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口頭

Radiosensitization by inhibition of homologous recombination repair combined with high LET heavy ion irradiation

岡安 隆一*; 平川 弘和*; 野口 実穂; Yu, D.*; 高橋 桃子; 平山 亮一*; 藤森 亮*

no journal, , 

Hsp90阻害剤である17AAGはX線と併用することである種のヒト腫瘍細胞による放射線増感作用を示すことがわかっているが、この増感作用は正常細胞では観察されない。このメカニズムとして、DSB修復の阻害、特に相同組換え修復(HRR)の阻害が提案されている。HRRの主要タンパク質が両者の併用により影響を受ける。驚くべきことに、われわれの研究で、高LETの炭素線(70keV/um)と17AAGの併用により増感効果が観察された。これとは別に、HRRの主要タンパク質であるBRCA2のノックダウンによりヒト腫瘍細胞で増感効果が見られることも報告している。これらの結果から、高LET放射線とHRR阻害の併用に関連したメカニズムによる放射線増感効果が推測され、これは特にS期特異的である可能性が考えられる。そのため、本研究では、ヒト肺癌細胞SQ5をヌードマウスの下肢に移植し、炭素線,17AAG単独、及び両者併用時の腫瘍の増殖を観察した。プライマリーな結果として、腫瘍増殖は炭素線、及び17AAG単独に比べ、併用の場合に特に阻害が見られた。これらの結果はHRR阻害剤と高LET放射線の併用により、効果的な腫瘍制御が得られることを提案している。

口頭

Direct action is the key to understand the high biological effects caused by particle beams

平山 亮一*; 松本 孔貴*; 鵜沢 玲子*; 高瀬 信宏*; 鶴岡 千鶴*; 和田 麻美*; 野口 実穂; 加瀬 優紀*; 松藤 成弘*; 伊藤 敦*; et al.

no journal, , 

OHラジカルが介在する間接作用の細胞死への寄与はDMSOを用いた最大防護寄与率から評価することができる。対数増殖期のCHO細胞を用い、これらを酸素存在下、及び低酸素化でX線、及びLET200keV/$$mu$$mの鉄イオン線を照射し、DMSO存在下、及び非存在下でコロニー形成法により細胞生存率を調べた。X線での間接作用の寄与は酸素下で76%、低酸素下で50%であった。これとは対照的に、鉄イオン線での間接作用寄与率は酸素下42%、低酸素下32%であった。RBE値は酸素下で2.8、低酸素下で5.3、OERはX線で2.8、鉄イオン線で1.5であった。直接作用のRBEは正常酸素下、及び低酸素下で間接作用のRBEより高い値となった。また、X線、及び鉄イオン線における直接作用のOERは間接作用のOERよりも低い値となった。もし、粒子線治療で直接作用のみを取り出して利用できるならば、粒子線は癌治療に非常に有効な治療法であると考えられる。これは炭素イオンビームや中性子捕捉療法の利用がよい実例である。

口頭

Hydrogen production in radiolysis of the mixture of mordenite and seawater

熊谷 友多; 永石 隆二; 木村 敦; 田口 光正; 西原 健司; 山岸 功; 小川 徹

no journal, , 

放射性汚染水の浄化処理では、セシウム吸着剤としてゼオライトが用いられる。吸着処理中や処理後のゼオライト保管時には、水の放射線分解で水素が発生する。そのため、安全な処理のためには水素に対する適切な措置が重要である。そこで、汚染水とゼオライトとの混合物からの水素発生を評価するため、天然モルデナイトを対象として、海水との混合物から放射線分解で発生する水素について調べた。その結果、水素発生量は混合物中の海水量に比例して減少するのではなく、海水含有率が約20%までは緩やかに減少し、それ以下の海水量の低下に対して著しく減少した。この結果は、モルデナイトに付与された放射線エネルギーが水素発生に関与する可能性を示唆する。また、海水の希釈の影響を調べた結果、希釈液のみを照射した場合には水素発生量が減少した。これは水素の酸化反応が生じたためと考えられる。しかし、モルデナイトとの混合物中では水素発生量の有意な減少は観測されなかった。そのため、混合物中では水素の酸化が阻害されると考えられる。したがって、汚染水とゼオライトとの混合物からの水素発生量を評価するうえでは、これらの影響を考慮する必要があると考えられる。

口頭

Near edge X-ray absorption spectroscopy of DNA damage induced by soft X-rays

藤井 健太郎; 横谷 明徳

no journal, , 

軟X線照射によりDNA薄膜に生じる分子構造変化について、照射前後の軟X線吸収端近傍微細構造(NEXAFS)スペクトルの比較から得られる情報から推測した。試料として仔牛胸腺DNA薄膜を用いた。実験は原子力機構専用軟X線ビームラインBL23SUにおいて行った。窒素及び酸素K殻電離領域の単色軟X線(380-760eV)を室温で照射し、照射前後でDNA薄膜のNEXAFSスペクトルの測定を行った。得られたスペクトルから、照射により生じた分子構造変化について考察した結果、核酸塩基のプリンあるいはピリミジン環内の結合切断や照射による新たな生成物が生じていると予想される。

口頭

Significance of the repair synthesis in determining the biological consequences of clustered DNA damage

鹿園 直哉; 野口 実穂; 漆原 あゆみ; O'Neill, P.*; 横谷 明徳

no journal, , 

クラスターDNA損傷は電離放射線によって生じるが、クラスターDNA損傷がどの程度、また、どのように生物影響を及ぼすのかに関しては不明な点が多い。本研究では、鎖切断,脱塩基部位,8-オキソグアニン(8-oxoG)を含むクラスターDNA損傷を用い、大腸菌における形質転換効率や突然変異頻度を調べた。その結果、鎖切断が脱塩基部位とクラスター化することで、形質転換効率は大幅に低下することが明らかになり、細胞内でDSBを生じていることが示唆された。損傷間の距離が大きくなると、形質転換効率は損傷がない場合と同程度にまで回復した。さらに、この形質転換効率の回復にはPolI活性が必要であった。一方、鎖切断と8-oxoGが近接したクラスターDNA損傷において突然変異頻度は大幅に増大するが、損傷間の距離が大きくなると突然変異頻度は低下することが明らかになった。さらに、PolI活性を欠損した大腸菌では突然変異頻度の損傷間距離依存性は消失し、非常に高い突然変異頻度を示すことがわかった。これらの結果は、クラスターDNA損傷における修復合成が生物影響に深く関連することを示唆している。

口頭

EPR study of unpaired electron species in DNA film induced by nitrogen and oxygen K-shell photoabsorption

岡 壽崇; 横谷 明徳; 藤井 健太郎

no journal, , 

DNA変異の物理化学過程の解明のため、仔牛胸腺DNA薄膜のESR測定を行った。軟X線照射中のみ薄膜中に誘起されるシグナルのg値2.000が自由電子のg値2.0023よりも低いことから、観測されたESRシグナルはイオン化により生じた自由電子のものではなく、短寿命の不対電子のものであることがわかった。DNA薄膜のESR強度の窒素及び酸素のK殻吸収端近傍の軟X線エネルギー依存性を調べたところ、X線吸収微細構造(XANES)を反映したピークが現れた。窒素・酸素のどちらにおいても、イオン化閾値以上のエネルギーにおいてESR強度がXANES強度よりも2倍程度大きかったことから、DNAは内殻イオン化によって生成した正孔に加えて、オージェ電子の付着の結果生じるアニオンラジカルを一緒に検出しているために不対電子収率が高かったと考えられた。シトシンでも同様にESR強度がXANES強度よりも2倍以上大きかったことから、シトシンがDNA変異過程において電子の一時的な貯蔵庫の役割を果たしており、DNAの不対電子の起源の1つになっていることが推察される。

口頭

Order effect of base excision processes to repair clustered DNA damage

横谷 明徳; 白石 伊世; 鹿園 直哉

no journal, , 

本研究では、クラスターDNA損傷に対する塩基除去修復酵素の作用機序の違いがクラスターDNA損傷の難修復特性にどのようにかかわるかを明らかにすることを目的とした。高LETのイオンビームを照射したプラスミドDNA(pUC18)をNthとFpgの2種類のグリコシレースで処理し、酵素活性を生じたニック(SSB)量としてpUC18の立体構造変化としてゲル電気泳動法により定量した。この際、2種類の酵素の処理の順番をさまざまに変えたときに、ニッキング活性にどのような差が見られるのかについて調べた。C$$^{6+}$$イオンビームを照射した場合はFpgを先に処理したものの方が、同時処理やNthを先に処理したものより損傷を持たない閉環型分子の線量あたりの残存量が約5%小さい傾向にあった。講演では収量の差をもたらす原因としてのクラスター損傷の構造について議論する。

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