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奥野 清
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1376 - 1381, 2004/06
被引用回数:6 パーセンタイル:36.36(Engineering, Electrical & Electronic)核融合用超伝導マグネットは、大型で強磁場を発生し、また大電磁力,中性子線場で運転される。この特長から、ITERでは、新しい設計概念と、それを実現するための製作法を提案した。ITER工学設計活動では、この新しい設計手法,製作手法の有効性を実証するため、日本,米国,EU,ロシアの国際協力の下でCSモデル・コイル計画を遂行した。CSモデル・コイルは定格13T, 46kAを達成するとともに、0.6T/sのパルス運転にも成功し、開発の全ての目標を達成した。このCSモデル・コイル計画では、以下に述べるような多くの分野で、先進的な技術開発がなされた。(1)高性能ニオブ・スズ超伝導線の開発と実用化、(2)超伝導生成熱処理に耐える高強度ジャッケト材料、(3)最大46kAの大電流化技術、(4)10MGyの吸収線量まで許容する絶縁材料、(5)大型マグネットの製作を容易にしたwind-react-and-transfer方によるコイル製作技術、などである。これらCSモデル・コイルで得られた成果は、ITERマグネットの設計や品質保証計画にフィードバックされ、その設計はさらに洗練されたものとなった。また、これらの技術は産業界を通して、核融合以外の他分野でも有効利用される。
土屋 勝彦; 木津 要; 三浦 友史; 安藤 俊就*; 逆井 章; 松川 誠; 玉井 広史; 石田 真一
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1427 - 1430, 2004/06
被引用回数:1 パーセンタイル:11.46(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60改修装置におけるトロイダル磁場(TF)コイルを支持する構造物の一つであるシアパネルは、転倒力に対するコイルの変位を抑えるためコイル間に配され、計測/加熱用ポートなどの周辺機器へのアクセス空間を確保するため、これらの周辺機器の取り付け後に、設置する構造になっている。そのため、シアパネルとコイル本体を結ぶボルトのモデル化にも充分注意しなければ、有限要素法(FEM)を用いた応力解析による精確な評価を得られない。本論文にて報告するFEMモデルでは、実機と同じ位置に、実際と同じスケール,材質のボルトを要素として与え、典型的な放電シナリオにおいて転倒力が最も大きくなる条件での最大変位,トレスカ応力を評価した。その結果、最大変位は8.8mm、最大トレスカ応力も、接線ポートに隣接するシアパネルを締結するボルトの一つにピークが現れることが明らかになった。これにより、実機に近いモデルに基づく評価の下で、設計目標値である「最大変位10mm以下,最大応力667MPa以下」を満たすことが明らかになった。発表では、さまざまな電磁荷重条件における評価を行い、TFコイルとセンターソレノイドの一体化支持による応力緩和の効果などについて議論する。
高橋 良和; 吉田 清; Mitchell, N.*; Bessette, D.*; 布谷 嘉彦; 松井 邦浩; 小泉 徳潔; 礒野 高明; 奥野 清
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1410 - 1413, 2004/06
被引用回数:10 パーセンタイル:47.76(Engineering, Electrical & Electronic)ITERトロイダル磁場(TF)及び中心ソレノイド(CS)コイル用導体は、外径約0.8mmのNbSn超電導素線を約1000本撚線したものを金属製コンジットの中に挿入したCIC型である。その定格電流値は、40-68kAである。CSモデル・コイル計画において開発した2種類のジョイント(ラップ型とバット型)は、その目標性能が通電実験により達成された。TFコイルの場合、D型の巻線部から離れた位置にジョイント部を置くことにより、その最高磁場は2.1Tとなり、巻線部の最高磁場11.8Tに比べて、かなり低減できる。CSコイルのジョイント部は、スペ-スが限られているため巻線部の外周に埋め込み、ジョイント部の最高磁場を3.5Tに抑える。これらのジョイントは、導体巻線部の出口に直列に繋げられ、冷却される。ジョイントの電気抵抗による冷媒の温度上昇を、冷凍機への熱負荷の制限により0.15K以下に設計した。ITER実機コイルの運転条件において実験デ-タをもとに性能を評価し、これらのジョイントがITER実機コイルに適用可能であることを明らかにした。
吉田 清; 高橋 良和; Mitchell, N.*; Bessette, D.*; 久保 博篤*; 杉本 誠; 布谷 嘉彦; 奥野 清
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1405 - 1409, 2004/06
被引用回数:17 パーセンタイル:59.51(Engineering, Electrical & Electronic)ITER中心ソレノイド(CS)は、半径2mで高さ12mの円筒状の超伝導マグネットで、6個のパンケーキ巻線から構成され、プラズマの形状制御に使用される。6個のパンケーキ巻線は巻線間の圧力を保つために、軸方向に圧縮する構造物で支持される。CS導体はNbSnケーブルとステンレス鋼のコンジットから構成されるケーブル・イン・コンジット導体である。CSモデル・コイルの実験結果を反映させると、運転のマージンを見直す必要があり、さらに大きなケーブル、または電流容量がより大きいケーブルが必要とされた。そこで、超伝導素線にブロンズ法(NbTi)
Snを採用するとともに、コンジットに高Mnステンレス鋼を用いることとした。その結果、ケーブルの大きさを抑え、疲労限界以下で設計できることがわかった。また、応力集中の発生しやすいヘリウム冷媒入口の構造の改善,電流口出し部の補強部の見直しを行った。さらに、6個のモジュールを締付ける構造物を、9分割にすることにより、冷却配管の応力を低減した。以上の改良を施したCSコイルはITERの要求性能をすべて満足する見通しが得られた。
木津 要; 三浦 友史; 土屋 勝彦; 小泉 徳潔; 松井 邦浩; 安藤 俊就*; 濱田 一弥; 原 英治*; 今橋 浩一*; 石田 真一; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1535 - 1538, 2004/06
被引用回数:1 パーセンタイル:11.46(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60SCの超伝導トロイダル磁場コイル(TFC)製作においては、NbAl導体が歪による臨界電流(
)の減少が少ないために、より低コストなコイル製作を可能とする熱処理後巻線する方法(リアクト・アンド・ワインド法:R&W法)が適用可能と考えられる。しかしながら、曲げに起因する
の減少を評価するためのデータが不足しており、核発熱などによる温度上昇に対するコイルの温度裕度を見積もることが困難であった。そこで、R&W法による導体の曲げの影響を評価するために
測定部がTFC実機と同じR=1.06m(曲げ歪:
0.4%)の曲率となるD型のコイルを開発し、
を測定した。また曲げの寄与を明確にするために、曲げを加えていない短尺サンプルも製作した。コイル製作は、導体をR=2.13mの環状に成形した状態で熱処理を行い、その後、D型コイル形状に巻線を行った。D型コイルを温度(T)4.3-4.4K,磁場(B)7-12Tで試験し、30kA(7.3T, 4.4K)の
を達成した。D型コイルと超伝導素線との
比較より、導体の歪は-0.6%程度と見積もられた。これは、短尺サンプルと同程度の歪であり、0.4%の曲げは
にほとんど影響を与えないことが明らかとなり、TFCをR&W法で製作した場合でも、設計基準の温度裕度を確保できることが見いだされた。
谷 教夫; 安達 利一*; 五十嵐 進*; 渡辺 泰広; 染谷 宏彦*; 佐藤 皓*; 木代 純逸
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.409 - 412, 2004/06
被引用回数:18 パーセンタイル:62.55J-PRAC 3GeV陽子シンクロトロンは25Hzの速い繰り返しで電磁石を励磁するシンクロトロンである。1MWの大強度ビームを達成するために大口径の電磁石が必要とされている。大口径の電磁石は、従来の電磁石と比べて大きな漏れ磁場が発生することが予想される。本論文では、RCS電磁石の設計手法を説明し、偏向電磁石と四極電磁石の磁場計算と電磁石の各構成要素について報告する。
谷 教夫; 安達 利一*; 染谷 宏彦*; 渡辺 泰広; 佐藤 皓*; 木代 純逸
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.421 - 424, 2004/06
被引用回数:14 パーセンタイル:56.12J-PARC 3GeV陽子シンクロトロンは25Hzの速い繰り返しで電磁石を励磁するため、渦電流によって励磁されるeddy field及び電磁石端部での発熱が非常に大きな問題となる。われわれは電磁石端部の漏れ磁場と渦電流の評価を行うための試験を行った。本論文では、偏向電磁石や四極電磁石における試験の結果について報告する。
中嶋 秀夫; 濱田 一弥; 高野 克敏*; 奥野 清; 藤綱 宣之*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1145 - 1148, 2004/06
被引用回数:35 パーセンタイル:78.34(Engineering, Electrical & Electronic)ITERの中心ソレノイド(CS)コイルの導体ジャケットにステンレス鋼を使用することは、ニオブスズ生成熱処理において、Incoloy908のSAGBO割れを防止するための特殊な環境管理を必要とせず、製作の観点からの合理化が可能となる。原研は、室温からの4KへのJK2の熱収縮がIncoloyとほとんど同じであるJK2を開発した。このため、CSの機械的設計の変更は不要である。しかしながら、熱処理の間、不純物のリンは結晶粒界に炭化物の析出を促進し、脆化させる問題がある。リンの脆性効果を緩和する有効な手段としては、低炭素化とボロン添加が考えられるので、この観点からの研究を開始した。低炭素化及びボロン添加したJK2を製作し、中間的ビレットと最終的形状であるジャケットから切り取られたサンプルを使用して、引張強さ,破壊靭性、及び亀裂生長率の測定を行った。その結果、熱処理後4Kにおける伸びと破壊靭性はジャケットでは33%と91MPam、中間的ビレットでは31%, 123MPam
となり、ITER目標を満たした。溶着金属についても機械的特性が測定され、目標を満たした。以上により、低炭素化とボロン添加は、延性と靱性の改善に有効であり、ITER CSのジャケット材料にJK2LBを適用することが可能であることを実証した。
布谷 嘉彦; 礒野 高明; 奥野 清
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1468 - 1472, 2004/06
被引用回数:45 パーセンタイル:83.04(Engineering, Electrical & Electronic)ITER CS インサートに用いられているNbSn製のCIC導体で得られた電圧温度曲線(V-T曲線)には、別途行われた導体を構成する超伝導線の測定結果より予想されるV-T曲線に比較し、より緩慢な立ち上がりが認められた。この緩慢な立ち上がりはn値の低下に対応し、n値として超伝導線で約30、CSインサートでは7の測定値が得られている。導体は通電中のフープ力により長手方向に均一の引っ張りひずみを受けるが、n値の低下はこのひずみの影響では説明できない。そこで特に通電中に受ける導体垂直方向からの電磁力による影響を明確にする必要がある。CIC導体内での各超伝導線は撚りピッチで定められる間隔で隣接の超伝導線と点接触で機械的に支持されるため、5mm程度の周期の連続的な変形を受ける。この変形により、超伝導線には長手方向に不均一な曲げひずみの発生が予想される。このような変形の影響を定量的に評価するために、われわれはこの連続変形を超伝導線に模擬する試験装置を考案し、電圧特性を測定した。その結果、CSインサートの通電時の超伝導線1本当たりの電磁力と同程度である520N/mの垂直方向力が負荷されるとn値が約8に低下し、CSインサートと同程度となることを見いだした。これは、超伝導線に作用する垂直方向力がCIC導体のn値の低下を説明できることを示している。
安藤 俊就*; 西尾 敏; 吉村 秀人*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1481 - 1484, 2004/06
被引用回数:9 パーセンタイル:45.40(Engineering, Electrical & Electronic)低アスペクト比トカマク動力炉が核融合発電コストの低減の観点から考察している。そのコイル・システムにおいてはコンパクト化として、中心ソレノイドを使用せずに、トロイダル磁場コイルのインボード側を中心柱構造としている。このトロイダル磁場コイルの高磁場と高電流密度を実現するために、高温超伝導体を用い、その導体を支持するラディアル板を折り曲げたビーク様式を考案した。また、コイルの剛性を高めるために、導体は間接冷却とし、ラディアル板間に熱伝導板を挿入構造を採用した。本内容について紹介する。
松川 誠; 三浦 友史; 島田 勝弘; 寺門 恒久; 岡野 潤; 礒野 高明; 布谷 嘉彦
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1414 - 1417, 2004/06
被引用回数:5 パーセンタイル:32.61(Engineering, Electrical & Electronic)大型の超伝導コイルでは、導体に働く電磁力を効率良く支持するため、金属管に超伝導線を収めたCICC導体の採用が一般的である。また、偏流やコンジットの加工性(最小曲げ半径)及び不整磁場などを考慮すると、導体にはその要求性能に合致した最適なサイズと電流が存在する。このため、超伝導コイルは大型化に伴ってターン数及びターン間静電容量が増大する傾向にあり、内部共振周波数の低下が懸念される。そこで、筆者らはITER-CSモデルコイルの運転時における高周波インピーダンスを測定した。その結果、コイル両端のインピーダンスは事前の予想とおおむね合致した周波数特性を示し、400Hz付近で最小インピーダンスとなった。また、全ターン間の相互誘導,静電容量を考慮した回路解析を行い、内部共振現象による電圧上昇及び電圧分担の不平衡について検討した結果を述べる。
松川 誠; JT-60SC設計チーム
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1399 - 1404, 2004/06
被引用回数:4 パーセンタイル:28.37(Engineering, Electrical & Electronic)将来の核融合炉を魅力的なものとするためには、プラズマの定常高ベータ化研究や、低放射化フェライト鋼とプラズマとの適合性試験などを推進する必要がある。これらの観点に立って、我が国においてはトカマクでの核融合研究をJT-60装置において重点的に実施することが、文部科学省の科学技術・学術審議会で合意されている。平成14年度の装置設計案をベースに、プラズマ形状やダイバータ配位等についてより広い運転パラメータへ拡張できる装置としての柔軟性を確保するため、クライオスタットの形状を改善して、既存NBIタンクとの空間干渉が回避できる範囲でトロイダル磁場コイルのサイズを最大化した。これにより、オープンダイバータ配位においては、アスペクト比2.8を実現した。今回の最適化検討で特筆すべきことは、可能な限り高い電流密度で運転することで、超伝導線材の利用率を向上させることにより、使用する超伝導線材の総量をむしろ減少させたことである。講演では、本装置の超伝導マグネットシステムを中心にして、装置全体の設計最適化についても述べる。