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町田 昌彦; 小山 富男*
Physica C, 378-381(Part1), p.443 - 447, 2002/12
最近、超伝導磁束量子コア近傍における電荷の分布が注目され、幾つかの条件下では電荷の中性条件が破れているという提案がなされてきた。また、高温超伝導体に対して電荷分布を実際に測定するという実験も行われ、実際に磁束コア近傍には電荷が堆積していることが確かめられている。こうした事情を背景とし、報告者らはこれまでの現象論的解釈を越え、微視的BCS理論をもとにして電荷分布を計算する理論を構築し、実際に数値シミュレーションによりその分布を求めた。その結果、電荷分布は磁束中心を中心として超伝導コヒーレンス長程度の振動を見せながら減衰することがわかった。
畑 慶明; 鈴木 淳市; 掛谷 一弘*; 門脇 和男*; 中山 哲*; 永田 篤*; 小田原 成計*; 茅根 一夫*
Physica C, 378-381(Part1), p.420 - 423, 2002/10
第二種超伝導体では、ある一定以上の磁場の下で超伝導体内部に量子化された磁束が侵入する。走査型SQUID顕微鏡を用いると、この量子化された磁束の振る舞いを直接観察することができる。磁性超伝導体では、磁性イオンを含まない超伝導体とは違い、この量子磁束に内部構造が見られることが理論的に示されている。しかし、その直接観察の例はこれまでにほとんど報告されていない。そこで、走査型SQUID顕微鏡を用いて磁性超伝導体の量子磁束観察を行った。磁性超伝導体系は低温での磁気的性質は磁性を担う希土類イオンの種類により大きく異なる。ではクラスター状に分布した量子化された磁束量子が観測され、印加磁場の増大にともなう磁束量子の密度の増加がみられた。磁性イオンを持たないYBCOの観察結果と比較的類似した結果が得られた。これに対してでは量子磁束の数倍の強度を持つ大きな磁束とその周辺に逆向きの磁束分布が観測された。これは試料の持つ磁気モーメントと超伝導体中に侵入した磁束の和が量子化条件を満足するために見られる現象で、このような現象を直接観察したのはこれが初めてである。
佐藤 浩行*; 石川 法人; 岩瀬 彰宏; 知見 康弘; 橋本 健男*; 道上 修*
Physica C, 378-381(Part1), p.527 - 530, 2002/10
酸化物超伝導体は、高エネルギーイオン照射による高密度電子励起により、その軌跡に沿って柱状欠陥を生成する。今回は、酸素量を変えたEuBaCuO(y=7, y=6)に200MeV Auイオンを室温で照射し、その後熱処理を行った。照射後の試料を酸素雰囲気中で熱処理(550)することで、c軸の格子定数は完全に回復した。ここで、生成された柱状欠陥は、熱処理では回復しないと思われる。したがって、ピニングセンターとしての柱状欠陥を残しつつ、超伝導性を回復することができるものと思われる。このように、柱状欠陥の質や数を、照射と照射後のアニールを組み合わせることにより制御することができる。
岡安 悟; 池田 博*; 吉崎 亮造*
Physica C, 378-381(1-4), p.462 - 465, 2002/10
新しい超伝導物質MgBは磁場中では超伝導特性が急激に悪くなる。この物質に電子線を照射し、照射前後のピン止め特性の変化を比較することでその特徴を調べた。電子線は原研高崎の静電型加速器を用い、25MeVのエネルギーで510e/cmの照射量を照射した。一般に電子線照射では結晶中の軽いイオンがはじき出され点欠陥を形成する。しかし試料が焼結体の場合は結晶粒の中に点欠陥を形成するよりは、むしろ結晶境界にダメージが加えられる。電子線照射をされたMgB焼結体は超伝導特性が悪くなる方向にピン止め特性が変化した。臨界電流密度は減少し、磁化の温度依存性でも超伝導分率が減少する。照射によって粒界にダメージが与えられることを考えると、粒界がこの物質の超伝導のピン止め特性を担っていることを裏付けているといえる。零磁場冷却後に磁場をかけた磁化率の温度変化を昇温で測ったものを詳細に調べると、電子線照射の試料では転移点近傍での振る舞いに飛びが見られる。照射によって弱められた粒界から磁束が試料内に侵入しているのがわかる。こうした現象は未照射の試料でも見られるが照射によってより顕著になる。