lステンレス鋼及びF82H鋼からなる。それら316L鋼とF82H鋼とは互いに溶接される。この背面壁の316L鋼部分は、316L鋼製ターゲットアセンブリとも溶接される。背面壁は中性子重照射条件(年間50dpa)で稼動するため、あらかじめ溶接部分の金相観察及び機械特性試験を実施しておくことが重要である。これら試験の結果、F82H-316L間のTIG溶接部では大きな問題は見つからなかった。一方、316L-316L間のYAG溶接部では、有害な溶接欠陥なしに溶接できたものの、溶融金属部で硬さがやや低下した。破断がその溶融金属部で起き、引張強度及び伸びがやや低下した。さらに、その破断面で大きなボイドを含む幾つかの小さなくぼみが観察された。
Loginov, N.*; Mikheyev, A.*; Morozov, V.*; Aksenov, Y.*; Arnoldov, M.*; Berensky, L.*; Fedotovsky, V.*; Chernov, V.*; 中村 博雄
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.958 - 962, 2009/04
被引用回数:6 パーセンタイル:40.17(Materials Science, Multidisciplinary)IFMIFリチウムターゲットの模擬試験装置を製作し、水及びリチウムループにて試験した。両者とも最高流速は20m/sである。数値解析及び実験により、模擬試験装置の直線部と凹面部との繋ぎ目でリチウム流れの不安定性が示された。水流れの流速の流れ幅に渡っての分布,ジェット厚さ,波の高さを測定した。水,リチウムともに、模擬試験装置の側壁付近での大きな厚さ増加が観察された。ノズル出口部形状がジェット安定性に及ぼす影響を評価した。ジェットの自由表面からのリチウム蒸発量,模擬試験装置の内壁への堆積量を評価した。ターゲットの有効性の点で、これらはそれほど重大ではないことを明らかにした。アルミニウムのゲッター材によりリチウム中の窒素濃度を2wppmまで低減できる可能性も出てきた。
Kim, H. C.*; Kim, K.*; Lee, Y. S.*; Cho, S. Y.*; 中嶋 秀夫
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.650 - 653, 2009/04
被引用回数:6 パーセンタイル:40.17(Materials Science, Multidisciplinary)異なった溶接ワイヤを用いた316LNの溶接部の磁化測定を温度と磁場を変化させて実施した。この結果、測定された透磁率は、使用する溶接ワイヤに大きく依存した。また、溶接部の磁化の磁場依存性は母材とは異なることが観測された。溶接材料を使用しない溶接部あるいはマンガン含有量の少ない溶接ワイヤでは、オーステナイトと異なる第二相が形成されているが、ITERで使用する高マンガンを含有する溶接ワイヤではオーステナイト以外の第二相は観測されなかった。この結果、高マンガンを有するワイヤは組織が安定しており、ITERでの仕様に適していることがわかった。
土谷 邦彦; 滑川 要二; 石田 卓也
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.1056 - 1059, 2009/04
被引用回数:1 パーセンタイル:10.08(Materials Science, Multidisciplinary)ベリリウム金属間化合物を含んだベリリウム系合金(Be-Ti, Be-Vなど)は、高温で高い化学的安定性を有しており、核融合原型炉の先進中性子増倍材として期待されている。そこで、Be-V合金と構造材料であるF82Hとの両立性試験を行い、その両立性及び反応素過程について調べた。Be-V合金としては、BeV相と
Be相が共存するBe-7at%Vを用いた。X線回折の結果、F82Hの反応層の表面には、Be
Feが観察された。また、800
Cで100時間の加熱条件では、F82Hの反応層の厚さは約10
mであり、Beの場合と比較して約1/5であった。以上の結果より、Be-V合金がF82Hと良好な両立性を有することを明らかにした。
星野 毅; 土谷 邦彦; 林 君夫; 中村 和*; 照沼 仁*; 蓼沼 克嘉*
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.1107 - 1110, 2009/04
被引用回数:9 パーセンタイル:52.21(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉ブランケットで用いた使用済みのトリチウム増殖材用リチウムセラミックス微小球からリチウム資源を回収・再利用する技術を開発することは、希少資源としてのLiの有効利用の観点から重要なことである。本研究では、各種Liセラミックス(Li
TiO
, CaO添加Li
TiO
, Li
SiO
及びLi
O)の溶解特性及びキレート剤担持吸着剤を用いた不純物除去特性を調べた。Liセラミックスを過酸化水素水又は硝酸を溶媒として超音波溶解し、その溶液を吸着剤に浸した結果、ほとんどのリチウムが溶液中に存在し、かつ溶液中の
Coは97%以上の除去ができることがわかった。本試験により、使用済LiセラミックスからLiを回収する一連のプロセスの開発に見通しを得た。
林 君夫; 中川 哲也; 小野瀬 庄二; 石田 卓也; 中道 勝; 高津 英幸; 中村 和*; 野口 恒行*
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.1083 - 1086, 2009/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)ITERに装荷するテストブランケット・モジュール(TBM)の解体・照射後試験プロセスを確立するため、トリチウムを含有する照射済みキャプセルの解体・処理技術の確立に向けて、設計及び試作試験を行った。検討の対象としたキャプセルは、JMTRでのスイープ照射試験に用いたものであり、外径約65mmの外筒内にある試料容器中に、LiTiO
試料が装荷されている。照射済みキャプセルは帯のこぎりで切断され、その際放出されるトリチウムは、酸化装置を有するパージガス系によって安全に回収され、固化処理により放射性廃棄物となる。本解体装置は、収納容器(インナーボックス)に収められる構造となっており、このような構造とすることにより、ホットセルの大幅な改造を行うことなくトリチウムの安全な閉じ込めを実現できる技術的見通しを得た。非照射の模擬キャプセルを用いた試作試験において、本解体装置の切断性能が良好であることが実証された。本解体装置の設計及び試作試験の経験は、今後のTBM設計や解体プロセス検討に役立つものである。
飛田 健次; 西尾 敏; 谷川 博康; 榎枝 幹男; 礒野 高明; 中村 博文; 鶴 大悟; 鈴木 哲; 林 孝夫; 土谷 邦彦; et al.
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.888 - 892, 2009/04
被引用回数:25 パーセンタイル:82.38(Materials Science, Multidisciplinary)SlimCSは、20202030年代に見通しうる技術を想定して設計された小型の核融合原型炉概念である。高ベータ領域での運転を可能にするため、交換ブランケットと固定ブランケットの間にセクター規模の寸法を持つ導体シェルを挟み込む点が炉構造上の特徴である。ブランケット構造材料は低放射化フェライト鋼、冷却材はPWR条件の加圧水を第一案とした。ITER-TBMの日本案との連続性を考慮し、増殖材はLi
TiO
、増倍材はBe
Ti又はBeとした。超伝導コイルは急速急冷法によるNb
Alとし、最大磁場16テスラを超える設計とした。これらの機器のほか、導体シェル,ダイバータについてその構造と材料について報告する。
野澤 貴史; 檜木 達也*; 長谷川 晃*; 香山 晃*; 加藤 雄大*; Snead, L. L.*; Henager, C. H. Jr.*; Hegeman, J. B. J.*
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.622 - 627, 2009/04
被引用回数:115 パーセンタイル:99.12(Materials Science, Multidisciplinary)先進SiC/SiC複合材料は核融合炉材料としてこれまで開発が進められている。近年において耐照射特性に優れる複合材料の開発に成功し、今もなおさらなる材料特性の改善を目指した研究が継続して行われている。一通りの複合材料の設計と基本用件の実証が終了し、SiC/SiC複合材料の開発は徐々に実用化を見据えた材料特性データベースの整備に移行している。主要な評価項目として、(1)照射下クリープやヘリウム/水素同時照射効果を含む重照射効果,(2)腐食・浸食挙動,(3)ヘリウムや水素以外の核変換物質の影響,(4)接合部特性などが挙げられる。また、SiC/SiC複合材料のFCI応用においては照射下の電気伝導率の変化が重要な課題である。本論文はSiC/SiC複合材料研究の最近の進捗状況を総括するとともに、材料データベース構築のために必要となる評価技術の標準化に関する国際協力の進展を解説する。